
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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藤原和博氏:もうちょっとしつこく「処理脳・編集脳」の切り替えをわかってもらうために、もう1つだけお題を出したいと思っているんです。その前に先ほどの図を、少し細かく解説しておきましょう。
(スライドを指して)処理力・編集力。左と右。簡単にいっちゃいますと、左側の情報処理力というのは「頭の回転の速さ」のことをいってます。右側は「頭の柔らかさ」のことです。頭の回転が速くて、頭が柔らかい子のことを「頭がいい子」といいます。大人も一緒ですね。
そして『10年後、君に仕事はあるのか?』という本の中で詳しく解説してありますけれども、この左側の仕事、情報処理のほうの仕事が、AI・ロボットにどんどん置き換わっていって、10年から十数年でなくなっていく仕事になります。
なので、我々は「基礎的人間力」という人間の魅力、ロボットにはできない人間の魅力。「微笑みがすてき」とか「その人がいるだけで癒やされる」みたいなことを含めて、人間の魅力と情報編集力を鍛えることが肝要だと。なにかを生み出していく、クリエイティブでイマジナティブな思考法を鍛えていかなきゃなんないと。これは、もうおわかりになったと思うんです。
AI・ロボットは、この図の左側をなくしていくよと。そしてもう一つ、今日はおそらく子育て中の方もこれ見てるんじゃないかと思うので、ちょっと触れておきたいんですが。左側の「情報処理力」。「正解を当てる力」にとっては国語や英語の点数がすごく大事だったと思うんですが、それがこれからはおそらく「コミュニケーションリテラシーが高い子のほうが採用される子になる」だろうと。
例えばGoogleや世の中で伸びてる会社がどういう人を採用したいか? といえば、算数・数学の点数が高い子よりも、ロジカルシンキングのリテラシーが高い子のほうを採用するんじゃないでしょうか。
もしかしたら今日、企業の人事部の方も見てるかもしれませんが、頷いてるんじゃないかな。
それから理科の点数が高い子よりは、シミュレーションリテラシー。要するに「こういうことが現象として起こったら、次にこういうことが起こる」と予測できる力。例えば「天気図でこういう低気圧と高気圧があったら、明日は雨が降るでしょう」みたいな。あるいは「こういう社会現象が起こったら、株価としてはどんなことになるか」とか。そういう理科の点数が高い子より、シミュレーションリテラシーが高い子を採用するでしょうね。
それから地歴とか公民の点数が高い子よりは、ロールプレイングリテラシーというんですが、あらゆる社会的役割を自分の頭の中で再現できる能力。例えば営業マンであれば、お客さまのロールプレイができなきゃだめだし、編集者だったら読者のロールプレイができなきゃいい企画は出ませんよね。
それから最後に、体育とか芸術とか技術家庭とか情報とか、そういう教育を学校ではやりますよね。これ、国から「こういうことを教えてくれ」という指導要領に沿ってやってるんですが、実はすべて個人の側から見れば「プレゼンテーションリテラシー」ですよね。「ダンスで表現する」「パソコンで表現する」「音楽で表現する」「絵で表現する」。
そういうプレゼンテーションリテラシーが高い子を採用するようになると思うんですね。そのように、子どももそうなんですが、大人にとっても「情報編集力の5つの要素」、これを次世代を拓く「5つのリテラシー」と呼んでいます。
大人も、子どもも関係なく、この5つを磨くようにするといいですね。
では、ここで「処理力・編集力」について、再度のワークをやってみたいと思うんです。みなさん初対面で人に会う時に、すぐ名刺を出しちゃうますよね。そうすると、相手の脳の中でそれがどう処理されるかというと。
「この会社のこの役職の、この人なのね」というようなかたちで(処理される)。ひどい場合には、もう名前を言われても次の瞬間には忘れちゃいます。つまり、みなさんの印象は残らないわけです。営業やってる人に限らず、例えばベンチャーを起こすにしたって、対外的にいろんな折衝をすると思うんですが。
ではいったい、自分の印象をもっと強く残すためにはどうしたらいいのか? という話をしたいんです。自分の印象を強く残すためには、相手の脳の中で「編集が起こること」が必要なんです。それはどういうことかというと「あ、ここに共通点があった」とか「ここにしまっておこう」とか。なので名刺を出しちゃうと、処理されるだけなんで、覚えてもらえません。
みなさんのキャラを乗せて、名刺を出す前に「自分はこういうキャラの人なんだ」ということに、ちょっと触れてほしいんです。「キャッチフレーズ型の自分プレゼン」もしくは「つかみ型自分プレゼン」というんですが、どうですかね。
初対面の人に会う時に「自分はこういう紹介の仕方をしている」「自分はプレゼンをこういうふうにしている」というのがあれば、チャットで寄せてもらえますか。
名刺を出すんじゃなくて「自分の売りは○○です」とか。僕みたいに、例えば有名な歌手とかタレントに似てれば、それを使ってもいいですし。あるいは名前が非常に複雑で難しい人は、その読み方を教えながら、その読みの“いわれ”みたいなものをコミュニケーションとして乗せていくということも、ありじゃないかと思うんです。
つまり「情報処理力」のほうで紹介すると名刺になっちゃうんだけど、「情報編集力」のほうで紹介し、相手の脳の中でも編集されるプレゼンというのは、ちょっと“遊び心がある”ということなんですよ。
遊び心を働かせてもらって、ちょっと付加価値のある“自分プレゼン”をやってみてもらえますか? 3、2、1、はいどうぞ。
「横浜の○○」「猫ひろしの舎弟です」。「どうもどうも。いろいろ黒いKJです」なるほど。「天才です」「みなさんのお母さん、マザーと呼んでください」「ドイツ語でプレゼンしちゃう」いきなり。
ということで、練習すればするほどみなさんの情報編集力を上げることにもなるので、ぜひ練習してもらいたいと思います。
相手の脳の中で編集されなきゃいけない。それで、僕がかつて「あすか会議」でやったプレゼンの中で、ものすごく評判のいい箇所があるので、ここで繰り返します。
僕がさだまさしにつなげて、自分のプレゼンしましたよね。それはなぜかといえば、さだまさしというイメージが、たぶん多くの人の脳の中にあるでしょ。なので、それをいじったわけです。いじって、自分は「教育界のさだまさしといわれています」と伝えましたよね。
こういうのが“プレゼン”というわけなんです。自己紹介というのはそれに対して「自分の頭の中にある『自分はこういう人でこういう人で……』」というのをひたすら述べること。これもし、プレゼンツールとして例えばPowerPointを使ったとしても、自分の頭の中にあるものを述べるだけではプレゼンとはいわないです。これは「解説」「エクスプラネーション」と呼びます。
プレゼンというのは「相手の頭の中で起こること」なので、プレゼンといった瞬間に相手の頭の中に“映写室”があると思ってください。そこに、自分が「相手に思い浮かべてほしい映像を映し出せるかどうか?」という話なんです。
なので僕の場合には、あなたの脳の中に記憶されている「さだまさし」イメージをいじることで、相手の頭の中にあるイメージを編集していることになる。それで好ましいイメージが伝わるわけです。
これすごく大事な話で。もし、さだまさしを知らない相手にこれを言ってもしょうがありませんよね。北島三郎さんのことを知らない人に「沖縄の北島三郎です」と言ったら、ひかれて終わっちゃいますから。
なので、僕は小学生がたくさんいるような場では、ああいう登場の仕方はしないんですね。相手の脳の中で、どういう言葉使いがあるのか。「ABCなのか」「PQなのか」「XYZなのか」。その中で「AとPとXは好ましいけど、BとZがバツだ」みたいな。
相手の世界観をきっちり探った上で、相手が好ましいと思う要素を使って編集してあげる。そうするとプレゼンはたいてい通ります。これがプレゼンの極意です。この箇所は非常に人気なんで、繰り返しました。この部分だけ、知見録では取り出して5分ぐらいのビデオにもしてると思うので、ぜひ繰り返し見てみてもらったらと思います。
さて、ここから次のスライドに移りますね。僕のことをかつてホリエモンから聞いたり、キングコングの西野(亮廣)さんから聞いたり、SHOWROOMの前田(裕二)さんから聞いたりした人もいるかもしれません。
それは残らず、次の「3つのキャリアの大三角形で、100万分の1の人材になる」という考え方を彼らが非常に気に入ってくれて、いろんなところでPRしてくれたからなんです。ここまでは「情報編集力」というのが1つのキーワードでしたけれども、もう1つのキーワードをここで出しておきたいと思います。
僕のYouTubeをご覧になってる方は、このキーワードがなんなのかわかると思うんですけども。みなさんおそらく、今より稼ぎを上げたいと思ってるでしょう。どうですか? 僕からは見えないんですが、今より絶対に稼ぎを上げたいという人は手を上げてみてください。
会場はどうですか? 上がりました(笑)。まぁ「もうこれ以上いらない」というお金持ちと友だちになりたいな、という気もしますが(笑)。ほとんどの人が「稼ぎを上げたい」と思っている。ところが、みなさんは“稼ぎの本質”というものについて、学校でも教わってないし会社でも教えてくれないし、親も教えてくれないですよね。
なので、(スライドを指して)この図をいつも出しています。「あ、これ出てきたな」というような感じで、馴染みの人もいるかもしれません。「日本人の時給→100倍の差」と書いてます。今日初めての人ばっかりじゃないと思うので、さらっと解説してしまいますね。
これは、日本人の稼ぎというものを時給1時間あたりの付加価値レベルで並べたものなんです。左隅、高校生でバイトすれば800円から1,000円ぐらいですよね。コンビニでもハンバーガー店でもいいんだけど。それが非常勤であっても、例えばプログラミングがちょっとできるとか、コンピューター系の仕事になると、2,000円ぐらいに時給が増えていきます。
それで3,000円から5,000円のところに、サラリーマン、公務員、そして教員というのがあります。これは「自分の年収割ることの年間総労働時間」で割り出せます。2,000時間とか2,500時間とか3,000時間ぐらいじゃないかと思うんですが、計算してもらうと自分の時給が出てきますから。だいたいこのあたりに入ってくるんじゃないかと思うんですよ。
年収400万円の人で、2,000時間働いてたら時給2,000円。年収1,500万円の人がいたとしても、年間3,000時間働いていれば、時給5000円ですよね。
そして、右側にエキスパートの領域が出てきます。例えば大工さんでも、家1軒まるごと建てられる棟梁だったら時給1万円とか。そして弁護士も、最近は弁護士になっただけじゃ食えないんですが、お客さんがついてる弁護士だったら時給3万円ぐらい課金しますね。さらにマッキンゼーの世界レベルのシニアコンサルタントなんかが、だいたい時給8万円ぐらいのレベルです。
もちろん有償無償のボランティア。尊い仕事が左側の「時給を問わない存在」にありますし。また、右側は起業家とかスタープレイヤー、これは「時給を超えた存在」になる。こういった存在を両サイドに置いてますが、普通に日本で仕事をすると、だいたいこういう並びになると思います。800円から8万円まで100倍の差があるわけです。
稼ぎの本質を知るってどういうことか? みなさんは左から右に行きたいわけです。そうすると、この「左から右へどうしたら行けるか?」というのが鍵になりますよね。これをみなさんに考えてもらいたいわけです。考えてもらった結果を、またチャットにフィードバックしてほしいんです。
さぁ、何が鍵だと思いますか? 左から右に行きたいわけですよね。じゃあ「なにが上がると、左から右に行けるのか?」。この表を見るとなんとなくわかるんですね。「技術」って頭に浮かべている人はいっぱいいると思うんですが、技術ではないです。技術だとすると、この横軸で比較できなきゃいけないわけですが、例えばIT系と書いてあるプログラミングができる人も、たぶん時給200円から2,000円、2万円。もしかしたらゲームを作ってるプログラマーなんか、もっとかもしれませんよね。というようなかたちで、技術や熟練度は縦軸に並んでるんですね。
そして、どうでしょうかね。庭師なんかも、時給200円から1万円。もしかしたら時給5万円とか10万円とるような、そういう宮大工系の人もいるかもしれません。というわけで、技術は縦軸ですね。では、いったい横軸を支配するのはなんなのか? 本当はここでもブレストしたいなと思うんです。脳をつなげて、人の知恵や技術も自分のものとして手繰り寄せるというのが情報編集力の一番大事な技術なんで。本当は他者と脳をつなげて自分の脳を拡張するというのをやってほしいんですけれども。
また来年、リアルな場があればぜひ一緒にやりましょう。今日は1人で1人ブレストしてもらってね。脳を拡張してもらって。じゃあこれ、なにが鍵なのか? です。左から右に行くためには、なにを上げればいいのか?
「実行力」「人を動かせる力」「情報処理力と編集力のスピードの速さ」「需要供給のバランス」「チャンスをものにする力」「自分ではできないこと」「発想力」「スキル」「希少性」「スピードと特異性」「影響力」。いっぱい挙がりました。
ここに答えがあるんですわ。「希少性」です。この図、もう一度見てみてください。
左側はマニュアルワークですよね。英語では「マックジョブ」というような言い方もあるんですが、みなさんがこれを仕事にされたとしても、他の人にもできますから。これは入れ替えられちゃいますよね。それが右へ行くにしたがってどうなりますか? 「かけがえのなさ」が上がっていきます。
一番右側は「指名買い」ですわ。例えば「サトウイチロウさんじゃなきゃ絶対だめ」「サトウイチロウさんだから頼みたいんだ」という、そういう先方からのお願いになると思うんですね。というわけで「かけがえのなさ」が上がっていく。つまり時給というのは仕事の値段ですよね。「仕事の値段も、需要と供給で決まる」ということが、これでわかるんじゃないかと思います。
みなさんは、これから需要が増える分野で、できるだけ供給が少ない仕事にシフトするといい。こういう話になりますよね。答えは「希少性」でした。
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