2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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桜木彩佳氏(以下、桜木):ありがとうございます。どんどん次にいきますが、やりたいことの見つけ方みたいなことで、同じようなかたちだと思ったんですが。
「新入社員の時はキラキラして楽しかったお仕事。勤めて6年、飽きたと言えばいいのか、楽しくなくなってしまっている自分がいます。一度きりの人生、自分のキャリアアップも視野に入れて、もっと肩の力を抜いて楽しんでお仕事ができるようになりたいと思っています。しかし何をする……? と漠然としています。まずは何から踏み出したらいいでしょう?」
「やりたいことが見つかりません。どうしたら見つかりますか?」
阿部広太郎氏(以下、阿部):そうですね。
桜木:現状がマンネリというんですかね。打開策的な新しい光が見えていない状況ですよね。
阿部:仕事のことを恋愛に例えてみると、すごくいいなと思う人に出会う……。教室の中ですごくいいなと思う人がいなかったけれども、ある日、突然に道ですれ違った人を素敵だなと思ったり、部活とかどこかにいった時に何か新しい出会いがあったりして。
そこで魅力的な人に出会うというのがあると思っているんですけど、仕事も似ていると思ってて。基本的に「なんか見つかってない」というのは、自分の中に出会いの数がまだまだ足りないというか、少ないんじゃないかなと思っていまして。
やりたいことが見つからないなら、まずたくさん何かをやったほうがいいなと思っています。デパ地下とか、最近は少なくなってると思うんですけれども、試食ってよくやってるじゃないですか。同じだと思うんですよね。試してみる。試食して合うか合わないかを、一口でもいいので自分の中で試してみる機会の数を増やしていくことが、まずはあるかなと思っています。
阿部:もう1つ、何から踏み出せばいいか? というところでいうと。この方はキャリアアップも視野に入れられているということなので、もし今やられていることでキャリアアップしたいということであれば、まず資格ってありますよね。
勉強して認定書を取ったりとか、そういう資格を取ってみるみたいなこととかは1つあるでしょうし。自分の今やっていることと違うところで、できることを増やしたいということでいうと、スクールだったり。今だったらイベントだったりカルチャースクールだったり、いろいろありますよね。
自分の興味あるジャンルの中でおもしろそうだなと思ったものを、まず1回試してみる。もっとやりたいと思ったら、そこに深掘りしていったりとか、沼にはまっていけばいいなと思うので。
何をするか? という部分の答えは私にはなくて。それはあなたの中にあるから、自問自答する中で、自分が出会うものや人を増やしていって。その中で興味のあるものを深掘りしていくとか、魅力的だなと思う人がどんな仕事をしているのか調べてみたりとか。そういった中で、きっと見えてくるのかなと思いますね。
桜木:「試す」ことをハードルに感じている雰囲気もありますよね。「踏み出す」という言い方をされている。なので、その試し食い的な感覚で。そんなに深刻に「自分は本当に、この仕事を選ぶのだろうか?」みたいなことではなく「なんとなく興味あるから顔を出してみる」みたいな感じから始まることもあるのではと。
阿部:そうですね。つまみ食いというか、今はコロナによってオンラインのイベントとかが増えたので。自宅にいながら、有料のイベントでもポチッとクリックするだけですから。本当に本当に、ワンクリックでその世界を覗き見してみるということが……。
それで、自分で感じたことを信じて。右に行くか左に行くかを、見つけていくってことなのかなと思いますね。
桜木:ありがとうございます。そして阿部さんへのご質問がいっぱい来ていて。「阿部さんはどうやっていましたか?」みたいな内容が多かったんですけれども、ちょっと読みますね。
「いつフリーランスになってもおかしくないほどご活躍の阿部さんですが、会社に籍を置きつつ自由に動き回るために、一番大切にしていることは何でしょうか」
あとは
「仕事だからやるという、マイナスなモチベーションでも仕事をしてしまっています。阿部さんは自主的にもお仕事と似たような企画をされていると思いますが、モチベーションを意識して仕事をされることはありますか」
この後にもけっこう、モチベーションの話が多くって。
「興味が多すぎて、時間が足りないなと感じることが多いです。阿部さんは丁寧に興味をつないでいるように見えるのですが、どうされているのかお伺いしたい」
「会社は副業を禁止していますが、興味の幅が広くあり、いろいろとやってみたいことがあります。転職・起業を視野には入れていないけれども、副業が禁止されている中で自分のやってみたいことが見つかった時、阿部さんはどのように考えて決断されますか?」
あとは、こういう企画の作り方。こういうこともいただいているんですけれども。すいません、パラパラと。
阿部:そうですね。ありがたいというか、そういう「独立しないの?」って、冗談めいたかたちで言ってくださったりすることもあるんですけど。会社にいることが、ストレスじゃないんですよね。ストレスじゃなくて、刺激になっているというのが会社にいる理由で。会社に所属するということは、自分の時間を預けている。平日の時間を会社に預けて、その代わりやらなければいけないこととか、やりたいことを見つけていくという時間を預けている。
僕はその会社にいる時間、組織の中で働いてる時間がもしもストレスだったら、やっぱり「場所を変えたいな」とか「やめたいな」とか「この部署じゃなくて、違うところなのかな」と考えたりもするんですけれども。
そういう時間がすごく刺激になっているし、自分の中でもまた新しく触発される何かがあるので働いていたいと思っています、と。
阿部:会社に籍を置きつつ、自由に動き回るために一番大切にしてるのは何かと言うと「決めつけないこと」だと思うんですよね。
みなさんも組織・会社で働かれている人が多いと思うんですけれども、何か「こうじゃないといけないんじゃないか?」とか、見えない目線みたいなものに「自分はこうしておかなくちゃいけない」って縛られてしまうこととかって、あると思うんですよね。なんか「こういうことをやったら怒られるかな?」とか。
もちろんそれが、はっちゃけすぎていたら怒られたりすると思うんですけど、自分なりの誠実さを持って、やりたいことを大切にして。プラス、やっぱり休日の時間とか平日の夜の自由な時間に何をしようが……。
例えばNetflixを見て、すごくおもしろかったから熱量をこめて感想を言うのだって、別に自由ですし、それを縛られはしないですし。休日の時間に誰かとキャンプに行くとかカラオケに行くとか、サーフィンに行くとか。誰にも邪魔されないじゃないですか。そこを禁止してくる会社の人は、いないと思うんですよ。
なので、大事にしていることとしては、自分のやりたいことが何なのか? ということを見つめて。それを見つめた上で、僕自身は企画を通じて変われたので。そういう変われる人を増やしたいと思ったから、土日の時間を通じてコピーとか企画の講義をしたりするという時間が、幸せなんですよね。
やっぱり趣味みたいなものが、とても大事な気がしていて。趣味としてやっている、その結果として、(周囲が阿部氏に対して)「たくさんいろんなことをやられているな」と思ってくださっているんじゃないかなということ。そういう印象を抱いていただけてるんじゃないかなと思います。
阿部:その間のモチベーションもやっぱり大事で、仕事だからやる、と。僕も書籍の『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』に、先輩から教えてもらった「仕事の4つの分類の仕方」というのを書いたんですよ。
「仕事というのは、自由度が高いの・低いのと、予算がたくさんあるの・少ないので4つに分けられます」という、自分が教えてもらったことを書いたんですけれども。自由度が低くて予算があるというのは、義務の仕事。やらなくちゃいけない。でもお金をもらえるから、ちゃんとこれはやらなくちゃいけない。でも、ちょっとつまんないな、みたいな。そういう義務の仕事って、あると。
自由度がめちゃくちゃ低くて、予算もないみたいな。そんな毒まみれみたいな仕事も、やっぱりあって。ワクチンみたいに耐性はつくんだけど、やり過ぎるとやっぱり、どんどん毒されていっちゃうみたいな。
予算がたくさんあって自由度がたくさんあってというのは、やっぱり著名な人とか大御所の人に仕事がいっちゃって。チャンスなのは、予算がぜんぜんないけど自由度の高い仕事。「何かおもしろいことをやりたい」と思っている人は世の中にもたくさんいるから、そういう人に出会えることが大事なんだと。
チャンスと呼ばれているものって、やっぱり「人に出会えること」が大事だから。自分が「SNSとかで活動して、人と出会うことが大事なんだ」ということを本でも書いたりしているんですけれども。それもやっぱり、モチベーションがすごく重要だなと思っていて。
「0円でもやるというモチベーション」とか「とにかくやっているのが楽しいんだというモチベーション」って、誰しも自分の中に必ずあるはずなんですよ。そういう源泉みたいなものがあって、そこにたどり着くことをとても大事にしていて。
でもやっぱり、義務だからやらなくちゃいけないという時もあるんですけど。そういうのもありつつ、それ(とにかくやるのが楽しい仕事)が少しでも多くなるように、自分のモチベーションを高めつつ仕事として成立するし、お金もちゃんともらえるようなものを増やしていこうという意識では、いつもいますね。
桜木:そのバランス感というか……いつも自分で俯瞰的に「今は義務が多いかな」とか「今月そうだったから、来月は楽しい仕事を増やしたいな」みたいな。
阿部:「やらされちゃってんな」みたいなことを意識しているのと。これは僕自身が、そういう「企画すること」とか「誰かに喜んでもらいたい」とか「コピーを書いて、ワッと驚かせたい」「喜んでもらいたい」というのが、半ば趣味みたいなところもあるので。ちょっと特殊なところはあるかもしれないんですけど。みなさんも、なにか趣味があると思うんですよ。
漫画が好きでもいいです。本を読むのが好きでも、映画を見るのが好きでも、何でもいいんですけれど。そういうものを発信し続けていると「あの人に話を聞きたい」という人が必ず現れるので、それを僕は見つけてほしいなと。モチベーションが高まる何かというのを、持っていてほしいなと思いますね。
桜木:そうですね。あとは、(スライドを指して)上2つの質問。
「興味が多すぎて、時間が足りないなぁと感じることが多いです。阿部さんは丁寧に興味を繋いでいるように見えるので、どうされているのかお伺いしたいです。」
「会社は副業を禁止していますが、興味の幅が広くあり、色々とやってみたい事があります。転職、起業を視野は入れていないけれども、副業が禁止されている中で自分のやってみたいことが見つかった時、阿部さんはどのように考えて決断されますか?」
こちらは、たぶんいろいろに興味がありすぎて……。
阿部:いいことですよね。
桜木:これは逆に「ありすぎるんです」という前提で。その中で、どうまとめていくのか? また、副業としての仕事が禁止されている環境の中で、それにどうやってトライするか、関わる接点を持つか? みたいなことだと思いますね。阿部さんの場合はどうされます?
阿部:そうですね。一番上のものに関しては、こじつけですよね。もう全部こじつけて、自分なりに心地よくこじつけられる理由を探したりとか。「この案件、もしかしたら自分が好きなアレと組み合わせると、めちゃくちゃテンションが上がるかも」みたいな。
お仕事をどう取られるか? だと思うんですけれども。それぞれの仕事って「どういうゴールを描くのか?」というのを、その人に一任されていると思うんです。「どういうコースを走ってゴールしようか?」というのは、自分で決めることもできると。
なので、自分なりに興味があるところとかつなげたいとかを、そういうコースを走れるようにうまくこじつけられないかな? なんて、いつもいつも考えているので。質問いただいた方も、興味が多すぎるというのは、逆にいろんな選択肢がたくさんあるということなので。すごくポジティブに捉えていただきたいなってまず思いました。
桜木:(スライドを指して)一番下の質問の下の2つ「自分のアウトプットに自信を持つには」と「モチベーションの上げ方」みたいなものも、その辺につながるような絡め方というか、自分の興味とやらなきゃいけない仕事の……。
阿部:自分なりに、コース選択はできるんで。
桜木:それができたらきっとテンションが上がるというか、モチベーションが上がると思うんですよ。くっついたみたいな感じで。たぶんそこですよね。
阿部:そうですね。メディアの仕事されてる方で取材したい人がいるんだったら、取材依頼を出すのはタダだし。そこでもちろん勇気もいるだろうし、ドキドキもするだろうし。本当に好きな人こそ、一緒に仕事することってめちゃくちゃ大変だとは思うんですけれども。
でも仕事の醍醐味ってそういうところにあるなというか。好きなことを仕事にして、好きな人と一緒に何かできたりとか。好きなものを堂々とやって言い訳ができる。そういうところが、仕事のいいところだなと思うので。
うまく自分の好きなところに接続しちゃっていいし。こじつけていってほしいし。僕はいつも人生の経験を「伏線を回収していけると楽しくなる」と言ってるんですけど、自分の好きなこととか楽しいこととか、やってておもしろいことの伏線を回収していってほしいなと思いますね。
桜木:とってもいい話。
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