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Withコロナ時代をチャンスに変える戦略(全4記事)

コロナ禍が動かした、世の中の“開かずの扉” 変化の時代のチャンスのつかみ方

2020年、オンラインにて開催されたIVS(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット)において「Withコロナ時代をチャンスに変える戦略」について、オイシックス・ラ・大地株式会社 髙島宏平氏、ドリコム 代表取締役社長 内藤裕紀氏、株式会社ビービット 東アジア営業責任者 藤井保文氏、READYFOR株式会社 代表取締役CEO 米良はるか氏がスピーカーを、株式会社プロノバ 代表取締役社長 岡島悦子氏がモデレータを務めて語り合いました。本パートでは「意識して動くべき“扉”」「新しい世の中で、絶対なくてはならない存在」などについて話します。

意識して動くべき“扉”

岡島悦子氏(以下、岡島)さっき前倒しみたいな議論もありましたけど、やはりここって、高島さんも言っていたようにベンチャーが音頭を取って大企業を巻き込んでいく。または行政を巻き込んでいく。あるいは社会起業家の人たちを巻き込んでいく時に、ベンチャー企業もリーダーシップというか。さっき拙速とおっしゃっていましたけど、スピードの速さみたいなものがすごくリーダーシップに効いてくる。

「この機だからやろうよ!」って、今までだったら「稟議に時間が」と言っていた企業もすごく乗りやすくなっていて。

今回「IVS起爆剤」みたいなことを言っているんですけど。今のお話をうかがっていると、ベンチャーが業種あるいは領域を越えての起爆剤になるチャンスだったかなと思いますね。

米良はるか氏(以下、米良):私もコロナ禍が始まるタイミングで、孫泰蔵さんと話をする時があって。今、事業が大変な人たちも多い中で「私たちは何をやっていけばいいかな?」という話をした時に「今までだったら開かなかった“扉”を意識して動け」と言われたんですよね。

こういう時だからこそ、まさに大企業の意思決定が速くなるとか、行政で今まですごく時間がかかったりとか、入札だの言っていたところが、どんどん変化していく。それを意識して。

私たちは別にコロナのためだけにやっているものではなくて、みんなで共に協力し合うような社会を作ることを大事にしている会社なので「巻き込まなきゃいけないプレーヤーたちがどこにいて、そこをどう味方につけていくのかを意識して動いたほうがいい」と言われて、それはすごくいいアドバイスだったなと思います。

すべての変化をチャンスと捉えるマインド

岡島:ありがとうございます。実はあと残り5分となりまして(笑)。

まだ2時間くらいしゃべれるんじゃないかなという気がするんですけれども、お一人ずつ、締めのひと言をいただきたいなと思っていまして。スタートアップ全体を考えた時に「ピンチをチャンスに」というものも出てきた気がするので、それを踏まえて締めのお話をお願いしたいなと。どなたからでも大丈夫です。

髙島宏平氏(以下、髙島):私からいいですか? ちょっと前に、当時のセブンイレブンの会長の鈴木敏文さんと対談したことがあって。その時に確か、消費増税でセブンイレブンが一人勝ちした直後で無敵だなと思っていたので「何が鈴木会長にとって怖いことですか?」と聞いたら「世の中に変化がないことです」とお答えになったんですよね。

岡島:素晴らしい。

髙島:消費増税とかすべての変化。それをチャンスと思って世の中を見ているんだなと「すげーな」と思いました。あと、ベンチャーのスピードの話しましたけど、流通の王者もそれくらいのスピード感を持ってやっているので、それを上回るスピードを僕らが出さないと、一生追いつかないなと思っていて。スピードは僕らだけの特権ではないから、それを上回るスピードをみんなで出して、チャンスをつかんでいきましょう。以上です。

IVS参加企業にとって、コロナは追い風

岡島:ありがとうございます。それでは他の方、いかがでしょうか。

藤井保文氏(以下、藤井):じゃあ、藤井いきます。最後に言っていたような、政治とか社会とか社内とかを一気に動かすみたいなこともそうですし、私は日本のDXの支援をしながら、アフターデジタルの中でOMOみたいなものを取り上げている時に、やはりオンラインとオフラインって、ノウハウがぜんぜんないし、オフラインの人たちはオンラインが本当にわからない中で。

そこにうまく補完関係を作って、同じビジョンを共有しながら、エコシステムみたいにできているプレーヤーはやはり強いし、このコロナ禍においてもよい対応をしているように思えているので。今日のお話のまとめという意味合いでは、社会全体を合わせながら補完的な関係を作っていくみたいなことが今後見られるといいし、加速できるといいなと思っています。ありがとうございます。

岡島:ありがとうございます。

内藤裕紀氏(以下、内藤):じゃあ、僕のほうから。ちょうど各社、決算タイミングで。僕は各社の決算見るのがけっこう好きなので見ているんですけど。短期的には、よくも悪くもコロナによる影響がバラバラと出ているなと思っているんです。

中期的にはたぶん、僕らのIVSに参加している会社さん全社にとっては追い風でしかないかなと思っていて。短期の影響はさまざまだと思うんですけど、中期的には提供している価値自体がもっと求められていて、かつ早送りになっている。

さっきお話したように、3年、5年を前倒ししていると思っているので、自分たちがやっている価値を信じていれば、みんなにとって追い風でしかない。みんなでどんどん前に進めばいいし、業界全体で僕たちの産業の認知がもっと上がって求められていく。業界全体として大きなチャンスじゃないかなという気はしますね。がんばっていきたいなと思います。

岡島:ありがとうございます。いいですね。めちゃめちゃIVSっぽいですね。

内藤:(笑)。

新しい世の中で、絶対なくてはならない存在

岡島:米良さん、お願いします。

米良:今回、不可逆みたいなことがテーマになっていて。私もそれをすごく意識するきっかけになった、素敵な時間だったなと思っています。スタートアップでいうと、去年くらいまでは投資もすごく集まりやすかったし、けっこういろんな事業が生まれていたタイミングでした。

今年、コロナがあってCVC(注:コーポレートベンチャーキャピタル)がどんどん引いていったりとか、起業にとってはちょっとハードルが高い状況でもあると思うんですけど。一方でやはり、それくらい人々の生活様式や生き方が変わったり。

その中で「自分たちはどういうことを提供し続けると、新しい世の中で絶対なくてはならない存在になれるのか?」をすごく問われていて。

ここからの10年でどこが一番素晴らしいインフラ的な事業になっていくのかな、というところが勝負どころなんだろうなと思っているので。自分もがんばりたいし、いろんなスタートアップの人たちからも刺激を受けたり、いろんなコラボレーションをしていきたいなと思いました。ありがとうございました。

岡島:ありがとうございます。

とてもいいキーワードがたくさん出てきたんじゃないかなと思います。不可逆なモノとそうでないモノを見極めるみたいな話。あるいは、業界を横ズラしして、今まで持ってきたノウハウを前倒しして、その業界を変えていくみたいな話。そして、中国から学べること。それから、領域を超えて社会や個人や組織や業種を越境してスピードを上げて進めていくといったようなこと。

どう考えても、IVSの参加者のみなさんにとってはチャンスしかない。でも「うかうかしているとチャンス見逃すぞ!」ということも、スピードを上げていくべきじゃないか、ということもみなさんのご意見から大変示唆深く出てきたんではないかと思います。素晴らしいみなさんに拍手をお願いします。ありがとうございました。

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