2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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村上臣氏(以下、村上):みなさんこんばんは。また今日も始まりました「LinkedIn News編集部LIVE!」。
初めての方のために、最初に簡単なリンクトインの説明をさせていただきたいと思います。リンクトインは、社会人、ビジネスパーソン専用の世界最大級のプロフェッショナルコミュニティで、世界で7億人を超える人に使っていただいています。
日本では2011年から日本語版をスタートしました。ここ最近、かなり盛り上がってきています。リンクトインには「転職サイト」というイメージが強いかもしれないのですが、最近ではビジネス情報の交換、ネットワーキング、交流など、コミュニティとしての存在感が増しています。毎日、ビジネスに役立つ情報を得るために利用する人も増えています。
このライブもその情報提供の一環として、企画しています。毎回、リンクトインで積極的に情報発信をされている「インフルエンサー」をお呼びして、私と共に最新のビジネスのトピックや話題のテーマについて議論する番組です。
本日は、プロフェッショナル&パラレルキャリア、フリーランス協会代表理事の平田麻莉さんをお呼びして、新しい働き方、自律的なキャリアをどう作るかについて、聞いていきたいと思います。特にこのコロナ禍は、自分のキャリアをどうしていけばいいのかを考える良い機会になった方も多いのではないでしょうか。
そうした点を中心に、色々な働き方についてお話をしていきたいと思います。
村上:ではさっそく、平田さんをお呼びしたいと思いますので、よろしくお願いします。どうもこんばんは、平田さん。ようこそ「LinkedIn News編集部 LIVE!」へ。
平田麻莉氏(以下、平田):よろしくお願いします。
村上:よろしくお願いします。お忙しいところありがとうございます。
平田:いえいえ。
村上:いい背景画像ですね。
平田:ありがとうございます。事務局のメンバーが作ってくれました。
村上:そのQRコードは何が表示されるんですか?
平田:これはフリーランス協会で「フリーランスDB」という、フリーランスとか起業する方のイエローページみたいなデータベースを作っているのですが、私のプロフィールページにつながります。
村上:ありがとうございます。では簡単に、平田さんから自己紹介をいただいてもよろしいでしょうか。
平田:はい。フリーランス協会という非営利の団体の代表をしていますが、もともと私自身がフリーランスとして10年以上、色々な会社の名刺を持って仕事をする業務委託の働き方をしてきました。専門は広報で、企業や個人向けに、知名度を上げていくお手伝いをしたりしてきました。あとは、ビジネススクールの教材を作る仕事もしています。
村上:フリーランス協会を設立する前は、ご自身も大学在学中に企業の創業に関わったそうですね?
平田:そうですね。もともと、作られた組織に入るより、自分で何かをやっていきたいという思考が強かったので、大学3年の時に本当にできたてホヤホヤのスタートアップにインターンとして参加しました。そのまま、ベンチャー生まれベンチャー育ちという感じです。20代は本当に、会社人間でした。
その後、大学院に入って研究者になろうと思って、修士、博士に進んだのですが、この間にフリーランスの業務委託という形で、母校の広報の仕事を職員として担当したことををきっかけに、フリーランスの働き方を続けています。
村上:面白いですね。スタートアップで20代にガーッ!と仕事をして、一度アカデミックな世界に戻ったんですね。
平田:そうですね。
村上:何を専攻していたんですか?
平田:ビジネススクールで、いわゆる経営学の修士を取りました。博士課程で研究したかったのは、ソーシャル時代の世論形成です。広報がずっと専門なので、マスメディアだけではない、ソーシャルメディアが登場した中で、どう世論が作られていくのか。それに企業はどう向き合えばいいのかといった研究をしていました。
村上:なるほど。ドクターまで進むというのは、日本だと数としては少ないほうだと思います。これは何か、学びに対する特別な理由や思いがあったのですか?
平田:そうですね。物事を調べたり、分析して体系化したりすることが、昔から好きだったからかも知れません。協会の活動でも実態調査をしたり、それに基づいて政策を提言したりするのは、研究者になりたかった自分の知的好奇心やモチベーションが、違う形で表出しているのかも知れません。
もう1つは「会社に通う」「決められた時間に決められた場所に毎日、出社する」という働き方が、あまり自分に合っていないなぁと感じていたからです(笑)。ある意味、大学の研究者もフリーランスに近いんです。大学で決められたコマ数、授業はありますけど、それ以外の時間は割とと自分でスケジュールを組んで研究ができます。
それこそ副業で色々な企業の共同研究を受託したり、政府のアドバイザーをやったりできます。そうした活動をしている先生方が既にいたので、自律したキャリアという意味では、研究者もいいのかなと思っていました。
村上:なるほど。「会社に朝、行って定時で働く」といった、一般的な会社員の働き方が合わないと気づいたのはいつ頃ですか?
平田:そうですね。絶対無理というわけではないのですが(笑)。会社員の頃は、それこそ会社に寝泊まりするくらいの、仕事大好き人間でした。猛烈に働くことに違和感はありませんでしたが、作られたレールの上を歩いていくといった感覚が、あまり性に合っていないと感じたのかも知れません。
ですから、スタートアップで、本当にゼロイチで作るという仕事は楽しかったのですが、会社が一定の規模になってきて組織や制度が確立されてくると、物足りなさと言うとアレですけれども(笑)。「またゼロイチでやりたい」みたいな気持ちが生まれてきたのはありますね。
村上:コメントに「好奇心を満たす活動していたいんですか?」みたいなのも来ています(笑)。
平田:そうですね、はい。わりと好奇心ドリブンな働き方をしていると思います(笑)。
村上:ありがとうございます。そんな中で、フリーランス協会を設立するわけですけども、これはどういうきっかけで作ろうと思ったのですか?
平田:先程も少し触れましたが、博士課程の学生だった時に「学業優先でいいので、大学の職員としても働いてほしい」というオファーをいただきました。学生が本分で、社員ではなく業務委託という形でかたちで受けたのがきっかけです。
博士課程の学生だと、本の翻訳や執筆と、色々な仕事を先生からご紹介いただくこととかがあります。そのうちに、業務委託なら1つの組織・1つの役割といった制約なく、色々なことができることを魅力に感じたんですね。
もともと掛け持ち癖がありまして、大学時代もサークルを4つ、ゼミを2つとか参加していたので(笑)。そういう意味でもすごく合っていると思って、この働き方が気に入っていました。その後、出産・子育てを経て、ワークライフバランスという観点からも、柔軟に働き方を調整できることはいいなと思っていましたね。
2015年・2016年あたりからでしょうか。「そういう働き方いいね」と、周囲の、特に子育てをしているお母さん世代から言われることが増えてきまして。当時、ワーママ・オブ・ザ・イヤーという賞をいただいたりして、こういう働き方を志向する方が増えていると感じていました。
一方、社会保障を始めとしたセーフティネットの面では自信を持って「オススメだよ!」とは言えない自分がいたんですよね。私自身は自己責任としてこの働き方を選んで、気にいっているからいいのですが、みんなにその自己責任を押しつけるのは、オススメできなくて。
でも、これだけなりたい人が増えて、政府も1億総活躍とか、女性活躍とか言っているなら、社会制度側が新しい働き方に合わせていく必要があるんだろうなと。
ただ、そうした声を届ける存在が、当時ありませんでした。ですから、フリーランスの小さな声を集めて大きな声にしていくというのが、広報を専門とする自分が役に立てることではないかと勝手に思い込んで立ち上げました。
村上:現在のフリーランス協会はどれぐらいの人数になっているんですか?
平田:無料の会員さんが4万人。加えて、保険や福利厚生を使ってくださっている有料の会員さんが5000人ちょっと、いらっしゃいます。
村上:なるほど、じゃあコミュニティとしては数万人規模で、けっこうインパクトが出てきているんですね。
平田:そうですね。いろんな職種の方が参加してくださっています。
村上:「会社員とフリーランスの社会保障の違いが気になります」というコメントをいただきましたけれど、実際、どんな点が課題だと感じますか?
平田:そうですね。社会保障で言うと、人々のセーフティネットには、大きく分けて2つあると思います。1つは、健康や出産・介護、年金などのライフリスクに対するものです。もう1つが、安定的に収入を得られるかどうかという事業リスクです。
このうちの事業リスクについては、ある程度、自律した自営業者としてやっているフリーランスの方たちは、みなさん覚悟を持って、織り込み済みでやっていらっしゃると思います。
一方のライフリスクは、働き方を問わず、誰もが抱えているリスクです。私たちフリーランスには、ここに対するセーフティネットとしての労災保険や雇用保険がありません。雇用保険の中で、育児休業給付金や介護休業給付金は賄われるんですけれども。
健康保険も、フリーランスの大半は国民健康保険に入っていますが、そうすると傷病手当金や出産手当金がありません。こうした条件を働く人全員に中立なセーフティネットにしていきたいということを、フリーランス協会としてはずっと発信しています。
村上:日本も働き方改革の下、いろんな多様化をしてきているとは思います。昔に比べると、フリーランスを選ぶ方も増えている状況で、どの程度、条件は追いついていきているんですか?
協会として調査などをされていると思いますが、例えば他の先進国と比べて日本は働き方の多様化はどの程度進んだのですか? その辺の肌感はどうですか?
平田:そうですね。何と比較するかによりますけど、国際的に見ると、日本はまだまだ起業家も含めて、自分で事業をやっていく割合は少ないと思います。
アーティストも、ヨーロッパではしっかり職業として確立されていて、食べていける社会的地位もあります。しかし、日本ではまだ成功している人が少ないですよね。「会社員が是」という雰囲気や文化は、他国に比べるとまだ根強いと思います。
ただ「昔と比べて」ということで言うと、日本でもだいぶフリーランスに対する理解が進んだと思います。私自身、PR会社の時にインテリジェンスの広報を担当していたんです。
2005年とか2006年でしたが、当時「doda」をPRしていて、メディアの方々にサービスを紹介すると「え、それは登録する人が転職するためにお金を払わなきゃいけないんですか?」とか、そもそもの「転職する人ってなんでわざわざ転職するんですか」といった質問を日々受けていました。それくらい、人材紹介というサービスが認知されていなかったし、転職も一般的ではありませんでした。
履歴書も、なるべく綺麗、つまり転職歴が少ないほうが良いとされていました。そういったパーセプションを変えようと、私もPRのお手伝いをしていたわけですけれど、今は転職がまったく珍しいことではなくなりましたよね。
だいぶ人材の流動化は進んでいると思います。その延長として、独立や副業も増えてきています。同じ会社に一生勤め上げる以外の選択肢が広がってきているという意味で、この15年の変化はすごく大きいと思います。
プロフィールについていうと、すごく面白いと思っているのが、誰かを理解しようとする時に、今はリンクトインやFacebookなど色々なSNSがあって、まずそこでその人のプロフィールを確認するじゃないですか。そのプロフィールに、あまりにも変化がないと、なかなか理解の手がかりを得られないという印象があります。
別にそれが悪いわけではないんですけれども。「学生の時にその業界を志望して就活したんですね」ということ位しかわからないと思うんですよ。でも、転職していたり、同じ会社でも出向していたり、海外に行っていたり、部署がどう変わったとかが見えてくると、初めて、その人の思考や得意領域などが見えてくる。そういう情報が、リンクトインとかの登場によって、「見える情報」になってきたと思います。
そうなると、キャリアに何も変化のない人よりも、変化のある人の方が魅力的に感じたりすることもあるし、関心を抱きやすかったりします。その意味で、副業はある意味、自分の職歴に彩りを加える活動としても注目されていくのかなと思ったりはします。
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