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多様化するマーケターのキャリア(全3記事)

次のキャリアを考えるのは「手段が目的化した瞬間」 名マーケターが語る、転職のタイミング

「新しい価値観〜The New Rules〜」をテーマに、2019年9月11〜22日に開催された「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2019」。なかでも、多様化するマーケターのキャリアデザインについてのセッションでは、4名の登壇者が議論を交わしました。本パートでは「転職のタイミングは?」といった参加者からの質問に、登壇者が回答します。※折茂彰弘氏はすでにThe Breakthrough Company GOを退社されており、肩書きはや所属は当時のものです。

転職を決断するタイミング

藤田祐司氏(以下、藤田):ありがとうございます。それでは、会場のみなさんから質問を受けたいと思うんですけど、せっかくなんで(登壇者の)みなさんに聞きたいこととかってあったりします?

質問者1:おもしろい話をありがとうございます。みなさんのお話を聞いていて、いろんな職を経験されているんで、何回も転職しているんだなっていうのが驚きだったんですけれども。

転職とか実際に動くときの決断って、どんなタイミングでされたのか。プランニングしてそうなったのか、偶然的にそうなったのかみたいなところが興味があります。

鴨下豊氏(以下、鴨下):こういったものは、タイミングが非常に大きいものだとは思っています。自分の場合は「この会社で2年働いて次に転職するぞ」みたいに計画していったわけではなく。目の前の仕事に集中していて「飽きたな」というときもあれば、別に飽きずにやっているんですけど、いろんなご縁があって「あ、こういう世界があるんだ」というお話をいただいて。「だったらおもしろいかも」というケースもあるので。

あまりそこまでプランニングはしていないですけれども。あとはタイミング次第というところでやってきました。

藤田:タイミングってことですね。立川さんどうですか? 

立川麻理氏(以下、立川):私は最初の10年ぐらいはものすごくプランニングしていました。「それがあなたの仕事です」と上司から言われ続けていて、5年後10年後、60歳ぐらいまでのキャリアプランもすごい描かされていたので。それが当たり前ですし。

そのタイミングで上に上がれなかったり、自分のスキルが足りないときは、ちょっと今の会社だと限界なのかな? と思って、自分でアクションを起こしたりはしていました。

ただ、10年過ぎていろんな転機があって。実は私、働いてない期間もしばらくあるんですけれども。そういうのを経た後は、声をかけられて動くという。直近2つぐらいはそうなんですけれども。

「どう?」みたいな感じで、インフォーマルに会うところからスタートして。そこでだんたんと話が進んでいって決まる、と。

じゃあ何が決め手なんですか? と。別に積極的に就活しているわけではなくて、Amazonで十分楽しいことはいっぱいできるんですけれども。その決め手が、今の会社の場合は本社の上司が言った一言で。「目の前に一生に一度しかないチャンスが巡ってきたとき、あなたはどうするの?」と言われたんですよ。

「うちの会社、そういうのを提供するんだけど」みたいことを言われたときには、心がぐっと動いてしまって。実際に今の会社に入って、他の会社では経験できないいろんなチャンスが巡ってきて、いろんなことをやらせていただいているんですけれども。

そういうのが決め台詞でした。別に、なにか表現があれかもしれないんですけれども。動かなくていいというか、今でも満足しているんです。「その先になにかもっとおもしろい世界がありそう」っていうきっかけ作りをされた瞬間に、ちょっと心がざわざわと動いて転職しちゃったっていう。転職しちゃったっていう言い方なんですけど(笑)。まぁ、転職のきっかけとなった感じですね。

次のキャリアを考えるのは、手段が目的化した瞬間

藤田:ありがとうございます。折茂さんはどういうきっかけですか? 

折茂彰弘氏(以下、折茂):僕はそもそもキャリアがそんなに長くないので、あまり偉そうなことは言えないんですけれども。基本的には目の前の楽しそうなことをしつつ、ただ、振り返ってみると「手段が目的化した瞬間に次のキャリアを考える」って思っていて。

最初話したデジタルの制作会社で、当然Webサイトを作ってお金を儲けるというビジネスだったんですけど。その時、ちょうどソーシャルメディアが出始めたタイミングで。その中で、ソーシャル・デジタルで話題にするんだったら「別にサイト作らなくて、話題のコンテンツをポンって作れば話題になるじゃん」ってなって。会社の中での生きづらさを感じた瞬間に、じゃあもう1個上の広告代理店というところに行ってみようとか。

マッキャンにいたときも、やっぱり広告ってそもそも企業をエンパワーメントするものだと思うんですけれども。その後に一番エンパワーメントすべきスタートアップみたいなものを、やっぱり代理店というスキームじゃ応援できないなと感じたときに「それができるところってどこだろう?」みたいな感じでGOに転職したりするので。

その瞬間、その瞬間、自分にできることをなるべく全力でやっているんですけれども。振り返ってみると、手段が目的化した瞬間に、転職してたんだなっていうのは思います。

藤田:そこで決断していくということですね。なるほど。

僕の場合どうだったかなと思ったんですけど、今ここにいる4人がけっこう転職しているので、転職という感じの話になっちゃうんですけれども。結局キャリアチェンジとかって別に会社の外に出なくても、社内にいても社内転職で実現できるので。

「ただそのキャリアを変えていく」というのなら、必ずしも外に出る必要がないかなというのが1点。そして自分自身は立川さんと一緒で、最初の10年ぐらいはけっこう計画をしていて。僕が大学生だった時代って、第1期のベンチャーブームみたいな時だったので、けっこう感化されていて。

とにかく起業をしたいというところから社会人になっていたので。「20代で起業するためにどの道を歩むのが1番速いか」というところを考えて、ベンチャーだとインテリジェンスに入り。縁があったので、当時まだまだ赤字で潰れるといわれていたAmazonに、これはもう世界的なベンチャー企業だなということで入らせてもらい。

自分が起業するための最短の道みたいなものを考えて、その社内のキャリアとかも、とにかく早く決裁権を持つポジションに行くんだということをコミットしてやっていたんですが。

最近考えているのは、今、自分で会社を経営しているので、じゃあ転職するかっていうとそこはなかなか考えづらいんですけれど、やはり自分が楽になる瞬間っていうのがあって。しばらく同じポジションで仕事をしていると「あ、なんかこれも回せる」みたいな瞬間が訪れるんですね。

その瞬間になったら、内容を変えようというか、チャレンジを変えるとか、ポジションを変えようというのは常に考えています。

なので、いわゆるアンカンファタブルゾーンって、いわゆる快適じゃないゾーンに常に身を置くようにしたほうが、キャリアも変化があっておもしろいというのも。ちょっと変化があって疲れるんですけど、いろんなことが起こるので。「楽になってきたなと思ったら、(変えることを)考えるとき」というのが、個人的にはあるかなと思っています。

答えになっていますかね。大丈夫ですかね。ありがとうございます。

商材と消費者の接点がどこにあるのかを探る

質問者2:先ほど(折茂さんが)コカコーラのお話をされたときに、世間から見たコカコーラみたいに視点を変えて考えてらっしゃるみたいなことを、おっしゃったじゃないですか。

折茂:はい。

質問者2:そういう、作法みたいなものをお三方にそれぞれお聞きしてみたいんですけど。

例えばなにか1つの商材に対して、今回はこのマーケティングをしますとなったときに、みなさんがどんなアプローチをするのか。例えば、リサーチをします、いろんな人に聞きます、自分で買って試します。あるいはそれを数字に置き換えて比較しますとか。まずいろいろな取り組みをされると思うんですけど。

ご自身がまず新しい商材にバッと向き合うときに、どういうプロセスでそのものを理解するのか、考え方を深めていくのか。その作法みたいなものをお聞きしていきたいなと。

鴨下:自分の場合は、端的に申し上げれば「その商材と消費者の接点がどこにあるのかを探る」ことにつきるのかなと思います。

例えば、今は映画だったりとかエンターテイメント作品のマーケティングをしています。じゃあなぜ今、日本においてこの作品を消費者が見なきゃいけないのか。その理由はどこにあるのか。どうやって作り出せるのか。というようなところですかね。

リサーチももちろんデータを参考にしてやりますけれども、そこは人によって違うのかなと思うんですが。そのデータを踏まえつつ「じゃあこういう切り口で、この商品、この作品を提案するのはどうだろうか」というのは、やっぱりリサーチだけでは出てこないところだったりはするので。

リサーチ結果なり、その市場環境なりを踏まえた上で、じゃあこういう切り口ではどうだろうか? という、どちらかというと右脳的なところもあるんじゃないかなと思います。

質問者2:例えばご自分で考えて、それをチームにシェアしてみたり、みんなでワークショップみたいなことをやって作っていったり。毎回アプローチは違ったりするんですか?

鴨下:そこはケースバイケースだったりしますね。結局何が会社にとっていいかってことを、考えてやっていかなきゃいけないので。例えば、1回チームでブレストして「これで決まった」といっても、その後やっぱりこっちのほうがいいんじゃないかと思えば、そこはやっぱり変える。

従業員のエゴではなく、やはり会社にとって何が1番利益かということを考えるんであれば、それは方針を変えるべきだと思いますし。そこはあまりプロセスにとらわれず臨機応変にやっていくべきかなと自分は思っております。

自分の目で確かめることが大切

立川:私は消費財がキャリアのスタートだったので、ちょっと消費財的な考え方が染みついているところがありまして。まず商品を出すとなったら、やはり市場分析からスタートして、それで消費者分析をするんですけれども。

最近は顧客分析も自分のビジネスにとっては大事なので。直接消費者にものを売るのがメインではないので、代理店さんを通じて売ってるというところで、顧客分析をしていくと。

その手法は調査会社などでお聞きになればわかる内容なのかなと思うんですけれども。その中で私が大事にしているのが、やはり自分の目で確かめるということです。

現場に足繁く通って、いろんな人たちの意見を吸い上げます。その吸い上げる人たちをセレクトするのにもいろいろ考えて、いろんな質問も事前に準備して。そこでのディスカッション内容をさらに持ち帰って、調査に反映させたりとか。そういうことを繰り返し繰り返し行って、プロセスを進めていくと。そういう手順を踏んでおります。

仮説を立てることからスタートせよ

折茂:僕も、間違っているかもしれないですけど。僕としてはまず最初にすべきなのは、仮説を立てることかなと思っていて。今の世の中、ものすごい数のデータがあるので、なかなかそれをフラットに見ても、なにも発見できないことが多いかなと思っていて。

であればさっきお話ししたように「社会から見たときに、それってどういうサービスなんだっけ? どういうプロダクトなんだっけ?」というところから始まって。それだったら、もしかしたら今こういう人を助けるかもしれない。じゃあそういうことって、データとして立証できるんだっけ? とか。声として実際に上がってくるんだろうか? みたいなことをやることのほうが多いので。なにをするにも、個人的には確度の高い仮説を立てられるかどうかは、大事かなと思います。

藤田:僕の考え方、ちょっと違う感じの話かもしれないんですけれど。サービスの価値っていうのは、1つはプロダクト・商材の持っている機能性であるとか、多角性であるとか、その辺りの「持っている力」が半分ぐらいだなと思っていて。

もう半分はいわゆる「感情的な価値」がすごく大事だろうと。感情的な価値というのは顧客の方たち、ユーザーの方たちが、商材やサービスと向き合ったときに、どういうストーリーを感じるかとか。そのサービスのビジョンに共感できるか、みたいなところはけっこう大事だなと思っているので。

もちろん、商品自体がいいものであるというのが前提で。価格優位性があるとかそのあたりの条件はあると思うんですけど、その会社が今までやってきたストーリーであったりとか、その商材のビジョン。どういうビジョンで作られたものなのかというのは、けっこう深掘りして考えて。

共感が生めるようなコミュニケーションが設計できるかというところを、わりと最初に考える。なので、バリューがどこにあるのかについて掘って考えるというのは、やっています。

もし社会人1年目の自分に会えたら

質問者3:今、私は大学生で、4月から社会人になるんですけれども。みなさんがもし社会人1年目の自分に会えたとしたら、なんて声をかけるのかなというのが気になりました。

藤田:いい質問ですね。社会人1年目の自分に、今、声をかけるなら。

質問者:はい。アドバイスでもなんでも。

藤田:おもしろい質問です。

鴨下:社会人1年目の時は、ぜんぜん縁もゆかりもなかった関西支社にいきなり配属になって、社員の寮に入ったんですよ。ていうことで大変当時落ち込んでましたので、そういう意味では励ましてあげたいですね。

(会場笑)

立川:ちょうど今年の4月に新卒の方が13名ぐらい入ってきて、それを思い返していたんですが。たぶんこれから、学生時代と違って大変なこととか困難にぶつかることって多くなってくると思うんですね。けっこう迷っちゃうときがあって「私どうしたらいいんだろう?」みたいな。

そういうとき、会議の場でもそうですし、自分のキャリアもそうかもしれないんですけど、そのときに魔法の言葉があって。私の上司から教わったんですけど「目的って何?」っていうところを常に自分の起点として持っていると、たぶんこれから迷ったときも、自分の進みたい方向に進んでいけるんじゃないかなと思っています。

折茂:僕も1年目が制作会社の本当につらい仕事で。しかも当時まだ働き方改革とかいう言葉もなかったぐらいだったんで、本当に奴隷のように働いていたんですけれども。

ただ、自分が良かったなと思うのは、やるかやらないか迷ったらやるほうを選んでいたんですね。それが今に続いている気がするので。「迷ったらやってみたらいいんじゃない」と言ってくれた先輩がいたので、それと同じ言葉をかけたいかなと思います。

藤田:僕は、あんまり大きい声じゃ言えないんですけれども、新卒で入った会社がけっこう激しい会社だったんで。もう1週間帰らないとか、ザラな感じだったんですね。笑顔で働いてたんですけど、まぁまぁそのままがんばっていたら楽しいことあるよって。同じですね。

(会場笑)

がんばりたまえっていう。相当つらいかもしれないけど、たぶん僕の人生の中で一番つらかったのはあの新卒の1年だったと、今になって気づくんですけれど。あんなに大変だった時期はないので。そのおかげで、その後が全部楽に思えるぐらいハードに働いたので。そのままやっておけば後で楽になるよ、ということを思っています。

マーケターにとっての「NEW RULES.」

藤田:最後にみなさんに質問なのですが、今回SIWのテーマとして「NEW RULES. 〜新しい価値観〜」というのがありまして、そことかけましてという感じですね。

我々にとっての「NEW RULES.」とは何なのかということと、今後の展望、みなさんへのメッセージみたいなところをもってセッションを締められればと。

折茂:さっき出てたのが多様性というテーマだったんですけれども、僕はその先がわりと近いところまで来ているんじゃないかと思っていて。インクルーシビティとかいうこともあったりするんですけど。

多様性というのが、いろんなことがどんどんくっついていく、というか溶け合っていくみたいなことが、わりと早いタイミングで起こるだろうなと思っていて。

例えばデジタル・アナログだとか、男女とか、あと国籍とか。本当にいろんなことが価値観としてあるんじゃなくて、それがシームレスになっていく世の中。溶け合う世界みたいなことが起きたときに、何ができるのかというのを考えるのが「NEW RULES.」だと思うんですけれども。

そうすると本当に根幹がぜんぜん違うと思っていて。この間まで、いろんな本で「2.0」っていうのが流行っていた中で、アップデートじゃなくてまさに「NEW RULES.」というか。非連続な変化が求められる気がしているので。

そこに向けて動けるようにしておくことしか、今はできないかなと思っているので。そういったある意味でのトレーニングを積みながら、変化に柔軟に対応できたらなと思っています。

藤田:ありがとうございます。じゃあ立川さん、お願いします。

立川:私は8月に会社で派遣されて、ドイツのビジネススクールに行っていたんですけれども。そこで、昔ながらのリーダーシップマネジメントというような教材で勉強していたんです。

「リーダーの行動規範として重要な要素が2つあるので、これは学んで帰ってください」って言われてずっと繰り返しやっていたことがあるんですよ。それが、1つ目のアクションとしては「Ask Questions」といって「質問をしなさい」と。

「答えはあなたの中にあるのじゃなくて、人との対話の中で生まれてくるもの」なんです。それは仕事をしていく上で、どうしても自分の過去の経験とか、成功パターンみたいなところで押しつけるというような行動に、無意識のうちになっちゃってるんですけれど。「それってリーダーの資質として違うよね」というのが、気づかされたこと。

あともう1つはエンパシーといって「人の感情を理解して共感してあげたり、思いやりを持ってあげたりして、人の感情をもっと理解しなさい」というのを叩き込まれたんですね。

今までは、目標があってそれを達成することとか結果を出すことに夢中になっちゃって、けっこう刺々しく働いているときとかもあったんですけれども。そうじゃなくて、自分のチームをリーダーとしてまとめあげていくときに、やはりそういう、日本語で言うと「思いやり」的なこと。

他人の気持ちをちゃんと理解してくみ取って、それに寄り添って、その人を自発的にやる気にさせるみたいな。そういったものがリーダーにとって必要だというふうに、学んできました。

なので「Ask Questions」と「エンパシー」というのが、私の中での8月以降、すごく新しいルールになっていて。マーケターの方たちって、ビジネスをリードしていく立場に近いのかなと思っているので、そういったところも参考にいかがかな? と思っています。

藤田:ありがとうございます。ここで振ってしまうと、最後僕になっちゃうんで、先に僕が……。

(一同笑)

藤田:僕にとっての「NEW RULES.」って何だろうなって思ったんですが。今、例えばキャリア1つとっても、働き方改革だとか副業みたいなものだとか。どんどん変化していって、おそらく3年後とか5年後って、今想像をしていないような人たちが出てきたりとか。

我々の子どもの世代とかというのは、たぶん今はまったく想像できていない職業が生まれて、そこで活躍する人たちが出てくるんだろうなと思うので。変化していくところに、だんだん頭が硬直化していく気もするので、そこに対して柔軟で居続けるということ。そして、快適なところにいるとすぐそこから出て行こうとする、というお話を先ほどさせていただいたんですけれども。

ある程度、年齢とかキャリアを重ねていくと「(仕事を)回せるようになっていく瞬間」というのがあるので、そうなったときにどうやって外に出るか。変化に触れるかというところ。そこが、言葉尻だけ捉えると「そんなの当たり前でしょ」という感じなんですけれど、よりそこが求められる時代に入っているなという感覚があるので。

変化しているところに身を投げるみたいな。ちゃんとそこの感覚をつかんでおくということが、すごく大事かなと思いますし。やはりそのマーケティング、マーケターとして考えていったときに、そこの流れがつかめなくなると、もう戦略とか考え方がだんだん、古いよねみたいな感じになっていくと思うので。

全体的に変化に触れ続けるみたいなことが、今後より重要だなというふうに思ってますという感じですね。そして、締めを鴨下さんに。お願いします。

鴨下:先ほどの質問からの延長でもあるのですが、新卒1年目の自分に対してどういう言葉をかけるかということの中で、これも確かにそうだなと思ったのが。

自分自身、当時「がんばればこの先いいことあるぞ」と思いつつ、振り返れば当時の広告業界の中で、デジタル広告って伸びるべきだし、変化に対して自分がやっていることは正しいと思ってもいましたし。

働き方としても、こんなに毎日毎晩、終電過ぎまで残業している。これは正しいのかどうなのかという疑問を、常に思っていたなというのはありまして。

目の前の仕事に対して全力で取り組みつつも、でもやっぱり変化する状況に対して常に疑問をいだき続けるというのが、非常に大事なのかなと思っています。

あと、自分にとっての「NEW RULES.」というのが、たまたま(藤田さんが)おっしゃったこととかぶっていたのですが。「人として良い人にならないといけない」という、すごく当たり前のことを思っていて。

若いときはもうちょっと、仕事の成果だったりということを考えていたんですが。今の会社の上司だったりリーダーだったり、いろんな局面においてのコミュニケーションを見ると、やっぱり人として尊敬できる立ち振る舞いとかを目にすることが多くてですね。いかにいい人になれるのか、徳を積めるのかということを、最近よく考えていますが。

すぐ答えが出ないところなんで、今後も考えていきたいと思っているところでございます。

藤田:ありがとうございます。それでは時間になりましたので、この辺りでパネルトークのセッションを終わらせていただきたいと思います。改めまして、折茂さん、立川さん、鴨下さんに拍手をお願いいたします。ありがとうございました。

(会場拍手)

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