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another life.profile presents #1 ~withコロナ時代のキャリアについて考える~(全4記事)

複業で「二兎を追って二兎を得る」 西村創一朗氏×片付けパパに聞く、パラレルキャリアの実践術

新型コロナウィルスによって、テレワークやオンライン化が急速に進み、私たちは今、オンラインを前提とした新しいコミュニケーション、働き方にシフトしようとしています。“組織”と共存する“個人”の時代が、今後さらに進んでいくと考えられる中で、キャリアのかたちはどう変わっていくのか。今回は、家電メーカーに勤める傍ら「片付けパパ(R)」「片付け部長(R)」として活躍する大村信夫氏と、複業研究家の西村創一朗氏が、各々の働き方やコロナ前後の変化について語りました。(本イベントは、another life.主催により、オンラインにて開催されました)。

もともと片付けができなかった「片付けパパ」

大村信夫氏(以下、大村):聞こえていますか?

新條隼人氏(以下、新條):はい。聞こえています。

大村:はい。初めまして。私は「片付けパパ」の大村と申します。資料を共有しながらお話しをさせていただきたいんですけれども、私はふだん某家電メーカーで勤務をしております。会社から兼業の許可をもらって、「片付けパパ」という肩書きで活動しております。

私はみなさんより、若干年上かもしれません。1974年生まれ、45歳です。あと、高校生や小学生の子どもが3人おりまして、わちゃわちゃしている感じでございます。

私自身は片付けのプロ資格、「整理収納アドバイザー」という資格を持っておりまして、お部屋を整理するのはもちろん、そのメソッドを応用して、心や思考も整理していく、人間関係を整理していく、ということをお伝えしております。

片付けだけではなくて、最近は仕事の生産性向上や、パラレルキャリアの実践術などのお話もさせていただいております。ワークショップや研修がメインになっております。ありがとうございます。

(スライドを指しながら)ちょうどみなさんのメッセンジャーに、another life.さんのこちらのページにある私のプロフィールをお送りさせていただきました。ですので、ぜひよろしければクリックいただいて、見ていただければうれしいと思っております。

新條:ちなみにちょっとショートバージョンでけっこうなんですけど、例の片付けの資格を取ろうと思われたのって、どんな背景があるんですか?

大村:片付けは、うちは本当に家の中がぐちゃぐちゃでして……。

新條:(笑)。

大村:家族全員、片付けが苦手だったんです。なので、それによって家族間での争いとかもあったんですよ。朝の「靴下がない」とか「プリントがない」から始まり、「しょうがないな」と思っていたんです。

家の中だけでなく思考の整理もアドバイス

大村:けれども、あるとき、たまたま僕の高校時代の同級生で「整理収納アドバイザー」というプロの片付けをしている方がいて、実際に僕の家に来て片付けをしてくれたんですね。そうしたらすごく家の中が片付いて、散らかることがなくなってきまして、家族関係がすごく良くなったんですよ。

新條:なるほど。

大村:さらに、片付いただけじゃなくて、思考の整理ですとかそういうのまで応用できるというのがわかりまして、私もいろいろ勉強して、今それをみなさんにお伝えしている感じですね。

新條:なるほど。ちなみに(チャットに)コメントをいただいたんですけど、「その資格の取得に要した期間と費用はどれぐらいだった?」っていうのが来ています。

大村:1年ぐらいですね。費用はたぶん10万円近くかかったと思います。意外に難しかったです(笑)。

新條:今のお仕事で、法人向け研修をされていると思うのですが、物理的にお部屋を片付けるというよりは、それを何かに転用してお伝えすることが多いということですか?

大村:そうですね。僕は基本的に個人のご自宅にうかがうことはしていなくて、企業さんとかに行ってワークショップとか、仕事の生産性向上のための片付け術とか、そういうことをお伝えしていますね。

新條:なるほど。じゃあいわゆるタスクマネジメントみたいな話だったり、物事の整理みたいな話をされるということですか?

大村:そうです。

新條:(チャットで)「財布の中身も片付きそうですね」っていう、落語みたいなコメントいただいています(笑)。

大村:(笑)。ありがとうございます。

新條:なるべく、トークも整理気味に進めていければ(笑)。

大村:そうですね。こういうコメントはいいですね。チャットとか、やっぱりオンラインならではだと思います。

二兎を追って二兎を得る「複業」のエバンジェリスト

新條:確かに。ありがとうございます。じゃあ西村さん、お願いいたします。

西村創一朗氏(以下、西村):はい。みなさん、改めてこんばんは。複業研究家の西村と申します。大村さんと同じく、僕も複業という新しい働き方を広める活動をしております。すいません。僕も今、noteのプロフィールをチャットに送らせていただきました。

新條:ありがとうございます。

西村:簡単に自己紹介をすると、新卒でリクルートキャリアという会社に入社しまして、3年間法人営業をし、そのあと2年間新規事業開発をし、最後は新規事業開発をやりながら、採用担当として日々学生さんや転職希望者の方を面接する仕事をしていました。

それで、複業を始めたのは社会人3年目のころです。複業がきっかけになって、学生時代からずっとやりたかった新規事業開発の仕事にチャレンジできることになりました。僕自身が複業をきっかけに自分の夢を叶えたという原体験があって、「この複業という働き方を、もっともっと広めたい」と思い、リクルートで働きながら株式会社ヘアーズを2015年に創業しました。

ヘアーズは、「二兎を追って二兎を得る」という働き方を広めたいと思って、うさぎ(HARE)の複数形で「ヘアーズ(HARES)」という社名で創業しています。

僕は今までかれこれ1,000人以上の方の複業の相談に乗ってきたりとか、支援をしてきたりしています。その中で、複業という働き方を通じて自分の人生をアップデートするお手伝いをしているので、今日は本当にもうガンガン質問とかもいただきながら、いろいろお話しできればと思っています。よろしくお願いします。

新條:ありがとうございます。西村さんが最初に複業をしたのが社会人3年目っていうことは……そのときって、何年ですか? 

西村:2013年ですね。

新條:当時、周りにパラレルワーク的なことをされている方はいました?

西村:リクルートは複業OKの会社だったんですけど、それでもいわゆる複業というかたちで、リクルートの仕事とは別に自分の仕事を持っている人は、リクルートの中でも少なくとも僕の周りにはいなかったです。

本業で得た知識や知見を生かしてブログを立ち上げ

新條:なるほど。ちなみに西村さんが複業でされていたことって、本業とも関連することだったんですか?

西村:そうですね。本業と直接関連するわけではないんですけど、僕がやっていた複業というのが、ブログメディアを運営して、自分でドメイン取って自分でメディアを立ち上げるっていうことです。

本業で担当していたのがインターネット業界のクライアントです。サイバーエージェントや楽天といった大手インターネット企業から、スタートアップまで含めて担当していました。なので、インターネット業界に関する知識や知見があったんですよね。もともと好きだったし。

そういうのもあって、最先端のインターネット業界に関するニュースとか、あとは新しくリリースされたWebサービスとかアプリを紹介するブログをやっていましたね。それこそ、another life.を僕のブログで紹介した記憶もありますね。

新條:そうですね。本当に創業1ヶ月目ぐらいとか、それぐらいのものすごく初期に見つけていただきました(笑)。逆に「どうやって調べているんだろう?」と思いましたけどね。

西村:(笑)。

複業やユニークな働き方を広める2つのメディアを運営

新條:アルファブロガー(注:インターネットにおけるブロガーのうち、そのブログが大きな影響力を持つ者や、多くの読者を持つ者などを指す)的な立ち位置ですよね。NewsPicksとかも、すごく最初からやられています。ちなみに今のプロジェクトとしても、メディアとかをわりとやられていますよね? もしよかったら(お話を聞かせてください)。

西村:はい、引き続きメディアをやっていますね。大きく言えば2つやっています。1つ目が「HARES.JP」というメディアで、複業研究家として複業という働き方を広めるための、「二兎を追って二兎を得る生き方」をしている人をインタビューするようなメディアです。

あとは2つ目として「U-29.com(ユニークドットコム)」っていう……。とにかく僕は短い、手でも打ち込めるようなドメイン名にこだわるんです。

新條:なるほど(笑)。

西村:U-29.comは、アンダー29って意味で、29歳以下のユニークな働き方をしている人のインタビューメディアです。その2つをやっていますね。

新條:ありがとうございます。この辺は、もしかしたら今回来られている方のご関心に近いかもしれないです。今、チャットで貼っていただいたやつですね。

西村:そうですね。

新條:ありがとうございます。改めて、周りに流されずにご自身のキャリアを切り開いてきた方々のお話を、ぜひうかがっていければと思います。(スライドの)次のページをお願いします。

新型コロナによる外出自粛で「会社にクルナ」状態に

新條:というところで、最初はトークセッションというかたちで、改めてお二人にお話をうかがっていきたいと思います。いかんせん今回のテーマは、ストレートに「複業」というよりは、「こういうご時勢ですよね」っていうところに対して、ぜひお話をうかがっていきたいです。

最初に「コロナ前後で変化したこと」ということで、改めてお二人がどんな働き方やどんなお仕事をしていたのか、それが今回どう変わったのかという話を、順番にうかがっていければと思います。

例えば大村さん、いかがですかね? beforeの状態だと、個人活動があって、お仕事がありました。その影響の出方みたいな話とか、いかがでした?

大村:私は、大きく2つですね。家電メーカーのサラリーマンと、「片付けパパ」っていう個人事業主として活動しているという、2つがあります。

まずサラリーマンのほうは、この1ヶ月ほど完全に在宅勤務に切り替わっているんですよ。本当にもうコロナで「会社にクルナ(笑)」状態になっちゃっています。そんな感じで在宅勤務を始めた当初は不安があったんですけれども、正直、直近は大きな問題もないです。

新條:素晴らしい。

大村:業務は進んでいるどころか、かなり仕事の効率化ができていると思っています。本当に最低限の会議ですとかメールになっていますし、あとは(従来から)会議がけっこう多いんですけれども、すべてオンラインになったんですよね。

なので今までは会議室の空き状況とか、移動の都合とかでミーティングが先(先のばし)になっちゃったりしていたのが、今は本当にネットにつながって相手の時間がOKだったら、すぐにミーティングできる。そういうのは、意思決定などがすごく速くなったなと思っておりますね。

新條:なるほど。

20以上の研修・講演会がほぼ中止や延期

大村:一方の個人事業主のほうは、正直、大打撃を受けてしまいました(笑)。私も企業さんにお邪魔して、研修とかワークショップをするんですけれども……。

新條:研修はもう、(制限対象となる活動の)ど真ん中ですもんね。

大村:ど真ん中なんですよ。それがもう、2月の後半から4月にかけての研修・講演会などは、ほとんど中止もしくは延期。20個ぐらいの仕事がそうなってしまって……(笑)。

新條:はい、はい。

大村:なので今は、そこはもうオンラインに切り替えて成り立つような研修とか、あとは自分自身もいろんなオンラインのイベントとかを実験したりとか、そういうふうに切り替えることをしていますね。

新條:なるほど。ちなみに話が戻ってしまうんですけど、「片付けパパ」と名乗り始めてから、今みたいにそれこそ20個以上の研修をするまでの間って、個人のお仕事をどうやって拡大していったかって(いう秘訣は)あるんですか?

大村:これはもう、いろんなところに顔を出させていただいて、長年培った関係性で築いてきたかなと思っております(笑)。

新條:なるほど。じゃあ本当に、地道な営業活動というか……。

大村:営業活動ですね。僕のお仕事の95パーセントは正直、人づてです(笑)。

新條:それこそ「新しい新入社員研修をやるよ」とかで、「知り合いにいない?」みたいなことでご紹介いただく感じなんですか?

大村:そうですね。そういうのが多いです。

オンライン研修を始めてわかったこと

新條:なるほど。(新型コロナウイルスの影響で)ちょっとそのデジタルシフト的な、「オフラインのコンテンツをやれなくなったよね」っていう話で、実際にオンラインの研修も始めたりされている感じですか?

大村:そうですね。もう先週ぐらいから、オンラインの研修も何社かとやり始めていますね。

新條:じゃあ今、ご自身の売り物を変えるっていうのにも、絶賛着手中みたいな感じですか?

大村:そうなんですよ。こういうときだからこそ、チャンスなんですよね。世の中に研修講師の方ってたくさんいると思うんですけれども、やっぱりすぐにオンラインに切り替えるっていう方は、まだ少ないのかなと思っています。そういうときこそ、早く対応できているということは強みになるかなと思っています。僕もいろいろ、オンラインで実験しております。

新條:なるほど。ちなみに、やってみての所感はいかがですか?

大村:この前、先週も企業さんでやったんです。(受講者は)20人ぐらいで、普通にできたんですが……。1個つらかったのは、みなさん「顔出しNG」にしていたんですよ(笑)。

新條:あぁ、なるほど(笑)。

大村:これはキツかったですね(笑)。なのでみなさんもぜひ、オンラインで受けるときはできる限り顔を出していただき、さらにいつもの3割増しぐらいのオーバーリアクションでやっていただくと、講師にとってはメンタルが救われるところがあると思います(笑)。よろしくお願いします。

新條:(反応を見て)「何が刺さったか」とかで我々も学習しますもんね。「この切り口のことがウケる方なんだ」みたいな話はありますよね。

大村:そうなんです。オンラインだと、それを感じ取るのがなかなか難しいんですよね。

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