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Active SONAR inc. CEO 青木康時 氏(全6記事)

自信がなくても「自分に託してください」と言えるか? チャンスを掴む人、逃す人の違い

FMラジオ番組「大人のミライ」でパーソナリティや、IT企業の顧問・アドバイザーを務める河上純二氏をモデレーターに、スタートアップ・ベンチャー企業のCEOを招き、その人柄や創立秘話などについて話を聞くYouTubeのトークライブチャンネル「『JJの部屋』by COLABO。今回は、ハイブランド専門のリセールストア「RECLO(リクロ)」を運営する、アクティブソナー株式会社の青木康時社長が登場。芸能界を目指していた時代に学んだ、チャンスの掴み方について語りました。

長時間労働から働き方改革への変遷

河上純二氏(以下、河上):なんだかすごく気になっているのは、性善説というか。短い時間のなかで最大効果を出すという(働き方の)トレンドがあるなかで、身近な距離感とコミュニケーションで組織運営を図るようなことだったり、(今の働き方改革の)トーン以外のことを語ろうとすると、今の事業って間違ってるよね、というトーンで捉えられがちなのがすごくしゃべりにくい。

青木康時氏(以下、青木):わかります。

河上:なんだかすごくやりにくいなと。

青木:そして、経営者なんてだいたい変人じゃないですか。もう自分が......。

河上:そうだよね。だって自分が代表だから。

青木:もう何とかしたいと思って、(働き方改革などに関係なく)自分でどこまででもやりたいというところなので。

河上:だから、やっぱり、俺は(時間で働き方を管理するやり方には)ゆり戻しが来ると思っていて。これぐらいにしよう(笑)。デリケートだからさ。

及川真一朗氏(以下、及川):正解は難しいですからね。

河上:ただ、どれくらいゆり戻すかわからないけれども、やっぱり少し「こうだったね」「こうしないとやっぱりダメだったね」という会話のなかで、もうちょっとゆり戻しがあるかなと少し思ってるけど。

青木:そういうことも、うちのサービスもぜんぶそうですけど、必ず時代時代でゆり戻しがあって、そういうゆり戻しで次に何が来るのかという。最終的に落ち着く場所は何なのかということがすごく重要じゃないですか。

河上:(そういうことを)捉えていったほうがいいよね。

青木:今って、なんだか振り子が一気に振れているときだったりすると、そこが正解ではないので。

磯村尚美氏(以下、磯村):確かに確かに。コンビニがそうですよね。時間短縮で人が足りない。

青木:これが22時で閉店したら、やっぱり24時間とかって、そういうときもまた(ゆり戻しが来たり)。

河上:飲んで。

芸能界を目指していたころに学んだ姿勢

青木:いや、いい雰囲気だな〜。

河上:ちょっと、想像以上に真面目な展開になっちゃたな〜。

青木:ですかね? 何を期待していたんでしょうか(笑)。

磯村:ぶっ込むな〜って。

河上:呉(京樹)さんから、「純さん、ぶっ込むな〜」って。

青木:はははは(笑)。

磯村:だいぶ前に。

河上:けっこう真面目な展開だな〜。でもいい話だね。何かそういう話できてうれしいな。

青木:でも、たぶん僕はすごく人に助けられています。逆に言うと、自分を過大評価してもらって、チャンスをもらえて。

河上:それは株主だったりとかもそうだし。

青木:そうです、そうです。常に実力以上の評価をもらって、「なんかお前ならできるんじゃない」とか。「ちょっと足りないけど、とりあえず代打で出てみろよ」みたいな。そういうかたちでチャンスをもらっているということはありますね。

河上:別に偉そうな意味じゃなくて、期待感をあおってくるタイプであるよね。

青木:そうですか。

河上:あるよ、それはあると思う。愛嬌があるじゃない。目力だけで押してくるタイプじゃない。

青木:いやいや。もしかしたら、芸能界を目指していたときに学んだかもしれない。

河上:学んだのかもしれないね。

青木:オーディションってあるじゃないですか。あれがまさにそうでした。

河上:瞬間的に輝いていかないといけないもんね。

青木:そう、例えば時代劇のオーディションに行きます。

河上:時代劇......(笑)。

青木:例えばね、この顔だからダメだという話もあるんですけど(笑)。

河上:(笑)。

自分の可能性を消さないために、チャンスを掴みに行く

青木:でも、例えば「居合できますか?」「馬に乗れますか?」と聞かれるようなことがあるんですよ。その時点で、「乗れません」と言った瞬間に、そのオーディションに落ちるじゃないですか。じゃあどうすれば受かるかと言うと、「あ、大丈夫です。全部いけます」と。

それで、「やってみて」と言われたら、「今日ちょっと調子悪いのでできないんですけど、大丈夫です」と言っておけば、オーディションは通るじゃないですか。例えば数週間後が撮影だとすると、そこまでに馬に乗れるようになっていれば、実は大丈夫なわけじゃないですか。

河上:なるほど、なるほど。

青木:そういう受かり方とか、仕事の取り方をしなきゃいけないんですよね。それは自分の可能性を消さないために。これって実は仕事でも一緒だと思っていて、「君、これできる?」と言われて「いや〜、ちょっとわかんないですね」と言った時点で、その灯火は消えるじゃないですか。

でも、若造もみんなそうですけど、「自分、行けるっす!」と言っておけば、「じゃあ、お前なんか行けそうだな」「じゃあちょっと代打で出ろ」となるので。そのときの結果が大事なんですけれども、なんだかそのチャンスの掴み方って、なんだか営業も全部一緒なんじゃないかなと思って。

「自分に託してください」と言うときは100パーセント自信があるときと、ぶっちゃけ自信がないときだって、いろいろあっていいと思うんですよ。でも、最後には迷惑をかけない。そういう最後の一夜漬けも含めたがんばりって、なんとなくすごく重要で。やっぱり海外を見ていると、ここで日和る人とか、ここで自分をセーブする人って、やっぱりとくに日本人に多いと思うし。もったいないな〜っていうことをすごく感じますよね。

営業は「カメレオン」になればうまくいく

河上:急にぶっ込んじゃうけど、営業の一番大切なことって何だと思う?

青木:スタンスはいろいろ、パターンがあると思うんですよね。

河上:あるよね。

青木:僕は、キーワードでいうとカメレオンだと思うんですよ。

河上:変幻自在ってこと?

青木:つまり、例えば純さんだったら、今純さんがいてほしい僕であれば、その場はうまく回るわけじゃないですか。

河上:そうね。

青木:ここに自分のエゴとか自分の性格とか、実は何にも関係ないんですよ。

河上:なるほど。

青木:例えば弁護士の方と話すときには、その人はこういう口調のこういうタイプと話しやすいんだろうなという設定がわかれば、実はそこで、設定した芝居を始めるだけですよね。土方のお兄ちゃんとしゃべるときは、こういうキャラの方が彼のノリに合うだろうなとなれば、それで合わせられれば、そこはうまく回るわけなんで。

これが自分の自我を捨てて、僕はいつもカメレオンになって、相手に気持ちよく接するということが、結局ある意味では、いい言い方をすれば、思いやりなんですけど(笑)。

河上:なるほど、なるほど。

青木:そこはなんだか戦わないことが大事かなと思いますね。

たくさんの人に出会うなかで柔軟性を体得していく

河上:なるほど、なるほどね。わかる。共通点はあると思う。彼は「カメレオン」という言葉を使っている。僕は「柔軟性」と言っているのよ。すごく肩の力を抜いて、合わせていける柔軟性がとても、いろんな場所でいろんなかたちで最大限の力を発揮すると思っているのよ。凝り固まったエゴみたいなのではなくてね。それって、けっこう言葉は違うけれど、なんとなく感覚は似てるかなというふうに聞いてて思ったけどね。

青木:そうですね。うん。それは本当にそう思います。

河上:そうだよね。

青木:そこで何かどうしてもふつふつと出てきてしまう、自分をいかにこうなんか飛ばせるかということが。

河上:それでだからさ、たぶん俺もそうだし、青木さんもそうなんだけどさ。とにかくたくさんの人と会ってきているから、それが大きく影響を及ぼしていることは事実だよね。

青木:そうですね。この場数が結局、その自分のナレッジになっている。

河上:柔軟性になっているじゃない。

青木:このパターンのときはこうだなっていう。

河上:そうそうそうそう。

青木:自分の役をいくつか持ってるんですよ。その役で、今日はあの人って、AさんBさんって自分が変わっていくので。

河上:そうだよね。

青木:結果、多重人格になってくるんですよね。

(一同笑)

自分の好き嫌いをはっきり言うのが美徳の時代

河上:そうだね、わかるわかる。

青木:だから自分ってどういう性格だったっけ? っていうのは正直わからなくなるときはありますね。

河上:じゃあ、ちょっと似てるかも。

青木:そうですか。

河上:(青木さんと)似てる部分があるんじゃないかなって気がしてきた。

磯村:イケメン。

河上:やかましいな!

(一同笑)

及川:一方で最近だって、自分の好き嫌いをものすごくはっきり言うのが美徳というような雰囲気も若干ありますよね。

河上:あるのか〜。

及川:僕はこれがまた難しい時代だなとは思いますね。はっきり言わなきゃダメみたいなね。

河上:なるほどね〜。

及川:真逆の話になっちゃうな〜とかね。僕はどちらかと言うと、ちゃんとカメレオン賛成派なんで。

河上:カメレオン派だよね。

及川:カメレオン派なんですけど、はい。

河上:すごい柔らかいよ。

青木:柔らかい......(笑)。

及川:柔軟性。体はめちゃ硬いですけどね(笑)。

話を聞くときはまともに受けすぎないことも大切

河上:聞く耳を持っているようで持っていないっていうのもある。聞いているようで聞いていない。それは大事かもしれない。まともに受けたらしんどいけど。

青木:発狂してしまうんで。

河上:たくさん話を聞いているから。でも、聞いていないと思わせないじゃない。これは3人ともの共通点。絶対思わせない。すげ〜聞いてんだよ。すーごい聞いてんだよ。でも、中身としてはぜんぜんかみ砕いてないわけ。

青木:なんか女子の会話に近いですよね。「わかる〜!」って言いながら、自分の好きなことしか言ってない感覚あるじゃないですか。

磯村:「すぐわかる」って、めっちゃ腹立ってる。

河上:それ(話を聞いているようで聞いてない空気は)出てるの? 

及川:バレちゃうのはダメですね。

河上:バレちゃダメ。

磯村:バレちゃダメ。カチンとしちゃう。

青木:でも、その瞬間って、けっこう自分が思い込んで、そうなっているから、そこに偽りはなくないですか? 

河上:ないない。

青木:なんとなく自分の多様性というか多面性が出てますけど。そこはそこで没頭してますね。

河上:没頭してる。なんかそういうコントロールをしてることに酔ってる感じがある。

青木:あ〜。

河上:人前で合わせられていることに対して酔っている感じはある。

青木:ドリブラーですね。

河上:どっちかっていうと、グワッと固められるとすごくやりにくい。

青木:はいはいはい。

河上:とくに交流会とか、例えば新しい人たちに会っていく場でさ。30分とかすごくしゃべってくる人、たまにいらっしゃるじゃない。悪くないけど、なんとなくそれはすごく完全に動きを止められた(感じになるね)。

(一同笑)

すごくやりにくい。

磯村:それに疲れたとき、隅っこに座っているんですよね。隅っこに座っているときがあります。

河上:疲れてね。

磯村:ですよね。ははは(笑)。

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