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LinkedIn 日本代表 村上臣が考える 『働き方』のベストアンサー(全1記事)

村上臣氏「今ワクワクしているか、常に自分に問いかけてほしい」ーー仕事に自信のない日本人も輝ける、これからの働き方

「セミナーに参加したかったけど、時間が合わなくて行けなかった……」。株式会社イノベーションの調査によると、ビジネスパーソンの2.5人に1人はそんな経験をしているそうです。同社が運営する動画サービス「Seminar Shelf」は、物理的な理由で参加できないセミナーをオンラインで配信することで、いつでもどこでもセミナーに参加できる環境を提供しています。そんなSeminarShelfのスペシャルコンテンツとして、LinkedInの日本代表を務める村上臣氏が動画に登場。本記事では「LinkedIn 日本代表 村上臣が考える 『働き方』のベストアンサー」と題したコンテンツから、後半パートを書き起こし形式にてお送りします。

■動画コンテンツはこちら(※動画の閲覧には会員登録が必要です)

これからの働き方とは、自分が納得のいくキャリアを探し出す旅のようなもの

村上臣氏:(ここまでの動画では)私のこれまでの働き方をご説明しましたが、ここからは私が考える「働き方」のベストアンサーとはなにかについて話していきたいと思います。

まず一つ目は「潮流」ということですが、今世の中はどうなっているのか。こちらのキーワードですね。「働き方改革」という言葉はニュースでも毎日のように聞きますけれども、これは実際何なのかという話ですね。

残業を禁止するだとか、どうしても時間の話になりがちなんですけれども、これは「働き方改革」と「働かせ方改革」の二つが一緒になっているわけです。

なぜかというと、「働く」というのは企業と個人との契約によって行われているわけですから、両方が歩み寄ることではじめて、この働き方改革というのは達成できると、そうなっています。

今までキャリアというものは、会社の言うことを聞くというのが基本スタイルだったと。これは終身雇用によるものですけれども、一生一つの会社に貢献するので、面倒を見てくださいと。退職金も出してください、年金も大丈夫ですよと。こういったものが会社から与えられるので、ただ言うことを聞いていればよかった。

ところがですね、最近経団連の会長からも「終身雇用はもう無理だ」という声が聞こえてくるなかで、じゃあ個人はどうすればいいのかというと、自分のキャリアを自分の手に取り戻すという時代がまさに来ています。

じゃあ自分はどうすればいいか、自分のキャリアはどうするんだということを、自分で納得できる答えを探し出す旅……これが、これからの働き方なんじゃないかと私は考えています。

機械と人間の役割は、明確に役割分担が成される

二つ目の働き方ベストアンサーですが、こちらの「革命」というカードをめくってみたいと思います。現在、第4次産業革命というものが来ております。

これは何かと申し上げますと、一言でいうとAIや機械の進化によって今まできなかったことができるようになったと。例えば顔認識であるとか、いろんなセンサーによってその環境がデータをとることができるようになり、それを分析することで、これまで見えなかったことが見えるようになったということが、この第4次産業革命のコアとなる部分です。

これによってなにが起こるのかというと、人間がこれまで判断しなくてはいけなかったことが、機械によってある程度解るようになってきた。次にぼくがどこに移動するかというのも、例えばスケジューラーとか、日々の行動範囲のログによって、かなりの確率で予測できるようになってきていると。

もちろん便利なんですけれども、反面プライバシーの面で怖くなってきているとかで、世界でも議論になってきています。これによって実際の働き方の何が変わるかというと、そういったものが前提にあるといった働き方に変わります。

ですので、機械がやるべきことは機械がやると。人にしかできないことは人がやるといったように、明確に人と機械の役割分担が成される世界になっていくと。

今までは人間のタスクやツール……文房具として、パソコンであるとかスマートフォンがあった。そうではなくて、これが離れて、あたかも別の人と働いているようなかたちで、人と機械がコミュニケーションを取らなくてはいけない。そのような、まさに革命的なできごとだと言われています。

機械が奪う仕事、新しく生まれる仕事

働き方のベストアンサーの三つ目は「危機」。「今後無くなる職業」についてです。先ほど申し上げたとおり、機械にできることが増えているなかで、ある程度効率的な意思決定を機械ができるようになってきているんですね。

例えば自動ブレーキ。クルマが急に止まるというのは、人間の反応速度よりも機械のほうが全然早いということなんですね。人間よりこの点では優れているということです。これがいろんな職業のいろんなタスクのなかに生まれてくるというわけなんですね。

ただこれは別に怖れることではなくて、昔も馬車からクルマに移行するときに、もともと馬の世話をしていた人はいなくなったけれども、代わりに自動車の世話をする仕事に変わった人はたくさんいるわけですね。つまり自動車整備工という新しいスキルが生まれたと。

とくに管理職ですね。ホワイトカラーの管理職の、労働時間の管理だったりメンバーの管理といったものは、デジタル化されることで誰がどう働いているのか、そのストレス具合もアンケートなどによってリアルタイムでわかるようになってきています。

すると、今までのマネージャーの仕事が大きく変わるんですね。ほとんど機械に任せると。じゃあ、これからのマネージャーは何をすればいいのか。それは人間にしかできない、例えば会話をするとか、励ますといったことですね。これは機械にはまだ適していなくて、人間のほうが適していると。

トランスフォーメーションと新たなスキルの獲得、これがこれから重要になってきます。それをやらない人は、当然この波にのまれます。ステイしていると、しているだけ危険になる。ただ、ここから変わることに成功すれば、職業自体はこれから増えていきます。そういったスキルをどうやって獲得するかが、これからの働き方で重要なことだと私は考えています。

世界で一番仕事に自信がない日本人の戦い方

働き方のベストアンサー、四つ目のキーワードには「理想」を挙げました。「求められる働き方」ということですね。世の中が大きく変わるなかで、どのような働き方いいのか。ここでは「求められる」と書いたんですけれども「自分は何をしたいのか」、もしくは「どういったスキルがあるのか」、こういったものを表明しない限りは、誰にも気づいてもらえないですね。

これは自分で適切に、「自分はこういうことがしたんだ」「ぼくにはこういうスキルがあるんだ」ということを、適切にセルフブランディングする能力というのもスキルの一つだと思っています。これが何に役立つかというと、これから働き方も変わりますし、業界も再編していくような流れのなかで、事業自体が変わっていくわけですね。

イノベーションを起こさなくちゃいけない、オープンイノベーションだというなかで、新しいことをはじめるにはプロジェクトチームが必要です。そのときに、このプロジェクトチームにあいつを入れようと思ってもらえるかどうか。それがまさに、求められる働き方ということなんですね。

LinkedInの調査でも、日本人は世界で一番仕事に自信がないと言われています。なぜ自信がないのかというと、やはり「言わない」からだと思うんですね。言って、人から認められると自信がつくと。これはどんなに小さなことでもいいと思うんです。コピーのとり方がめちゃくちゃ上手い、すごいじゃん。こういったことでもいいと思うんですよ。そう言われると、気持ちが上がりますよね。

みなさんも表明して、良いことは良いと、ちょっとでも褒める。この繰り返しが仕事のモチベーションにもつながりますし、それを繰り返すことによってお互いを知ることになって、なにかあったときに「あ、これはあの人に聞いてみよう」と思ってもらえるかどうか。こうしてあなたが「求められる働き方」になっていきますので、こういったことを心がけて、日々仕事をしていただきたいなと思います。

「善・悪」ではなく「好き・嫌い」で仕事を決める

私が考える働き方のベストアンサー、最後の五つ目です。「環境」というテーマで挙げさせていただきました。「組織の役割」についてですね。冒頭で申し上げたとおり、終身雇用という日本の雇用システムの大前提が、今なくなりつつあります。今まではやっぱり企業が強かったんですね。「すべて面倒を見てやるよ、その代わりうちの会社に来いよ」という関係で、そこにロイヤリティがあったわけです。

それがなくなっても、「個人が会社に尽くす」という文化がまだそのままになっていますが、終身雇用の終わりと共に、企業と個人の関係はよりフェアになっていくということが起こってきます。

じゃあ組織の役割とは何かというと、やはり良い仕事をするためのプロジェクトチームに変わっていくと思うんですね。今までは「いい会社だから入りたい」「安定してるから入りたい」「福利厚生が優れてるから入りたい」でしたが、これからはその会社が何を成し遂げようとしているのか、つまりその会社のビジョンやミッションがよりクローズアップされていくようになります。それに対して共感できるかどうか。

いいビジョンがあるこの会社に尽くしたいと思ってもらえるかどうか。それとは別に、プロジェクトとして会社の仕事に共感できるかどうかですね。いいことであれば共感して働きたいと思いますし、そうでなければこの仕事はしたくないと思うと。

どちらかというと、「良い・悪い」という二項構造から、「好き・嫌い」で判断するような世界になっていくと。というのがこれからの働き方だと思うんですね。善悪の二項というのは、いわゆる正義みたいな話で、「誰かが正しいといえば正しい」といった、誰かが判断してくれるようなことです。これは昭和的な考え方なんですね。会社が良い悪いを決めていた「善悪のフレーム」です。

個人の好き嫌いというのは好みですので、正解はないわけです。あなた自身がそれを良いと思うのか悪いと思うのか、それと会社自身が良いと思うのか悪いと思うのか、このすり合わせになっていくと思います。

自分がワクワクしているか、常に問いかけながら働いてほしい

働き方というのは、企業と個人がフラットになり、フェアに話し合うことによってくっついていく。「我々にはこういうビジョンがあるので一緒に働きませんか」「それはいいですね、ぜひ働かせてください」、こういった関係になっていくわけですね。

志が一緒かどうか、また「お互いが良い仕事をしようよ」という共感の世界になってくると思いますので、これはお互いにとってチャレンジですが、社会にとっては非常に意味のあることだなと私は考えております。

みなさんへのメッセージは「楽しく働いてください」ということに尽きます。これからは、自分の心に素直になって、どういう仕事で自分がワクワクするかを常に自分に問いかけながら、働いていってほしいと思います。

そのためにLinkedInを使って、新たなロールモデルの人を探したり、いろんなコミュニケーションをとったり、いろんな情報で学びを得たりしながら、自分自身をアップデートし、またそのなかから「ワクワクの種」を見つけてほしいと、そんな働き方ができれば、みなさんは幸せに働けるんじゃないかと思います。

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