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プロノイア・グループ株式会社 代表取締役 ピョートル・フェリクス・グジバチ 氏(全2記事)

日本人はなぜ質問することさえ怖がる? ピョートル氏が語る、マシンガンで殴られた時に知った“真の恐れ”

経営者マッチングアプリCOLABOが運営する、ライブ配信スタジオ「COLABO LIVE CHANNEL」。さまざまな起業家をゲストに迎え、仕事への想いを定期的に発信しています。今回は2018年12月20日に公開された、プロノイア・グループ株式会社 代表取締役 ピョートル・フェリクス・グジバチ氏のトークをお届けします。本パートでは、ピョートル氏が戒厳令下のポーランドで経験した恐怖の話や、著作『がんばらない働き方』で語られていることの真意などを話しました。

働き方改革より生き方改革

及川:確かに。ピョートルさんと今日はいろんなお話をしたいと思うんですが、今、本や書籍というと、ピョートルさんも何冊か出されておられて、まさにこの書籍もね、孫泰蔵さん(笑)。これ、この『NEW ELITE』(大和書房)は……。

ピョートル:泰蔵さん、ありがとうございます。

及川:ものすごくみんな持っていて、この本がすごくいいとみんなが言っています。ピョートルさんは新しい本を今度また出されると思いますが、書籍を通じてどういうことを伝えていきたいのだろうと思いまして。

ピョートル:ほとんどの本は一緒だと思います。そうした言い方をしてしまうと、みなさんが読んでくれなくなるかもしれませんが。土台は一緒だということですね。一番、おそらく僕のフィロソフィーがわかりやすいのは、まさに『NEW ELITE』という本ですね。要は先ほどの話ですが、いかに自己実現ができるようになるのか? という話です。ただ茹でカエルであるということは危ないということですね。

自分にしかできないそのギブアンドテイクを考えて、自分が本当にもたらしたい価値をしっかり世界にもたらしていくということが幸せの基本ですよね。よく考えると、最近働き方改革というキーワードが強く出されていますが、働き方改革について、僕は意味がないと思うんですね。

会社のレベルできちんとしたビジョンミッションを、どのビジネスモデルで、どの仕組みでもたらしていくのかというのは、経営者の使命ですよね。あとは個人の使命というのは、生き方改革ですよね。「何のために生きているんだ?」。例えば「自分にしかできないというのはこれなんです!」ということを、しっかり認識すれば、すごく人生が簡単になるんですよね。

磯村:そこが意識できない人がすごく多いじゃないですか。悩んでいる人。

がんばらない働き方の真意

ピョートル:そうです、そうです。だから、自己の振り返りをするというのも必要ですし、やっぱり自分と違う人たちと接することがとても必要だと思うんですね。自分に刺激を与える人たちと毎日接すれば、「そっか、自分はここが強い」ということが見えてくるんですよね。同じ人たちと、例えば同じ会社の同じサラリーマンたちと毎日時間を潰すんじゃなく。

大手町で働いているんだとしたら、霞ヶ関に行ってみる、渋谷に行ってみるといったように。ぜんぜん違う連中と接してみることによって「そっかそっか、自分はこうしたリソースを持っていて、こうしたことが強い」ということがわかってくる。それによって何が大切で何が大切ではないか、要は自分の価値観と何が正しい、何が正しくないのかということ、自分の信念や自分の基準が決まってくるんです。

その自分の基準に沿って振る舞っていくときに、自分の指標がわかってくる。まさにがんばらない働き方というのは、何を選んでしっかりやっていくか、何をがんばっていくのか、どこに動力を集中してベストを尽くすための工夫をするのか。逆にどこをがんばらなくてもいいのかということがわかってくるんですよね。

及川:なるほど。僕らは月に一回、100人くらいでミートアップというものをやっていますが、これも確かにいろんな年齢や、いろんな業種の人と、いろいろな交流をすることが大事だと思ってやっているんです。そうすると、やっぱり確かにいろんな方がいろんな価値観でそういうことをやっていらっしゃるので、自分自身が何をしているのかということがわかってくるということは、ものすごく実体験がありましたね。

ピョートル:そうですね、まさに我々も、毎月少なくとも一回は『未来フォーラム』というイベントをやるんですよね。未来をつくる人たちを集めたいし、その人たちがまだ未来をつくれない人たちに影響力を与えて、インスピレーションになればいいと思うんです。未来はそれぞれにあるし、僕は分野にこだわってないから逆にいろんな分野の人たちから学んでいくということは、もう個人的に必要だから大切にしているんですが。

マシンガンで殴られたあの時に比べれば、怖いことなんてない

ピョートル:結局、最近日本でもやっと流行ってきた「SDGs」というものがありますよね。社会の、世界の、人類の一番大きな問題解決ですよね。だからそれぞれのやり方で、人類や、地球や、宇宙に貢献できればいいと思いますから。自分にしかできないということは、必ず誰にでもあると僕は強く思っているんですよね。

磯村:ピョートルさんの自分にしかできないことということは、なぜ日本を自分のプラットフォームというか、この場所ということに決めてやっていらっしゃるかということにも関わってくると思うので、そこをお聞きしたいのですが。

ピョートル:やっぱり自分にしかできないということは、触媒でありカタリストであるということですよね。誰しもその自己実現ができるプラットフォーマーですよ。掛け合わせをするということもあるし、深い質問をしていくということは強みだと思うんですね。恐れないんですよね、どの状況でも。

もうよっぽど、ポーランドの戒厳令のときにマシンガンで殴られたことがあるんですが。そのときは怖かったんですが、それよりも怖い状況というのがあまり日本ではありません。地震や震災がやっぱり怖いのですが、人と接することについては99.99パーセントは建設的ですね。

だからみなさん、何を怖がっているんだろう? なぜ例えば上司にフィードバッグを与えないんだろう? なぜお客さんにもっと深い質問をしないんだろう? ということが、わからないんですね。あとは上下関係が感じられない人間なので。孫泰蔵さんのような実業家か子供は、振る舞い方を変えません。それが強みだと思うんですね。

ミッションは世界と日本の触媒になること

ピョートル:なぜ日本なのかということを根本的に考えれば、日本は世界の3番目の経済ですよね。しかも1番目と2番目の経済であるアメリカと中国は、アグレッシブな政治をしているんですよね。それと比べると、やっぱり日本は今、建設的です。どの国とも仲良くしようとしている。それは正しいと思うんです。

これからのだんだんテクノロジーが進化する世界の土台になる政治の考え方なのではないか? と思っています。だから日本という国の持っているリソースや、考え方をもっと世界にもたらしていくべきだと思うんですね。もっとグローバル化する必要性があるんです。例えば、よくパートナー企業で、中小企業、田舎の中で、例えば普通に200~300人の企業もあるんですが。

素晴らしい技術を持っている、素晴らしい会社で、100年以上の会社も多いのに、まだまだ海外には行けていない。一歩踏み出せていないという状況があるので、勇気をもって日本の良さや日本人の強みをいかに世界にもたらしていくか、それによっていかに社会貢献をしていくのかということが自分の根拠ですね。

磯村:世界と日本の橋渡し、触媒という……。

ピョートル:そうですね。そうです。

及川:なるほどね

磯村:そっかぁ。

60歳の友人からもらった叱咤

及川:そろそろ、時間が迫ってきてしまいましたが、もうあっという間なんですが、ピョートルさん、最後に、この2018年もそろそろこうおしまいなので……。

ピョートル:終わりますよね。

及川:終わりますよね。もうあっという間ですが(笑)。年内から来年に向けて、ピョートルさんが何か目指されていることや、抱負といったものが何かございますか?

ピョートル:60歳以上の方ですが、とても素敵な友人がいます。ALBION ARTという会社の代表で、世界のトップアンティークジュエリーのディーラーの方です。おそらく一番大きいコレクションを持っている方で、よく一緒に食事をしたり、お話をしたりする仲なんですが、彼は世界一なんですよね。

すると先週の土曜日に「ピョートル、やっぱりあなたも世界一にならないとダメ、とりあえずというのはやめよう」と。「もう究極でいきましょう」と言われました。それはもちろん、もちろん、僕も大賛成です。

年末年始に2週間ぐらいカレンダーを空けて、自己の振り返りをする、脱皮する時間があります。

『がんばらない働き方』(大和書房)という本でもありますが、「自分がどこでがんばらなくてもいい、どこで逆にその得た時間をちゃんと使っていくのか」ということについての振り返りをしますね。

だいたい僕は一年に一回、大きな脱皮をするんです。今年は残念ながら、たぶん6、7、8回ぐらい。残念ながらというのは良くない言い方かもしれませんが。でも、いろんなことによって、いろんな刺激があって、何回も脱皮したから、脱皮しすぎたかもしれない、ということもあるので。

(一同笑)

ピョートル:おそらく、その自分のコアに少し戻った、自分の自己をもう1回、再構築をしてみるということが、今の自分の使命ですね。

間違えてもいいから口を開こう

及川:なるほど。年内に書籍を出されますもんね。

ピョートル:そうですね。

及川:先ほどからお話もあったかもしれませんが、いつ出るんでしたか?

ピョートル:ちょうど先週です。実際になんと『リラックスイングリッシュ』という本を出したんですね。ピョートルが語学教育に力を入れるという話ではありませんが、やっぱり日本人のみなさんには、もうすこし積極的に世界的な活動をしていただきたいんですね。

それは英語が話せないからできないという思い込みが多くて、よく考えてみれば、みなさんはなんとか英語教育を受けているから、『間違えてもとりあえず口を開けて話してくれ』ということをお伝えしたいんですね。

あと、ちょうどタイトルも決まって、表紙も決まった『かんばらない働き方』。本格的な発売日は2019年1月の9日なのですが、もう既にAmazonで予約ができます。

及川:もうできるんですか。

ピョートル:ぜひぜひ『がんばらない働き方』をお願いします。

及川:そうですね、後で貼っておきますんでね。

ピョートル:ありがとうございます。

及川:了解しました。それは楽しみですね、本当に。

ピョートル:ありがとうございます。

及川:ぜひ買います。では、そろそろお時間の背景もありますので。今日は本当にすごくおもしろい話をたくさん聞かせてもらいましたね。

磯村:そうですね。

及川:もっとたくさん質問をしたいところですが。

磯村:定期的にお話が聞きたい……。

及川:そうですね。またお話も聞かせてくだい。

ピョートル:また誘ってください。

及川:はい。

磯村:はい、ぜひ。

及川:ありがとうございます。

ピョートル:どうもありがとうございます。

及川:こちらこそありがとうございました。

ピョートル:ありがとうございました。

(会場拍手)

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