2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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加来幸樹氏(以下、加来):僕が感想をしゃべると時間が足りなくなるので、いったん三次さんにいきましょう。
三次由梨香氏(以下、三次):私のはたぶんすっごく短いと思うので、サクッと。
(会場笑)
三次:私は江東区で生まれ育ちました。他の人と違うことをしたいっていう、ちょっと変わり者だったので、中学校の時も「いかにサボって、いかにいい点数を取って、いい成績をとるか」みたいなのを実行してたりとか。
高校は普通の都立高校に入ったんですけど、「何日休めますか?」っていうのを先生に確認しながら、休める最大日数を休み、バイトを掛け持ちしていました。2年生の頃には原付バイクに乗っていたんですが、大型トレーラーに撥ねられて頭蓋骨骨折。脳挫傷をして、そこで死にかけました。
後遺症も残るって言われたんですけど、そこから復活。高校3年生のときは、人がやったことがないことをしたいと思って、ベンツに乗ったり……。
(会場笑)
三次:その時、なんか「外車に乗りたい」っていう思いがあったんですよね。外車に乗ろうと思ったんですが、ベンツしか知らなかったんで、とりあえずベンツ乗っとこうということで。それでベンツに乗りました。あとは、新築のマンションに住もうと思って、高校の近くにマンションを借りました。まぁそれぐらい、カネゴンだったっていうことですね。
三次:それから19〜20歳ぐらいのときには、銀座のホステスと不動産屋を掛け持ちしていました。この時もすごくカネゴンで。私は大学にも行かず、みんなが大学や専門学校に行ってる間に、もうとにかくお金を稼ぎまくっていました。世の中を変えたいという気持ちがあったので、もうとにかくカネゴンになっていたんですが、多くて月収100万円ぐらいしかいかなかったですね。
その後、妊娠が発覚します。みなさん臨月まで働かれてる方が多かったので、自分も臨月まで働こうと思ってたんですけど、思わぬつわりっていうもので人生設計が狂いました。
不動産屋をやってたので収入にはまぁまぁ困らなかったんですけども、その時の夫がかなり仕事をしなかったんですね。私がけっこう養ってるというかたちだったのに、出産をしてから、夫があんまり帰ってこなくなってしまって。
「夫が子育てをしてくれさえすれば、私がなんとか仕事をしたのに!」って思ってたんですけど、帰ってこないし、どうしようもないかなと思って。結局生後2ヶ月で離婚をしたんですが、私は仕事ができないので生活困難になりまして。
このまま生きててもしょうがない、もう親子で心中してしまおうかと思ったところに、友だちから「役所で生活保護を受けてみたらどうか」と言われて。私はお金を稼ぐことに一生懸命で、生活保護ってどこで受ければいいのか知らないという話をしたら、役所に行けば受けられると。
役所に行ったら行ったで、「あなた、若いから働けるでしょ?」といって追い返されて。子育てしながら働くの大変だなと思いましたね。その後、自分のように預け先に困った人がいるんじゃないかと思って、保育園を立ち上げようと思い、ベビーシッターとチャイルドマインダーの資格を取り、そして自分の部屋に引きこもっているママがいるんじゃないかなと思って、ママイベントを立ち上げました。
三次:「引きこもってないで、外に遊びにおいでよ」ということで、ママイベントを主催したんですけど、ここが転機になりました。だいたい私が「これ、転機だな」と思うと、絶対そこが転機なんです。
ママイベントをやってても、どこに引きこもってるママがいるのかまったくわからないということで、民間の壁にぶち当たりまして。これはきっと行政側が持ってる情報だろうと。
引きこもったママたちがどこにいるのかわかる立場になろうと思って、2013年に、区議会議員のおじさんに出会って、「君、いいねぇ」とか言われてから、「区議会議員って、何の仕事してるんだろう?」と。そういうところからお話を聞きつつ、「じゃあ、私がもしかしたら変えられるかもしれない」と立候補を決意して、だいたい立候補3ヶ月前ぐらいから活動をして、初当選をいたしました。
それから再婚して、第2子を授かって、今に至るということです。あ、それでも5分経っちゃった、すいません。
加来:ありがとうございます。もう自分がこのイベントのモデレーターだというのを忘れて、普通に聞き入ってしまっていましたね。そのせいで、だいぶ時間が押してはいますが……。あと10分ぐらいで少しディスカッションもやりたいなと思います。
最初の自己紹介を忘れているかもしれないのですが、駆け足とはいえこうやって、順を追って20〜30年の人生を凝縮していろいろ話していただきました。
アップデートした後の姿としての自己紹介だけを聞くよりも、今の話を聞いた上で「現在はこんなことしてるんです」と聞くと、だいぶ生身の人間っぽく見えてきたところもあるのではないかなと思います。
ですので、残り時間は限られますが、この状態のお三方から、改めて今回のテーマである「複業で働き方をクリエイティブにアップデートする方法」というのを聞いていきたいなと思います。
加来:今のリアルなストーリーを聞いてからなら、このアップデートする方法というのも、いわゆるこういうイベントでよく言われる「スキルを手に入れなさい」とか、「とにかく行動してみなさい」といったこととはちょっと違う、意外なアップデート方法に気づけるなと思っていまして。
僕から、意外とこういうところがポイントになっているのではないかというものを3つ挙げてきているので、全部は話せないかもしれないのですが、聞いていきたいなと思います。
まず一つ目です。このイベントは複業とか、パラレルとか、「サブ」というのをテーマにしたイベントで、今回もそういうことをやっている人を呼んでいるわけです。
でも意外と、実はみなさんの最初のキャリア、例えば西村さんだったらリクルート、平田さんだったらビルコム、三次さんだったら不動産とホステス、僕でいうとセプテーニみたいな、そういうところもなんだかんだで愛しているからこそ、その先につながっているといえるのではないでしょうか。その後の波乱万丈がありつつも、そこはみなさん、いまだに縁が切れなかったりするところがあるように思います。
これに共感するなっていう人に話してもらいたいのですが、どうですか? じゃあ、お二人に短めでお願いします。
西村創一朗氏(以下、西村):はい。本当にこれ、その通りだなと思っていて。「三つ子の魂百まで」っていう言葉あるじゃないですか。キャリアにおいてもまったくその通りだなと思っていて。最初の3年間のキャリアで、その後のキャリアの幹がつけられると思っています。その幹がしっかりあった上で、そこに枝葉をつけていく手段が複業なのかなとも思っています。
もちろん本業とまったく関係ない複業も当然あっていいと思うんですけど、一番王道な、オーソドックスな複業というのは、僕が本業はインターネット営業を担当する法人営業だったっていうところに対して、インターネット業界の情報をブログで発信するというメディアを作るということを掛け算した結果、新規事業を作るというキャリアが開けたわけです。その新規事業を作る中でやっぱり最も発揮した強みっていうのは、営業なんですよね。
営業だったり、その発展形にあるBtoBマーケティングっていうのを強みとして、そこでも活躍することができて、結果、独立してからのメインの業務もそこになってるので。やっぱり本業でしっかり成果を出す、出した結果プロとして認められる、プロとして社内で認められることでそれが複業になるっていう。この循環をいかに作っていくかということだと思っているので、やっぱりここから目を背けることはできないなぁと思いますね。
加来:ありがとうございます。平田さん、どうですかね? ちょっとかぶせる部分があれば。
平田麻莉氏(以下、平田):そうですね、この視点はすばらしいなと思いました。私も気づいてなかったんですけど、本当にそうだなと思って。
ちょうど先週もビルコムのOB会をやったんですけど、みんなのことがもう大好きというか。「あの時楽しかったよね〜」みたいな感じで、そこでまず「仕事が楽しい」ということをすごく感じられたと思います。
あと、PRのスキルっていうのが、結局今のフリーランス協会も、勝手にフリーランスやいろんな働き方のPRをやってる感覚なんですよね。だからそういう意味では、やっぱりある程度自信を持って価値を出せるスキルがあるというのは、いろんなことにチャレンジしやすくなってると思います。
あと、結局複業するって、生産性が高くないとできないんですよね。時間って有限なので。だから、1個すごく得意なことがあって、人よりも倍速で結果を出せるものがあったほうが、たくさんやっても疲弊しないっていう意味で、複業にもつながるんじゃないかなと思います。
加来:なるほど、ありがとうございます。そうですよね。お褒めいただいた視点ですけど、僕も意識したことは実は意外となくて。
でも、みなさんと話している中と、さっきのストーリーを見て、その上で自分も見てみると、けっこうそうだなぁと思ったのです。わりと今のご時世、昔ほど「入る1社目で人生決まります」みたいな感じはなくなってきている、という雰囲気はあると思いますし。
僕も就活の相談とかされたら「結局どこに行ってもメリット・デメリットあるから、どこでもいいんじゃない?」って言ってしまいがちだったのですが。入る場所はもしかしたらどこでもよくて、とにかくさっきの「三つ子の魂百まで」のところで、「最初の数年をとにかく本気でやるっていうのは、けっこう一生付きまとってくるんだよ」ということは改めて今の若い人たちに教えてあげたいことで。それがその後につながってくるのかなと思いました。
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