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社会を変革し、成長するためのキャリアの描き方(全4記事)

「迷ったらオモシロイほうへ」 ヤフー小澤氏・リクルート富塚氏・ロート製薬山田氏が語る、キャリアの描き方

ビジネス界の先端を走るトッププレイヤー達が集うG1カレッジ。ロート製薬CEO・山田邦雄氏とヤフー執行役員の小澤隆生氏、リクルートマーケティングパートナーズ社長・冨塚優氏が、それぞれが手掛ける領域の現状、そして今後の展望を語りました。(G1カレッジ2014 より)

エレクトロニクス産業の二の舞いを恐れる、日本の製薬業界

田口義隆氏(以下、田口):皆さんこんにちは。モデレーターということで、(スピーカーが)けっこうすごい方々なんで、緊張しながらやってます。今日は皆さんとともに、世界を舞台に活躍していらっしゃる方々ですから、世界、そして創造と革新というキーワードで自己紹介をしていただきたいと思います。

今日用意している質問は、学生時代にやっておけばよかったこと、やらなければよかったこと、こんなことをお話していただこうと思います。そしてもうひとつは、社会人としてどんなことを大事にしてきましたか、ということ。この3つの質問を考えております。ではまず、山田(邦雄)先輩のほうから、自己紹介を兼ねてお話いただけると。よろしくお願いします。

山田邦雄氏(以下、山田):ご紹介いただきました山田といいます。今日いろんな本当に素晴らしいスピーカーがいらっしゃるんですけど、その中ではどちらかというとオールドエコノミーで、年齢もだいぶ上めという役どころで登場しております。

私の経歴のほうはロート製薬という、皆さん目薬とかクイズダービーとか思い出すと思うんですけど、今どういうことを取り組んでるかというと、海外展開ということをすごくやっておりまして、大体アジアの諸国は全部終わって、今インド・バングラデシュ・スリランカ、それからアフリカのケニア・南アフリカとかですね。ブラジルも、こないだ小さい会社を買ったんですけど。

やっぱり世界行けば行くほど、特にこれから人口がガンガン増えて変わっていく世界で仕事をすることの難しさもあるんですけど、おもしろさというのも感じております。

それから事業のほうでは、うちはもともと医薬品なんですけど、この数年は化粧品をやっておりまして「肌研(ハダラボ)」とか、ああいう製品でやってるんですけど、今何が変わってるかというと、やっぱりライフサイエンスの分野で、すごく革新が起きています。

薬もいろんなタイプがこれまで開発されてきたんですけど、今、最先端は細胞を利用した医療ということです。山中(伸弥)先生がノーベル賞獲られたんでご存知だと思いますし、今日も医学系とか薬学系の方いらっしゃいますが、この分野が今後5年、10年の間に本当に大きく変わる。

再生医療の実用化は、皆さんが思ってるより私は早いと思います。もう10年後にはかなりの難病も、今まで治らないと思われてた病気も治療の目途が立ってくる。

今世界中で、再生医療の技術開発競争が起こっております。その中で我々は、自社の中にあるものって実はそれほど材料は揃っているわけではないので、いろんな大学と連携して、あるいはベンチャーさんと一緒に再生医療の中で、日本が世界に貢献できるトップレベルの線を維持したい。

基礎の分野は山中先生をはじめとして非常に熱いんですけれども、それを産業化するというところが非常に日本は弱い、遅い。このままではエレクトロニクスの二の舞になって、医薬品は今でもただでさえ輸入超過なんですけども、これからますます我々の命を守る技術が外国に頼らないといけない、多大なライセンス費用を払わないといけない。

そういう時代になるかもしれない。ということで、そういう新しい分野の研究を、ということを思います。また流れの中で話がありましたら。

2020年に世界ナンバーワンを目指すリクルート

冨塚優氏(以下、冨塚):はい皆さんこんにちは。リクルートマーケティングパートナーズという会社の冨塚でございます。ホールディングスの執行役員も当然兼務しておりますんで、今日皆さん多分リクルートの全体的な話も聞きたいんじゃないかなと思います。その辺を含めてお話ができればと思います。

まず、2012年に今の新しい体制になりまして、CEOのほうから「リクルートは今後世界に出ましょう」というような中で、2012年度の国外の売上げっていうのは1%もありませんでした。今3期目に入っておりますけども、多分今期の終わりには2ケタになります。

2020年の目標は国内の売上げを超えて、シェア50%以上を海外という方針を打ち出してます。その筆頭は人材領域です。人材領域に関しては2020年にユーザー数世界ナンバーワン、2030年にはマーケティング分野でのユーザーナンバーワンを目指しましょうということでやっています。

そんな中で、創造と革新という話なんですけども、何があるかなって思ったときに、一番は「人」です。リクルートは皆さんも聞いたことあるかもしれませんが、よく「人材輩出会社」て言われるわけです。起業していく人とか、会社移って次のステージに行かれる。

それを「卒業」って呼んでるわけですが、社内でも新しいことをどんどん創造できる人というのが求められますし、またそのために僕らは、創造力豊かな後輩をどうやって育成するか、ということをすごく念頭に置いた事業運営をしています。

革新ていうのは口で言うほど簡単じゃなくて、現実的に、私も前いた「じゃらん」とか「ホットペッパー」の部署では、年間に1000個の新しい事業の芽を生み出そうと。その中から5~6個事業化できるようなものができれば、これで十分じゃないかって。

十分というか、それくらいの確率だということですから、とにかくバッターボックスに立ってどんどん振ると。振らない限り新しいものは出てこないってことで、そんなことを結構話してました。

一人一人が、今日の自分より明日の自分、1ヶ月後・3ヶ月後・1年後の自分がより成長していないと事業・会社自体が成長しないという中で、いかに自分自身変えることができるのかということを僕らは問うて、また自分自身も問うて、こういう繰り返しで事業・会社運営していると。こんな会社でございます。

ヤフー小澤氏の人生は「おもしろければいいじゃないか」

田口:ありがとうございました。お待たせしました、小澤さん。

小澤隆生氏(以下、小澤):皆さんこんにちは。ヤフーという会社から来た小澤といいます。学生さんたちは優秀ですから逆に教えてもらいたいくらいでございますんで、今日はいろいろ聞かせてください。よろしくお願い致します。

自己紹介は見ていただければわかりますし、今はヤフーという素晴らしいサービスがありますから「小澤隆生」で検索と。いい情報も悪い情報も出て参りますんで、Google使いたい方はどうぞ(笑)。

大体世の中の65%がヤフーを使って、35%はGoogleを使ってるんですけどね、皆さんはGoogleかな。中高年の方がヤフー使ってますね。よろしくお願い致します。

私の特徴としては、今たまたまヤフーにいますけど、基本は会社作って楽天に売って、楽天の中でプロ野球チーム作ったり、好きな仕事させていただいて、ちょっと疲れましたと。正直に言うと劇団四季に入りたくなって辞めるんですけども、劇団四季入りたくて辞めて。まあ落ちましたからね。

これダメだって、投資をたくさんしたりして、そういう会社が育ってくるのを見たり、そのうちにもう一回自分でもやろうと思って、その会社が今度ヤフーに買っていただくと。楽天に1社、ヤフーに1社お買い上げいただいてるんですけどね。

今ヤフーの枠組みの中でショッピング・投資ということをやらせていただいてます。皆さんと違って学生時代から本当に馬鹿でございまして、いまだにあんまり癖が直りませんけども、とにかく「迷ったらおもしろいほう」と。おもしろいほうだけを選んで参りました。

おもしろいほうだけ選んでくると、こういう人生になるというのも今日お話できたらいいと思いますし、今その目線から見ると、30~40年前から言われてますけど、やっぱり世界です。特に東南アジア・中国。この辺りがおもしろくてしょうがないので、今英語を勉強しています。皆様方に遅れること何年ですか。未だにしゃべれません。

それでも世界はおもしろいなと思って、42歳になりますけども、一生懸命毎日フィリピン人と30分英語で話してるんですよ。「隆生、頑張れ」と。ときどき混じるタガログ語と一緒に勉強しております。皆さんと一緒に世界を目指したいと思ってます。

ヤフーという会社の話をしても今日は全然おもしろくないでしょうから、今日はどちらかというと私のパーソナルな部分の話をして、学生のときからどうやって育ってきたとか、皆様方にとっては「サラリーマンもいいけども、起業家という人生もいいぞ」「起業家になってからサラリーマンやるのもいいぞ」と。

とにかくおもしろければ何でもいいじゃないか、という話ができたらいいなと思っております。今日はよろしくお願いします。

田口:ありがとうございます。会場の皆さんお気づきのように、コミュニケーション能力というのは大変重要なことがありまして、キャッチ、掴みとオチというのがこれから皆さんには重要なテーマになってくるんじゃないかというふうに思ってます。

何歳になっても価値のある「教養」の知識

田口:そういう個人の能力もありますが、これから皆さんと同じ目線で、学生時代にそれぞれの、今世界で活躍してそれから新しい価値観を生み出してらっしゃる方々が、学生時代に「これやってて良かったな」あるいは「これはやってまずかったな」「やっときゃ良かったな」というのが聞きたいかなと思っておりまして。山田先輩のほうからお願いしたいと思います。

山田:学生時代、皆さんと一番遠いのが私と思うんですけど、まだ安田講堂で旗を振ってたその直後くらいの時代だったので、大学もずいぶん今とは違ったと思いますが、私は物理と生物に興味があったので、その狭間の領域の今でいうバイオがやりたいと思って、物理の教室へ行きました。

行ってみてショックだったのは、ほとんど授業がわからなくて、高校時代まではそこそこ勉強できるつもりで行ったんですけど、もうまったく歯が立たないと。

そのバイオの分野を一応勉強したんですけれど、とても大学院は通らんなということで、今の仕事は実は家業でやってる仕事だったので、家に戻るという選択をしたんですが、やっぱりそれをし残したっていうのが、僕はもっとやれば良かったなというのが正直なところです。

でも実はそれがずーっと巡りまわって、さっき再生医療っていう話をしましたけれども、当時やろうとしてたこと、当時の私が一緒に研究を教えていただいてた先生方の研究が今、本当に実を結んでるっていうことがあるんですね。

自分でもある意味では意図しない、運命の糸に導かれてというんですかね。そんなことで今日まで来てるんですけど、それとやっぱりもっといろんな、いわゆる教養っていうんですかね。皆さんもこれから世界出て行かれると思うんですけど、仕事のこと以外の話題・経験。

こういうのがすごくコミュニケーションをやっていく上で重要なので、今皆さん時間あるわけですから、できるだけいろんなことをやってほしいなと。ちょっとでも人と違う知識とか体験とかをできるだけ入れてほしいな、というのが私のメッセージですね。

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