2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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箕輪厚介氏(以下、箕輪):今日は、(人事担当とは)違う方もいらっしゃるみたいなんですけれど、それぞれ素晴らしい企業の人事の担当の方に来ていただいて、「人事の本音みたいなテーマで話すので、聞き役になってくれ」と言われました。
まずは自己紹介かな。僕は幻冬舎の箕輪といいます。主に本作ったり、Twitterやったりしてます。どうぞ、自己紹介。
(一同笑)
司会者:いやいや! (箕輪氏は)有名な最近の本に関わってるじゃないですか(笑)。
箕輪:(堀江貴文氏の)『多動力』とか。落合陽一さんの本とか。あとメタップス佐藤さんの『お金2.0』とか。だいたい売れてる本は全部僕が作ってますね(笑)。
一同:おお~。
(一同拍手)
箕輪:スライドお願いします。
諸戸友氏(以下、諸戸):はい。よろしくお願いします。クルーズの諸戸です。自己紹介ですよね。だいぶゆるい感じで入っていきますが、クルーズは3社目で、1社目がリクルート系の会社で4年間くらい営業をずっとやっていて、そのあと先輩と1個会社を作りまして、5年くらいやってました。
その会社が、ベンチャー企業に特化した採用コンサルティングをやる会社なんですけど。実は、今日来て気づいたんですけど、その作った会社の場所がここにあったんですよ。エイベックスさんの立派なビルの隣に、古いビルがあったんですけど。そこでスタートしまして、5年くらい前はベンチャー企業に対して採用コンサルティングをしていました。
そのなかで、やっぱり伸びる会社と伸びない会社が世の中にははっきりわかれているなっていうのを見つけまして、しっかり伸びてる会社で伸びる理由を身につけたいなって思って、ジョインしたのがクルーズです。それが6年前です。社長室やって、人事やって、ちょうど3年、3年(ずつ)で。
今37歳で……ちょっと長すぎましたね。
箕輪:そうですね。サクサク行きましょう。
諸戸:よろしくお願いします。
箕輪:ありがとうございます。
(会場拍手)
沼野井伸拡氏(以下、沼野井):すいません。DMMの沼野井です。
箕輪:(スライドを指して)なんか虎じゃないですか。
沼野井:そうなんですよ。これ、サバゲーのマスクなんですけど。とくに顔を隠してるわけではないんですが、人事界隈はイケメンが多いので、僕、かっこよくないのでマスクで誤魔化して……。
箕輪:いや、かっこいいですよ。一番かっこいいんじゃないですか。
沼野井:いやいや。嘘っぽいな(笑)。
僕は商社に11年いて、そこから2社目でDMMに来ています。営業系出身で、人事をやったり、いろいろやってきました。DMMでは、先月までは人事部長をやっていたんですけど、今月から会長室の責任者をやっています。
会長室って名前が大きく見えるんですけど、簡単に言うと「オーナーのミッションをなんでもこなす」という部隊なので。実行し続けて、DMMを支えていきたいなと思います。
とくに買収系よりかは撤退とか、特殊な案件を受け持ってるかなと思います。よろしくお願いします。
箕輪:お願いします。
(会場拍手)
柴山知也氏(以下、柴山):みなさんこんにちは。ミクシィグループの柴山と申します。私は最初、楽天に入社いたしまして。みなさん「みん就」(注:企業研究や情報交換ができるクチコミ就職サイト)って知ってますかね。使ってらっしゃるかな?
箕輪:懐かしい! 使ってた! 『みんなの就職活動日記』。
柴山:そうです。
箕輪:やってました。
柴山:就職活動に関していろんなことを書く掲示板ですけれども。そちらで新卒採用担当者の方向けの営業を5年半程やらせてもらって、そのあと社内異動でアドテクの領域の仕事をしたあとに、2015年にミクシィグループに入りました。
今、新卒採用自体を私が担当するのは3期目になります。現場の声をお届け出来ればと思います。よろしくお願いします。
箕輪:よろしくお願いします。
(会場拍手)
米山健一郎氏(以下、米山):favyの米山と申します。私だけ人事畑ではないんですけれども。私はですね、実は18歳のときからコックさんをやっておりまして、一番長いのは焼き肉の牛角。
箕輪:ああー、好き!
米山:ありがとうございます。13年くらい、メニュー開発や食材調達などをやっておりました。……。
箕輪:「やみつきキャベツ」も作ったんですかね?
米山:やみつきキャベツ、はい(笑)。
箕輪:すごい。あれ、やみつきになりますよね。
米山:はい。ありがとうございます(笑)。
飲食業界ってまったく何十年も変わってない世界にいました。そこに、自分は(飲食業界が)好きなんだけど、ずっといていいのかなって疑問符が出たときに、ちょうどうちの代表と出会いました。
ハイスペックネット人と、飲食やってきたキャリアを兼ね備えて、「食×IT」みたいなことを実行しようと思って作った会社がfavyでございます。2年半前に創業しまして、当時5人でスタートしたんですけど、今メンバー180人ということで、急激に成長をしております。
箕輪:ありがとうございます。
米山:よろしくお願いします。
箕輪:はーい。ありがとうございます。
(会場拍手)
箕輪:今日は、「他のイベントでは聞けないぶっちゃけ人事トーク」という内容で1、2、3(の項目)があるらしいんですけど。就活が3月1日に解禁したんでしたっけ? そもそも大学3年生は、ここにどれくらいいるんですかね。みんな近々に迫った課題として、人事の人がなにを考えているかを知りたいってことでいいんですよね。
オッケー。(スライドを指して)これ普通に聞いていけばいいのかな。
(スライドには①学生で一番よかった人、ひどかった人、②よかった・よくなかった人事の話、③入社して1番活躍した・活躍しなかった学生の話)
(スライドを指して)これちょっと無視していいですか? そもそも、この1~2年で、求める学生像みたいなのがめちゃめちゃ変わった気がするんですけど。「今、こいつが欲しい」みたいなやつってどういう人なんですか?
(一同笑)
米山:うちの会社で言うと、ネットと飲食を融合させています。店に立っている人ばっかりかというとまったくそうじゃなくて、プロモーションやったり、リスティング広告をやったり、多岐に渡ることを業務としておりまして。全体のバランスがある程度掴めて、深掘りする能力がある人が、一番活躍をしてます。
なので、「学生のときにアルバイトで皿洗いしたんです」って言ってても、実はプロモーションやらせたらすごく得意、とか。
箕輪:単純に、飲食やったことあって、ネットも得意とか、ビジネスもできるような人。
米山:そうです。はい。
箕輪:ふーん。
米山:それを、上手く活用させて、その人を店長みたいな位置づけに置いてます。必ずしもお店を回すのが得意ということじゃなくて、実はネットの知見が高くて、でも飲食のこともある程度わかるよ、みたいな人たちがすごく活躍できる。
箕輪:なるほど。じゃあ飲食まったくやってない人は、もう来ないでくれって感じですか?
米山:ぜんぜん違います。
(一同笑)
米山:専門に特化した分野があって、グルメサイトの記事を書いたりしてるんですけど。そういう専門特化の人は、それはそれで欲しいっていうことです。
箕輪:なるほど。学生のときに、飲食に限らずなにかしらこれが得意ですよっていうものを持ってる人、という感じですか。
米山:そうですね。ストロングポイントをある程度理解して、それを深掘りできるような、チャレンジできる人。そういう人が理想像かなと。
箕輪:わかりました。ありがとうございます。
諸戸:2つパターンがあります。1つが、爆発的な事業を作っちゃうような、イノベーションを起こせるぶっ飛んだ人。たぶんこのパターンのほうが今の時流なんじゃないかなと思うんですけど。
箕輪:そうですよね。
諸戸:はい。そういう人材がやっぱり欲しいですね。毎年20人から25人くらい新卒採るんですけど、その内の2~3人そういう子がいてくれたら最高だなっていう。
箕輪:それって、面接で、どういうところで「こいつ事業作ってくな」って思うんですか? 実績ですか?
諸戸:そうですね。過去採った子で言うと、面接とかあまりしてないですね。いつのまにか出会ってて、いつの間にかとりあえず一緒に事業をやっちゃってて、「うちでそのままやるか?」「はい」って。
箕輪:もう外国でやっちゃってるみたいな。
諸戸:やっちゃってるって感じですね。
諸戸:一方で、これは逆にこの時代珍しくなっちゃってると思うんですけど、素直で真っ直ぐ伸びる子というのをうちはすごく求めています。さっき言った20人中17~18人は「ぼく、わたしがんばります!」みたいな、古き良きスクールウォーズ的な。結果的にそういう子が、4~5年後ボディーブローのように効いてくるんですよね。
箕輪:いや、すごくわかる。
諸戸:なので、ぶっ飛んだ人も2、3人採りたいなって思う反面、やっぱり新卒の良さである素直さとか、成長意欲みたいなところは引き続き求めているっていうことです。
箕輪:面接で、具体的にどうやったら「素直で良いやつ」をアピールできるんですか?
(一同笑)
諸戸:これねえ(笑)。良い人アピールされても困るんですけど、僕、目を見てるんですよね。
箕輪:目?
諸戸:素直な子どもがキラキラしてる感じ。
箕輪:(諸戸氏にアイコンタクトして)こんな感じですか?
諸戸:ぜんぜん濁ってますね。
(一同笑)
諸戸:箕輪さん、ちょっといろいろ経験しすぎてる。
箕輪:目でわかるんですか?
諸戸:どんなリアクションするかという、就活用に準備してきたことよりも、例えば好きなものの話とかで「学生時代めっちゃ好きな子がいて」とか。
箕輪:なるほど。
諸戸:そういうの深掘りしていくと、どんどんノッてきちゃって、テンション上がっちゃって、目がキマっちゃうんです。そういうキマッた目をしてると、「あ、この子良いな」って。そういう感じですかね。
箕輪:おもしろい。
箕輪:どうですか? 最近、DMMはとくに、あまりにも業態が変わりすぎて、求める人材も変わってると思うので。今、どういうやつが欲しいか。
沼野井:そうですね。そもそも「優秀」の定義は1つなのかっていうところがポイントで。今おっしゃっていただいた通りうちのように変化が大きかったり、40種類以上のサービスをやってると、いろんなタイプの人が必要になってくるんですよね。
例えば、弊社は新しいビジネスを立ち上げることも多いので、諸戸さんが言ったように爆発力のある起業家タイプも欲しかったりします。ですが、逆に言うと、昔からある大手企業によくいるような地頭の良く、吸収力も高い、やってくれる子というのも必要なんですよね。サービスが立ち上がったあとって運用もあるので、サポートっぽいことをする人も必要なんですよ。
自分の特性と、企業の特性をよく考えて就活することがすごく大切なのかなと思います。そこを間違えると真逆の会社に行っちゃって上手くいかないっていうことがあるんじゃないかなと思いますね。
箕輪:DMMみたいなぶっ飛んだ会社って、むしろぶっ飛んだやつが主流派だから、地味に見えるかもしれないけどちゃんと運用できるやつのほうが重宝されそう。
沼野井:そういう人もいますよね。その能力が秀でていて、しっかり調整を含めてやってくれる人の価値ってうちでは大きいです。
箕輪:たしかに。
沼野井:ぶっ飛んだ人は絶対に必要なんですけど、よくいるタイプの人材も求めているのがうちの会社なのかなと思います。
箕輪:落合陽一さんが「やっぱりベンチャーってみんなフォワードだから、ボランチが欲しい」みたいなことを言ってました。みんなフォワード採っちゃうんですよね。採用もフォワードだから。そうすると、経費精算とか、電話とか、お礼状とか誰もできない、みたいな。
沼野井:そうです。なので、ポジションをよく考えることなんですよね。スポーツと一緒で、フォワードだけ採れば良いっていうものじゃなく、その会社の状況に対して必要なポジションを適切にそろえていくのが、HRのリクルーターの1つのミッションなんじゃないかなと思うんですね。
箕輪:就活生の目線で言うと、自分がイケイケタイプだからイケイケ(な会社)に行くっていうのは、ありではある。だけど、そこを1個俯瞰で見て、自分が稀少的な人材としてはまるとこはどこかを見る面もあり得ますよね。
沼野井:良いですね。すごく大切なことだと思います。やることが大切なのか、そこで成功することが大切なのかって考えたときに、攻撃的な人たちが集まってるところに行くと薄まっちゃったりするので。対局のところに行ってみるっていうのは1つのチャンスなんじゃないかなって個人的には思いますね。
箕輪:ありがとうございます。
柴山:ほとんど言われちゃったんですけど(笑)。ミクシィグループは、モンスターストライクを中心にエンターテイメント領域を拡大したり、最近ではヘルスケア事業に参入したりと、新たな事業も生まれています。
箕輪:じゃあ、株買います。
柴山:はい(笑)。っていう感じで、いろんな事業が生まれてくる昨今なので。そういった新規事業含めて、事業を牽引していきたいなと思ってくれる方はぜひ来ていただきたいなと思います。ただそれは、総合職でいけば十数人しか採らないので、そのうちの数人は、どこのポジションでも機動力がある人材が欲しいかなって感じはしていますね。
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