2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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川島高之氏(以下、川島):いろんな話も出てきましたけど、あと数分になってしまいましたので、最後に一言ずつ、スライドの3番(「教師に過剰な要求をしないために保護者の具体的な行動とは」)の具体的な行動指針につながる発言をお願いします。
白河さんから、保護者、一般市民、一人の成人として、こんな行動を取るべきだという論点に集中した話をお願いします。
白河桃子(以下、白河):「滅私奉公」思想をやめようということですね。子育てや仕事に関しても、自分を捨てちゃいけないと思いますよ。やっぱり今のような、1つのことに集中する。
そのためには、自分の時間を全部犠牲にして、際限なく使わなきゃいけないっていう思想のままだと、やっぱり労働環境って変わらないんですね。
このままだと、次の世代がどうなるか。例えば、ある男子学生のボランティアがいて、彼はなんと教師になる話だったんです。その子は「付き合ってる彼女はいるけれど、なんかどうも、イクメンにならなきゃいけないらしい。でも、僕はすごく仕事に集中したいから、結婚しないほうがいいかもしれない」って言い出したんですよ。
考えるとおかしいというか、本末転倒ですよね。やっぱり、どっちかを選ばなきゃいけない。どっちかを選んだら、この人は仕事熱心じゃない。
「今日は子どものために、仕事を早く切り上げて帰ります」と言ったら、その人の仕事ってもう終わりなのかとか、逆の話もしかりです。みなさん、自分をまず大切にして、自分の時間を大切にして、人の時間を大切にしてほしいと思います。
川島:要は「滅私奉公」精神から脱却する。
白河:そうです。
川島:奉公は必要だけど滅私はやめよう、と?
白河:滅私はしないほうがいいんじゃないですかね。
川島:それを一保護者として、一成人として、当たり前にそれを発信して、自分も行動することで、結果的に学校への過剰要求がなくなるようにしよう、ということですよね?
白河:はい。
川島:ありがとうございます。妹尾さん、お願いします。
妹尾昌俊氏(以下、妹尾):子どもと関わりをすることっていうのは、すごく楽しいんですよね。だから、本当にやりがいをもって教育をとらえていただけたら、というのが1つです。
その次に、いろんな自分のできることで関わるという話で、今日はまとまっていますけれども、1つ覚えていただきたいのは、学校教育“外”にするかどうかですね。
川島:と、いいますと?
妹尾:学校教育の外。つまり、そうめん流しでも肝試しでもなんでもいいんだけど、行事を増やす。学校教育の中で怪我とかすると、絶対に校長や教育委員会の責任になります。
これが学校教育外ですと、学校の責任外となれば、どこに責任を負荷するのか、いろいろありますけれども、出てる先生は気楽になるわけです。みなさんができることで、学校教育外のお話でできることがないか、っていうことを考えていただきたい。
これまで学校教育でやらなきゃいけないと思われてきたことを含めて、やりたい人だけ子どもを集めてやるとか、そういうことも含めて考えていかなきゃいけない、というのが1つです。
同時に、もっと学校教育の中でやらないといけないことも多いと思います。それは生重さんがプレゼンされたとおり、学校教育が変わろうとしている中で、子どもたちの力をもっと高めたいというのがいっぱいあるわけです。それは残念ながら、教員だけの力だけでは伸ばしきれない部分も正直多いんですね。
そういった時に、みなさんができる部分もあるので、学校教育外でがんばる部分と学校教育の中でも貢献していく部分、両方ともできることが絶対あると思いますので、ぜひ意識していただければと思います。
川島:重要ですよね。学校教育の外に出すことで、ある意味、先生たちが変な責任を負わされなくてすむし。
川島:この間、ボランティアで募金活動を3.11の時にやったんですけど、その時に学校の先生たちに、「これは学校の外ですから。僕ら、子どもたちの保護者がやることなんで、来たかったら先生来てください」という建て付けにしたんですけども、やっぱそういうようなことをやっていくと、先生たちも安心して参加できる。生重さん、どうですか?
生重幸恵氏(以下、生重):保護者のクレームの問題も、先生側がどうしてもそれを受け入れられない現状です。先生たちに言おうと思っているのは、保護者の方々には、常にバーッてすぐ言われるんだけど、そこまで(問題点に)気づいてくれている。
クレームでそこまで気づかれるということは、お母さんやお父さんがもっとどうしたらいいっていう代替案をお持ちだから、意見を提案しに来てくれたりすると、「今日はわざわざ来てくれたんですよね」とお礼を言っていいと思うんですよ。
お互いに「はー、はー」と消耗して、そんなことをしてるからモンスターといわれる保護者は図に乗るんであって、「なんにも悪いことをしてないのに、文句だけ言いにくるんじゃない」というのを、その保護者たちにどれだけ丁寧に伝えるかということですよ。
保護者の側も、先ほど質問してくださった方が提案してくれたように、自分たちが学び合って、そして高め合って、これからの時代を生き抜く子どもたちの教育ってどうやっていけばいいよねっていう、立場を超えて話し合うしかないんですよ。
だから、、私たちは「熟議」という風習を持ってるわけですね。立場を超えて話し合う、これをぜひ実現していただけたらと思います。以上です。
川島:熟議っていうのは、保護者や地域の人と先生たちが、立場を超えて話し合う場をね、アンオフィシャルでいいから持ちましょう。はい、ありがとうございます。坪谷さん。
坪谷ニュウエル郁子氏(以下、坪谷):今日のこの会をきっかけに、1つでも具体的に動くってことができたらと思っているんですね。提案させていただきたいんですけども、お子さんが学校に行っている方もいらっしゃるでしょうし、そうでない方もいらっしゃるかもしれない。
別の学校でもいいし、自分の住んでる地域の学校でもいいんですけど、できれば4、5人の方々を集めて事務局を作っていただきたい。
そのうえで、「学校にやってほしいことリスト」を作って、細かいことも入れてください。できるだけたくさん書いてかまいません。そして、「学校からやってもらいたいことリスト」を出してもらうのです。
それをもとに、来年4月から再来年3月の少なくとも1年間、保護者、地域の住民、もちろん高齢者や企業も含めて、どれぐらいやってほしいことを埋められるのか。そして、実際に翌年度の4月から、それを実行してみる。
みなさんがその活動をすれば、この学校の数は始めは5かも10かも20かもしれません。これが1つ動けば、これが標準になっていけば変わります。
川島:それをやるのは、先生たちだけじゃなくて、さっきのPSAみたいな、そういう地域の組織ですね?
坪谷:まずみなさんがですね、4、5人の同志を集めて、事務局を作ってください。PTAではなくPSA、PCSAですね。ParentsとCommunityのSupport Association、みなさんはPCSAのアントレプレナーです。
川島:要は自分たちでそれをやる。そういうことですよね。最後、安藤さん、まとめてください。
安藤哲也氏(以下、安藤):お父さんたちに言いたいのは、もうそろそろ学校や地域のことを、妻や教師側のせいにするのをやめましょう。やっぱり、もっと当事者意識を持って、自分でコミットしていく。それが子どもたちのためにもなるし。
逆に、お父さんが学校のことをチームでやらないと、あなたのお子さんたちもそういうことをまったくやらない大人を再生産してしまう話だと思います。
実際にやってみて、すごくよかったんだけども、友達も増えるし、学校のこともよくわかるんですね。学校の先生と本当にコミュニケーションをまず取ってほしい。そんな中で同じチームのメンバーという意識を持って、地域の子どもたちを一緒に育てていこうという、価値観を伝えてほしいですね。
加えて、PTA会長などをやると、本当に会社でのマネジメント能力がつきますから、必ず会社の評価も上がりますよ。サードプレイス、第3の居場所ができて、定年になった後も、地域の中で愛される人材になっていくはずですから。こんないいこと、タダでできるのになんでやらないんですかということです。
僕は、会社もPTA会長もやってますが、ファザーリング・ジャパンの会員メンバーは40人の現役PTA会長がいますからね。全員、立候補でやってます。
川島:10パーセント超えてますよね。
安藤:はい。78人の中だからね。
川島:男性の会長もいますしね
安藤:だって、地域に友達できて居場所もできるし、愛されるし、会社の評価も上がる。
川島:仕事の能力も高まるしね。
安藤:そう、仕事の能力も高まるし。
川島:で、妻から感謝される。
安藤:そうそう。地域の子どもからずっと覚えられる、変なおっさんになれるし。
川島:PTA参加10大メリットっていうのを、毎年配ってたんですよね。何でしたっけ? あれ。
安藤:「MBAよりPTA」って。
川島:MBAよりPTAっていつも言ってるんですけど。MBAとか座学って「マヌケ(M)、バカ(B)、アホ(A)」になるだけですからね。
(会場笑)
安藤:そうそう(笑)。
川島:机上の空論でマネジメント能力なんてつくはずないんですよね。ロジカルシンキングやSWOT分析とかよりも、PTAの会長や副会長など、役員でもやったほうがマネジメント能力はつきますよ。
安藤:そうですよ、記者も言ってたからね。俺も子どもが卒業したらPTAできませんから。でも、地域で絵本の読み聞かせを12年間やってますけども、末っ子が大きくなるまで続くようにしたいですし。
やっぱり地域の一員として、子どもたちと妻とも、一緒にいられたらいいなと思うし。「あの変な、絵本のおじさん来たな」って、妻でも言われるような相談が必要なんじゃないかなと思います。
最後に、校長先生には本当にイクボスになっていただきたいと思います。校長とは金や地位、名誉ではなく役割なんです。
しっかりと部下の幸福度を上げ、働きがいをつくり組織を育て、みんなで教育というミッションを達成していく。「そのプロデューサーはあなたですよ」と。「あなたの役割でしょ」と。
それができずに、その校長という地位に得々として、なぜしがみついてるんですと思いますよ。
ただ、それだけの校長を僕はいっぱい見てきました。とっても残念だし、子どもから見たら、「こんなの教育者じゃない」と思われているのが僕からのメッセージです。
川島:はい、ありがとうございます。(セッションの)前半の話は、本当に組織のダイバーシティが求められてるじゃないですか。一般的には、企業でいえば、日本人男性が主となる企業とか、そこに女性も外国人も加わることで、組織が活性化される。
学校のメンバーとか地域は、どうしてもお母さんたちの女性が中心ですので、そこに男性が入ることは、ダイバーシティという意味ではプラスになります。企業の逆だと思いますけどね。
安藤:男性の生き方も変わると思う。
川島:男性自身の生き方も変わるし、価値観も変わります。我々男性なんで、どうしても最後は男性向けのメッセージになってしまうんですけど、ぜひ男性の方はもちろん、女性の方は周りの男性たちにそれを伝えてほしいなって思いますよね。
はい。「おまえ、いつ終わるんだ?」って、ずっと(スタッフから)プレッシャーを受けてますけどね、ちょうど予定どおりですね。これで終わらせていただきたいと思います。今日はありがとうございました。
(会場拍手)
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