2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
パパたちのライフシフト~転職・副(複)業・起業・主夫・育休・移住etc 家族の幸せは自分でデザインする!(全10記事)
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ただ、妻がもしそれについてくる場合は、基本的についていって何年以内に復帰するという人事制度はないので、退職するか、もしくは単身赴任になるという選択肢になるんですけども。
そういったなかで、自分自身のキャリアとしても行きたいというのはありますし、ただ、妻のキャリアシフトはさせたくないという思いもあります。家族自体はすごく円満というか、家事も育児も半々でやっている。この状態をそのまま海外でやるか、もしくは他のかたちでやるかというのを非常に悩んでいるんですけども。
多くの企業さんが講演されているなかで、実際に企業としてはどういう動きになっていて、実際にこういった悩みを持たれている方ですとか、もしあればご紹介いただければと思います。
川島高之氏(以下、川島):僕も商社にいたので、僕の妻も、当時も今もフルタイム勤務で。僕も単身赴任を1回やって、それで決めたのが、少なくとも子どもが中学を卒業するまでは、絶対、単身赴任はやめようって決めたんですよ。かと言って、単身赴任をやめるとしたら、今度は妻を辞めさせなきゃいけないんですよね。これも僕の選択の中にはなかったと。
残った選択は、海外に行かないという選択をしてね。それは相当上司から言われたけど、俺はもう絶対残ると。その代わり、残るというわがままを通すためには、絶対、成果で倍返ししてやるっていうね。国内にいても成果を倍返し。その気持ちをずっと持ってやっていて。成果が出たかどうかは当時の上司の判断ですから、なんとも言えないんだけど。
なにが言いたいかといったら、なにかを捨てなきゃいけない選択ってあるから。それは当然自分で決めてると思うんですけども、決めなきゃダメですよね。海外をやめて家族と住むっていうのも1つの選択だし、行くっていうのも選択だし。
でも意外に僕の場合、自分の場合で申しわけないですけども、海外に行かないという選択をしたことが、自分にはプラスだったんですよね。それは仕事を倍返しするためには、申しわけないけど同期や同僚がキャバクラに行ってるときに勉強もしたしね。
2回・3回かかったことを、1回でなんとか終わらせようとかね。いろんな努力をして、自分のなかでスキルが高まったかなと。まず個人としてはそう考えるべき思います。
佐藤雄佑氏(以下、佐藤):私はリクルートで人事だったんで、両方あるんですよね。うちのメンバーを海外に行かすということもあるし。うちの優秀な女性社員が、旦那さんの転勤によって会社を辞めるかどうかという面談は、たぶん僕20回以上やっています。結論から言うと、ほぼほぼ送り出しました。うちのリクルートの女子は退職して、旦那さんについて行ったというケースが多かったです。正解はないんですけども。
佐藤:(部下に)言った話はなにかというと、「2人でちゃんと話しなよ」ですね。意外にうちの女性社員は、会社を辞めて専業主婦というかたちで一緒についていって、4、5年経ったりしてるメンバーと今もずっと仲良いんですけども、けっこう楽しんでる人が多い。奥さんが一緒に海外に行くことを前向きに捉えられるのあれば、会話をした上で、捉えられるのであれば一緒に行くというのもありだと思いますし。
ただ奥さんが自分のキャリア、やってることからして絶対ここから離れるわけにはいかないんだっていうことであれば、最初は単身赴任で行くんだけど、1年とか2年とかやりながら、どうする? っていうのを詰めていくみたいな折衷案も、実際はあるかなあなんて思っています。
川島:僕はでも、単身赴任反対ですね。やっぱり自分が経験してると……まあ彼もしてるけど。やっぱり離れて暮らすというのは日本だけですかね。単身赴任っていう英語はないですから。
もちろん海外の方だってときどき、単身赴任する人はゼロじゃないけど、レアケースなんですよ。よほどの事情がある人が単身赴任なんですよ。いろんな海外の人と仕事をやってきましたけど、不思議がられましたもん。「なんで日本人だけ単身赴任なの?」って。
これも大きなお世話かもしれないけど、あえて自分の価値観を言うと、単身赴任はレアケースっていうふうな。やっぱり家族は一緒に住むものだよと。少なくとも、子どもがちびっこのころは。と思ったほうが、僕はたぶん幸せになれると思います。その基軸の中で、あとはどうしていくかという話かな。
安藤哲也(以下、安藤):ファザーリング・ジャパンでは、この間「転勤フォーラム」というのをやりましたね。まさにそういう問題をやってきたんですけど、企業の側の事例としても転勤免除制度とかを入れてるところもあるし、転勤が5年間は自分で選べるっていう制度が上がってきてる会社も出てるし。
武石先生の報告では、会社側が育成のために転勤をさせるっていうんだけども、実際転勤した人の半分くらいが「自分は別に、それによって育ったという覚えはない」みたいな結果も出てるとかですね(笑)。
要するに、当たり前の出世の条件として組み込まれてきただけであって、本当にそれがその人の成長とかに価値があるのか。ないのだとしたら、それって企業にとっても引っ越し代とかいろいろ手当を出さなきゃいけないということで、マイナスになってんじゃないの? みたいな。この間のフォーラムではそういう議論になった。
安藤:あとは奥さんのキャリアの問題でも出ていたし、そういうのを総合的に勘案して、川島が言ったような選択肢というのを自分の中で持つ。正解はないような気がするので、最適解をどう目指していくかしかないのかなと。行かないことも選択肢の1つとして、行かないでほしいなっていうのもありますね。
秋鹿良典氏(以下、秋鹿):ぜひ、ご本人が納得感を持った落としどころを見つけてほしい。
坪井博一氏(以下、坪井):本人もそうだし、家族のかたちがどうなのかっていうことに最終的にはなるんじゃないかと。
安藤:もう1方くらい。うちの学生が来てるんです。3年生。
川島:すげぇな。3年生。
質問者5:1つアドバイスというか、聞きたいんですけれども。先ほど質問された方も、育児休業を取得して後輩たちに伝えていきたいというのをおっしゃっていたんですけれども。実際に部長であったり上の人たちに、育児を推進しろっていう伝え方というのはどのように伝えていて、私たちはこれから就活を始める立場で、どのような意識を持っておけばいいのかなと。
安藤:育休を取りたいの? 将来。
質問者5:将来は結婚して育休を取りたいと思ってます。
秋鹿:素晴らしい。
安藤:やっぱりそうなってきてる。今、そういう新卒が7割を超えてるって。ネットの無記名とかでやるとそうなってる。面接で面と向かっては言わないんだけど、そういう意識の高まりはあるね。
僕らNPOとしてはそういう、若い人たちの意識はこうなってますよとか、あるいは人材不足になってくる中で、男性でも育休が取れるような働き方、受け皿を作っておかないと、いい人材は取れませんよとか。会社にとってそっちをやったほうがプラスなんですよっていうプロジェクトで、僕らはイクボスとかで、企業に対してはやってます。
個人のパパとしては、育休を取ることによって、子どもとの関係、奥さんとの関係すべて良くなるし、自分も父親としての喜びを実感できる。家族がずっと仲良くいられる。そういうメリットをずっと伝えてきてるので、両方の側面があるというとこですね。個人の意識と会社としての論理みたいなものがあると思うので。そこは入ってからたぶんぶち当たると思うけど、とりあえず子どもが生まれたらファザーリング・ジャパンに入りなさい。
(会場笑)
川島:そこを言いたかった(笑)。
安藤:そうしておけば仲間がいっぱいいるし、(育休を)取った先輩がいっぱいいるので。
川島:あとは就活をするとき、それこそ佐藤さんの『性格のいい会社』を読んでね。
佐藤:選び方がずいぶん変わってきてるような気がしますね。
川島:リクナビのランキングではなくてね。
佐藤:そうですね。
安藤:ぜひその育休を取りたいという気持ちを大事にしてほしいなと思いますね。
質問者5:ありがとうございます。
安藤:というわけで、そろそろ時間になります。よろしいですか? アンケートは取りませんが、なにか感想とかあったらぜひFacebookに書いていただければなと思います。
今日、なんとなく思いつきで僕はこれやろうかなと思ったんですけども(笑)。おじさんのセカンドライフもいいんだけど、こっちもちゃんとやっとかなきゃなっていうのがあったのでね。モヤモヤっと、育休にしろ起業にしろ、モヤモヤしてる感じがするので。女性たちはそれが20年前からモヤモヤしてたんだけれども、男性たちもモヤモヤ期に入ってきてて。
そのモヤモヤのままだといけないので、少し霧が晴れるようなヒントやメッセージが届けられたらいいなと思って、企画してやったので。ただファザーリング・ジャパンには、この6人7人以外にもいっぱい風変わりなパパがいますから(笑)。
(一同笑)
安藤:また第3弾、第4弾というかたちでやっていければ。
川島:今度はぜひ、こっち側で座っていただくとね。
安藤:そうですね。ぜひ、ゲストとして入っていただいたりですね。みんなでというか、そういう意識を持ってる人たちで社会を動かしていったほうが、それぞれにメリットが返ってくると思うので。
孤軍奮闘しようとしないで、我々みたいなNPOにコミットして一緒にそれを作っていく。それが自分や家族の幸せをデザインすることになっていくんじゃないかなと、僕は思います。今日は長時間、どうもありがとうございました。
(会場拍手)
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