2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
佐藤裕氏:そして、これはぜひ、メモをとっておいてください。社会で必要とされる能力というのは当然あります。もうちょっとわかりやすくいうと、面接で見られるポイントかもしれないですよね。または研修で、「あ、俺やばいな」と思わずに、ちょっとついてけるかなというベースですよね。この力というのは、例えば外資系さんを希望してるかたは5つのCと覚えてください。5つのCですね。
Critical Thinking。Character。これがどういう力なのかということを知らなかったら、たぶんその能力は伸びません。
なのでまずは、例えばCritical Thinkingって何か。絶対必要な力なのか。調べると、「批判的能力」「物事をいったん批判的に捉えて自分で解を導き出す」と出てきます。ということを知ったら「え、じゃあ社会人っていつCritical Thinking使ってんの?」というふうにリアルが知りたくなります。そして、みなさん自身をどう伸ばすかということがわかってきます。
この5つの社会人基礎力をもうちょっとわかりやすく言葉にすると、コミュニケーション能力、印象力、空気を読む力とか。このへんがポイントになってくるんじゃないかと思います。もっとたくさんありますよ。ただこのへんをベーシックに考えることがとっても重要であると思います。
間違っちゃいけないのは「じゃあ全部スタートしましょう」というのは違うんですね。冒頭に言ったように、人によって伸ばすべきポイントが違うんです。なので、2ランク上の世界に行ったときに「あれ、実は俺コミュニケーション能力が強いと思ったけど強くないんだな」と気づいて、「じゃあコミュニケーションを伸ばす方法はなんだ」とか。
「じゃあ私は伝達力がないのか」というふうに、開発ポイントは個人でぜんぜん違います。それをまず理解することをやってほしい。
で、これをどこでやるのかというのは、例えば社会人に教えてもらうこともあるだろうし、CAMPに来ればいいんだけど。でも実は大学生活そのものに開発ポイントはあります。
例えば、みなさんの頭のなかで、自分の大学で履修してる授業で一番つまらない、眠いっていう先生を頭に浮かべてください。……浮かべてんだろうなと思ってますよ、僕はね。さあ、その先生の90分、圧倒的に寝たいじゃないですか。でもその90分我慢してその先生の話をめちゃくちゃ聞いてると、なんと、Critical Thinkingが伸びます。
そんないいことあります? 90分4,000~6,000円払ってるんですよ。4,000~6,000円払って、その先生の話聞いてると、能力伸びるんですよ。「働くを楽しむ」の準備ができるんですよ。
なぜそれが伸びるかじゃなくて、そういうことを理解してほしいんです。大学生活ってそういうフィールドなんだって気づくと、学校への参加の仕方、バイトの選び方、働き方が変わってくる。そういうことに気づくことが、ポイントかなと思います。
そして、なかなか学生団体でもやってないかもしれませんが、未来志向ということが今のみなさんにはテーマなんだなと思っています。就活では学生って過去に行きがちなんですね。「過去こうだったから、過去のあこがれがあります」ではなくて、やっぱり今の時代は未来志向です。
市場がどんどん変化していきます。例えば、2025年ってどんな社会かということを一瞬調べたりするだけで、ゾッとするかも知れません。このへんは、経済学ではなくてしっかりと勉強してほしいんです。自分の人生のために。
2025年、みなさんは20代後半でしょう。今の日本の成長率をキープしようと思ったら、みなさんどんな状態になっているでしょうか。働くを楽しんでいたり、家族を持ったり、一番調子がいいときです。そのときになんと、日本で働く人が600万人も足らなくなるんです。日本が「まずいね」ってことが始まる年だったりします。
ということをわかっていると、今からどんな力をつけたほうがいいかということもわかる。そしてみなさんが55歳前後、今度はもう家があって車があって孫がいてなんてときに起こること。2050年ってどんな世界なんですか。
それからこの10年に起きること。AIがどんどん今のマーケットを取ってくんじゃないかって話がありますね。そんなことが現実に起こるかどうかじゃなくて、それを未来志向として捉えること。「そんなこと起きたらどうしようかな?」と。
で、2050年は人口が8,000万になってますね。働く人が6,500万人から4,000万くらいになってます。働く人が半分ぐらいになって、おじいちゃんおばあちゃんに若者がいないとなったら、まあまあ貧困国かなと。
そう思ったときに、やっぱり人は安定したいじゃないですか。そうすると、安定というのは大きな会社に入ることじゃなくて、自分に力をつけることが安定なんだということに気づく。そしたら、じゃあどうやって力をつけようかなということが見えてくるんじゃないかなと思います。
ここで、シンプルな例えをお伝えします。みなさんが見てる佐藤裕さんをですね、一瞬で内閣総理大臣だと思ってください。……ね。目が合わないですね。
佐藤内閣総理大臣ですよ。僕が、発表します。「オリンピックが終わったら残念ながら日本は消滅することになりました、ごめんなさい。以上」と。
そんなこと言われたら、みなさんは自己分析の結果こんな仕事をしたいとか、憧れてたのでこんな仕事をやってみたいとか、言いますかってことなんですよ。英語ができない人、どうしましょう。今日から英語を勉強すべきですよね。
ここなんです。ぜひみなさん、1回自分でこの方程式を当てはめてください。
「市場の変化」×「あなたのライフデザイン」。
この掛け算をすると出てくるイコールはみなさんが過去に思っていた「これやりたいな」「ここいきたいな」じゃなくて、「これやるべき」「行くべき」という答えが出てくる。なので、「市場の変化」×「あなたのライフデザイン」はあなたが行くべき業界だし、やるべき仕事、逆算なんですね。
なので、未来が見えないかもしれないけど、どこまで自分で先読みするかってことなんですね。見えないけど見るんですよ。ということを普段の生活からアンテナ張ってるといろんな情報の組み合わせで見えてきたりします。
今日は感覚でいいです。「ああ、そういうことが起きるんだ」「そういう感覚で一歩進むんだ」ぐらいのことを悶々として持って帰っていただけると、考えるきっかけになるかなと思います。
では最後になります。「働くを楽しむ」ためにということなんですが、ちょっとまとめましょう。今日1、2、3パターン言いました。就活終わってる人も関係なくすべての大学生にとって今大切なことは、まずは自己理解です。自己理解のなかに自己分析も含まれていますから。まずは自分のことを正しく理解して、自分のことを人にちゃんと伝える力ですね。
その上に自己理解。今自分はどんなコンディションですか、ウソつかなくていいですよぜんぜん。夢が無くたってぜんぜん格好いいし、いいんですよ探してても。そういう今のコンディションを、ちゃんと言葉にすること。
それから、自分の能力ですね。自分が思ってる能力じゃなくて、2ランク上の世界でみた自分の能力が、どこが伸びていてどこが伸ばさなきゃいけないのかということに気づくこと。これが1つ。
そして2つめ。リアルな社会を見ると。就活生はなんとかチャンネルとか、なんとか日記なんて行きがちなんですけど、そこリアルですか? 本当にリアルな社会を教えてくれる人を探すのはみなさんの力ですね。この人は、自分の会社に巻き込みたいから自分のことを褒めてくれてんのか、本当に社会のことを伝えてくれてんのか。というのは、みなさんがちゃんと意識をもっていろんな社会人を見ればわかってきます。
そして3つめ。社会が求める能力。さっきみなさんが写メ撮ってましたけど、ああいった能力を自分と照らし合わせること。
この3つの作業をまずしていただけると、「じゃあ、どこから始めようかな」「じゃあ、どうしたらいいんだよ」という疑問が出てくる。もっと欲しくなってきます。これが今大切なんじゃないかなと思います。
そして、これは人事という立場からのメッセージかもしれませんが、(スライドを指して)みなさんは総体でいうとこんな感じなんです。「毎日が百貨店の無料サービス状態」、もうパニックの状態ですよ。こういう4年間を過ごしてるはずなんですね。
つまり大学院には世界で一番の人もいますよね。ドクターとか先生方。その人たちからなんの情報を取り込んでいますか? 人事というのは面接でみなさんの経験を聞きたいわけじゃないんですよ。だって初めて会った学生のバイトリーダーの話を聞いてなにが盛り上がるの、と。
でも聞くんですよ。つまり、みなさんがそのポケットのなかに、カバンのなかに、どれだけ大学生活でいろんなネタを掴んで入れてるか。簡単に言うと、その詰め込み具合を評価したいということなんです。
でも多くの学生が空っぽで「いや、ポケットのなか入ってますよ」「カバンのなかめっちゃ入ってますよ」というテクニックを使う。すぐバレますね。なので、大学生活にはいろんなチャンスがあるんだということを意識して見渡してください。いろんなことが見えてくると思います。
そして最後は、みなさんこの2、3週間、日々がなにに支配されてましたか? 24時間支配されたものはたぶん、試験だと思うんですね。あの感覚ではなく、みなさんはこれから本当に見つけたい夢とか目標とか働くっていうことに毎日が支配される感覚。これになったら間違いなくさっきの6パーセント、働くを楽しめる、そんな社会人になりますから。
まずは夢、無くてもいいです。ない人は「どうやって探すんだ?」ということに走ったらいいし、目標も同じ。無理な目標はいらないし、そのコンディションを把握してください。
みなさんが本当に「働くを楽しむ」ってことは、働くって感覚が飛んで、日々が自分の夢とか目標で支配されてる状態で過ごせることが、本当に「働くを楽しむ」、6パーセントに入ることなんです。ぜひそういう感覚を、今わかんなくてもいいから、そうなんだと理解していただくことが重要かなと思ってます。
では第1部、私からは以上です。今日は繰り返しですが、この会場を出たときに、この私の45分と50分でもいくつか刺激があったらうれしいと思います。それからこのあと、普段では絶対に会えない人事の方々が来てます。そのあとは川栄さんの「働く」を聞きます。その刺激をどうやって自分に取り込んで刺激を与えて一歩踏み出すか。
300人くらいいます。みんながバラバラの方向に進んでもぜんぜんいいです。横の人の真似をする必要はないということを、言葉にして帰ってほしいなと思います。必要な質問があれば、Twitterであげてもらえれば拾いますから。ぜひ、残りの第2部第3部の話を、そんな気持ちで聞いてほしいなと思ってます。
では以上になります、ありがとうございました。
(会場拍手)
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには