2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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佐藤裕氏:それで、あえて今回は、逆説的に言います。いわゆるザ・就活生、今の6パーセント、3年3割、それから40パーセントに入る方々は、どういうふうに仕上がるんだろう、ということをご紹介します。つまりみなさんは、そうしなければいい、ということなんですね。
ではですね、いわゆるザ・就活生、どうやってできるんだっけと。
まずは、これみなさんも「えっ」と思うかもしれないですが、無理に夢をつくりがちなんです。「学生に夢とか要らないよ」って企業も多いんですよ。でも就活では聞きますよね「夢があるか」。このカラクリを理解することが重要。
なので、わかってほしいのは、今みなさんが持ってるデータベースというのは、親、友達、恋人、先生、見てきたメディアなど、20年間の環境で詰め込まれたデータベースだということ。それでまだ見たことない社会のことを想像して「夢」だっていうんですよ。この怖さを理解するっていうこと。
多くのデータがありますが、18歳でこれやりたいなと思ってたことにたどり着く人って2パーセントと言われてます。そのぐらい、社会には新しい刺激があり、これからもっと見たことない世界にたどり着くかも知れない。であれば、今無理に夢をつくんなくていい。
大学3年生。就活が始まると、自己分析をやって、先輩に聞いて、過去の自分の海外旅行の経験を踏まえて、気づいたら「僕の夢は日本を元気にしたい」。「でかいねぇ」って企業に言われるんですね。働くっていうのはそういうことじゃなかったりします。
ぜひ、思い込まないこと。多くの就活生が可哀想になります。就活1ヶ月、自分でつくりこんだ夢で語っていくと、本当の夢だと思い込みます。曲がんなくなっちゃう。なので今、無理しないこと。
2つめ。冒頭で言ったことかもしれませんが、古い就活というものがみなさんの周りにたくさんあります。就活生は、スタートで誰に質問しようかなと思うと、まず先輩に聞いちゃうんですね。ゼミの先輩とか20代前半の先輩。悪い人じゃないです、信頼できる人。ただその人たちは本当の就活の成功、ゴール、社会の現実を知らないんですよ。でもみなさんには親切にしたいし思いがあるので、自分の経験を伝えてしまう。
「自己分析やったらいいよ」「ES対策やろうか」「面接対策、テクニックどうしようか」とか、こんな話をする。こうすると、いわゆるザ・就活生に見えます。いちばん典型的な例ですね。みなさんの周りにはこんな人がいるんです。怖いんですよ。「俺のES見せてやろうか」という魔法が。笑ってる人はたぶんそういう経験あったと思うんです。
今、ESは添削すればするほど評価が下がると思ってください。なぜかというと、まず、企業の人事は本当にES見てますか? エントリー3万人、5万人。「人事10人でどうやってあの長い文章読むんだ?」と思ったら、読んでないんじゃないかと。となったら、いつ使うんだと。添削しないほうがいいんだって気づくんですよ。どっか尖らさなきゃ、なんてことをぜひ考えてほしいなと思います。
もう1つ。スターバックス、またはちょっとお洒落なカフェに行くと、MacBookAirあたり開きながら、自分の自己紹介、強み弱み、ゼミの経験などを書き出している人がめちゃめちゃいますよね。綺麗に並べて思い出してるんですね。それで、面接でプレゼンしてると途中で緊張のあまり「あ、間違えました」という人が年間何人かいます。間違えた? 緊張で段落が外れるんです。それ面接ですか?
つまり、自分を間違ってつくってしまうということを避けてほしいんですね。今、テクニックも一番嫌われます。「私はスポンジみたいな人間なんです」……意味がわからない。何を言ってるんだ、ってことですよね。この間いましたよ、「僕はスーパーボールなんです」という人。「うん、そうなんだ」くらいにしか思いませんでしたけども。
(会場笑)
違うんだよと。そういうことを面接で聞きたいわけじゃないんですよ。企業が本当に聞きたいことは何かということをみなさんが感じてほしいんです。「弱み」、知りたいですよ。「その弱みがうちの会社で本当に伸びるのかな」とか、知りたいんですよ。昔の就活や先輩の話を聞いてると、自分が薄くなります。
なので、企業が本当に何を求めていて、自分は何からスタートして人と違う活動をしなければいけないのか。そういうことに気づいて、1個生み出して欲しい。そういうことを危機感として捉えてほしいなというのがCAMPの根幹にあります。
そして、わかりやすい話をお伝えします。よく僕の周りにも、みなさんの周りにもいるんですね。「わかったよ、そんな危ないマーケットだったら就活変えちゃおうぜ」と言って「就活変革団体」なんてこととかありますよね。でも、僕らの代で変わりませんよ。大人の事情もあるし大人がつくってるマーケットをガラッと変えることは出来ないと思ってます。
なので、CAMPでやりたいことは、就活マーケットを変えることではないです。就活マーケットに入る前のみなさんとか、もう1回就活マーケットに入った学生さんたちを変えたら、このマーケットも変わるし、さっきの数字はどんどん改善されると思っています。それがCAMPがやりたいことなんです。
就活支援に見えるかもしれないけども、そうじゃなくて「『はたらくを楽しむ』ためにその準備を一緒にしませんか?」ということがこのCAMPなんです。
ここで、CAMPができることをご紹介します。「この場で何かを持って帰って」とかではないです。これがヒントになるかもしれません。今日からやってください。
まずみなさんは、2ランク上の世界に行ってください。そんなに笑いは取れませんけど、(スライドを指して)一応細かくね。細かいですよ、大人なんでね。
どういうことかというと、例えば「自分、コミュニケーション能力強いです」なんてアピールが就職活動でよくあります。社会人からすると「おお、低いね」ということになります。なぜ自分の能力が高いと過信するかというと、今のコミュニティだけにいるからです。自分で選んでいるコミュニティや家族は気持ちのよい集団なんで、あうんの呼吸が使えたりします。ほぼテレパシーが使えるんで、勘違いすることが多いです。
つまり、みなさんは自分のレベルをどんどん引き上げた環境に1回身を置いてください。例えば、わかりやすい話があります。中学校3年生のA君。彼は全日本野球四番バッター。日本で一番打てるホームランバッターの中学生なんです。彼の自己理解を進めて能力開発をしようと思ったらどこに連れていきますか? 間違った指導者は「よっしゃA君、一緒に高校の練習に行こうよ。レベル高いから」と言います。
違うんですよ。高校だと身体もちょっと近いし筋肉も近い、経験も近い。となると、全日本の四番バッターですから打っちゃうんですよ高校の練習で。そうするとA君は調子に乗りますね、「俺やべえ、すげえ」と。これで能力を引き伸ばすチャンスを失っています。
では、A君をどこに連れていきましょう? いい指導者は、大学でもなく、社会人野球、プロ野球という環境にA君を一週間放り込みます。そうするとA君はどうなるでしょう。想像してください。たぶん圧倒的に心が折れます、傷つきます。今までの全日本四番バッターという自分がボロボロになります。
それがとっても大事。なんでA君はそんなに心が折れたかというと、プロとはスピードが違います、筋力が違います、能力が全然違うじゃないですか。「じゃあA君、スピードをどうやって伸ばそうか?」ということが能力開発のポイントになります。
みなさんに置き換えると、2ランク上ってどこでしょう? それは、先輩じゃなくて、本当にビジネスをぐるぐる回転していて活躍してる社会人に触れること。就職活動で出会う社会人はレベルが違います。つまり就職活動の力を持っています。なので、本当にガチンコで話をしてください。バイトじゃないかもしれない、インターンシップかもしれないし。どこかの企業とガチンコでぶつかること。
僕は1年で2、3人しかできないけどまだやってるんです。本当に思いがあって自分の能力を確認したいという学生をつかまえて、「いいよ、じゃあ30分バトルしようよ」と。ブースに入ってテーマを決めてめちゃくちゃ話し込みます。
これいつもやってて。僕、ドラゴンボール世代なんですね。僕の戦闘力は53億あるんですよ。たまたまフリーザと一緒なんですね。地味にウケないね。
(会場笑)
で、学生は戦闘能力1万くらいですね。そうすると、用意スタートと話し始めると15分持たないんですよ、10分で終了。で、ここで僕は「なんでやめたの?」と聞きます。そうすると、「裕さんとスピードが違います」「発想が違うんです」「経験が違うんです」と。OK、じゃあ発想って、言葉にすると何ですか? その言葉が、その人にとっての開発ポイントなんですね。
そういう環境じゃないと、自分のイケてないところに気づかないんですよ。なのでぜひみなさんは2ランク上の世界を見つけてそこに飛び込んでください。それは何でもいいです。社会人と話すことでもいいし、インターンシップでもいいし、何か経験する。なんでもいいから、レベルの高いところで傷ついてください。それを言葉にすると、能力を伸ばすポイントが一瞬で出てきます。
2つめ。とにかく繰り返しですが、社会のリアルを知ってください。正直、社会のリアルは、残念なこともあるし、やだなってことのほうが多いですよ。でもそれを知ることは大事なことなんです。それを知るからいろんなことが見えてきます。簡単に言うと、文化・価値観を受け入れる準備ということです。みなさんがこれからあと4年間なのか、あと半年感なのかわかりませんが、社会に出るまでの準備ということです。
わかりやすい話は、みなさんが今、例えば、初めての海外にバックパックで行きました、空港降りました。全員裸で生活をしている国だったら、みなさんはどうします? 「やべ」って思いますよね。でもその国からすると服を着てるほうがちょっとヤバいんですよ。どうします?
「いや、日本は服着てるんです」なんて抵抗は通用しないんです。その国の文化・価値観を理解することから入らなきゃいけないし、最悪、こっちの文化を伝えてすり合わせして、服を着て生活をさせてもらう、というすり合わせ。これは社会とまったく一緒なんです。
社会に入ると、まったく違う文化・価値観が押し寄せて来ます。入って2日目、3日目から来ます。多くの学生が、「いやあ、ちょっと今までと違うわ」「今までここまでできたんだ」と抵抗してる人がいちばん成長が遅れてます。
過去は捨てなくていいし、間違ってない。だけど、今までの文化と違うということを理解したり、新しい価値観を理解したり、すり合わせてくことがとっても重要です。それは社会に入ってからだと遅いです。
なので、その習慣ということで、社会人と触れてください。海外に行ってください。異文化・価値観に触れるとそこに抵抗がありますよね。それをどうやってすり合わせるかということを経験すると、社会に入ってもその力が使えます。
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