2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
著者と語る朝渋『人生の勝算』著者・SHOWROOM代表取締役社長・前田裕二さん・幻冬舎編集担当/箕輪厚介さん(全8記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
質問者2:今は大学4年生で、いろんなことに手を出している感じです。おうかがいしたいんですが、「SHOWROOM」の話で、「完璧なコンテンツはつまらない」とおっしゃていました。それは人間も同じなのかなと思って。完璧な人よりも、ちょっとここが欠けているとか、これが苦手みたいなところがある人のほうが、スナックのママみたいにちょっと可愛げがあると思うのですが、ご自身で「ここは苦手だな」というものは、何かありますか?
前田裕二氏(以下、前田):僕ですか? いい質問ですね。めっちゃありますよ。本当に。時間に遅れるとかですね(笑)。
箕輪厚介氏(以下、箕輪):間違いない。前田さんと僕は全然着いてましたけど、敢えて遅刻みたいな(笑)。
質問者2:そういう演出だったんですね。
西村創一朗氏(以下、西村):すごいな(笑)。スナックのママみたいにって。
前田:例えば会社で言うと、いつも本当に経理の子に怒られているんですけど、「領収書出すのが遅いです」とか。領収書を出しても別にGDPには関係ないじゃんみたいな(笑)。
箕輪:困る人がいるのに(笑)。
前田:そうそう。困る人がいるのに(笑)。後ろ向きじゃないですか。領収書を整理して渡す作業って。売上は上がらないし。
西村:作業でしかないですもんね。
前田:そこに関して、モチベーションがまじで湧かないという欠陥があるので。
箕輪:全く同じです(笑)。
前田:ですよね。でも、これは欠陥なんですよ。それで困る人がいるし、GDPとか日本全体の付加価値が上がらないとか言ってる場合じゃない(笑)。
箕輪:忙しくても周りは見ているけど、それは実は本質じゃなくて、3時間暇があったら、3時間違うことをやるということですよね。
西村:そもそもやる気がない。
前田:そう。
箕輪:優先順位は1番低いから、本当に本屋で立ち読みとかになっちゃいますよね。
前田:そのレベルくらい低いということですね。僕は本当にそうです。精算とか苦手なんです。
箕輪:前田さんも精算するんですよね?
前田:自分のためにも整理しておきたいから、俺をせっついてくれと(経理の人に)言っているんですね。マジなところ。だからこれを自分の会社の経理に聞いて欲しかった。そしたら、「前田さんそんなこと気にしているんだ」って思うに違いない(笑)。
箕輪:僕もそのことを『多動力』でやって、「経費精算を自分でやるサラリーマンは出世しない」って書いて。
西村:あっ、書いてましたね。
箕輪:それって経理に向けた目次なんですよ。
西村:世の経理部へのメッセージなんですね。
箕輪:しなきゃいけないのはわかっているし、大事な機能だと思っているけど、ホリエモンの口を借りて「経費精算を自分でやるサラリーマンは出世しない」と言っていますね。
前田:そうなんですよね。
箕輪:それこそ、あれは強引に僕が文章を読むと、幻冬舎の箕輪君が「早く経費の精算をしないと経理に怒られる」と言っているけど、そんなサラリーマンはダメだと書いているんです。
西村:それは経理部へのメッセージなんですね。
箕輪:経理部へのメッセージです。「本当はこういう人もいるんだよ」って(笑)。
前田:いいですね。堀江さんの口を借りてという所が。自分では欠陥というか、すごい欠損している人間だなと思うんです。客観視すると。
西村:欠陥は今の話1つとっても、愛される欠陥と憎まれる欠陥ってあるじゃないですか。その違いはなんですかね?
箕輪:雰囲気じゃないですか。「俺はこんなに忙しいからこんなこと言うんだ」と言ったら、そういうことって、結果を残せば残すほどうざいじゃないですか。周りの普通の社員の人にとっては。「お前何勘違いしてんだよ」ってなる。
人間的に欠落してても、「コイツは飛び抜けた1面があるから、ここは欠落していても、むしろ私たちが支えなきゃな」と思ってくれるんですよね。
西村:茶目っ気みたいなものですかね。
箕輪:開き直って「俺はとりあえず天才なんだから、こういうことできねぇよ」って言ったら、それは嫌われるけど(笑)。
前田:確かに共感できる度合いとか、周りが腕まくりできるかというのは大事ですよね。
箕輪:スナックのママでも「私はグラス洗わないの」と言われたら「はっ?」ってなるけど、「疲れちゃって」とか、みんなを楽しませようとして酔いつぶれちゃったのなら、「しょうがないな」って思いますけどね。
前田:その雰囲気はロボットに代替できないことなんですよ。愛すべき欠陥があること、というのは、人間が人間である所以であり、1番の誇るべき武器。
むしろ、逆に愛すべき欠陥を持ったロボットが生まれてきたら、本当に僕らはやることがなくなっちゃうと思う。AIが騒がれてるけど、その愛すべき欠陥をうまく演出できるAIができたら怖いなと思うんですよね。人間はそういうバグがあるから僕は好きだし、強いんだろうなと思っているんです。
箕輪:確かに成功している人、活躍している人は、前田さんもそうだけど、飲み会とかで、「この人ああだよね」とか語るエピソードが多いですよね。喧嘩とかに限らず突っ込みが多いし、「さっきの前田さんの感想は長過ぎる」とか。「この人なんなの?」という部分があると、それがチャーミングさに繋がったりしますよね。
前田:「極端である」ということかもしれないですけどね。
西村:突っ込みたくなるみたいな。
箕輪:「突っ込みたくなるエピソードをいっぱい持ってるな」という印象。
前田:箕輪君もそうだし、極端なところや、突っ込みポイントを持っていると、その人のことが伝播しやすいですね。例えば、僕がこういう場所で話すとき、極端な人とか余白がある人の話はいつもしています。
前田:例えば、愛すべき余白って何かというと、キングコング西野さんの友達ホームレス小谷さんという方がいて、今朝も朝起きられなくて怖いと思って、目覚ましをお願いしてたんですけど当然、何も連絡がなかったです(笑)。
西村:ヤバイ欠陥ですね! 機能不全もいいところですね。
前田:寝るときのドキドキ感がやっぱりすごかったです(笑)。目覚まし掛けずに寝ようかなと一瞬思ったんですけど。
箕輪:BASEで売ってるんですか?
前田:BASEはやってますけど、友だちだから。逆に向こうに朝予定があったとしたら、向こうが寝坊しちゃうんじゃないかと心配して、こっちが電話する。余白があるわけなんですけど、すごいですよね。
箕輪:その余白で言うと、前田さんは本当にスケジュールが異常で、しかも秘書の人に丸投げしてないから、あらゆる予定を「これ忘れているだろうな」という前提がある。昨日、NewsPicsのLivePickというのがあったんです。
僕は「いつ空いてますか?」っていう佐々木さんとのやり取りだけを(前田さんに)繋いだので、前田さんたぶん来ないだろうなと思ってたんですよ。そしたら、「あっ、いる!」って(笑)。
前田:友だちから「ちゃんとNewsPicsに出れたんだね」って連絡が来てたんです。「えっ、そんなに僕がスケジュール通りに番組に出ることが驚きだったのか」と思って(笑)。
箕輪:驚いた。だって前田さんのGoogleカレンダーはヤバイですよ。普通の人は、(カレンダーの余白が)どれだけ埋まっているかが忙しい目安じゃないですか。前田さんは全部埋まっている。スケジュールが3本流れているから。
西村:トリプルブッキングですか(笑)。
箕輪:基本トリプルブッキング。
前田:聞くんですよ秘書に。「僕はどれに出るんだっけ」みたいな。「ちゃんと整理しろよ」という話もあるけど、自分ではパッと見ると優先順位がわかるから、「あっ、これだよね」ってわかるんです。たまにですけど、昨日なんかも「NewsPicks10時」しか書かれてなくて、箕輪さんに会って「これ何でしたっけ?」って聞きましたよね?
箕輪:多いですよね。「これ何でしたっけ?」。
前田:3回ぐらい聞きましたよね(笑)。この「対談10時って書いてあるけど何でしたっけ?」みたいな。「箕輪さんって書いてあるんですけど」って(笑)。
箕輪:僕はそれに対して、「何でしたっけ?」って。お互いに(笑)。
西村:やっぱりヤバイ(笑)。
箕輪:2人で探す。「何の予定だっけ」みたいな(笑)。
西村:いやあ、これ忘れられなくて良かった。朝渋(笑)。
前田:それもスケジュール管理するっていうことでしょうけど、何かに集中しちゃうと忘れちゃう。昨日、NewsPicksの放送前に違うことをやってたんですけど、そっちに集中しちゃった。
箕輪:プロレスでしたっけ?
前田:そうそう。プロレスに向けてね。プロレスを抽象化し始めたらヤバイですよ。プロレスというコミュニティーにおいて、起きている現象を抽象化して。
箕輪:もうその中に入ると周りが見えなくなる。
前田:そう見えなくなっちゃうんだよね。
箕輪:Twitterにも書きましたけど、福岡出張の時、品川から羽田空港に向かう電車で、溜まっていた箕輪編集室のいろんなトピックを「わぁー」って返していた。そういう移動時間しか返せないから。そうしたらいろんなことを思いついて「あっ、そうだ『多動力』の漫画やればいいや」と思って、「漫画で『多動力』をやりませんか?」って各所に指示出して、ホリエモンにも「いいですか?」と聞いたりして。
これが売れたら、「次の展開で前田さんの漫画もあるな」とか考えながら進めてたら、金沢文庫まで来ちゃった。「うるせーな、羽田空港」「えっ金沢文庫って何だっけ」って思ってたら、(飛行機に)乗り遅れた(笑)。
前田:余白あり過ぎですよね(笑)。
箕輪:完全に(飛行機に)乗り遅れて、でも昨日帰ってきました。僕、天王洲アイルに住んでいるんです。だから超楽だと思って、天王洲アイルに着くまで仕事ゾーンに入っちゃった。そしたら天王洲アイル通り過ぎちゃって(笑)。
箕輪:組んじゃいけない2人(笑)。
西村:カバーし合えない(笑)。
前田:そうなんですよ。お互い「この何でしたっけ」というLINEをずっとしてて、「何かわからないです」という感じになっちゃうから、確かに組んではいけない(笑)。
箕輪:大人が必要(笑)。
西村:だから、コンビとしてもはや余白があるから、いろんな人がこのコンビを助けてくれるんじゃないですか?
箕輪:大人が少し集まってくる感じがしますね。
前田:そうそう大人が。「前田と箕輪だけじゃマズイんで」とか。確かにそれはありますね。本当にありがたいことだなと思いますけど。
関連タグ:
『人生の勝算』は3日半で完成させた!? SHOWROOM前田氏 × 編集者・箕輪氏が明かす、制作の舞台裏
ディベートのコツは「3つあります」 SHOWROOM前田裕二氏が実践する、論理的思考の鍛え方
『多動力』の編集者、箕輪厚介氏はなぜホリエモンを口説き落とすことができたのか? ベストセラーを生み出す「見極め力」を語る
あなたは「人生のコンパス」を持っているか? SHOWROOM前田氏が、“内省する時間”の必要性を説く
面接・ディスカッションの練習は「1000回くらいやった」SHOWROOM前田氏が語る“就活というゲーム”の勝ち方
活躍している人には「愛すべき欠陥」がある 幻冬舎・箕輪氏が語る、成功者の共通点
「前向きな制約」が人・サービスを育てる? 成長を生み出す環境の作り方
「自分に関わってくれた人は絶対幸せにしたい」 SHOWROOM前田氏が“小さな縁”にも必ず応える理由
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには