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著者と語る朝渋『人生の勝算』著者・SHOWROOM代表取締役社長・前田裕二さん・幻冬舎編集担当/箕輪厚介さん(全8記事)

活躍している人には「愛すべき欠陥」がある 幻冬舎・箕輪氏が語る、成功者の共通点

2017年7月21日、Book Lab Tokyoで毎週開催されている会員制朝活コミュニティ「朝渋」の人気企画「著者と語る朝渋」にて、SHOWROOM代表取締役社長で『人生の勝算』の著者である前田裕二氏と、編集者の箕輪厚介氏を招いてトークセッションが行われました。幼少期から異色の経歴を歩んできた前田氏と、堀江貴文氏の『多動力』、見城徹氏の『たった一人の熱狂』など、数々のヒット作品を手がけてきた箕輪氏がタッグを組んだ『人生の勝算』を軸に、自身の仕事論や生き方について、余すところなく語り尽くします。

SHOWROOM前田氏が苦手なこと

質問者2:今は大学4年生で、いろんなことに手を出している感じです。おうかがいしたいんですが、「SHOWROOM」の話で、「完璧なコンテンツはつまらない」とおっしゃていました。それは人間も同じなのかなと思って。完璧な人よりも、ちょっとここが欠けているとか、これが苦手みたいなところがある人のほうが、スナックのママみたいにちょっと可愛げがあると思うのですが、ご自身で「ここは苦手だな」というものは、何かありますか?

前田裕二氏(以下、前田):僕ですか? いい質問ですね。めっちゃありますよ。本当に。時間に遅れるとかですね(笑)。

箕輪厚介氏(以下、箕輪):間違いない。前田さんと僕は全然着いてましたけど、敢えて遅刻みたいな(笑)。

質問者2:そういう演出だったんですね。

西村創一朗氏(以下、西村):すごいな(笑)。スナックのママみたいにって。

前田:例えば会社で言うと、いつも本当に経理の子に怒られているんですけど、「領収書出すのが遅いです」とか。領収書を出しても別にGDPには関係ないじゃんみたいな(笑)。

箕輪:困る人がいるのに(笑)。

前田:そうそう。困る人がいるのに(笑)。後ろ向きじゃないですか。領収書を整理して渡す作業って。売上は上がらないし。

西村:作業でしかないですもんね。

前田:そこに関して、モチベーションがまじで湧かないという欠陥があるので。

箕輪:全く同じです(笑)。

前田:ですよね。でも、これは欠陥なんですよ。それで困る人がいるし、GDPとか日本全体の付加価値が上がらないとか言ってる場合じゃない(笑)。

経理部への隠れたメッセージとは

箕輪:忙しくても周りは見ているけど、それは実は本質じゃなくて、3時間暇があったら、3時間違うことをやるということですよね。

西村:そもそもやる気がない。

前田:そう。

箕輪:優先順位は1番低いから、本当に本屋で立ち読みとかになっちゃいますよね。

前田:そのレベルくらい低いということですね。僕は本当にそうです。精算とか苦手なんです。

箕輪:前田さんも精算するんですよね?

前田:自分のためにも整理しておきたいから、俺をせっついてくれと(経理の人に)言っているんですね。マジなところ。だからこれを自分の会社の経理に聞いて欲しかった。そしたら、「前田さんそんなこと気にしているんだ」って思うに違いない(笑)。

箕輪:僕もそのことを『多動力』でやって、「経費精算を自分でやるサラリーマンは出世しない」って書いて。

西村:あっ、書いてましたね。

箕輪:それって経理に向けた目次なんですよ。

西村:世の経理部へのメッセージなんですね。

箕輪:しなきゃいけないのはわかっているし、大事な機能だと思っているけど、ホリエモンの口を借りて「経費精算を自分でやるサラリーマンは出世しない」と言っていますね。

前田:そうなんですよね。

箕輪:それこそ、あれは強引に僕が文章を読むと、幻冬舎の箕輪君が「早く経費の精算をしないと経理に怒られる」と言っているけど、そんなサラリーマンはダメだと書いているんです。

西村:それは経理部へのメッセージなんですね。

箕輪:経理部へのメッセージです。「本当はこういう人もいるんだよ」って(笑)。

前田:いいですね。堀江さんの口を借りてという所が。自分では欠陥というか、すごい欠損している人間だなと思うんです。客観視すると。

「愛される」欠陥と「憎まれる」欠陥

西村:欠陥は今の話1つとっても、愛される欠陥と憎まれる欠陥ってあるじゃないですか。その違いはなんですかね?

箕輪:雰囲気じゃないですか。「俺はこんなに忙しいからこんなこと言うんだ」と言ったら、そういうことって、結果を残せば残すほどうざいじゃないですか。周りの普通の社員の人にとっては。「お前何勘違いしてんだよ」ってなる。

人間的に欠落してても、「コイツは飛び抜けた1面があるから、ここは欠落していても、むしろ私たちが支えなきゃな」と思ってくれるんですよね。

西村:茶目っ気みたいなものですかね。

箕輪:開き直って「俺はとりあえず天才なんだから、こういうことできねぇよ」って言ったら、それは嫌われるけど(笑)。

前田:確かに共感できる度合いとか、周りが腕まくりできるかというのは大事ですよね。

箕輪:スナックのママでも「私はグラス洗わないの」と言われたら「はっ?」ってなるけど、「疲れちゃって」とか、みんなを楽しませようとして酔いつぶれちゃったのなら、「しょうがないな」って思いますけどね。

前田:その雰囲気はロボットに代替できないことなんですよ。愛すべき欠陥があること、というのは、人間が人間である所以であり、1番の誇るべき武器。

むしろ、逆に愛すべき欠陥を持ったロボットが生まれてきたら、本当に僕らはやることがなくなっちゃうと思う。AIが騒がれてるけど、その愛すべき欠陥をうまく演出できるAIができたら怖いなと思うんですよね。人間はそういうバグがあるから僕は好きだし、強いんだろうなと思っているんです。

箕輪:確かに成功している人、活躍している人は、前田さんもそうだけど、飲み会とかで、「この人ああだよね」とか語るエピソードが多いですよね。喧嘩とかに限らず突っ込みが多いし、「さっきの前田さんの感想は長過ぎる」とか。「この人なんなの?」という部分があると、それがチャーミングさに繋がったりしますよね。

前田:「極端である」ということかもしれないですけどね。

西村:突っ込みたくなるみたいな。

箕輪:「突っ込みたくなるエピソードをいっぱい持ってるな」という印象。

前田:箕輪君もそうだし、極端なところや、突っ込みポイントを持っていると、その人のことが伝播しやすいですね。例えば、僕がこういう場所で話すとき、極端な人とか余白がある人の話はいつもしています。

愛すべき余白

前田:例えば、愛すべき余白って何かというと、キングコング西野さんの友達ホームレス小谷さんという方がいて、今朝も朝起きられなくて怖いと思って、目覚ましをお願いしてたんですけど当然、何も連絡がなかったです(笑)。

西村:ヤバイ欠陥ですね! 機能不全もいいところですね。

前田:寝るときのドキドキ感がやっぱりすごかったです(笑)。目覚まし掛けずに寝ようかなと一瞬思ったんですけど。

箕輪:BASEで売ってるんですか?

前田:BASEはやってますけど、友だちだから。逆に向こうに朝予定があったとしたら、向こうが寝坊しちゃうんじゃないかと心配して、こっちが電話する。余白があるわけなんですけど、すごいですよね。

箕輪:その余白で言うと、前田さんは本当にスケジュールが異常で、しかも秘書の人に丸投げしてないから、あらゆる予定を「これ忘れているだろうな」という前提がある。昨日、NewsPicsのLivePickというのがあったんです。

僕は「いつ空いてますか?」っていう佐々木さんとのやり取りだけを(前田さんに)繋いだので、前田さんたぶん来ないだろうなと思ってたんですよ。そしたら、「あっ、いる!」って(笑)。

前田:友だちから「ちゃんとNewsPicsに出れたんだね」って連絡が来てたんです。「えっ、そんなに僕がスケジュール通りに番組に出ることが驚きだったのか」と思って(笑)。

箕輪:驚いた。だって前田さんのGoogleカレンダーはヤバイですよ。普通の人は、(カレンダーの余白が)どれだけ埋まっているかが忙しい目安じゃないですか。前田さんは全部埋まっている。スケジュールが3本流れているから。

西村:トリプルブッキングですか(笑)。

箕輪:基本トリプルブッキング。

前田:聞くんですよ秘書に。「僕はどれに出るんだっけ」みたいな。「ちゃんと整理しろよ」という話もあるけど、自分ではパッと見ると優先順位がわかるから、「あっ、これだよね」ってわかるんです。たまにですけど、昨日なんかも「NewsPicks10時」しか書かれてなくて、箕輪さんに会って「これ何でしたっけ?」って聞きましたよね?

箕輪:多いですよね。「これ何でしたっけ?」。

前田:3回ぐらい聞きましたよね(笑)。この「対談10時って書いてあるけど何でしたっけ?」みたいな。「箕輪さんって書いてあるんですけど」って(笑)。

箕輪:僕はそれに対して、「何でしたっけ?」って。お互いに(笑)。

西村:やっぱりヤバイ(笑)。

箕輪:2人で探す。「何の予定だっけ」みたいな(笑)。

西村:いやあ、これ忘れられなくて良かった。朝渋(笑)。

前田:それもスケジュール管理するっていうことでしょうけど、何かに集中しちゃうと忘れちゃう。昨日、NewsPicksの放送前に違うことをやってたんですけど、そっちに集中しちゃった。

箕輪:プロレスでしたっけ?

前田:そうそう。プロレスに向けてね。プロレスを抽象化し始めたらヤバイですよ。プロレスというコミュニティーにおいて、起きている現象を抽象化して。

箕輪:もうその中に入ると周りが見えなくなる。

前田:そう見えなくなっちゃうんだよね。

余白があるから、助けてくれる

箕輪:Twitterにも書きましたけど、福岡出張の時、品川から羽田空港に向かう電車で、溜まっていた箕輪編集室のいろんなトピックを「わぁー」って返していた。そういう移動時間しか返せないから。そうしたらいろんなことを思いついて「あっ、そうだ『多動力』の漫画やればいいや」と思って、「漫画で『多動力』をやりませんか?」って各所に指示出して、ホリエモンにも「いいですか?」と聞いたりして。

これが売れたら、「次の展開で前田さんの漫画もあるな」とか考えながら進めてたら、金沢文庫まで来ちゃった。「うるせーな、羽田空港」「えっ金沢文庫って何だっけ」って思ってたら、(飛行機に)乗り遅れた(笑)。

前田:余白あり過ぎですよね(笑)。

箕輪:完全に(飛行機に)乗り遅れて、でも昨日帰ってきました。僕、天王洲アイルに住んでいるんです。だから超楽だと思って、天王洲アイルに着くまで仕事ゾーンに入っちゃった。そしたら天王洲アイル通り過ぎちゃって(笑)。

箕輪:組んじゃいけない2人(笑)。

西村:カバーし合えない(笑)。

前田:そうなんですよ。お互い「この何でしたっけ」というLINEをずっとしてて、「何かわからないです」という感じになっちゃうから、確かに組んではいけない(笑)。

箕輪:大人が必要(笑)。

西村:だから、コンビとしてもはや余白があるから、いろんな人がこのコンビを助けてくれるんじゃないですか?

箕輪:大人が少し集まってくる感じがしますね。

前田:そうそう大人が。「前田と箕輪だけじゃマズイんで」とか。確かにそれはありますね。本当にありがたいことだなと思いますけど。

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