CLOSE

特別講演 GOAL「目標達成力」と「やりたいことの見つけ方」(全7記事)

ピンチもチャンスも現実ではない 解釈の決め手は「自分の可能性をどう見るか」

電通コピーライター時代にプルデンシャル生命にヘッドハンティングされ、史上最年少で営業所長になった後、ハリウッドで俳優に挑戦し舞台デビューを果たすという異色の経歴を持つ芦名佑介氏。現在は、芦名表参道株式会社で代表取締役を務める芦名氏が、全国6カ所で特別講演、GOAL「目標達成力」と「やりたいことの見つけ方」を開催しました。質疑応答では、参加者から寄せられた悩みや相談に独自の哲学をもって回答しました。

自分との約束ほど曖昧なものはない

司会者:ありがとうございます。他にご質問は?

質問者6:こんにちはっす。

芦名:こんにちはっす。

(会場笑)

質問者6:寒いのと雨がすごく嫌いで、晴れの日と比べると行動がすごくノロくなるんですよ。例えば、ジムなんかも寒いと行きたくなくなってペースが減ったり。そういうことが芦名さんにもあるのかとか、それにどうやって向き合っていけばいいのかを聞きたいです。

芦名:ありがとうございます。実はですね、僕がロサンゼルスで俳優をやっていた頃の、今日来てくれている俳優仲間の彼に、ちょうど昨日トレーニングに誘われて、僕は「寒いから行きたくない」と言いました(笑)。

(会場笑)

いいんです(笑)。行きたくなかったら、行きたくないでいいので。そこから、「あ、やっぱり行ったほうがいいな」と思ったら、行けばいいし。

あと一番は、自分が強いと思っている人がすごく多いと思うんですよね。でも、人間はみんなめちゃくちゃ弱いので、自分が弱いということをちゃんと認識した上で、そんな弱い自分でもできるような環境を選ぶ、環境を作るということがすごく大事です。

例えば、友達と約束する。友達にわざわざ新宿から原宿まで来てもらって、夜21時に待ち合わせねと言ってしまえば、自分は行かざるを得ないじゃないですか。そしたら、勝手に筋トレしてるわけですよ。そんなふうに、人を使うということもいいかもしれないし、環境を使うということもいいかもしれないです。

自分との約束ほど曖昧なものはありませんから。「明日、朝、勉強しよう!」と思って、結局勉強できないことは、たぶん、みんなあると思うんですよね。だから、人と約束したらいいと思います。自分ひとりで解決しないようにしてください。

質問者6:はい。ありがとうございました。

自分がコントロールできない不安は考えない

司会者:他に聞きたいことある方は?

質問者7:ありがとうございます。不安などはどのように処理されていますか?

芦名:不安は2種類あって、1つは、自分がコントロールできる不安です。もう1つは、自分がコントロールできない不安です。それを、まず自分はどちらで悩んでいるのかということを、不安になる人はちゃんと認識したほうがいいです。

自分がコントロールできないことへの不安なら、例えば先輩がこう言ってくるかもしれないとか。でも他人のことや、この先経済がこうなるかもしれないということは、予測をしてもいいですけど、不安になっても意味がありません。ストレスが溜まるだけなので、それはまったく考えないと。

自分がコントロールできる不安の場合、とにかくやり続けることですね。

質問者7:ありがとうございます。

ピンチもチャンスも捉え方次第

質問者8:よろしくお願いします。人生を振り返って、かなり大きな決断をされてきているのだなと思いました。僕自身、プロ野球選手を目指しながら野球を辞めた過去があります。ただ、機会と脅威という言葉があると思いますが、僕にとってはそのことを脅威ではなく機会として捉えることができたので、今の仕事に打ち込めています。

芦名さんの人生の中で、機会もあれば脅威もあったと思いますが、比重はどのぐらいでしょうか。自分自身は脅威と捉えることがすごく多い人生を歩んできたなと思うのですが、芦名さんは、その脅威を機会として捉えて自分なりに肥やしにしていったのか、それとも、脅威を感じることはたくさんあるのかというところを知りたいと思いました。そこを詳しく、お話をお伺いさせていただければと思います。

芦名:ありがとうございます。あまり脅威と感じることはないですね。機会と脅威という言葉が僕にとっては難しいのですが、わかりやすく言うと、チャンスかピンチかという話ですか?

質問者8:そうです、そうです。

芦名:僕は、自分の人生は絶対成功すると決めているので、それだけですね。どういうことかと言うと、現状をチャンスと捉える人間と、ピンチと捉える人間とに分かれますが、いずれにせよ個人の捉え方次第じゃないですか。どちらも現実ではないんですよ。

プロ野球選手への道を辞めたというのはただの現実で、それを諦めたとするのは、捉え方ですよね。次に挑戦したとするのも、捉え方ですよね。だから、現状この1点だけを見ると、ピンチでもあるし、チャンスでもあるし、どちらにも捉えられるんですよ。これは何が決めるかというと、自分で自分の可能性をどう見ているかというのが、一番大きな解釈の決め手になってきます。

例えば僕の場合、自分の人生が絶対に成功するということはもう決まっているので。これは僕が決めているだけのことですが、そうすると途中にどんなにやばいことがドーンと起きたとしても、映画で言えばめっちゃおもろい伏線でしかないんですよ。「え、そっからどうなるの!?」という。そう僕は客観的に見ています。

「芦名、こいつおもしれぇな」「こいつ、無職になってどうすんだ?」「あ、次、会社創ったのか。おぉ」みたいな、そんな感じですかね。

(会場笑)

でも、もし僕が自分の人生はどん底になると決めてしまっていると、ちょっと家を出て雨が降っているだけのことが、もう最強のピンチです。うわぁ、雨が降っているってことは、今日これから家を出て、車の水しぶきが飛んで服が台無しになって、それがきっかけでこんなふうになって、あんなふうになるかもしれない……という最悪の結末につながる転落のきっかけになってしまうんですよ。

ですから、それは完全に自分の捉え方次第なので、自分の人生が成功するということを決めるのも、決めないのも、勝手に自分で決めちゃえばいいんですよ。決めちゃったらもう、よくないことは全部チャンスです。チャンスというか、きっかけですね。僕は絶対成功すると思っているので、まだ死なないと思っているのですが。今死んだら、ここまで行かないので、まだ死なないなという。ちょっと余談ですけど(笑)。

質問者8:ありがとうございます。

成功のモノサシは、幸せで決めてしまえばいい

質問者9:ありがとうございました。絶対成功するという、芦名さんにとっての成功とは何なのかなと思いました。聞かせてください。

芦名:まったくわからないです。

質問者9:ありがとうございます。

芦名:成功の定義や、将来の目標を決める方が多いと思うのですが、僕はちょっと決められないなと思っています。ただ、ざっくりと決めているのは、僕が理想と思っていることを実現する。つまり理想の実現ですよね。

あともう1つは、共感です。たぶん、この2つがあれば絶対幸せになれると思っているし、絶対成功だと思っているのですよ。ただ、理想の実現ということを掲げたときに、理想ってすぐ変わるじゃないですか。僕は小学校の時、パイロットになりたかったんです。でもその夢はすぐに変わっているし、ここにいらっしゃる女性はお花屋さんかケーキ屋さんでしたよね。どうせ。

(会場笑)

絶対に今はその頃の夢と違うことをやってるじゃないですか(笑)。そんなふうにして、理想というものは変わっていくんですよ。ですから決めてしまうと、逆に人生がもったいないと僕は思っています。

成功という定義もすごく難しくて、もう幸せだったら成功ということにしちゃえばいいと思います。僕は、自分がいますごく幸せなのですげぇ成功していると思っています。

先日、プルデンシャルではない生命保険会社の営業マンの方とお会いすることになりまして。その営業マンが、こんな話をしていました。「僕、すごく幸せです」と。「年収2,000万を超えて、自分が本当にいいと思うものだけを提案することができ、人生が変わって本当に今幸せです」と。

そこで僕は「じゃあ、あなたは今、成功していますか?」と聞いたんですよ。そしたら彼は「いや、僕はまだぜんぜん成功していません」というふうに答えていました。

僕にはそれが理解できなかったんですよね。あなた、自分が幸せだったら、それはもう成功していることになるんじゃないのか? と。でも彼の幸せの尺度は“1億稼ぐこと”だったみたいです。それが成功の尺度になってしまっているので、すごく危ないなと思いました。

なぜなら、1億円を稼ごうと思った時に、今のやり方のままだと、人を傷つけたり、人に良くない辛い思いをさせたりすることも出てきてしまうと思うんですよ。そこまでして1億円稼ぐぐらいなら、今2,000万で幸せなのであれば、それはもう成功なんじゃないかという。そういうケースもありますから、自分が幸せだったらそれを成功と位置付けるのでかまわなくて、明確に決めなくてもいいのではないかと思います。

質問者9:ありがとうございます。

多くの人が死なないことに甘えている

質問者10:すみません、人生相談になるのですが。僕は母子家庭で収入がとぼしく、高校の時に大学に行きたいと思いながら、その高校で一番の就職先に就職するため高1からずっと頑張り、その会社に入ることができました。その時はたぶん、自分のためというより、家族のため、家族に迷惑をかけないように就職を決めたんです。

それで、18歳で就職して今年で4年目になりますから、今22歳になるんですよ。自分でお金を稼げるようになって、会社にも恵まれて、収入面では普通の暮らしができているのですが、今になって価値観が変わってきまして。

最初は幸せな家庭を築くというのが僕の夢だったのですが、自分のやりたいことをやって、それに見合った……人間だからお金は欲しいと思うので……お金を人よりも少しでも多くほしいと思うようになり、職に悩んでいます。

今は製造業の仕事なのですが、完全にレーンに乗った状態で、このままでは今の自分が見ている上司のような人間になってしまうのではないかと。上司を見た時に、自分はこういうことはやりたくないなというか、自分はもっとやりたいことがあるんちゃうかなと思い始めまして。

今は自分のやりたいことを探しているところなのですが、そのやりたいことがやっぱり見当たらなくて。でも、僕も可能性で考えるほうの人間なのでいろいろ考えた末に、好きなサーフィンとトレーニングを目一杯やろうと思うようになって、とりあえずトレーニングでベストボディという大会に出るために、今必死こいてやっています。

今はそれを自分の中の目標にして頑張っているのですが、今後もそれだけをやっていく気はなくて、いずれは自分で何かをしてとか、自分のやりたいことを見つけてお金を稼いでいきたいのです。

さっきの方とも結論としては一緒なのですが、自分のやりたいことで、収入も見合って、しっかり幸せにやっていくにはどうすればいいのか。質問自体がおかしいですが、自分としては、最終的には芦名さんと一緒で絶対成功するという自信はあります。

でも、今はちょっといろいろと考えている時期で。そんな中でこの講演を知り、もともと僕は関西の人間で出張のため栃木に来ていたのですが、東京にも来る機会があったので、このたび参加させていただきました。

聞きたいのは、やりたいことを見つけるにあたって、どうしても可能性で考えてしまうと思いますが、そこからもう一歩踏み出す勇気を持つためにはどうすればいいですか? ということです。長々とすみません(笑)。

芦名:ありがとうございます。お座りいただいて結構ですよ。

やらなくてもいいということですよね。今の生活に満足しているのならやらなくてもいい。挑戦するということは、すごく辛いことでもあるので。自分が理想と思う姿を実現しようとしなくても、死ぬわけじゃないんですよ。だからたぶん、多くの人がそこに甘えちゃってると思うんですよね。

質問者10:そうですね。僕も心がけてるのですが、今回初めて挑戦して、パーソナルトレーニングで大阪に行った時に、そこの人の言葉で「あ、やろう」となりまして。最近その人が、今までは一般人に近い人やったのに、今年ミスターのグランプリを取って京都代表で世界に行くんです。その人が近くで自分の夢を叶えていて。

もともと大学に行きたかったのも、整体やフィットネス業界に興味があったことも関係していたので、そのルートで自分にできることは何かということを考えて、ベストボディに自分の名前を売るじゃないですけど、人に知ってもらうために頑張ろうと思うし。

芦名:質問がすごく長いということは、ご自身が何を考えているかをご自身でわかっていないので、短く伝えるトレーニングをしてください。

大事なのはハウツー本ではなく「気合」︎

質問者11:こんにちは!今度フィットネスジムを開くのですが、人を集めるコツはなんでしょうか? 芦名さんが開くなら、どうやって人を集めますか?

芦名:すごく難しいですね。立地にもよると思いますが。人を集めるなら、そのフィットネスジムのマーケットがどうなっているのかも分析しなくてはいけないし、人間というのはどういうふうに動くのかということを分析しなくてはいけませんから、ここだけではちょっと難しいと思いますが。

やる方法としてはおそらく3つあります。SNSでプロモーションをかけていくというのが1つ。もう1つは、現地、現場、つまりお店の周辺でリアルプロモーションをかけていくというもの。最後の1つは、お金をかけてプロモーションを打っていく。その3つですね。そこに対して、自分が最適なプロモーションを仕掛けまくるということですね。

一番大事なのは、ハウツーじゃないです。こうやったら人が集まるということではなくて、気合いで集めるということです。それが何より大事です。どんなに完璧なビジネスモデルや戦略を持っていたとしても、その人間に本気の気合いがなければ絶対にうまくいきません。気合いだけです!

質問者11:ありがとうございます。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!