2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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西野亮廣氏(以下、西野):六本木ヒルズ33階J-WAVEからお届けてしている、日曜日の夜にじっくり聞き入りたい特集型プログラム「SUNDAY SESSIONS」、ワクワクしたい大人のための学校「SA-CUS」、校長の西野亮廣です。
さあ、今夜も大変おもしろい方が。
増田薫氏(以下、増田):はい。
西野:なんか、増田さんずっとお会いしたかったということだったので。
増田:もう、お会いしたかったです。
西野:僕はお仕事で何度かご一緒させていただいたんですけど。
増田:あ、そうなんですか。
西野:ご紹介したいと思います。落合陽一さんです。よろしくお願いします。
落合陽一氏(以下、落合):よろしくお願いします。落合です。
西野:さあ、落合さん。もう知っている方も多いとは思うんですけど、「現代の魔法使い」と呼ばれております。
ざっくり、落合さんどういった活動しているのかというのを、簡単に説明していただいていいですか?
落合:まあざっくりいうと、やっていることは3つです。大学の先生をしているか、メディアアーティスト、いわゆる現代芸術家をしているか。もしくは自分の会社を経営しているか。自分でベンチャーをやっているんです。
でも、やりたいことは1つしかなくて。今までのオーディオビジュアル技術、簡単にいうとテレビとかスマホとか、音が出て光が出る装置ってエジソン以来変わってないんですよ。
エジソンが出てきたときに、フィルムをなかで回していた装置とか、円筒型の筒にギザギザをつけて蓄音機出したりとか。なかの仕組みが、例えばスピーカーが振動子に変わったりとか、フィルムが液晶には変わったりはしたんですけど。結局のところ、板を見てるのと、あとスピーカーを聞いているのは一緒なんですね。
そうじゃない技術を作りたい、というのが根底にあって。それによって、例えば「じゃあ人間の前にホログラム出すにはどうしたらいい?」「人間に音を届けるにはどうしたらいい?」とか。視覚・聴覚だけじゃなくて触覚とかも含めて、そういう音とか光とかの関わりを、芸術作品にするか、製品として売るか、大学で教えるかみたいなことをしています。
西野:落合さんの前に、同じような活動をされた方っていらっしゃるんですか?
落合:いや、あまりいないですよ。
西野:みんなやろうとしないんですか?
落合:いやなんかね、ホログラムって分野はあるんですけど、ちょうど僕が博士をとったぐらいのときって、コンピューターの処理速度が上がってきてユビキタスと言われてるような時代になってきたので。
西野:ユビキタスってなんですか?
落合:ユビキタスって、マーク・ワイザーって昔の研究者が言った言葉なんです。「あらゆるものにコンピュータが入っていて、我々はコンピューターを使うときにも、特に気にせずコンピュータにアクセスできるだろう」と。
例えばスマホだったら、どこに無線でつながってるかわからないけど使える。今IoTとか言われている。iPadだったり、もしくはiPhoneだったり、腕時計だったり、いろんなものにコンピューターが入ってくるような世界のことです。
そういったときに、チップとか小型化されたりとか、電力量が下がったりとか、あと高速化されたりとかすることのおかげで、ホログラムの計算がすごく速くできるようになったんですよ。
今までホログラムって写真を撮る人が研究してたんです。例えば、クレジットカードの表面についてたりするじゃないですか、ホログラムって。だから印刷会社とかが得意だったりするんですけど。
あれをコンピュータで計算して、それを出して、実際それを3次元的に空中に打ってやったりとか動かしてるみたいなのは、やっと僕の時代になってからできるようになってきたことなんですよね。
西野:できる時代になってきてるってこと?
落合:そうそう。それを研究に扱って博士をとったので、だからわりとそこでは新しいほう。
西野:超ラッキーですね。じゃあ、20年前に生まれてたら、そのタイミングじゃなかったということですよね。
落合:そうそう。だから、インターネットというのが成長してきて、例えばGoogleとかやってる人たちいるじゃないですか。あの人たちがもし30年前に生まれてたら……? だってインターネットなかったですから。
西野:確かに。
落合:そんなふうに、世の中の時代変化にちょうど合わさったことをしています。
西野:今日、増田さんがすごい楽しみにされていたということで。
増田:そうです。
西野:落合さんと仲良くなりたいからと言って、このグミをだいぶ。
落合:つぶグミをね。
増田:そうなんですよ。つぶグミを。
西野:つぶグミばっかり落合さんが食べてるからということで。
落合:20〜30パックぐらいもらいましたね(笑)。
増田:しかも今日、ちょっと近づこうと思って、ずっと1日つぶグミだけで過ごしてみた。
西野:今日1日落合陽一になってみたってことね。一応、仮で。
増田:そうです。はい。
西野:なんでまた増田さんは興味があったんですか?
増田:いやいや、もうまさに今の話ですよ。時代がどんどんテクノロジーが進んできて、今まで夢のようだったものも実際にかたちにできるようになってきた。しかも、それをかたちにするまでの時間がどんどん早くなってるんですよ。
今、例えば携帯でいったら、スマートフォンを世界中の人が持ち始めている。
西野:確かに。
増田:実はそのプラットフォームも、そのチャンスも含めて、いろんなものが整ってきているので。だからここから5年10年って、新しいテクノロジーがどんどんかたちになっていく。しかも、そこを成し遂げられるのが落合さんだと僕は思っていたので。
落合:ありがとうございます。
西野:iPhoneとかが出たときって、「うわーっ」みたいな感じだったんですよ。「うわっ、未来きた」みたいな、そんな感じがしたんですよ。
例えば、僕、携帯電話とかでも、子供の頃は「うわー、未来きた」みたいに思ったんです。ガチャンって、未来が来るタイミングあるじゃないですか。何年かに1回ぐらい。
増田:ありますね。
西野:次、どんなやつが来るんですか?
落合:最近出たガジェットのなかでは、一番HoloLensが好きですね。
西野:HoloLensというのは?
落合:Microsoftが出した新しいMRのゴーグルです。
西野:どういうやつですか?
落合:ほかのVRゴーグルとかに比べて視野角はあんまり広くないんですけど、ただ、現実世界にぴったり重ねられる。例えばCGとか、あとメールの画面とか、カレンダーの画面とかを出せるというやつなんですけど。
西野:へえ。
落合:あれをかけた瞬間に「あ、未来きた」「これが未来だ」と。
西野:ガチャンって音なりましたね(笑)。
落合:ガチャンって音がなるような装置。日本でやたら売れてるらしんですよ。
西野:なるほど。
落合:まだ開発者版で、日本語は打てないんです。日本語は打てないのに、やたら売れてるらしい。
西野:なるほど。僕、昔に『マイノリティ・リポート』だったかな、そういう映画があって。この空中にスマホの画面みたいのがあって、ヒャッヒャッヒャッてスライドさせたりして手を左右に振っていたんですよ。あまりにも昔すぎてざっくりとしか覚えてないんですけど、そんなことがあったんです。
「いや、こんなの未来すぎるだろう」と思ったけど、そんなにない話じゃないですよね。
落合:はい。そんなメガネをMicrosoftが出して。でも、あれをかけると、80年代の戦隊モノの見た目みたいになるんですよ。
西野:ああ、なるほど(笑)。でも、小型化されてはいくわけですよね、もちろん。
落合:そうそう。だから、初めて携帯電話とかごついiPhoneに触ったときの感覚にまあ似てる。
西野:なるほどね。そうなっていくんだ。それで、落合さんがデジタルネイチャーというものを提唱されていて。
これもう本当にすいません、何回も言われてると思うんですけど。これわかりやすくいうと、どういうことなんですか?
落合:これ、昔はすげえ伝わりにくかったんですけど、最近HoloLensが出たからすごい伝わりやすくなって。ようは、この現実世界にバーチャルなものと物質でできているもの、フィジカルなものがあるとしましょう。
それが同時に存在してたら。そういう世界のことをミックスド・リアリティとか呼ぶんですけど、もっと進むと、みんな区別がつかなくなってくるんですよね。
西野:バーチャルなもの、実体のあるなものとが?
落合:実体のものが。「これは本物なのか偽物なのかわからないから、まあいいや」みたいな。
西野:どういうことですか? 例えば、実際のもので、お醤油とかあるじゃないですか。
落合:お醤油とか。
西野:食卓の上にお醤油がドンとあるじゃないですか。バーチャルなものって、わからないですけど……。
落合:バーチャルな醤油が……。
西野:あったとするじゃないですか。これが区別つかなくなるんですか?
落合:区別がつかなくなると思います。ポイントは「触ればわかるじゃん」というけど、朝から夜まで、人間がものを触る回数って意外と多くない。
西野:なるほど。おもしろい。確かに。
落合:だから、ものを触ってないものに関しては、本物か偽物か区別ついてないんですよ。それを考えると……あと、たぶんメールの相手が本当にいるかどうかも区別ついてないじゃないですか。僕らって。
西野:なるほど。そうですね。
落合:だから、人間とプログラムの区別もつかなければ、物体か物体じゃないかも区別つかないから。
西野:もう、映画みたいな話ですね。
落合:壮大なコントなのか、ドッキリなのかわからないけど、そのなかで生きていくしかない世界のことを「デジタルネイチャー」と呼んでいます。
デジタルで考える新しい自然。つまり、「空に鳥が飛んでるじゃん」。例えば、山登りしにみんなで行ったとしましょう。「でも、あの鳥ホログラムかもよ」と言われたら、それは誰も否定できないみたいな。
「でも、あそこから音がしてんじゃん」「でも、あの音は指向性スピーカーだから、あそこから鳴るように音響設計されてるだけだから」と言われたら、たぶん誰ももう。
西野:確認はできないですもんね。
落合:確認できない。そういう世界に間違いなくなると思ってるんですよ。
西野:なるほど。そんな先の未来でもなくて?
落合:うん、じゃなくて。
西野:けっこう近い未来で。
落合:けっこう近く。たぶん20年30年ですよ。
西野:ええーっ!
落合:僕ら生きてる間に絶対そうなっています。たぶん。
西野:ものの区別がつかなくなっちゃうってこと?
落合:ものの区別つかないし、「あれはどっちだろうな?」みたいな。
西野:マジっすか。
落合:「今話していたのは生身の人間だったのかな?」はすごくあると思います。たぶん。
西野:例えば、東京タワーの上のほうって確認できないじゃないですか。我々は。こうやって触れないから。あんなのも、区別がつかなくなる?
落合:そうそう。あんなの区別がつかないですよ。たぶん。まあ、ゴーグルかけてたりとか、あそこに立体ディスプライとかがあったりする場合ですけど。ただ、そういう世界観になっていくと思います。
西野:へえ。
落合:8Kのテレビ、見たことあります?
西野:いや、ないです。
落合:8Kのテレビって、見ると、すげえ窓っぽいんですよね。
西野:え、どういうことですか?
落合:解像度が高すぎて、「あ、家に新しい窓開けちゃった」みたいな。
西野:そういうことになってくる。
落合:うん。それであの感じとすると、たぶん窓と8Kテレビの区別ほとんどつかなくなってくるかもしれない。
西野:あの8Kのテレビに窓枠みたいなものをつけてしまったら、本当に区別がつかない?
落合:つかない。その世界観になったら、デジタルネイチャーだなと思って。
西野:でも、それが近い将来来る?
落合:まあ、そうですよね。きっと。
西野:もう落合さんは勉強されて研究されて、そこに向かっているってことですね。
落合:そうです。僕はもろにそっちにいくための方法とかを研究しています。
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