2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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司会者:「これからという時に(チームが)助っ人を獲得した時のモチベーションというか心の保ち方をお聞きしたいです」というご質問です。
福田永将氏(以下、福田):はい、そうですね。ゲレーロですか。
福山敦士氏(以下、福山):鋭い質問がきましたね(笑)。
福田:でも毎年一緒なんで、僕が入った時はタイロン(ウッズ)がいて、ブランコがいて、毎年うちはファーストは外国人がいるので、そこはいつも通りですよね。意識したところで僕はなにもできないので。
福山:一緒に練習したりするんですか? 同じポジションで。バッティング練習とかも。
福田:しますね。
福山:教えあったりもあるんですか。
福田:ありますね。僕から聞いたら、外国人の方はみんな優しいので。
福山:日本語で?
福田:日本語ではないんですけれども、通訳をはさみながら色々教えてくれるし、外国人の選手が調子いい時は向こうから来ますね。教えたがってくるんです。
福山:あ、教えたがってくるんだ。
(会場笑)
福田:調子が悪いと絶対教えたがってこないです。そういう選手が多いです。
福山:どんなアドバイスが多いの?
福田:バットの入り方っていうのはけっこうみんなこだわっていて、とくにドミニカとか。そのアドバイスが多いですね。
福山:モチベーションの保ち方なんですけれども、気にしないっていう?
福田:そんなに気にしないです。いつも通りです。
司会者:「ホームランを打った時の手ごたえはあるのですか。ホームランのこだわりについてどのように思っていますか」。
福田:はい。手ごたえはあります。ホームランを打てる選手は限られているので、打てるんだったら狙うかたちでどんどんやっていかないとダメだな、という気持ちはもちろんありますね。
福山:ホームランの弾道が去年くらいから一気に変わった印象がありますが、小学校からずっと野球をやっていた身であり、高校時代何度か対戦をしていて、3年の春、ちょうどセンバツ甲子園に優勝して県大会帰ってきて横浜高校と戦って僕がピッチャーで……覚えてる?
福田:もちろんです。
福山:あわやショートライナーかっていうくらい弾丸ライナーでホームランを打たれたことがありました。
福田:一番うれしかったですね。慶応には勝ちたかったんで、本当うれしかったです。
福山:弾丸ライナーのホームランが印象には残っていて。弾道がすごい変わったのは打ち方を変えたんですか。
福田:打ち方は変えました。一昨年の秋のキャンプからですね。
福山:どんなことを意識したんですか。
福田:簡単に言えば、叩くっていうイメージをアッパーっていう言い方はあんまりよくないかもしれないですけれど、そういう下から打つっていうイメージに変えて、そこから良くなりましたね。
福山:なるほど。技術的な話もありつつも、今まで積み上げてきた技術とかを日々変えていくというか、そういう勇気もあるなと思ったんですけれども、ガラッと変えるというか、これまでの小学校、中学校、高校からプロに入って、8年目とか9年目のタイミングで打ち方を変えるっていう決断はどんな心境だったんですか。
福田:まぁでも自分自身にベースがなかったので。ファンの方は知っていると思いますけれども、打ち方は「それじゃダメだろ」っていうくらいしょっちゅう変えてたんで。
福山:YouTubeに上がっている、三浦大輔さんから打ったホームランとか?
福田:2012年ですね
福山:2012年。全然違うなと思って。
福田:いろいろやっていたので。そこにそんなにこだわりはなかったので、ベースになるものを一昨年のキャンプで教えてもらって、叩き込んでもらって、今それをベースにしていろいろやってます。
福山:なるほど。
司会者:「現役中に自身のセカンドキャリアを考えますか。もし考えることがあればそれは野球に関わることですか。それとも全く違う業界でしょうか。セカンドキャリアに関するサポートはプロアスリートとして必要だと感じますか」。
福山:真面目な質問ですね。
福田:難しいですね。セカンドキャリアは正直考えます。考えるというか、ふと出てきますね。夜寝る前とか。出てきますけど、いつも答えは出ずにですね。
福山:けっこう最近話題になっている、アスリートのセカンドキャリア支援をしたいという人が僕の周りにもけっこういるんですけれども、声がかかったりしませんか。
福田:そうですね。そういうサポートをやっている知り合いの方もいるので、話はよく聞きますけれどね。
福山:なるほど。例えば、野球以外にプロ野球選手になってなかったら、どんな仕事に就きたかったとかありますか。
福田:まったくないですね。本当に野球しかしていないんで、本当に困ってます。とりあえず今は野球がやれるならどこでも試合出たいですという感じです。
福山:一応補足しますと、僕は彼のお父さんとお母さんに小さい頃お世話になったんですけれども、お父さんが彫金、職人気質で、お母さんもピアノの先生をやっていて、僕もそのピアノ教室に通っていたんですけれども。
福田:一緒に練習したよね。
福山:なんだっけ、一緒に弾いたっけ?
福田:一緒に弾いたっけ。あ、弾いたかも。
福山:福田くんの両親が共に職人気質だったので、野球選手になったきっかけになったんじゃないかなぁと。そう言われることが多いんじゃないですか?
福田:あー、でも性格がどっちかというと1人のほうが楽なので。
福山:組織を束ねる感じじゃない?
福田:束ねない。
福山:一応小学校の頃と高校の頃はキャプテンをやっていたので、人望はすごい厚いんじゃないかとないかと思うんですけれども。
福田:いや、そんなことないですね。高校の時は本当にきつかったですね。キャプテンを新チームでやらせていただいて、選手間投票をやったんですけれども、その時下水流くんが投票されて、僕も下水流くんがなると思ってたんで「下水流」って書いて提出したんですけれども、監督に「福田がやれ」といわれて。
またその時下水流くんがレギュラーかどうか微妙なところだったので、とりあえず僕がレギュラーに出ることは決まっていたので。やれって言われてキャプテン始めて地獄の1年間でした。1個上が正直そんなに強いチームじゃなくて、キャプテンもコロコロ変わって3人、4人とやっていてまとまりがなかったので、僕はなにがなんでもキャプテンだけはやめないって決めました。何回もお前キャプテンやめろって監督に言われましたけど、やり続けましたね。
福山:どの辺が大変でしたか。
福田:すごくいい加減な選手が多かったので、みんな練習中とか試合中に帰っちゃうんですよ。
福山:え、試合中に帰るの?
福田:試合中に帰ります。あとでプロに入った選手なんですけど、いきなりへそ曲げて帰っちゃって。そういう選手が多かったので。絶対僕と下水流くんだけが監督室に呼ばれて。きつかったですね。
福山:ちなみに下水流くんは中学校のシニアはキャプテンで、小学校福田キャプテン、中学校下水流キャプテン、高校福田キャプテンって長い付き合いですね。
福田:長いですね。小中高。
福山:今も飯行ったりするんですか。
福田:今は2人ではいかないですね。
福山:バチバチしている感じですか?
福田:いや、していないです。このあいだの日本シリーズですか。テレビに出てたんで写メして下水流くんに送ってあげました。
(会場笑)
福山:そういうのブログにあげたらいいのに。せっかくだし。じゃあ一応キャリアは考えているということですね。
福田:はい。
福山:もしこのなかで福田くんが引退した後、雇ってもいいよって人がいたらぜひお願いします!
(会場笑)
福田:まだ考えたくない(笑)。
司会者:ここからはお2人におうかがいしたいと思います。「人生において一番の決断はなんでしたか。その意思決定や選択の方法は」という質問です。
福山:プロ野球選手になるということを諦めた時が一番の決断でした。今日のテーマでもある「夢の諦め方」という話かなと思っております。
僕も小中高とレベルの高いチームで野球をやらせてもらいました。先ほど田中マー君の話をしましたけれども、家庭の事情も実はありまして、高校時代に両親が離婚しました。実は戦略的な離婚だったんですけれども、親父も当時は起業をしていまして、当時は脱サラと言ってたんですけれども、すごく人がよくてなんでもサインしちゃって、いくつか連帯保証人になり、騙されちゃったりしていました。
親父は大好きだったんですけれども、別れた方がいろいろな補助とかもらえて、別れてもらって、そうすると大学まで野球を続けることは難しいね、と母親と話しまして。
3兄弟の3番目なんですけれども、兄貴はもう大学辞めていて、働いてくれたり学費を出してくれたりしていて、これはなんとかして恩返ししなきゃと。高校まで行ったら働くというのは、兄がやっていたのである種当然かなと思っていたんですけれども、辞めようとした時に母親が「親を理由にしてやめるのはやめてくれ」と。兄がそういうことをしていたので、僕はせっかく行かせてもらえるなら社会に出て爆発的に稼げる、大活躍できる人材なろうということをその時に決めました。
それから僕は野球じゃない別の道でプロになろうと思いました。大学の時、一番接していた大人が大学教授だったのもあり、「大学教授になろう!」と、練習後、毎晩研究室にこもっていました。その時、実は中京大学とも関わりがあったりしました。兄が名古屋で働いていたこともあって、けっこう名古屋とは縁がありました。
その後、研究発表などをしていくなかで進路を悩み、ちょうどサイバーエージェントの社長の本と出会いました。『渋谷ではたらく社長の告白』っていう本なんですけど、その本を読んで、すごくドキドキして、自分で会社をやるってすごい楽しそうだなと思って。
僕が次に挑戦するフィールドはここかもしれないと思って「僕も社長やりたいです」ということを就職活動の面接で言ってみたら「いいね! できるよ! 僕も社長だから(グループ会社の社長)」っていう感じの面接官で「あ、いけるかも!」と、ここなら社長になれるかもしれないと思って、サイバーエージェントに入りました。
入社してからも「子会社社長になりたいです!」「社長にさせてください」ということを発信しまくりました。福田くんが監督の前で素振りをすると同じように、「立ち上げやりたいです!」っていうことを言い続け、結果25歳の時に、グループ会社の役員を任せていただくことになりました。
やっぱりその後も自分の会社も持ちたいと思って独立をしたという背景があるんですけれども、話を戻すと、プロ野球の道を諦めて、別のフィールドでプロの道を志すことを決めた瞬間が一番の決断かなと思っていますし、その決断に今も後悔なくやっております。
福田:僕は本当に野球しかやっていないので、そういう大きい決断はないんじゃないかなと思います。とりあえずキャッチャーで一応入ったので、野球始めた時からキャッチャーしかやったことなくて、1年目は試合に代打で9打席ですかね。試合もまったく出られないじゃないかと思って1年やってきたんですけれども、秋のキャンプでティーバッティングしてたら、「お前わりといいバッティングしてるな」「俺がなんとかしてやるよ」って言われて。
昼休みコーチ室に呼ばれて。そしたら落合さん、以下全員コーチが10人くらい並んでいるロッカーに連れて行かれて、しゃべったことのないコーチばっかりだったので、なんなんだろうなと思ったら、「お前ファーストやれ」って言われて。
(会場笑)
福田:「えっ……」て。即答できないじゃないですか。「試合に出るならファーストやれ」という話をもらって。野球というかキャッチャーが好きでずっとやってたんで、その時は正直本当に悩みましたね。
実際答えは5分、6分のうちに「わかりました」って言ったんですけれども。言わざるをえないじゃないですか。「はい」って言ってしばらく悩みましたけれど、今考えたらキャッチャーをやっていたら今野球やってないだろうなという思いというか、考えはあるので結果的には一番の決断だったと思います。
福山:その時の決断もですけれども、福田くんの努力と言いますか、自分の選んだ決断を正解にするっていうのがすばらしかったんじゃないかと。
福田:まぁ、1回キャッチャー戻っちゃいましたけどね。
福山:セカンドもやったね(笑)。
福田:セカンドもやりましたね。僕の決断じゃないですね。
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