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「ブレない自分のつくり方」 ~上司は教えてくれないキャリアアップ術~(全7記事)

やりたいことが見つからない就活生へ--2人の若き成功者が語る、働く意義の見つけ方

就活生から寄せられた「やりたいことが見つからない」という悩み。『人生のパイセンTV』を手掛け、当初29歳でフジテレビ史上最年少演出家となったマイアミ・ケータ氏と、元甲子園球児、サイバーエージェント子会社取締役を経て20代で起業した株式会社レーザービーム代表・福山敦士氏が、やりたいことの見つけ方について語りました。

働くことは本当は楽しいこと

司会者:じゃあ、これからはわりとピンポイントで、マイアミさんや福山さんに関係する質問が出てくると思いますので、そんなかたちで進めていただきたいと思います。次の質問です。

これもなかなかリアルな話かもしれませんけど、「やりたいことが見つからない場合、就活は進めないほうがいいんでしょうか? やりたいことは、就職してから見つけるものでもいいんでしょうか?」。「その場合、面接でそういった話をしてしまっていいのか」、僕は別にいいと思うんですけど(笑)。価値観が重要だと話していますし、面接に来ていただいているというスタンスで臨んでいるので。

ただ、お2人にはお2人の考え方があると思いますので、バサッと言っていただきましょうか。

マイアミ・ケータ氏(以下、マイアミ):やりたいことが見つからない……。確かに、就職の時に「なにやっていいかな?」とすごく悩むと思うんですけど。僕が働いてみてアドバイスできることというのは、働くのはつらいことだとか思っているかもしれないですけど、そもそも働くことは本当は楽しいことだよと捉えてほしいです。とくに学生のみなさん、社会人経験がまだ浅い方。

「社会人はつらいんでしょ、大変なんでしょ。テレビマンはつらいんでしょ、寝れなくて」と言われるんですけど。もちろん大変ですよ、しんどい時もあるし。だけど、やっぱり圧倒的に楽しいんですよ。なぜ楽しいかというと、僕らの仕事はとくにそうですけど、人を笑顔にすることが仕事なわけで、僕らはそのエンターテインメントを作るわけですよね。

ディズニーランドに行ったら、みなさんすごく幸せな気分になるじゃないですか。あそこだったら、なんかオソロの服でデートしててもなにも突っこまれないじゃないですか。バカップルとか言われないじゃないですか。あそこはやっぱり非日常ですごく幸せな空間ですよね。僕がやりたい仕事は、そういう非日常の空間を作りたいんですよ。それを仕事として選んだので。

だから「こんなことをしたら、人が喜んでくれるんじゃないかな」とか、「こんなことをしたら、みんな笑ってくれるんじゃないかな」と、僕はずーっと考えているわけです。それは仕事じゃない時も。プライベートの時も、常にアンテナ張りながら「やべー、これおもしれえな」と思ったら、「これでなんかできないかな?」とか、ずーっと考えているわけです。

「仕事とプライベート、オフはあるの?」とか言われるけど、オフなんてないんですよ。ずっと仕事だし、仕事がプライベートだし、プライベートが仕事だし。僕の場合はそういう感じなんですね。そういう仕事を選んだから。

お金は人を喜ばせた対価

これから社会人になる人も、とにかく社会人になるとつらいんじゃないかなとかいう考え方をまずやめて。本来、人を幸せにして人を喜ばせて、人を喜ばせた対価としてお金をもらうというのが社会の仕組みだと、僕は思います。

だから、悪いことして金稼いでるやつは捕まるじゃないですか。それは当たり前なんですよ、悪いことしてるから。だけど、人が喜ぶことをしていればいくらもらったとしても、それはいいわけですよ。ちゃんと税金払ってるんだから。

だけど、日本人はお金持ちのことをすごく揶揄するじゃないですか。「あの人はお金持ちだからできるんだよ」とか。お金を稼ぐ人に対して、ちょっと悪いイメージがあるんですよね。

だけど、絶対お金があったほうが楽しいし。お金がないとつまらないと言っているわけじゃなくて。どうせだったら、いっぱい楽しい仕事をしていっぱいの人を幸せにして、それだけの対価をもらって自分も幸せになる。なんだったら、自分と一緒にいる奥さん、好きな人、大切な仲間をもうるおしてやる。そうやって考えていると、絶対楽しいんですよ、人を幸せにすることは。仕事することは。

人を喜ばせれば喜ばせるほど、喜んでくれる人が増えて自分だってうるおって。それのバランスが崩れると、どっかが……。自分だけいい思いしようとかいう方向に走ると、やっぱりそれは間違った方向にいくから人が離れていくわけですよね。そこの順序さえ間違えなければ、僕は本当に仕事は楽しいし、絶対。楽しく仕事をやっていればもっと楽しくなるし、楽しい仲間が増えるし。そしたら人生なんて楽しくなるんですよ、絶対に。

だから、まずその発想を変えることですよね。発想を変えれば生き方が変わります。生き方が変われば、おのずと人生なんて変わっていきます。自分がたずさわる人、好きになる人、関わる人、すべて。そうすると、絶対に楽しくなるんですよ。だから恐れずに。やりたいことが見つからないというのもわかるんですけど、本当は人を喜ばせることが嫌いな人は、たぶんいないと思うんですよ。

誕生日の日にサプライズしてあげて、喜んでくれたらうれしいじゃないですか。そういう小っちゃい体験でもいいから、自分が人を喜ばせることはなにが好きだったかなと考えてみればいいと思うんです。本当に「お母さんに母の日にバラの花束をプレゼントしたら、すごい喜んでくれた。なんかうれしかったな、心温まったな」でもいいんですよ。そんな小っちゃい体験が大事。

そういう体験を振り返って、「俺、こういうことをするのが実は得意なんじゃないかな」とか。これをやっている時の自分が好きだなと思ったら、それを仕事にすればいいと思うし。そんな「仕事だから、こんなことやらなきゃいけないんでしょ」とか考える必要ないと思うんですよ。自分の好きなこととか、自分が人にやって心温まること、みんなが喜んでくれるなと思っていることをやれることが大事なんじゃないかなと思います。

すごく難しいと思うんですけど、まずはそうやって自分がなにを人にしてあげることがうれしいのかなというのを探してみるといいんじゃないかなと。そういう体験がないんだったら、実際にちょっとやってみるとか。友達の誕生日をサプライズしてみるとか。そういう体験はやってみると絶対楽しいので。そういうことをやってみるといいんじゃないかなと思います。

「わくわくビジョン」と「がむしゃらマックス」

福山敦士氏:これは、結論から言うと「わくわくビジョン」か「がむしゃらマックス」がおすすめです。これも前職で学んだことです。「わくわくビジョン」と「がむしゃらマックス」。

「わくわくビジョン」というのは、自分がわくわくするようなビジョンをかかげることですね。この(質問の)場合はビジョンもないと思うので、「がむしゃらマックス」でいいかなと思ってます。目の前のことをがむしゃらにやる。

入社して1年目、上司にもらった仕事を1個1個きちんとこなす。がむしゃらにやってみる。ここに「わくわくビジョン」を見つけるためのヒントがあるかなと思っています。

今の自分のレベル以上のビジョンを見つけるのは難しいです。ビジョンで迷うくらいなら、できることを1つでも増やす方が生産的。「わくわくビジョン」と「がむしゃらマックス」と言ったんですけども、最終的にはビジョンが必要です。「がむしゃらマックス」は、車でいうと初速のままずっと走り続けるみたいな感じなので、どこかで疲弊します。自分はなぜこんなに頑張っているのだろうと。

自分がやってて気持ちいいこととか、やって楽しいことを一生懸命やったほうがいいかなと思っています。そのためのビジョンの見つけ方のおすすめのやり方あるんですけども、1つはやりたくないことを可視化するというやり方です。人は未来への希望より、現状から逃れるモチベーションの方が強いです。

1個前の質問に近いんですけども、自分が大人のいうことを聞けないみたいなところがあって。指図されるのがいやだとか、命令されるのがいやだとか。もう変な話、期日切られるのもいやだみたいなところを正直に言っていくと、だんだん自分のやりたくないことがはっきりして、そこから逃げ道がなくなってきて、「結局、じゃあ、やりたいことはなんだっけ?」というところが少し見えてきます。

やっていて気持ちいいことを振り返る

もう1つは、自分の過去を振り返るというやり方です。例えば、僕の場合は野球を16年間やってきました。そのなかで自分がやっててよかったなという体験だったり、「やってて気持ちいいと思うことはなんですか?」と自分に問いかけるんですけども。僕の場合は、はっきり言って、チヤホヤされることが一番楽しかったです。

優勝して、「福山のおかげで勝てたよ」と言われることが一番うれしかった。逆に「福山のせいで負けた」と言われたことは悔しかったけど、そこからがんばるというモチベーションにもなったので、結果チヤホヤされることが一番気持ちよかったんです。自分の素直な気持ちに答えていくなかで、それが自分の価値観だなと思いました。それがやりたいことなんだなと思いました。

ただ、それをビジョンにしちゃうと、だれも応援してくれないです。「僕、チヤホヤされたいです」みたいなことは、はっきり言って応援されないし、言うのもたぶん恥ずかしいと思うんですね。なので、「じゃあ、自分が気持ちいいことは、世の中に対してどういう価値を還元するんだ」ということを、サイバーエージェントの時の一番最初のメンターの方が教えてくれて。

そこでぐっと考えて思ったのは「人に勇気を与えること」かもしれないと思ったんですね。自分が活躍をして注目をされるということは、自分と同じような過去の人に勇気を与えることになるんじゃないか。社会人でいえば、ピンポイントですけど野球部出身の子に勇気を与えるとか。体育会学生に勇気を与えるとか。

あと、僕、前職時代、3年目までまったく芽が出なかったんです。もともとWebプロデューサーといって、アプリ作ったりとかWebサービス作るみたいな仕事していたんですね。その時はあんまりうまく成果を出せなかったんです。もの作りがうまくなかったというか、たぶん性に合ってなくて、3年目に営業に職種を変えた瞬間に一気に成果が出たんです。それまで営業はやったことがなかったんですけど。

もう完全に性に合っていました。まったくがんばってるつもりがないのに成果が出て、すごくほめられて、お客さんに感謝されて。「あれ、僕、営業向きなのかな」みたいな。そうやって見つける可能性もあるかなと思っているので、そういう人にも勇気を与えられるんじゃないかと。

社会人1~2年目で活躍できなかったけれど、自分と向き合って成果を出しましたということが、誰かにそうやって勇気を与えられたら、自分も生きている意味があったんじゃないかなと思って。野球部時代に松坂選手に憧れた時のように。ビジネスの世界で、自分が憧れの存在になれるように。できない自分ができるようになる過程を、ブログに書き残し続けています。

勇気を与える存在というのは「背中と言葉」がセットでなければならないから。背中は結果、言葉はブログや、こういったセミナー。自分がチヤホヤされたい、注目されたいというのは、社会に対しては勇気を与えること。僕は「勇気を与えるということ」を、ビジョンとしてかかげてやっています。

コミュ障でもテレビ局に入れる?

司会者:次は、マイアミさんへの矢印ですね。現在大学3年生の方からの質問です。

「テレビ局への就職に興味を持ったんですが、自分はあまり人付き合いや明るいノリが得意ではない、いわゆるコミュ障だと思っています。テレビ局にそういう人はあまりなじめなさそうなイメージがあって、躊躇してるんですけども、実際どうなんでしょうか?」という質問。

リアルにテレビ局で働いているマイアミさんに語っていただきましょう。

マイアミ:もちろんテレビ局だからといって全員が全員明るいわけではなく、もちろんコミュニケーションが苦手な子もいるんですよ。ADさん1年目で入ってきた子なんて、たいがいは緊張してて。女の子とかはとくにそうですけど、やっぱりなじめないんですよね。(会場のスタッフを指して)こんなやつらがいるところは(笑)。怖いし。

僕も『笑っていいとも!』に1年目配属されたんですけど、(会場後方を指して)あそこでカメラやってくれている加藤というのは、僕が『いいとも!』に入った時に先輩なんですよね。ひげ面だし、「怖えな。なんだ、この兄ちゃん」とか思ってて。周りもやっぱ体育会系だし、すげえ怖いんですよ。

僕も今ではこんなキャラですけど、実はものすごくシャイだったりしたので、だから社会人になって最初はコミュニケーション取るのは、すごく怖かったんですけど、慣れというのもあって。やっぱりなにかやりたければ、自分から出すことじゃないかなと思います。

コミュニケーション苦手なADさんはカラに閉じこもっちゃうんですよね。わからないことがあったら自分で解決しようとしちゃって、テンパって怒られちゃったり。下のことを考えてくれる優しい上司ばっかりじゃないので、どなりつける人もいるし。なんだったら、そういう人がほとんどだし。

人になにかを与えるとかいう感覚を持ったほうがいい

だけど、そういう現場でもかわいがられる後輩とかわいがられない後輩というのはすごく明確にあって、(会場のスタッフを指して)この塩沢なんか僕の後輩で、ずっと面倒見ているんですけど、やっぱフットワークが軽いんですよ。バカだし、なんにもできなかった頃から、「おい、塩沢行くぞ」と言うと、「はい、行きましょ、行きましょ」と調子がいいんですよ、とにかくね。

そういうフットワークの軽さというのは、業界関係なく絶対にプラスになるんじゃないかなと思います。逆に、フットワークが重くて、プラスになることはないんじゃないかなと思うから。コミュニケーションが苦手な子も、コミュニケーション取る現場であるんだったら取らざるを得ないと思うんですよね。ジーッとしてる暗い子よりも、明るくて「おい、ちょっと行こうぜ」と言いたくなるような子と仕事をしたいんですよ、人は。

だから、こういう人はもしかしたら、人になにかを与えるとかいう感覚を持ったほうがいいかもしれないですよね。僕は人と仕事する時、人と会う時、人と遊ぶ時、その現場を明るくしたいとか、なんか元気ないやつがいたら元気与えたくなっちゃうんですよ。だけど、引きこもってたり、ちょっと暗い子は、「自分と接する人を僕が元気にしてあげよう」とか、絶対に考えてないと思うんですよね。

だから、そこなんですよ。コンビニのおばちゃんでもいいんですけど、買った時に「ありがとう」と言ってあげるだけでもいいんですよ。ガソリンスタンドでガソリン入れてくれたら「ありがとうね」と言ってあげるだけでもいいんです。とにかく自分と一緒にいる人をちょっと元気づけてあげるみたいな。そういう意識をすると、自然と自分が元気になっちゃうので。

僕は寝不足でけっこう元気がない時とか、あえてカラ元気でいくんですよ。「おえーい」とか言って、「おまえ、寝不足かよー」とか言いながらいくと、意外と自分も元気になっちゃうというか。だから、人に元気を与えようとしていると自分も元気になってしまうので、そういうことの連続なのかなとも思うんですよね。そうすると、自然と明るい人間になっちゃってたりするので。

そういう子は、いっぱいいます。入ってきた時はおとなしかったのに、なんかいつの間にかなじんですごく元気になっている子とか、人は環境で慣れますから。仲よくもなれるし。だから、「自分はこんな人なんだよな」と思わずに、その殻をぶち破ることが大事なんじゃないかなと思います。

現にそういう子がいっぱいいるのでね。絶対できないことじゃないので。そういうふうに、明るい方向に考えたほうがいいかもしれないですね。以上です。

司会者:ありがとうございます。参考になりましたでしょうか。

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