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PremiumSeminar」(全5記事)

「最後の最後、自分が当事者になれるかどうか」 DeNA内定者が語った、後悔しない企業の選び方

DeNAが開催するビジネス向けサマーインターンシップ「StuDIG」の説明会にて行なわれた、南場智子氏とインターン経験者によるディスカッションを書き起こし。プログラム内で行われる新規事業づくりの現場や、内定者自身の企業判断軸などについて、赤裸々に語られた。(StuDIG説明会「PremiumSeminar」より/part3)

新規事業のルールは?

南場:なるほど。おもしろいね。そうだろうなと思いました。他に何か聞きたいことある人いる?

質問者:StuDIGの新規事業立案は、何でもいいんですか? 軸とか基準とかはないんですか?

宮川:去年のStuDIGは全部で10チームあって、テーマはチームごとに与えられてました。1班はこの課題についてやってください、というように。僕だと「能力開発分野についての新規事業を考えなさい」ですね。

徳田:僕のチームは「人材業界における新規事業」っていうテーマが与えられました。それだけですね。それ以外はなし。

中島:今年どうやるのかは知らないのですが、年によっては「3年後に100億円以上の売上に拡大するような規模感さえ守ってくれればテーマは何でもいいですよ」っていう時もあれば、「みんな農業関係の事業について考えてください」みたいな時もあれば、年によって設定の仕方はだいぶ違います。

南場:今年は決まった?

中島:まだ決めてないです。

南場:「何でもいいから」って言うと、テーマ決めに3日半使ったチームがありました。昨日まで「教育」って言ってたのに、急に「流通」とか、そういうことで時間を費やしてしまうとひとつの領域を深める時間がなくなってしまうので、試行錯誤中です。(君たちは)テーマが決まってて良かったよね。

宮川:能力開発分野って何やねんって思ってました。

他の会社では、"当事者"になれないと思った

南場:他に聞きたいことある人いる?

質問者:宮川さん、徳田さんのお2人がDeNAに入社を決めた経緯というか、就活をしてる上でどういうような業界を志望したかとか、最終的にどこで迷ったとか、そういうことがあれば教えていただきたいです。

徳田:僕は就活を始めた3年の春、この時期ですけど、さっきも言ったようにデザイン系の活動をしていたので、自然と広告っていうものに興味がわき、広告代理店行きたいなって思っていました。で、そこに関連してクライアントサービスということで、コンサルティングファームや広告代理店とかを見てて、社員ともいっぱい話してインターンもしてみて思ったのが、「最後の最後、自分は当事者になれない」っていう違和感が、どうしても自分の中で耐えられなかった。

僕は自分がやってる団体を自分で立ち上げたんですけど、そういった経験とかを考えた時、自分がやりたいことや、自分が本当に価値があると思ったことを自分の手で作り上げていくっていうことがやっぱり僕にとっていちばんやりたいことだと思いました。それだと自分が苦しくても前に進み続けられる。

そのことに夏を通して気付いて、事業会社をいろいろ見始めました。DeNAにはStuDIGに参加した後もいろんな社員の方と話させていただきました。ちょっと悩んだのは某Rグループとかですね……。

いろいろ悩んだんですけど、最終的にStuDIGの後の最終面接で僕は内定をもらえずですね、そのあと人事の新卒マネージャーと2人で飲みに行って、もっと深いこれまでの俺の生き方の話とかをいろいろした後、改めてもう1回話をして内定をいただき、僕もそれを受諾するっていう形になりました。

宮川:僕、実は高校生の時からD通さんとの関わりがあって、アルバイトをしていました。アルバイトにしてはかなり高度な仕事をさせてもらっていました。なんかこう、華やかじゃないですか、広告代理店とかって。それで結構興味があって。

途中大学を2年休学して、事業を立ち上げていた時期があったんですが、ずっと「起業したい」っていう野心みたいなのがあったんですよ。「起業家志望です。なのでそもそも入社するかどうか迷ってます」といったことをDeNAの人事にも言っていたのですが、「結局お前は会社を作りたいのか、サービスを作りたいのか」っていう話をされて、なるほどと。

僕はどっちかというとサービスを作りたいと。別に社長になりたいわけじゃなくて、会社を作りたいわけじゃなくて、本当に何か世の中を変えるような。ちょっと前までメールとかを使ってたのが、もうほぼLINEじゃないですか。

そうやって革新的な何かを作るっていうのに対して自分がモチベーション上がるなっていった時に、さっき南場さんが最初に話してましたけど、DeNAにはそれがかなり実現しやすい環境が用意されている。かつ、さっきも言ったように僕が思っていることを言っていい、というか言うことが好まれる環境だっていうので、1択だったんですよ。

僕はサマーインターンStuDIGを経て、内々定をもらいました。なので僕、就活って実は1社も受けてなくて。逆に言うと就活する時間があったら社内のインターンに行けるよっていうのを聞いてたんで、どんだけのものやねんっていうのを体感したいっていうので、速攻働き始めました。

入った初日に、「明後日までに提案して」

南場:私と進めてるプロジェクト以外にも、普通学生には任せないようなレベルの責任を負わされているよね?例えばどんな仕事をしてるか、概要を話してください。

宮川:南場さんとのプロジェクト以外ではゲームの部署に参加してますが、ちなみに僕、ゲームに全く興味なかったんですよ。本当に。PS3でウイニングイレブンやったことあるぐらいのレベルです。

で、人事に早速働かせてくれと言ったら、現状すぐに働けるのはそのゲームの部署ということでした。じゃあ何でもいいからとにかく行きたい、ゲームを毛嫌いして行かないっていうのはナンセンスだなと思って、どんなものか体感したいって言ってゲームの部署に行きました。

最初入社説明会みたいなちょっとしたものがあるんですよ。オリエンみたいなのが午前中に少しあって、午後1時ぐらいに君のデスクまで連れて行くねって言われて、デスクが用意されててそこに行ったわけです。そしたら所属部署の部長に呼び出されて、すぐに「早速任せたい仕事がある」と。「来た来た」みたいな(笑)。

入社したその日ですよ? デスクに座ってここが俺のデスクかぁって荷物置いた瞬間に「ちょっと話がある」って言われて、「早速仕事任せたいんだけど」って言われて。ちょっと聞きたいんですが、『パズ億』っていうゲーム知ってるよっていう人、どのぐらいいます? あ、まじですか。なるほど。ちょっと今一旦ストップさせているんですが、CMも打ってたんですよ、その当時。「お金が大好き」ってひたすら言ってる……。

南場:あ~、あの賛否両論のCM。宮川が作ったの?

宮川:いえ、あれは違います。あれはD通さんでは?

南場:(笑)。

宮川:会社としてめちゃくちゃお金を投資してて、CMも打ってるぐらいのメガヒットというか期待されてるタイトルのゲームのUI/UXとかを、全てお前がやれと。入社したその日に。5分後に。

南場:入社してないから、まだ。ちなみにね。

(会場笑)

宮川:そうですね、インターンとして。3週間後にアップデートだって。そのアップデートに間に合わせるようにやるには今週中にそれをFIXさせなきゃいけないから、もう明日・明後日の勢いで提案してって言われて。もう本当に終電で帰るから今日、みたいな勢いです。

南場:どうだった? パズ億。

宮川:一応KPIも少し上がりました。

南場:KPI、Key Performance Indexのことです。例えば1回ゲームを始めた人がどれぐらい継続してくれるか、何分やってくれるか。何プレーやってくれるか。そういう項目を測った数字のことです。他に何か言いたいこと聞きたいことある人いる?

人材は「仕事第一」が条件

質問者:3点あります。まず1つめが先ほど人材の質にこだわっているとおっしゃっていたんですけど、人材の質というのが具体的にどういった人材なのかっていうのを聞きたい。もう1つは初等教育っていうところには私もすごく関心があるので、どういった点に問題を感じており、どういう風に変えていきたいのかっていうのを聞きたいっていうこと。3点めは、インターンのお2人に聞きたいんですけども、社員さんに対する印象と、どういった方を尊敬するのかを伺いたいです。

南場:人材の質、どういう人が欲しいのか、求めてるのかっていうのは、画一論ではなくて、多様な方がいいですね。コンサルティング会社だと「ロジカルシンキング」という、論理的思考力1本でほとんど見ています。

でも事業を進めるにはいろんな才能が必要です。例えばロジカルな人も必要だし、クリエイティブな人も重要、むちゃくちゃ営業が強くて、人の胸襟を開かせるってことに長けている「人間力のかたまり」のような人も素晴らしいと思うし、いろんな人がいてほしいなと思うので、画一論では言えません。

ただどうしても譲れないポイントがあって、「DeNAっていう船はとっても素敵だから乗って来てください」ではなくて、「この船を一緒に漕ぎましょう、作りましょう」という思いに賛同してくれることです。船に乗るだけではなく、時には修理をしながらでも一緒に漕いでくれる人を求めています。

これは価値観の問題で、日本人全員が仕事第一で仕事大好き、仕事に全力尽くしますっていう人である必要はないと思っています。生活の糧として仕事をするとか、できるだけ少ない労力で同じ給料がもらえるところに行って、就業時間終了後1秒でも早く出て、自分の趣味や個人的な活動をやっていたいという選択ももちろんあると思います。

それは個人の考え方、価値観だから、優劣をつけるものではなく、個人の考え方です。ただDeNAは歯を食いしばって「仕事」で勝負したい人に来てほしい。一流のビジネスマンになりたいとか、一流のエンジニアになりたいとか、一流のサービスプロデューサーになりたいとか、仕事で一角の人間になりたいんだ、と。

常に仕事のことを24時間考えろというわけではありません。メリハリつけていいんだけど、仕事をしてる時間は全力投球、ということ、これはさすがに譲れない。それはわが社の特徴なので、そういう人間が集まっているということですね。

別の言い方をすると、仕事にはタフなことがあるわけです。大きい高い頂上に向かって走っているからおもしろいのですが、その高い頂上に向かってると、必ず困難が出てきます。さっきも言ったような思いもよらないようないろいろな横槍や壁が出てくるので、それにめげない精神力がほしいですよね。

しっぽ巻いて逃げない。逃げるタイプっていうのはうちはあんまり得意じゃないかな。あともう1つ譲れないのは、仕事とかコトに向かわずに、誰かに“おもねる”タイプ、上司におもねるとか。そういうメンタリティがすごく強くなっちゃってるタイプ。それはうちの会社の場合だと苦労すると思います。

上司見て仕事してる人っていうのは、わが社の場合はあんまり尊敬されないです。そうじゃなくて、成果に向いてくれ、仕事に向いてくれと。ただストレングス、強みはいろんな違う軸で探してます。私から言うとそういうことです。ナカジの言葉で言うとどうですか?

「間違わない達人」はおもしろくない

中島:まず、ベースは「この人と一緒に働きたいなぁ」っていう風に個人的には選びます。そうすると中島が働きたい人だけが通って行っちゃうんだけれども、面接官として全員と会うわけではないから、いろんな人がいます。

入ってみていろんな人と絡んでみるとわかると思うんですが、DeNAって、めちゃくちゃいろんな人がいるんです。ちょっと歩いていると、こんな人種こんな人種っていうぐらい違うし、見た目も違うし、性格も違うし。単一業種、例えばコンサルとかに入ると、いい悪いではなくて、価値観が同じだから同じようなタイプの人がやっぱり多いんですよ。

10年前に転職してきていちばんびっくりしたのは、いろんな職種の人がいるし、いろんな性格の人がいるし、いろんな価値観がある。いろんな人たちが見るから、中島はピンと来なかったけれども佐々木さんはピンと来ました、みたいな感じでも全然通って行く。

でも誰もピンと来なかったらきっと合わないっていうのはベースにあります。その上で、基礎的な頭の良さみたいなものはやっぱり要求されると思います。全くそこら辺がないと、そもそもものすごい優秀な人が多い会社なので、そこで渡り合っていけないと、その人のためにもならないし、そこはたぶん事実としてあります。

そこから先は「こいつすごいな」っていう特長を持っているかどうかを、学生が社会人になるタイミングでは見られると思います。そこがその人それぞれの強みにつながっていくんじゃないかな。中途の面接になってくると、前職でこういう実績があってとかわかりやすいんだけども、そういう実績みたいなのがなかなかないもんだから。

いろんなエピソードを聞いて話してみたり、一緒にインターンやってもらったりすると、「こいつすげえな」というところは出てきやすい。そこがあるかどうかっていうのは見てますね。

南場:2つめの初等教育の問題は、子どもってもともと生まれた時は非常にクリエイティブでイノベーティブなのに、日本の教育はそういう子どもを捕らまえて、時間をかけて超おもしろくない「間違わない達人」に仕立てあげるという教育になっているのではないかという問題意識からきています。回答用紙があって、回答欄があって、そこに正解が書けてマルをもらって喜ぶ、っていうのをずっと繰り返させられるのが今の日本の教育です。

それはどんなにクリエイティブでイノベーティブでも、パブロフの犬になりますよ。ここから子どもを解放したい。そうじゃないとグローバルリーダーにはなれません。それを今私は考えています。それは文科省も言っていて、21世紀型の教育は違うと言ってるんだけど、改革が遅いし、私が思う変化のマグニチュードというか、パワーが全然が違います。

そして、文科省が感じてるところがあっても、現場の先生の頭が切り替わるのには、多大な時間を要します。そこを突破するのに何か出来ないか、いろいろ考えているところです。

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