2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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南場:今日はStuDIGの卒業生と、あとメンターをやってるスタッフと一緒にパネルディスカッションをしようと思います。まずみなさんに紹介します。この人が中島さん。わが社の執行役員です。歳は40だっけ?
中島宏(以下、中島):36歳です(苦笑)。
(会場笑)
南場:もう長いこと執行役員をやっているから40だと思いました。36の中島宏です。毎年StuDIGのメンターをしてくれてます。
ここ2人は徳田遼、宮川。わが社のStuDIG出身で内定者。今たまたま、私と一緒にあるプロジェクトをやってます。自己紹介して下さい。
徳田:はじめまして、関西から来ている徳田遼といいます。昨年のStuDIGの参加者で2015年から、この会社で働くことが一応決まっています。
南場:一応って?
徳田:卒業できればですね(笑)。よろしくお願いします。
宮川:慶応4年経済学部の宮川と申します。僕も卒業できれば、入社する予定の者です。今日はStuDIGについて本音で、ざっくばらんに話し合いたいと思いますので、よろしくお願いします。
中島:中島です。36歳です(笑)。DeNAに勤めて10年目ですが、その間、広告営業のマネージャーをやったり、HRの責任者をやったり、新規事業の責任者だったり、いろいろやってきました。今は事業戦略といって、既存事業の方向性や、新規事業の検討を担当する執行役員をやっています。
徳田:本当によかったです。
南場:内定取り消したりしないからホンネで話してよ(笑)。
徳田:一番印象に残っているのは、ここまでするんだ、と。本当に4日間通してずっと思ってたことですね。どこかのITベンチャーのインターンもちょくちょく行ったんですけど。大体メンターとか付くんですが、DeNAだけみんな執行役員で、エース社員だし、おまえ本気でそれやりたいの? みたいにぶつかってくる。今でも覚えています。
南場:何社行ったの?
徳田:全部でインターンは7社ですね。
南場:その中で、DeNAは面白さと仲間のレベル、そらからタフさ。何番目?
徳田:面白さは2番目ですね。仲間のレベルはダントツ一番でしたね。タフさも一位ですね。
南場:おいおい、聞きたいね。じゃ宮川はどう?
宮川:僕も徳田と一緒で、良かったと思ってます。補足をすると、"褒められない"ですね、マジで。大体、みなさんインターンに行けば、なんとかさんすごいね、みたいなことを社会人の方に言われると思うんですけど、マジ言われないです。本当に貶されることしかしないです。
それも反論できないようなクリティカルなインプットなので、まさにその通りですと。そのインプットの中でも、こちらも負けじと、そうじゃないです、て頑張ってますけど……。結果、StuDIGの最中、負けてましたね。メンターが優秀過ぎて。
南場:メンターが負けてたら大変だよね。執行役員なんだから(苦笑)。
宮川:でもそれくらいの気概を持って参加していた。
中島:結構本気で、その期間中に、新しい新規事業を生み出す決意で取り組みます。短い期間だし、チームメンバーも、自分プラス社員が1人と参加してくれている学生5人のチームに限られます。時間も人も限られているんだけど、その中で「いい」「どうせやるなら本気で事業検討しよう」と。
南場:そこから継続的に検討されている事業もありますね。今の話で褒められない、という話があったけど、私は最終発表で審査員として出ますが、そこにゲスト審査員も呼ぶわけ。その審査員もビビって帰ることが多いです。例えば、サイバーエージェントの藤田さんは、俺のところの社員の新規事業アイデアコンテストよりも厳しい、と言ってました。
学生だから、お客様だから、「まあ、よくまとめてくださいましたわねえ」なんて絶対言いませんね。絶対褒めないというルールはないですから、思っていたら言いますけど。でも、ものすごく穴だらけ、突っ込みどころ満載なんだよね。どうしてココ押さえてないわけ? ってなるわけ。
でも、私はここはガチでいくんだ、学生を馬鹿にしないんだ、と決めています。ここで手加減したら、子ども扱いってことですよね。何歳であっても、リスペクトして本気でやると決めています。
アルバイトは違いますよ。インターンは、ここで、なんらかを学んで帰ってほしい。というので結構ガチでいっています。ふわふわのベッドを想像してたら違いますよね。聞きたいことある人いる?
徳田:すごい抽象的な答えになってしまうかもしれないんですけど、合ったからだと思っていて。僕が大事にしている考え方とか、これから社会人になってアプローチしていく上で絶対ゆずれないような価値観とか。結構いろんな人と話している間でも、DeNAの社員の人が一番シンパシーがあった、向いている方向が同じだったというのが、内定できたひとつの要因かなと思っていますね。
宮川:未だにその答えがないから興味を持っているんですけど、この会社に。多分徳田と一緒で、一般社会に放り出されたら、8割くらいの人間が僕のことは生意気なやつだと思う気がするんですよ。さっき、良質な非常識ってあったと思うんですけど、失礼な態度を取るということでなく、自己主張をしないとウズウズしちゃうんですよ。
ミーティングなんかも進められない。どうしてもコレ言いたい。それを嫌う企業とか、社会人の方はいると思うんですけど、逆に好まれる環境で、アグレッシブな発言をするからいいなって、思ってくれたんじゃないのかなと思っていますね。
南場:こないだ私、ブログを再開しようと思って、3本も書いて、2人を含む内定者4人に読んでもらいました。
良い文章だったんですけど、全否定されましたヨ。「コレ何の目的だか分からない」とか、「ものすごく内輪ウケですよね?」とか、私が土日を返上して書いたブログが、一刀両断でボツになった。すごい傷ついたんだけど。普通の会社なら、コレはダメですよ。わが社では絶賛歓迎です。
質問者:徳田さんと宮川さんに質問なんですけど、StuDIGを受ける前と終わった後では、自分の中で変わったことはありますか? あったら教えてください。
宮川:今思うのは、僕、学生団体をやっていて、その団体で、新規事業立案もしたりするんですが、びっくりするほど自分が後輩たちにいうインプットが鋭くなっていて、鬼のような先輩になっているなって。ビフォアー、アフターで感じたんですよね。
それって普段経験したことないくらいの場をStuDIGで与えられて、コレをやらないと事業立案とかも生ぬるくてダメなんだなって。思考の深さとか、ガチでぶつかりあって意見を交わすってことをしないとダメなんだなっていうのは、自然と身についていた感じです。
南場:一番タフだったとき、一番うれしかったとき、一番心に残ったこと。そういうエピソードってある?
徳田:強烈に覚えているのが一個あります。何日目か忘れたんですけど、みんなちょっと疲れてきて、議論が行き詰まってきたときに、メンターの人に、「学生とか抜きにして、コレ本当に実行できるの? 心の底からコレ実行したいのか?」と厳しく問いただされました。「やりたくないなら帰ってもいいよ」とまで言われて。みんな「すみません、やりたいです。やらせてください」と言ったことがあります。
それが、さっき言った物事に取り組む姿勢に繋がってくるんですけど、そのエピソードが今でも心に残っています。
南場:ウチの場合、論理的思考に長けている人が集まっているので、ベストなロジックを構成しがちです。でも事業では、それ以上に「やりたい」っていう魂の熱量が成否を左右すると思うんだよね。
どんなに理屈がよく練られた精緻なプランでも、やりはじめると思ってもみなかったような横槍や壁が出てきて、それはやっぱり論理で打ち破れない。熱量で打ち破らないといけないことがあります。
私はもともとコンサルタントだから、事業をやっていると、左脳、ロジックで考えることが得意なんだけども、それだけだと実業では上手くいかないんだな、と感じてるんだよね。良いポイントだよね。
南場:そうじゃないと、お遊戯みたいになっちゃう。それは、そうだよね。
(会場笑)
宮川:僕、StuDIGに本気で参加したいと思ったのは、その瞬間ですね。あと、本番で、最終発表会があるんですよ。そのときに南場さんの本気度がハンパなくって、そのときに南場さんと初めて絡むわけですよ。髪かき上げて、「こんだけあるんだけどさあ」ってババババッと問題点を言われて、「どうなの?」って。やばい、この人、って。それが最初のプレゼンでしたね。
南場:次回は、感謝と、褒める言葉をちゃんと言おうかなと。それが私の人間としての成長だなと。
(会場笑)
宮川:まああと僕は優勝できなかったので、すっごい悔しかったですね。それは覚えています。
仕事でも、社員になりました、あなたのノルマはこれです、といわれて、会社はコレやってるから仕事としてコレをやってくださいね、って言われると、人生まったく面白くない。StuDIGの数日間でさえも面白くないし、メンターとして付くのも、審査する側としても面白くない。
やるんだったら面白くやろう。面白くするためには本気にならなきゃダメで、やらされ仕事じゃダメなんですよ、っていうところからきている。サディスティックにやっているわけではなくって、それは誤解しないでほしい(笑)。
南場:StuDIGで優秀な学生を見つけたいという下心があることは話したけど、ただもうひとつ言うと、いずれにせよ4日間という結構な時間は使ってもらうよね。
他のところでもインターンできる貴重な時間をDeNAで使ってくれるなら、ビフォアー・アフターで多少でも、何かを学ぶとか、あるいは何かに向かう姿勢が変わるとか、何かやっぱり持ち帰ってほしいなという気持ちが強いです。
南場:おー、いいねぇ、おもしろい。別で聞こうと思ってたんだけどありがとう。
徳田:比較ですね。僕がいちばんおもしろいというか、主観としておもしろかったと思っているインターンは……、あの、社名言ってもいいんですかね?
南場:言っちゃえ!(会場笑)
徳田:○○○○っていう△△△系の会社がやっているインターンで、それがオープンでやってるインターンじゃないんですよ。全部クローズで招待制で、先輩が学生を1人くらい推薦して、行けるみたいな。
南場:みんなにはこれは秘密、ということでお願いします。
徳田:秘密のインターンみたいなのがあってですね、なんか、インターンじゃないんですよね。3日間で「社会に出る前にお前らの社会人スキルを徹底的に底上げする」みたいなので、何をしたかというと、実際にMBAで使ってるケースをポンと投げられてやらされたりとか、クリエイティブ系のワークというかそういったものをやらされたりであるとか。
あとはその人の趣味なんですけど、気功トレーニングってわかります? 「氣」ですね。そういうことをやったりとか、そういうなんか人間力じゃないですけど、全体的に「お前らまだまだダメなんだから、この3日間でそこら辺ギリギリまで上げてくから」みたいな感じの、その人の趣味の延長みたいなインターンがありまして。それがいちばんいろいろあったっていうので、おもしろかったですね。
南場:多様なプログラムがあったっていうことだよね?
徳田:そうですね、同じようなIT系の企業であった、新規事業とかをやるインターンっていう軸で測ったら、圧倒的にStuDIGはおもしろかったなと思うんですけど、それはちょっとベクトルが違うというか、趣向性が違うというか。あらゆるコンテンツを擁して。
南場:幕の内弁当みたいな。
徳田:そんな感じですね。はい。
南場:比較するとおもしろいね。中島はぶっちゃけさぁ……、この人すごい忙しい人なんですよ。4日間も毎年現れるこの学生たち。この4日間って、仕事大変じゃないの? 止まってるの? 君の仕事は。どうなってるの?
中島宏(以下、中島):まぁ、他の日でカバーしますね(笑)。さすがに本当にめっちゃ濃密なんで、なんか夜ちょっと「あ、ゴメン、夕方抜けて仕事するわ」とか、そんな余裕全くなしみたいな。
例えば審査員で大前研一さんが来ますとか、藤田晋さんが来ますとか、元ローソンの新浪さんが来ますとか。「あいつらもうギャフンと言わせてやるんだ! そのぐらいめっちゃ素晴らしい事業プランを考えてやるわ!」みたいなつもりでのめり込んで行くので、その期間は無理ですね。
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