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川下和彦トークイベント(全5記事)

「すべてのものは人が運んでくる」 鈴木光司氏と干場弓子社長が語る、出会いの醍醐味

書籍『コネ持ち父さん コネなし父さん 仕事で成果を出す人間関係の築き方』の出版を記念して行われた、著者・川下和彦氏のトークイベント。後半はスペシャルゲストとして小説『リング』『らせん』の作者、鈴木光司氏と株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 取締役社長の干場弓子氏が登壇し、3名でトークセッションを行いました。3名の出会いのきっかけや、人とのつながりに対する思いについてそれぞれが意見を交わします。

後半のスペシャルゲストは『リング』作者・鈴木光司氏

川下和彦氏(以下、川下):それでは、後半戦です。お待ちかね、貞子の生みの親である方にお越しいただきたいと思います。

(会場笑)

川下:有吉反省会っていう番組で「筋肉を見せたがる作家」としても紹介されました。

(会場笑)

川下:それでは、ご登場していただきましょう。鈴木光司さんです。

(会場拍手)

鈴木光司氏(以下、鈴木):みなさん、今日はどうも。川下くんのために集まり来てくださって、本当にありがとうございます。川下くんから、「鈴木光司、ちょっと来いや!」と言われて、「行く! 行きます!」と。

川下:ノリ重要ですよね(笑)。

鈴木:すぐ返事をして、やって来たら「しゃべれ!」と。このようにしゃべらせていただきたいと思います。

(会場笑)

娘の結婚式の参加者との関わり

鈴木:僕は1週間前に孫が生まれました。

(会場拍手)

鈴木:次女に孫が生まれました。来月には長女がまた孫を生むんです。長女の結婚式が去年ありました。次女も長女も、僕は元祖イクメン。2人の娘たちを育ててきて、最後の仕上げとして結婚式では司会をやったんです。2人とも司会をやった。

これが僕の子育ての最後の仕上げ。そのときにね、川下くんも、先ほどしゃべった干場弓子さんも、結婚式に来てくれました。僕は司会なもんですから、時間配分がものすごい大事なわけですよ。

ところがね、さすがに一癖も二癖もある連中ばっかりが集まってきちゃって、この人たちにマイクを渡したら、完全に時間がオーバーしてしまうと。司会者としては考えて、これはまとめて面倒を見ようと。

10人ぐらい呼んでステージに上がってもらって、僕が一言ずつもらっていこうと思った。プロの格闘家もいれば、プロデューサーがいたり変な女もいたり、……あ、干場さんのことじゃないですよ。

(会場笑)

鈴木:いろんなメンバーが並んだんだけれども、それを見てびっくりした。ほとんどが川下くんによってできた人脈だったんですね。うちの長女が結婚することになったのも、その人脈から。うちの長女は川下くんのことを「アニキ」と呼んでます。人生の師のように慕ってるんです。

その川下くんの人脈からいろいろとお付き合いができたなかで、素敵な男と知り合うことができ、結婚し、来月孫が生まれる。川下くん、本当にありがとうございます!

(会場拍手)

鈴木:僕がここに駆けつけるのは、当然なんですね。

出会いは勝間和代氏との対談イベント

川下:ありがとうございます。では、まず、出会いから。干場先生にもご登壇いただきたいなと思うんですけど、……はい、姫に椅子をどうぞ。

光司さんと最初に知り合ったのはどこかという話ですが、卒業した学校の150周年のイベントがあり、勝間和代さんがその実行委員になられていました。

勝間さんからお誘いいただき、イベントの中で鈴木光司さんと勝間さんの対談があったので、「これはすごく行きたいな」と思って参加しました。

そのときに、緊張して。鈴木さんは憧れの方だったので話しかけたいなあと思ったのですが、「話しかけろ」って本のなかでも書いているにもかかわらず、最初はそれができなかったんです。身のほどを知って「今日はやめとこう」と思いました。

その後、勝間さんとの食事会の企画をしていて、「このイベントがすごくおもしろかったので、鈴木さんももし良かったら……」と弱気にお誘いしてみたのです。

そうしたら、ノリのいい光司さんが「行く!」と言って来てくださったのが、その後出会うことになったきっかけです。そのときに干場さんもいらっしゃいました。

鈴木:そうだよね。僕びっくりしたの。この本を読んだらそう書いてあるんだけど、読んだ人います? 僕がこの本のなかに出てくるんですけど、本当にそのとおりで、僕が勝間とトークショーをやったとき川下くんは会場にいた。ただね、「川下くんは僕に声をかけないで帰った」と書いてあるの。

しかし、僕の印象はそうじゃないんです。トークショーが終わって勝間と会場を出て、大学のコーナーを歩いていたら、向こうのほうからダッダッダッと「光司さん! 光司さん! 光司さん! 話を聞いてくれ!」って駆け寄ってくる男がいて。それが川下くんだとずっと思い込んでたの。

川下:違う人でしたね(笑)。

鈴木:俺はそれが川下くんだとばかり思ってたから、娘たちには「こんなことがあったんだよ、あいつはすげー奴なんだ」と。「臆することなく俺のところに来て話しかけた」って、ずっと娘たちにも言ってた。

そんな印象はそうなわけよ。そのあと、勝間の飲み会で会って、会ったときから人間の記憶はそのようにして変わっていくもんだな。その後の印象で変わっちゃったんですよ。まあ、そんなイメージがあったんだよ。

川下:ありがとうございます。その人は結局、人違いだったんですけど(笑)。僕はその日はちょっとオシャレな店にしなきゃいけないなと思って。

ちょっと奮発して六本木の会員制のお店にして、身の丈以上のことをやって。でも、何も気取らない光司さんと「変人が世の中には必要なんですよね!」みたいな話をして、盛り上がりまして。そのときにも干場さんにお世話になりました。

作家にコネは必要?

川下:干場さんに、マイクを渡しちゃいます。あ、その前に、1つ質問です。光司さんは作家じゃないですか? コネっているのかなと思って。

干場弓子氏(以下、干場):私もお聞きしたかった。

川下:1人でも本を書いて生活できるので、コネは必要なんですかね?

鈴木:普通、小説家はあんまりいらないと思う。とくに最近の若い小説家は、ほとんど引きこもり状態。それでも成立しちゃうのが小説家という仕事ですね。しかし、僕は他にもやりたいことがいっぱいあるの。

勝間とのトークショーでも海のことをしゃべったの。僕は子供のときに、「いずれ、俺は太平洋を横断する」と勝手に決めたわけですよ、小学校5年のときに。そのときに決めたことはいっぱいあるんだけれども、その1つが小学校5年で出会った初恋の女性に「おまえを俺の妻にするぞ」と勝手に決めた。

あと、「将来は小説家になるぞ」と勝手に決めた。もちろん小学校5年のときの初恋の「おまえは俺の妻だぞ」というのが今の妻です。

(会場驚き)

鈴木:これ有名な話。

川下:「へぇー!」ってなってる(笑)。

鈴木:冗談ですよ、ぜんぜん有名な話じゃない(笑)。

船の免許があっても、ネットワークがないと海に出られない

何が言いたいかっていうと、僕はね、どうしても海に出なくっちゃいけないんですよ。ところが海の世界がどういう世界かというと。

もちろん小型船舶1級の免許は持っています。その前に小型船舶4級を取っています。イギリスが統括している免許のシステムがあって、それは世界の海で通用する。日本の小型船舶は世界では通用しないんですよ。

世界1周はできますよ。しかし、世界の各地に行って、船を借りることができないんですよ。僕はイギリスが統括している船長の資格も持っています。

そのようにいくら資格を取っても、実際に海に出られるかというとまったく出られない。日本の免許を取っても、いくらお勉強をしても出られないんですよ。何が必要かっていうと、経験を積んだ人間。このネットワークがなかったら、ぜんぜん成り立たない。

僕は25年前に小型船舶の4級免許を取って、20年くらい前に1級にステップアップしてきました。そして最初に目標を立てたんですよ、「とりあえず、沖縄まで行こう」と。そのときに良いメンバーが集まってきた。

海のプロの船乗りたちが、なぜか僕のところに集まってくれて。それは航海士のライセンスを持っているような本物の船乗りたち。それから、ヨットの元オリンピック代表がいっぱい集まってくれて、彼らと一緒に沖縄に7回くらい行きました。

その間に、僕はその人脈からエッセンスを学びとった。これは経験でしか絶対に学べないもの。

今は、僕が船長をやろうと思ってるんですけど、野郎どもを海外に連れて行って、海外でヨットをレンタルして、地中海とか南太平洋でクルーズしています。いちばん人間の大切さ、人と人とのつながりの大事さを実感したのは、海に出たとき。

海に出ると「板子一枚下は地獄」と言われるように、とてつもない危険なことが起こるんだけれども、この危険を乗り越えるときに一番大事なのがチームワークなんです。

ですから、「コネ、必要ですか?」と。小説家だけをやっているとそんなに必要じゃないけれども、小学校のときの夢「太平洋横断」を果たそうと思ったら、これは必要ですね。

人とのつながりが人生の喜び

干場:今、お話をうかがっていて思ったんですけど、今現在は仕事柄、向こうから人が来たりするんですね。あるいは「ちょっとこの人おもしろそうだな」と思うと、私もFacebookなり、どなたかにご紹介で「お話しませんか?」って言うと。「本につながるかなあ」と思っている人には、だいたい会えるんです。異質な人じゃなければ。

今「目的が必要だ」とおっしゃいましたよね。例えば光司さんにしろ川下さんにしろ、私がいろんな方といろんなところでお目にかかるときに、例えば、鈴木さんも本を出して、いつかうちから本を出してくれるかなと思って最初はお願いをしましたけど、それぞれ魅力的な人同士と知り合って、一緒にワクワクしてることが私は人生そのものだと思っていて。

それが私の場合は仕事の喜びと一致しているので、そのなかで実際に本を出したり、本を出してうちが儲かるという問題ではなくて、そのプロセス、プロジェクトを一緒にやることで、その人からいろいろ教えてもらったり刺激を受けたり、楽しめることが楽しい。

なかには「この人といてもあまり楽しくないけど、売れるから出そうか」とか、「この人、あんまり合わないから誰かに振ろうか」っていうようなこともいっぱいありますが……。

みなさんは目的があると思うんですけど、鈴木さんがおっしゃったとおり、すべてのものは人が運んでくる。本ではないし勉強でもなく、人なんです。

私の場合は逆に目的がないので、自分では思いもかけなかったような出会いがあって、「意外!」「素敵だな!」「おもしろいな!」と思って、違うステップに進む。その連続でした。機会があれば、空いてれば行きます!(笑)

川下:ノリが重要という。

鈴木:ノリがいいもんね、ほんとにね。

干場:「うちには関係ないのになぁ」っていうところこそ、行ったときに思わぬ出会いがあって、人生の楽しみがまた増える。そういう意味ではコネって言うのかわかんないんですけど、まさに人とのつながりが人生の喜びだと思ってます。

コネ持ち父さん コネなし父さん 仕事で成果を出す人間関係の築き方

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