2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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鈴木光司氏(以下、鈴木):小説家なんてたった1人でやってるから、こういった本(『コネ持ち父さん コネなし父さん 仕事で成果を出す人間関係の築き方』)を読んで、人脈作りに励まなくっちゃ。仕事を個人でやっている人間ほど励まなくっちゃいけないと思うんだけど。
干場弓子氏(以下、干場):そうですよね。
鈴木:ただね、この業界に来るのが引きこもりが多いんですよ。
(会場笑)
鈴木:『週刊SPA!』っていう雑誌があるんですけれども、非常におもしろい雑誌で。100人の引きこもりを集めていろいろインタビューして、その100人のうち引きこもりから脱出してどうにか社会化した人間は10人、100人のうち、10人か20人くらいいたんだけれども、全員作家。
(会場驚き)
鈴木:いや、別に小説家じゃなくても、シナリオライターとか、ゲームのライターとか、そういった、いわゆるライターですよ。俺も引きこもりかなと思ったんですけど。
干場:光司さんは、『リング』があるけれど……、あ、エンターテインメントが文学じゃないとは言わないんだけれども、純文学に近いものがあるじゃないですか。
鈴木:はいはい。
干場:そういうタイプにしてはめずらしいんじゃないかと。純文学をやる人は、日常のリアルな関係のなかで言えないことや表現できない自分を、文字で実現してると思うんですけど。そんなことはないんですか?
鈴木:そんなことないよ。俺が一番大切にしてることは……。
干場:光司さんは違うと思う。
干場:体験がないと書けない?
鈴木:体験がないと書けない。根っこはどこにあるのかっていうと、体験なんですよ。それをどのように育て上げるかどうか。僕は、若い人間にも小説の書き方を教えてるんだけれども、「君たち、いったい何がいちばん大事かわかるかい? 体験なんだよ。だから、引きこもってちゃダメなんだよ。出て行け出て行け、いっぱい恋をしろ」と、言うんだよ。これは日本の小説家の弱さだと思うんだよね。海外の小説家はもっと違いますよ。
干場:体験が少なくて引きこもっている人で、売れてる作家はいないんですか?
鈴木:いっぱいいますよ、日本は。
干場:某人気作家は引きこもりじゃないんですか?
鈴木:あれは、いやいやいや。
干場:(笑)。あの方さんは、昔はバーテンダーだったんですよね。
鈴木:あの方は、日本の作家のなかでは非常に活発に動いている人だと思うんですよ。僕はヨーロッパでもアメリカでも講演をします。パリでしゃべり、それからミュンヘン、ケルン、ローマ、ロンドンとか……トロントとか、ニューヨーク、ワシントンでもしゃべる。
パリでしゃべったあとに、「前回しゃべった人は誰でした?」って聞いたんですよ。そしたら、「◯◯さんです」。「その前は?」って聞いたら、「●●さん」。
(会場驚き)
鈴木:トロントでしゃべったときも、「前回しゃべった人は誰ですか?」って聞いたら、やっぱり「○○」。「じゃあ、その前は?」って聞いたら、やっぱり「●●さん」。
(会場笑)
干場:3大巨匠じゃないですか!(笑)
鈴木:今度は旭川まで行ってね、「前しゃべった人は誰ですか?」って聞いたの。「●●さん」なんですよ。●●さんはあっちこっちに足跡を残してるんですよ。ただ、◯◯さんは国内ではしゃべらない。海外ではとにかく精力的にしゃべってるんです。だから、あの人はほんとに活発に動いている人なんです。
干場:だから売れてる。
鈴木:そう。◯◯さんは、すごいエンターテイナーだと思う。あれは純文学とは呼べねぇと思ってますから。
(会場笑)
鈴木:あんなにおもしろい小説が書けるんだもん。
川下:光司さんとカラオケに行くと、すごいエンターテイナーだってことがわかりますね。
干場:すごいよね。
川下:ぜひ、みなさん行きましょう。そして、最後のネタになってくるんですけど、光司さんが、『リング』『らせん』だけじゃなくて、こういう本を書かれてるんですね。『人間パワースポット』。
干場:(副題を指して)成功と幸せを「引き寄せる」生き方。
川下:完全になんか宗教本みたいになってますけど(笑)。
(会場笑)
川下:宗教本みたいなんですけど、これが恐ろしいくらいに、僕は光司さんと出会ってからいいことがいっぱいあるんです。
(会場笑)
川下:人間は鈴木光司に会えば変わるんじゃないか、みたいなことを体験したわけです。
干場:私もだ。
川下:ほんとですか?(笑)
(会場笑)
川下:ほんとですよ、これ。鈴木さんのお嬢さんの結婚式でお話さしあげたんですけど、光司さんに握手の列ができまして。今日はまったく僕は放置していただいていいので(笑)。光司さんと握手をして、みなさん帰っていただけたら幸せなことになるんじゃないかな、と思うんですよ。
(会場爆笑)
鈴木:ほとんど宗教本に近い、手かざしみたいなもんですね、これは。
(会場笑)
干場:パワースポットだったんだ! なので、いいことありますよ!
鈴木:なぜ「人間パワースポット」って呼ばれるようになったかっていうと、都市伝説みたいなもので。例えば『リング』っていう映画を最初に作ったのは中田秀夫監督なんですよ。中田監督は『女優霊』という自主映画しか撮ったことがない。ほとんど制作費ゼロですよ。日活の助監督をやってた人で助監督はお金がないです。
助監督をやって仲間を集めて、日活の撮影所の片隅を使って、自分で趣味のように撮った『女優霊』という、『リング』を撮ったあとに非常に伝説的になった映画だけれども。これが人脈なんだけれど、その『女優霊』の制作に加わった1人に僕の友だちがいた。
僕が『リング』の映画化についていろいろ考えているときに、その友達のプロデューサーが『女優霊』というビデオテープを持ってきて、「鈴木さん、これ見てみてくださいよ」って言ったの。
それを見て、「こいつ才能あるな、『リング』の監督、こいつでいこう」って言ったら、プロデューサーがびっくらこいて、「何を言ってるんですか! 自主映画を1本しか撮っていないのを、東宝の、日本邦画の正月ロードショーに持ってこれるわけねーだろ!」。でも、「これでいこうよ」って。
そのとき中田監督は文化庁の留学生としてイギリスに行ってた。映画、映像関係で。そのとき、鈴木光司が使いたがっているっていう噂や情報が彼に届きました。
それを一切逃さなかったんです、中田監督は。丁寧な手紙が僕のところに届いたんですよ。あの手紙がなかったら、決定していませんでした。手紙が来て、「ぜひともやらせてください」って書いてあったから、「絶対にいけ」と。
それで、「冒険だけどやってみるか」。で、やったわけです。撮影のときに、中田監督に「おまえ、どんなところに住んでるの?」って聞いたら「4畳半の下宿です。雨漏りよくするんですよね。ポタポタポタポタ雨が落ちてくる」。だから、雨漏りのシーンが必ず入ってるんですよ、この映画には。
(会場笑)
鈴木:「そうか、4畳半1間の雨漏りのする部屋に住んでるんだ」と思ったら、『リング』が正月ロードショーで大ヒット。それを目につけたのがハリウッドですよ。ハリウッドでリメイクすることになって、2001年にナオミ・ワッツ主演。
ナオミ・ワッツはそのとき、まったく無名でした。『リング』に主演したら、それからドッと。アカデミー女優になりました。大女優になっていきました。
そのときに、監督をやったのはまったく無名であったゴア・ヴァービンスキー。ゴア・ヴァービンスキーはその後、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを撮って、大監督になっていきました。
干場:すごいパワースポットですね!
鈴木:それから、『リング2』がアメリカで作られたときに、この中田監督が起用されたんです。日本で映画撮るときのギャラは、とてつもなく安い。監督のギャラもすごい安い。ハリウッドで予算70億~80億の制作費で、監督をしたんです。
『ザ・リング2』を撮り終わったら、中田監督は4畳1間の下宿から、ビバリーヒルズの家に引っ越しました!
(会場驚き)
鈴木:要するに俺と一緒に仕事をすると、それをきっかけにして非常に仕事の実績が上がったぞっていう。例えば、竹内結子さん、大女優になったけれども、いちばん最初に出た映画は『リング』です。冒頭部分の、ほとんど2分か3分で死んじゃう役です。それから、松嶋菜々子さんの映画初主演作品が『リング』です。
なぜかこれをきっかけに、みんな羽ばたいていくっていうことがだんだん噂のように広がって、「人間パワースポット」と呼ばれるようになったんで、みなさん、今日は来てくれた甲斐があったという。
(会場笑)
川下:宗教本が誕生した背景が(笑)。僕がパワースポットと今、会話してこの本が売れなかったら、パワースポットじゃないってなっちゃうと思いますが。
(会場爆笑)
鈴木:それ、俺のプレッシャーだよ(笑)。
(会場笑)
川下:みなさんに盛り上げていただいて。冒頭で申し上げたように、僕は人間のレベルが冗談じゃなくて低いので、今までいろいろ助けられたんですよね。僕のこのかわいい本(『コネ持ち父さん コネなし父さん』)もみなさんに助けられて、元気になってくれればいいなぁなんて思います。
干場:どうもありがとうございました。お読みになっていない方は、先ほどお話になったことがより具体的に書いてありますし、それ以上にこれを読んで、1つずつのスキルではなくて、パワースポット化すればいいんじゃないかと。よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。
鈴木:みなさん、今日はどうもありがとうございました。
(会場拍手)
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