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「就活のしきたり 踊らされる学生たち」 ひろゆき×石渡嶺司(全6記事)

リクナビは"悪"か? ひろゆきが語る、就活ビジネスのウラ側と活用法

便利な反面、登録すると毎日山のようにメールが届く就職支援サイトや、巷に溢れる"ブラック"なインターン。就活生を餌食にしようと企むこれらのワナをかい潜るには一体どうすればいいのか? ひろゆきこと西村博之氏と大学ジャーナリスト・石渡氏が、最前線で戦っている学生たちと共に、就職支援サイト、そしてインターンの上手な活用法を教えます。

現実が見えていない"バブル世代"の親たち

石渡:次のテーマは「親」。

ひろゆき:親っていうと?

石渡:親が就活に介入してダメになったり、学生が苦しい思いをしたり。

ひろゆき:今時そんなのあるんですか?

石渡:ありますよ。

ひろゆき:コネの話じゃなくて?

石渡:コネじゃなくて。学生が受けた企業を見て、親が「そんな会社知らない、何でそんなとこ受けるの」とかですね。

ひろゆき:へえー。今時内定取るの大変じゃないですか。それで、親のせいでこの会社辞めますって就職しなかったとしても、親的にはOKなんですか?

石渡:親としては、知らない会社行かれるよりは。

ひろゆき:働かないで家にいたほうがいい。

石渡:ええ。

ひろゆき:金持ちだけじゃないですか?

石渡:どうでしょうね。要するに子離れ出来ない親がちょっと増えている、という傾向はあると思います。

ひろゆき:ありますか? そういう話聞いたことあります?

学生:親がバブル世代かどうかだと思うんですけど。バブル世代だったら、会社がぜひ来てくれみたいな感じで、授業中も待ち伏せしてるとか、本当に売り手市場って感じで。東大、上智、早慶とか入ってたらすんなりいいところへ行けるに決まってるってのが、こびりついて抜けきれない。

ひろゆき:実際そんな多いんですか? まあ、社会の中にはおかしな親ってたまにはいると思いますけど、でも取り立ててそんなに多くはない気がするんですけど。

学生:今の話が多いかっていったら、自分もあまり聞いたことがないですけど、親が介入するっていうのは、わりと友達から聞きますね。

例えば今のケースと真逆だと思うんですけど、多少納得いかないかな、くらいの企業に内定した人が、来年もう一回就活したいって言った時に、親に「やめろ」って言われるとか。親にこうしろって言われたり。受ける企業でも、うちは公務員だから俺も公務員かな、みたいなのとかは、ちょこちょこと見ます。

「親のコネ」はもはや都市伝説?

ひろゆき:親のコネを使ってうまく行ったみたいな人を知ってるとかあります?

学生:親の知り合いだったりそういったところで、とある企業の人事部長にコネがありまして。「一時試験だけは突破してくれれば、二次からは何とか引っ張れるから」って言われて受けたんですけど、僕は一次で落ちちゃいました……。でも未だにあると思いますよ。

別の学生:自分の内定先でも、ある上場企業の社長の娘とか、あるテレビ局の超有名プロデューサーの息子だとかって、ほかの人とはちょっと違うルートで入ったりとかしているみたいですけど。

また別の学生:逆に財閥系の娘さんでも、あえてその財閥系の企業は受けない、っていう学生も知り合いにはいました。

ひろゆき:ちなみにエントリーシートって、親の職業とか書くんですか?

石渡:今、それを書くこと自体、法律でアウトです。

ひろゆき:アウトなんですか。

石渡:はい。いろんな差別につながるからってことで。

ひろゆき:じゃあ、自分からアピールしない限りはわからない。政治家の娘とか銀行の頭取の娘とかってのは、わからないはず。

石渡:そうですね。

ひろゆき:コネ使ったって話、あんまり聞かないですか? 最近コネって減ってるんですか?

学生:OB訪問とかで、父親の友人を紹介してくれって頼まれることとかありますけど、そんなに聞かないです。本当に都市伝説レベルになってきてる。

ひろゆき:コネって最近都市伝説なんだ。

学生:あまりないですね、はい。

ひろゆき:時代は変わったね。

学生:もともとあるコネなのか、それともOB訪問で、それとかリクルーター制度みたいなので、人と仲よくなって採用面接ちょっと優遇してあげるよ、って話は今でもあるんじゃないかなって。聞いたこともありますし。

就活の早期化が進んだ理由は「カネになるから」

ひろゆき:では次行って見ましょうか。「日本の就活はおかしいのか?」。おかしいんですか?

(注:この動画は2010年に放送されたものです)

石渡:早期化という点ではあきらかにおかしいと思いますね。普通に学生生活を送るからこそ大学生であるはずなのに、それこそ1年生のうちから就活が始まる。しかも、ある時期に終わるのかなと思ったらなかなか終わらない。卒業式直前まで就職活動をしなければいけない、あるいは留年してまたもう一年やるんだとか。こういうのはどう考えても異常だなとは思います。

ひろゆき:でも結局、企業側が求めてるわけじゃないですよね。学生が自発的にこれをやって、勝手に首を絞めてるんですよね。企業側が1年から就活してください、って言ってるわけじゃないじゃないですか。企業は単に、エントリーシート書いてくださいね、こういうルートで採りますよって言って、学生側と学校が勝手にこういうことを始めて、マーケットをつくってるわけじゃないですか。

石渡:そこは違うと思います。学生と学校が勝手に始めたのではなく、就職情報会社がそれを煽るだけ煽っているんです。学生ってやっぱり弱いですから。

ひろゆき:じゃ、リクナビと毎日コミュニケーションが悪い。

石渡:あさって、ジョブウェブっていう就職情報会社の社長と対談するんで、そこでボロクソに言う予定です。

ひろゆき:学生就職業界っていう、業界が悪いのであって、それに流される学生が被害者になってると。

石渡:学生と大学が被害者だと、私は思います。だからもう、就職情報会社は煽るな、と私は強く言いたいですね。

学生:ただ実際、リクナビとかマイナビとかって便利で。地方の学生なんかそれこそ、なかったら就活できない。悪いとは思わないんですけど、加速させてるな、ぐらいは思いますね。

学生側は、誰かがやったら自分もやらないと、っていう意識がすごい強くて、それであまり企業側に自分たちを出せないっていう、学生にも企業側もデメリットがある悪循環がずっと続いている状態だと思います。

就職支援サイトは「攻め」で使え!

ひろゆき:ちなみにリクナビだったりっていう、就職支援系のサイトを一切使いませんって人、います?

石渡:一人。

ひろゆき:その理由って説明会に行かなかったのと同じ?

学生:そうですね。ほとんどの企業がコーポレートサイトからエントリーできるので。2年くらいのときに登録を1回してみたら、ダイレクトメールみたいなのがすごいいっぱいきたので。受ける会社がそんなに多いわけではないですし、自分でコーポレートサイトから登録しようと思いました。

ひろゆき:使いました? リクナビ。

学生:リクナビからしか受け付けていない会社が多分あるんですよね。それを受けるときは使いました。それくらいですね。ダイレクトメールみたいなのとか、すげえうざくて。

石渡:一日に2、3通来るもんね。

学生:もっと来ますね。何か、煽り系の就活マガジンみたいなやつとか。「まだ内定でていない人のために」みたいな。あれ、超ウザいですよ。

石渡:たしかに一昨年登録してたやつ、いっぱい来てたな。3月ぐらいまでずっと。

学生:ただそれでも、みんなが使ってるからリクナビ使うんじゃなくて、仕事探すためにやっぱり便利なんで登録するんですよね。受け身じゃなくて攻めれれば、全然便利だと思いますけど。

ひろゆき:それ、見つけ終わったらアドレスか何か変えれば来なくなるの?

学生:はい。あと、退会・停止もできます。

ひろゆき:じゃ、必要なときだけ使って、退会して、また必要になったら使うっていうのも、あり。

学生:全然できます。

別の学生:あと、使ってれば出会いがあるんじゃないかなっていう希望もあって。たまたま見てて、目にとまった企業がいい企業だったりとか、そういう願望を含めて使ってるっていうのもあるんじゃないかなと。

また別の学生:最初のテーマ「企業研究」でもそうなんですけど、IR情報を見るなんてことは結構まれなことで。でもリクナビとかマイナビとか使うと、業界ごとに一覧が出てきたりするので、そこの情報が見えてきたりとか。説明会の予約とかもそこからできるので、便利なことは間違いないんですよ。なんで、広く浅く最初取ろうとしたら、使ったほうが僕はいいと思いますね。

ひろゆき:ふーん。リクナビは使ったほうがいいけども、流されないほうがいいってことだね。

3年生の夏休み、インターンは必要?

石渡:結局、就職情報会社からすれば、就職活動の時間が長ければ長いほど儲かるので、早くやろうって言うに決まってるんですよ。

たとえばさっきもテーマにあったインターンシップ。3年生の夏休みにやりますけど、インターンシップって本来は直訳すると「就業体験」です。仕事が体験できると。ところが実際には、仕事の体験とは何も関係の無い会社説明会が1日だけ、ってのもいっぱいあるわけですよ。それでもインターンシップって言い張っている。なぜなら儲かるから。

学生:インターンシップのプログラムを作る会社とか、運営をする会社とかもあるんですよね。

別の学生:実際、興味がない業界のことって、そういう媒体を使わないと調べられないので。だからリクナビ使って、企業研究して、それで今、全然興味がなかった住宅系のものに興味をもったりしましたし、そういう意味では絶対的にいいと思います。

また別の学生:業界研究本じゃだめなんですかね?

石渡:もっと言えばね、3年生の夏休みだとかそれよりも前だとかに、やる必然性ってないでしょう。1日説明会だったら、3年生の秋とか冬休み、就活の本番になる3年生の1、2、3月とかその辺だっていいわけで。3年生の夏休みっていうのはさ、旅行に行ったりね、サークル活動をやったり、アルバイトをしてまとまった金を稼ぐとか、いろんなことができるわけで。インターンシップの必然性って全くないと思うんだよね。

ひろゆき:住宅のはインターンシップの話じゃなくて、住宅ってのに興味が無かったけど、住宅業界ってのもあるんだって知ったから興味を持てたって話でしょ。

学生:そうですね、はい。あと、インターンシップに10日間行って、そのおかげで自分に合いそうな仕事ってのに出会えた気がしたってこともあったので。まとまった時間って3年生の夏しか取れないと思うんですよ。就職活動前には。なのでそういう意味では、その時期にインターンシップって必要なんじゃないかなって思います。

別の学生:おっしゃる通り、本来は行かなくてもいいものなんですよね。まあ、行ったほうがより良いものっていう前提は絶対あるんですけど、誰かが行くとみんな行きたがっちゃうってのが、すごくあって。そういう意味では学生も強くならなきゃってのは強く感じますね。

「意味のあるインターン」をから得られる経験

ひろゆき:みんなが行くから僕も行かなきゃみたいな。行っても別に役に立たないかもしれん。

学生:はい。ただ自分のキャリアを考える上では、就活という意味ではなく、社会を知るという意味ではいいかも知れません。それまでずっと偏差値教育を受けてきて、社会に出たらその効力が全くなくなるって状況で、3年生の早いうちからそういうことを知るっていうのはもしかしたら良いことかもしれないなってのがあるので。

石渡:その社会を知るっていうのが、アルバイトでもいいわけですよ。実際にあった話として、例えば携帯電話の販売だとかホテルの接客のアルバイトとかで、普通にアルバイトとして働いていれば時給800円だか700円だか1000円だか。なのに、インターンに参加したら往復の交通費しかもらえませんよ。それでいてやってる仕事は全く同じ。だったらアルバイトのほうがいいわけでしょ?

学生:その、多くの手段から選んだのがたまたまインターンだったんであって、それが全てかどうかは。

別の学生:自分も学生が社会を知るっていうのは、重要だと思ってまして。なんでかっていうと、社会人になるってのは、社会ってところに自分をプロットすることだと思うんです。その際のツールってのは学問でもサークルでもいいわけで。

就活ってのがビジネスとして大きくなってるばかりに長期化してしまい、本来は社会を知る手段としてのインターンとか就活っていうものに、他のいろんな手段を集約してしまおうとする力学が働いてるってのが、今の現状だと思ってまして。

例えば、リクルートスーツ会社なんてのも、自分たちのビジネスのためにそういう風潮を作っていって、お金を使うところ、時間を使うところっていうのを、就活にいかに集約して行けるか、っていう力学をつくってきている。それ対して学生が戦っている状態だと思うんです。でも結局学生って、今まで生きてきた中でそんな戦いを経験していなかったりで、それに負けざるを得ないのかなって思うんですよ。

そうしたときに、じゃあどうすればいいのかなって。まあ、一人一人が意識を持とうよって言ったところで、時代が変わるわけではないですし。仕組みとして今の就活がおかしいって言った時に、解決していける糸口みたいなものを何か持ってる人、アイデアがある人がいたら聞いてみたいなと思うんですけども。

ひろゆき:ちょっと話変わるかもしれないですけど、インターンシップの話で、ドワンゴに来てた人がいたんですよ。インターンが終わったあと話をしたら、「私、ドワンゴには入らないんですよ」って人がいて。ドワンゴってIT企業なんですけど、その人は出版か何かにいくと。ただ、IT企業がどんなものか知りたかった。

一回出版社に入ると、たぶんIT企業で働くことなんか無いのね。普通、いい会社、この場合出版社に入ったらずっと出版社で生きていくから。だから学生のうちに、自分とは関係ない業界の会社に入って経験を作るって意味では、実はインターンってすごい便利。

バイトって、バイトでしか入れないところに入っちゃうし、バイトを募集してるところにしか入れないんだけど、そうじゃない会社ってインターンで何故か入れて、しかも業務が見れるじゃない。だから人生経験としてありだと僕は思います。

学生:それが転職じゃだめなんですか。

ひろゆき:転職できる場合と、出来ない場合があって。出版社あがりでITの開発のほうに行けるかっていったら、絶対行けない。それはもう、企画の仕事とか、出版を生かした仕事にしかならないから。

石渡:インターンをね、全否定してるわけじゃないんですよ。

ひろゆき:ブラックなインターンは行くべきじゃないって話で。ただ、3年生の夏に暇なんだったら、ちゃんとした意味のあるインターンに社会科見学的に行くのはいいんじゃない? って話ですよね。

石渡:そこは同感です。ただ残念ながら今はインターンを区別する、ブラックなのとまともなインターンを選別する法律が何も無いので……。

ひろゆき:そこは「みんなの就活」とかで、ブラックなインターンはこれだよ、って情報を共有すればいいんじゃないんですか?

石渡:情報共有できればいいんですけどね。なかなかしてないような気がします。

ひろゆき:情報共有が出来てないから、インターンがうさんくさいものだってのは、僕間違いだと思うんですよ。良いものと悪いものって世の中に絶対混ざるので。いいほうはいいんだから絶対見たほうがいいよね、悪いほうは絶対行かないようにしようね、ってのが正しいと思うんですけど。

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