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「就活のしきたり 踊らされる学生たち」 ひろゆき×石渡嶺司(全6記事)

ひろゆき「あの企業、明らかに顔で採ってますよね」 ”顔面偏差値”は就活に影響するか?

就活に「ビジュアル面」は影響するのか? 大学ジャーナリスト・石渡氏は「関係ない」と断じますが、企業側が言葉を濁すこの問題に、ひろゆきこと西村博之氏が"某IT企業"の採用基準に関する印象を、そして実際に就活を行っている学生達はその実感値を語ります。

採用担当者は学生のSNSをどこまでチェックしているのか

ひろゆき:というわけで、次のテーマ。

石渡:「持ち物・テーマ」。また2つですけどね。じゃ、ネットのほう行きますか。最近は、余計なことを書いて落っこちるっていうパターンが多いのかなとは思います。

ひろゆき:ネットに書いてしまうと。

石渡:はい。いや、もちろんニコ生のコメントで「石渡うぜー」とか書くのはいいんですよ、好きに書いていただいて。

ひろゆき:Twitterで「今日受けた会社がこうでした」みたいなことを書いちゃって、その会社のIDがこれですって言っちゃうみたいな。それ、バカでしょ。

石渡:そうなんですけど、それを平気でやっちゃう学生の方が多いのかなと。あるいは就活絡みでなくても、バイト先で「今日うざい客が来た、こいつは最低だ、死ね」とか、そういう話ですとか、あるいはサークルのコンパ。もちろんいいですよ、皆で飲んで盛り上がりましたと。だけどそこに未成年者がいたっていうのを書いちゃまずいわけですよ。それ、書かなくてもいいことですよね。

ひろゆき:mixiに多い話ですね(笑)。ちなみにブログにそういうこと書きました?

学生:いや。基本的に個人名とか顔写真とか、特定できないように書いてたのと、就活日記はmixiで最初のころに「仲良しまでに公開」ってので書いてて。ブログでは絶対にそういうパブリックな話題とかは。

ひろゆき:就活日記ってみんな書くものなんですか? 書いた人いる? あ、ひとりだけ。

学生:イタいって注意されたんで。自分でもこれイタいなって思って。普通に企業名とか「幸福の福に○」とか書いてると大体わかるじゃないですか。で、これはちょっと良くないなって思って。可能性として見られてる可能性があるんじゃないかなって。

石渡:100%見られてますよ。

学生:そうですよね。

石渡:それはもう、断言できます。

学生:見てるんですか?

石渡:見ます。採用担当者って、学生の名前を必ずどっかのタイミングで検索します。出てもいいんですよ、Twitterだろうがmixiだろうがブログだろうが。ですけど、そこでちょっとネガティブな危なっかしい書き込みをしてる。ひろゆきさんが言うところのバカな書き込みをしてる、って判断があるとこいつは入社したあともマズいなってので、落っことそうと。

学生:本名でやってなかったのに。

石渡:本名でやってなくたって、例えばmixiだったら加入してるコミュニティから推測出来るってことはいくらでもあるわけで。

ひろゆき:例えばどっかの会社に内定もらったとして、ブログに「福武書店から内定もらった」って書いちゃえば、「福武書店 内定」で検索かけちゃえば、そのページにいけるじゃないですか。そしたら、今日内定あげた人だれだっけ? ああ、この人か、みたいになるじゃないですか。だからなるべくそういうの載せないほうが安全だと思いますけどね。

石渡:なんですけど、みんなそういうのを友達向けに書いたつもりでしたとかって、平気で言っちゃうんですよ。それはちょっと怖いなと。

学生:最近ある広告代理店でありましたね。(この動画は2010年に放送されたものです)

ひろゆき:なんたらエージェントですか。あの人内定決まった段階で書いてたんだっけ?

学生:内定式の様子を。

ひろゆき:写真載せて公開。

学生:ああ、あれってダメなんだ。

ひろゆき:まあ、会社として、サイバーエージェントが「若い人たちが頑張ってる会社で、面白い会社ですよ」ってイメージを作りたいのであれば、それはありだと思うんですけど、それを会社がどう見るかで。

あれって多分、見せちゃいけない話とか、プレゼンの資料とかも載ってたんですよ。あれって見せていいのかも知れないけど、見せていけないようなものを何も知らないで出してしまうような学生だったら、やべえ、こいつ、後で何やるかわかんねえって、マイナス評価になる可能性はある。

もはやガラケーでは就活の土俵にすら登れない?

ひろゆき:続いて「内定取り消し・内定辞退」。

石渡:そういう、ネットでろくでもないことを書いちゃうと、内定取り消しになる可能性が高いと。その一方で、企業側が……。

ひろゆき:あれ、持ち物は? って聞かれましたけど、話しなくていいんですか?

石渡:どうします? どちらでもいいんですけど。逆に皆さんに聞きたいのが、iphoneって就活で持ってたほうがいいですかね? 

ひろゆき:持っていたほうがいいと思う方手を挙げてください。

(半数以上が挙手)

ひろゆき:えっ、そんなにiphoneがいいの?

学生:説明会の予約がすごいしやすくて。みんなやっていたのが、僕は就活中持ってなかったんですけど、説明会の予約が何月何日から始まりますってなって、その瞬間にみんなアクセスしちゃって説明会の予約ができなくなるんですよ。人数が多くなっちゃって。それが怖い人は、説明会とか用事が終わったあとにすぐにiphoneで探してやるみたいなのがありましたね。

学生:それってようはスマートフォンじゃないですかね。スマートフォンだとパソコンのメールが見られるんで、大抵企業のサイトは携帯のメールを登録できない仕組みになってるので、プッシュにしておけば、すぐみ見られるし、予約もできる。

ひろゆき:そしたらXperiaとかでもいいってことですよね。要するにPCのサイトが見れて、PCのアドレスが使えるような携帯をもってたほうが、外に出てたときとかでも情報がチェックできるから便利であると。

学生:それは就活に限らず全部。あったら便利くらいで、マストではないですね。

他学生:地図は便利ですよ。

ひろゆき:迷子になっちゃうからね。

学生:しかもiphoneだと自分の向いてる方角がコンパスで出るんで。今日も来る時使ったんですけど非常に便利だと思います。

ひろゆき:まあ、ナビタイムでもいいってのもあるけど、そういうツールは持っていたほうが遅刻もしないかも知れないから便利だよっていう。どうせ携帯買うんだったらそういうの買っておいたほうがいいんじゃないっていう。

ネタグッズを持ち込んで雰囲気作り

ひろゆき:ほかにあります? 持っててよかったもの。化粧品とかストッキングの替えとか。

学生:ストッキングですね。パンツスーツではない時で、満員電車でおばさんの紙袋にギャッってやられちゃって、伝線したことがあって。その時に替えを持ってなかったんであわててコンビニに行って買って。持ってりゃ良かったなって感じでした。でもそれは女性特有なんで、他に持ってて良かったというのは名刺入れとかなのかなって思ったり。

ひろゆき:名刺入れ? 名刺持ってるの?

学生:名刺持ってれば一番いいんですけど、単純にはだかで受け取るよりは、この人一応マナーあるのかな、とか。

ひろゆき:ほかにあります? こういうの実は持ってましたみたいなの。

石渡:名刺持たない? 別に持たない?

学生:すごいどっちでもいいですね。マストでは無いかな? あ、じゃあ、しきたりでよく言われてるマストなものって何ですか? 都市伝説的に。

石渡:何書いたっけな? 結構忘れてるんだけど。

ひろゆき:名刺を持ってくと、相手の名刺を貰えるってのは確かに正しい。相手の名刺もらって、連絡先もらって、今日はありがとうございましたってメールとか、個人的に出来るから。そういう意味で名刺を持ってくって、結構有利な気がする。

石渡:あえて言えば、手帳とかノートとか。当たり前っちゃ、当たり前だけど。

学生:僕はネタっぽいものを持っていったことがあって、実際どうなのかわからないですけど、ガチャピンの筆箱を持っていったんですけど、人事の方と仲よくなったから、ちょっとは得だったのかなと思って。会社の説明会に何度も行くことがあったので、人事の方が女の方だったんで、ガチャピン可愛いよねって言われたことがあって。それで調子に乗って毎回持っていって、ドヤ顔で見せるっていうのが。

ひろゆき:それは役に立ったのかい? 本当に。

学生:結果として落ちましたけど(笑)。でも人事の方とは結構仲よくなれる。

ひろゆき:笑いの一個を提供して、楽しい雰囲気を作るのはあり。

自作資料の活用法

学生:マスコミ系受けてたことがあるんですけど、自分で作った紙みたいなのとか(持って行きました)。

ひろゆき:作った紙?

学生:最近フリペとかやってる人多いじゃないですか。だったり、個人的に友人とかに見せる、情報を載せた紙とか作ってたときもあったんで。

ひろゆき:それは小物ってほどじゃなくて、武器だね。

石渡:フリーペーパーは危険だと思いますけどね。結構作ってる学生が多いので渡されても困るんですよ、採用担当者が。時間がない時にそれを見せられても。

ひろゆき:どうせ読まないで捨てるしみたいな?

石渡:ええ。

ひろゆき:まあすげえ面白そうなフリーペーパーだったら、あれなんじゃないですか? 表紙がビヨークとかだったら「え? 何で撮れたの」みたいな(笑)。

学生:だいたい聞かれるんですよね。「何かやってる?」って言われるから……。

ひろゆき:ああ、説明がてらに「こういうの」って。

学生:渡して、是非読んでください、とかではないです。

ひろゆき:聞かれたから答えますよって時の資料としてあると、たしかにそれは便利。

学生:自己紹介で書いてあったら、100%聞かれるじゃないですか。聞かれて答えることは、その場で出せたらいいかなっていう。

ひろゆき:相手がどんな質問をするかって、結構予測して動いてるんだね。

今や業界別の対策が当たり前

学生:石渡さんもいろんな体験者の話を聞かれてると思うんですけど、何聞かれるかっていうのは、当然、十中八九対策できますよね。

石渡:対策ってどういうこと、例えば。

学生:自分が何々を頑張ってました、みたいなことを書いてあったら、「じゃ、どんなことをやってたの」って100%聞かれるじゃないですか。それで、うまく伝えるやり方は対策出来ますよね、多分。

別の学生:業界特有のものですよね。

ひろゆき:え?

学生:例えば広告会社とかだったら、電通と博報堂の違いを詳しく説明してください、だとかそういうもの。そういうもの以外だったら、だいたい就活本の書いてあることで、何冊かざっと見て、多いような質問だったら出ると、予測はたつんじゃないかなって。

ひろゆき:業界で聞かれがちな質問とかってあるんですか?

学生:業界本、マスコミだったら「マス読」って本があって。いろいろ出てるんで、そこで就活生のレポートだとかも載ってますんで、そういうのを見て対策するんじゃないですかね。

ひろゆき:出版だと、電子書籍は今後どうなりますか、とか聞かれそうな気がするんですけど。

学生:聞かれました。

石渡:業界関係者だって、わかんないって人いっぱいいますからね。

ひろゆき:わかんないけど、ある程度それなりに、kindleはうまくいきますよみたいな、適当なことが言えたほうが、この業界の勉強をしてるんだなってのは伝わる。でも最終的には紙を押したほうが、みたいな。

3日もすれば全国の学生が情報を共有する時代

ひろゆき:じゃ、業界ごとにある程度そういう質問が来そうだなってのは、学生同士で共有してたりするんですか?

学生:そうですね。業界関係なく決まってるのが、自己アピール、自己紹介してくださいって聞かれますし、志望理由も絶対聞かれますし、っていうのは、さっき場慣れって出てましたけど、してけばわかるんじゃないかなと。30社ぐらい面接受けることになるので。

ひろゆき:一回目受けたやつは、対策は出来上がってるし、似たようなのがくる、みたいな。

学生:そうですね、完全そんな感じで。リアクション見て変えていくって感じが、多分一番多いんじゃないですかね。

別の学生:過去3年分、実際に出た質問とかが共有されてるサイトとかがあったり。

ひろゆき:そうなの? サイト名教えてください。

学生:えーっと。「みんしゅう」とかに出てるんじゃないかと。

ひろゆき:みんしゅうに出てるんだ。じゃあそれをググって見てください。

石渡:採用担当者もそういうのは外しますけどね。あえて。

学生:あとは極論を言えば、自己PRと志望動機以外のことって聞かれない。それが形を変えて聞かれてるだけなので。

石渡:そこが採用担当者の苦しいところで、外そうとして変わった質問をしても結局、3日もすれば同じ情報を日本全国の学生みんなが共有してるわけですよ。しかも、聞きたいことって結局パターン決まってるわけで。そこが苦しいところですね。

内定取り消しには大学を巻き込んで闘え

ひろゆき:というわけで、次のテーマ。その前にさっき飛ばしたのがあります。「内定取り消し・内定辞退」これはくら寿司のことですか?

石渡:あ、あれは酷いですね。で、学生の皆さんがあまり気付いてないのが、内定、内々定の間であっても労働者に準じる可能性が非常に高いので、内定辞退あるいは辞退を強要されたとしても、いや、私は法律に守られてますよね? って言い張れば勝てるんですよ。だけどみんな知らないから、簡単に内定取り消しを受け入れてしまう。

ひろゆき:内定取り消しになった場合って、結局就職できないわけですよね?

石渡:まあそうですね。だから、何が何でも約束を履行してくださいと履行できないんだったら賠償金を払ってくださいと言い張れば、それは絶対勝ち取れるんですよ。労働法で守られてますから。なのに知らない学生は……。

ひろゆき:でもそれなりに百戦錬磨の社会人相手に、「労働法で守られているんです」って学生が一生懸命言っても、僕、言いくるめられる気がするんですよ。

石渡:それはね、学生一人では無理です。

ひろゆき:「社員証持ってる? 持ってないよね。あくまでもこれ内諾書で、就職っていっても社員として登録したわけじゃないよね。」って話をずっとしてたら、ああ、社員ではないですって、なると思うんだよね。

正論だと、(石渡さんの話で)あっていると思いますけど、人事部を何十年もやってる人に対して、「石渡さんが言ってたから俺勝てるんです」みたいなことを言っても、絶対言いくるめられると思うんです。それだったら、どこへ相談すればいいかって話だと思うんですけど。

石渡:それは正解。学生一人だったら絶対負けます。だからそれは大学の就職課だとか自分の親だとか、専門機関もちゃんとありますから。ハローワークだっていいし、そういった専門機関を巻き込んで。全部一人で交渉したって、負けるに決まってるんだから、いろんな援軍を仰ぎながらやっていったほうが、結果的にはいいと思います。

ひろゆき:大学に相談して、大学自体の問題にして大学の経費で大学の事務員さんと戦ってもらう。

石渡:場合によってはそうですね。

スカートとパンツ、どっちが良い?

ひろゆき:それでは次は……。

石渡:「女子学生」にしますか。ではみなさん何か。

ひろゆき:何の話をする予定なんですか、これ。

石渡:テーマ的には、じゃあ、スカートルックとパンツルック、どちらがいいと思いますか?

ひろゆき:ちなみに今日はみなさんは。

学生:いやらしい……。

ひろゆき:(笑)。なんだ君、童貞か? 過剰反応し過ぎだろ(笑)。スカートとパンツ、どちらが受かりやすいとかあります?

学生:その人がどっちが似合うかによりますけど、パンツスーツのほうが個人的には出来る女的な感じになるんじゃないかなって印象ですけど。見てるのって、顔なのかなって。ヘコんでます。自分的には。スタイルなんかどうでもよくて、履歴書の写真ですでにルックスで外す可能性もゼロじゃないのかなって思ってるんで。あと髪型とかですかね。

ひろゆき:何社くらい受けられました?

学生:まだ3年生なので……。

ひろゆき:これからスカートにするか、パンツにするか決めようみたいな。

学生:スカートで一応全部揃えてて。

ひろゆき:理由は?

学生:特には無いんですけれども、お洋服屋さんに行って見た時に、スカートのほうがいいですよって言われたってのもあって。

ひろゆき:自分に似合うのがスカートだからっていうのとかも、あるんですか。

学生:そうですね、はい。あとは色を変えたりとか。グレーのスーツも一緒に買ったりしました。

学生:ちなみに、パンツスーツはやめたほうがいいっていうしきたりとかはあったりするんですか?

石渡:一時期は、パンツルックだと出来る女を目指し過ぎてるだろう、ということで落っこちやすいなんて噂も大真面目にありましたけど。今は正直関係ないですね。

ひろゆき:どちら派ですか?

学生:私はパンツスーツ派です。スカートが似合わないって思ったのと、あとはパンツのほうが動きやすいなって思いました。ただ、スカートのほうが可愛げがあるからいいんじゃないかって話は聞いたことがあります。

就活に「顔面偏差値」は影響するか

ひろゆき:実際、可愛げがある、かわいいってほうが受かりやすいとかあるんですか?

石渡:そこはもう、無関係です。

学生:自分の感想ですけど、見ていてやっぱりかわいい子のほうが通ってるなと。

ひろゆき:サイバーエージェントは明らかに可愛いほうが受かってますよね。

学生:で、ちょっと女子学生ってテーマで思ったのが、女子で学歴があってビジュアルがいい人で、就活に失敗した人って見たことがないですね。実際しゃべってみて、こいつすごいバカなんじゃないかなって思っても。

ひろゆき:ほう。じゃ、学歴とビジュアルがあれば女子学生はなんとかなると。

学生:大体の人が持ってないじゃないですか。

ひろゆき:たしかに。

石渡:女子学生って実は今めちゃくちゃ就職率、男子学生に比べて強いんですよ。今年(2010年)、就職率が60.8%まで落っこちてるんですけど。

ひろゆき:大学生の就職率。

石渡:はい。卒業者総数に対しての。前年が68.4%でしたから、7.6%のマイナス。これ史上最大の落ち込みなんです。ところがその就職率をよく見てみると、女子学生だけの就職率が66.6%、男子がたしか56.3%とかだったかな。

ひろゆき:へえ、女子のが全然受かるんだ。

石渡:ええ。2000年からずっと女子学生のほうが就職率って上回ってたんですけど、10ポイントも女子学生が受かったのは史上初めてなんですよ。

ひろゆき:何でなんですか?

石渡:ほっといたら女子のほうが上にきてしまいます。評価ポイントが高くて。

ひろゆき:どこで評価してるんですか。顔?

石渡:顔も……。顔だけじゃないかな。いろんな経験をしてるだとか、勉強してるだとか。その点、男子学生のほうがあんまり何もやってないな、と。

一人暮らしの女子は不採用!? バブル期のビックリ採用基準

ひろゆき:でもバブル時代とかって、女の人は結婚して家に入っちゃうから、男のほうがいいじゃんっていう価値観が昔あったわけじゃないですか。それでなんか「男女なんたら法」みたいなのが出来たわけですけど、今は普通に女子を採ってるってわけですか。

石渡:そうですね。その影響が強いですね。昔単に男女合わせた就職率が70%、80%超えていても女子の就職率というのは50%、60%って低かったりですね。

あるいは、みなさんお住まいで通学に90分以上かかるって人、います? 大学から。さすがにそれはない。今まで、70年代80年代でしたら、90分以上の通学時間、あるいは通勤時間がかかるとみなされた人はそれだけでエントリー出来なかったんです。そういう非常にわかりやすい女性差別があったんですよ。

それから、女子学生が一人暮らしをしている。それだけでアウトとか。男子学生は一人でもOK。あるいは留年しててもOK。だけど女子学生は、一人暮らしをしている、それはふしだらなことじゃないか、とかですね。いや、俺が言ってるんじゃない(笑)。当時の採用担当者が言ってるんだもの。

ひろゆき:ちなみにその、実家だ一人暮らしだっていうのは、今は関係ない?

石渡:今ではもう無関係です。

学生:でも、銀行の一般職では聞かれました。実家に住んでるかってことと、支店から1時間程度で行けるかっていうのもすごい聞かれて。何かやたら一人暮らしじゃなくて実家ってことにこだわってましたね。銀行だからかもしれないですけど。

ひろゆき:じゃあ、まだあるってことじゃないですか。

石渡:ゼロじゃないですよ。

学生:一般職だったんですよ。

ひろゆき:一般職だとまだ、実家にいたほうがいいとかってのは、有利に働く可能性があると。

石渡:今はもう、採用条件で区別すること自体がアウトなので。

ひろゆき:でも区別してるんですよね、実際。

石渡:いや、面接では聞くっていうレベルの話であって。

男子と女子、企業からの評価は逆転している

学生:同じような感じで、就活やってて女の子のほうが始めるのが早かったりとか、説明会でみると明らかに男女比で女子のほうが多いんですね。

ひろゆき:あ、そうなんですか?

学生:はい。僕童貞なんで女のことよくわかんないんですけど、何でなのかなっていつも疑問に思って。

別の学生:女子限定のセミナーとかありますよね。

ひろゆき:え、そうなんですか。

学生:同じゼミの学生がリクルートスーツ着てて、何したのって言ったら、セミナーがあったと。みずほの女子限定のセミナーがあったと。銀行だとそういうのが多いみたいで。増えて来てる。採用に繋がるかどうかはわからないんですけど。

ひろゆき:そういうチャンスがあると。

学生:おそらくうちの大学は、女子学生のほうが多いんですけれど、セミナーとか就職ゼミみたいなところって、どうしても女子のほうが多くなるんですよ。そういうところでもう、男子と女子の意識の違いってのは明白に数に表れているなってのは、3年生の段階で肌で感じてます。

ひろゆき:そういうの、やっぱあります?

学生:そうですね。僕自身もセミナーみたいなのを受けているんですけど、やはり女子のほうが積極的に発言だったり、話を聞きに行ったりだとか、積極性は女子のほうが圧倒的にあるなって。

ひろゆき:たしかに。この場でしゃべったの最後ですからね(笑)。

学生:はい(笑)。緊張してまして。

別の学生:逆に企業のほうから見て、男子学生に下駄をはかせたりとかってあるんですか?

石渡:ほっといたら女子学生ばっかりになっちゃうから、そこは男女比のバランスを取らなきゃいけないわけで。だから評価ポイントが高かったはずの女子学生をあえて何人か落っことして、男子学生をあえて採用するってのはあります。

学生:それはやっぱり、女性が妊娠して働けなくなったりとか、そういう問題からですか。

石渡:そう。男女比のバランスを取るっていうのはね。ただ、今までだったらとりあえず男を採っときゃいいだろう、って話だったのが、女子学生も、女性の社会人であっても普通に働ける。男性とは違った視点でいろんなビジネスができる。じゃあ積極的に採用しようと。

ひろゆき:ってことは、今は男性のほうがマイノリティーで下駄はかせてもらえるって。男女雇用機会均等法の逆の話になってるってことでしょ?

石渡:ヘタすれば、そうなっちゃうかもしれませんね。だから男子学生がんばってね、っていう。

学生:どういうところでアピールすればいいんですかね?

ひろゆき:ヒゲとか生やせばいいんじゃないの?(笑) 草食じゃないです的な。

学生:昔だったら体力とかで売れたと思うんですけどね。

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