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パネルディスカッション(全2記事)

nanapi古川氏「変化に強い人しか生き残れない」 - 81起業家5名が語る、これからの働き方

2014年3月末に81世代の起業家5名が集まって開催された、『81ベンチャー大就活祭!』のパネルディスカッションを書き起こしました。「働き方」をテーマに、IT業界の未来や働くことの幸せ、またベンチャーと大企業の比較などを徹底討論。気鋭の起業家たちのユニークな発言が、自らのキャリアを考え直すきっかけを与えてくれます。

ベンチャーはチャンスが多い

シモダ:すいません、話がそれてバイト話になっちゃったんですけど。

梅田:すいません。ベンチャーのメリットをあまり話していなかったので。そこだけ補足させていただくと、僕、大企業と違うベンチャーの最大のメリットっていうのは、成長してるんですよ、会社が。成長していくと何が起こるかっていうと、どんどんチャンスが増えるんですよ。

例えばうちであれば、去年、香港とシンガポールと上海に同時に3拠点出したんですね。誰もいないんですよ。手を挙げてもらってそこの拠点のリーダーやりたい人、立ち上げやりたい人に手を挙げてもらって、何の経験もない、英語もしゃべれない、大してうまくもなかったりするのに、拠点のリーダーになって立ち上げをやる、みたいな。

そういうことって会社が成長していないとなかなか機会がない。今、アメリカとロンドンも並行して準備をしているのね。そこも人がいない。成長に対してどんどん機会が増えているっていうのは、最大のベンチャーのメリットかなという風に思っています。古川さんもせっかくなんでベンチャーのメリットを。

シモダ:そうですね。聞きたいですね。

古川:どうなんですかね? あんまりないんじゃないですかね? あ、大企業とベンチャーの差がそんなにないんじゃないかと、僕は思っています。当然、僕がいた会社がリクルートという会社なので、よりそうなんですけど。会社内で新しいプロジェクトを普通にできたりします。責任も負えたりします。部署によっては成長が上がったりとか、人手が足りなかったりするので、実はそこの差はあまりないかなと。ただ、今おっしゃられたように、成長していても、とにかく何でもやらなきゃいけないとか、新しいチャンスに飛びつけるとか、自分が主体的に行動できる場所みたいなものであれば、どこでもいいかなと思う派でもあります。

ベンチャーは変わった人から刺激をもらえる

シモダ:なるほど。じゃあ、片桐社長。

片桐:さっきも言っていたように、俺、大企業知らないから(笑)。イメージ? 先に秋好さんに言ってもらってもいい?

秋好:僕もさっき言ったんですけど、やっぱりベンチャーのよさは任される裁量みたいな、梅田さんの話にもあったんですけど。僕の場合は、前職と比較したときに、任される裁量はベンチャーというか、僕の場合はランサーズしかないので、任される裁量は確実にあるなと。

例えば、インターンで入った人に、新規事業を任せるみたいな、無茶ぶりとかしてるんですよ。で、彼に対して、予算月500万もってこいみたいな。ていうのは、僕からするとそういう言い方になっちゃうんですけど、逆に彼からすると500万の予算を持って自分で事業を作るみたいなことって、大企業でいきなり1年目とかインターンで入ってできないかなと思ったりするんで。

そういう裁量とか、できる範囲が大きいっていうのはベンチャーのメリットかなと思ったりしますね。あと、変人が多いとか。変わった人が多い(笑)。そういう人たちからいろいろと吸収できるっていうのはベンチャーのメリットかなって思いますね。

ベンチャーは社長と会社のキャラが似ている

シモダ:じゃあ、片桐社長。イメージは整いましたか?

片桐:裁量多いとか任されるとか、すごくそう思っていて、例えば説明で「こういうのやらないんですか?」って質問があっても、「入ってやってください」ってそれしか言うことないですね。やりたかったらやってもいいよ、みたいな感じでやってるんで。そもそもpixivでこれやりたいっていうのがあるんだったら、僕らが指示するんじゃなくて、いいと思えばそれをやってくれればいいって思うだけなんで。会社のやりたい方向とかサービスの方向とかがちゃんと合っていれば、全然やらせてもらえるっていうのは小さいベンチャーっていうか、規模が小さい会社とかサービスだったらやりやすいですよね。そんな気がする。

古川:ちょっと思いついたのがですね。ベンチャーって会社の社長のキャラにめちゃくちゃ似るんですよ。社長見ると結構、その会社がどういう会社かっていうのがわかります。大企業だと、リクルートくらいになると、リクルートの会社の人の性格とか結構どうでもよくて、組織として成り立っちゃってるんですけど、30人、50人くらいだとすごく似るので。わかりやすいっていうのはあると思います。

シモダ:それ、すごいわかる。俺今日、何もいいアピールしてないけど、ヤバくない? 会社が社長に似るっていうと、社員が可哀想で可哀想で。なるほど。確かにそうですね。

ビジョンへの共感と、素直さがある人が欲しい

シモダ:ベンチャーの魅力について皆さんに語ってもらったんですけども、次に求める人物像について。これ、皆さんもすごく興味あるところだと思うんで、一人ひとり聞いていきたいなと思うんですけども。じゃあ、よくわからないシャツを着ている、ランサーズの秋好社長。

秋好:僕らが採用で見ているのは、真面目な話になっちゃうんですけど、やっていることが1サービス、1プロダクトしかやってないんですよね、ランサーズって。働き方とか、ある種ベンチャーなんですけど、割と重いテーマというか、労働とか、雇用みたいなものを扱うので、そこへの共感度を持っているという人は結構採用で見ていますね。ただ共感しますっていうよりも、原体験がある。自分が病気をして、実際に働けなくなって、そういうサービスがあったほうがいいと思ったんです、とか。そういう人と働きたいと思う。

2つ目は新しい事業をやっているので、よくわかんないことが毎日起こるっていうね。いきなりサーバーがトラブルになるとかですね、お客さんがいきなり会社に来るとか、いいことも悪いこともいろいろ起こるんですけど、そういうときに人として素直か、みたいなものは結構重要だなと思っていて。

理不尽を受け入れるじゃないですけど、何が起こっても吸収できる素直さがある人とは一緒に働きたいなと思うし、逆にそういう素直な人が、ランサーズの社内を見ていても成長しているんですよね。斜めに構えたりとかじゃなくて。ビジョン共感と、素直さがある人。その2つが求める人物像、一緒に働きたいと思える人ですね。

プロダクトを愛せるか、会社の文化に共感できるか

シモダ:わかります。僕も。じゃあ梅田社長はどうですか。

梅田:はい。基本的な人材に対する考え方の中に、同じ人間そんなに大きく地頭だったりとか理論だったりとか、そこはそんなに大きく変わらないだろうというのが大前提にあったりします。そういうところを見るっていうよりも、大きく2つの前提条件があって、Newspicksっていううちのプロダクトを愛せるかっていうのがひとつ。これっていうのは、ビジョンだね。世界一の経済メディアになるっていう、そこに対してワクワクするっていうっていうか、共感するっていうか。さっき秋好さんが言ってくれたことにすごく似ていると思うんだけど、そこに共感できるかどうかっていうのが一つです。

もう一つが、バリューって呼んでいるんだけど、文化。会社の文化に共感できるかどうかっていう。うちは創造性がなければ意味が無いとか、そういう行動指針っていうのがあるのね。それが僕たちの文化を作り上げているものになるんだけど。それに共感できるかどうかっていうところを重視している。どんなに頭が良くて、どんなに数学の能力があって、どんなに偏差値が高かったとしても、この2つがなかったらダメ。もしくは仮にどっちか1個だったら、絶対に外せないのはバリューのほう。

そうすると、結婚と同じようなものだから、フィットするかフィットしないかっていうのが、それだけで全然大きく変わっちゃうし。ユーザベースっていう、この会社を受けに来てくれているだけで、それはすごく嬉しいことだし、最初は誰も来てくれなかったようなところがあるので。その2つさえフィットしていれば、かなりの確率で一緒にやろうっていう風になれると思いますね。

その上で、もう1個挙げるとしたら、その人にしかない特殊な能力って何かないかなっていう。ユーザベースの社内を見渡しても誰も持っていない、ていう個性が何か際立っているものはないかと、そういうものがあると、即一緒にやりましょうという形で選ぶことが多いかなと思います。

優しさ、寛容性が大事

片桐:2人ともすごくいい話をするんだね。しゃべりにくいよな(笑)。ほとんど一緒だと思ったんだけども、別の言い方をしていくと、pixivだと「職人か博士」っていう基準があって、職人っていうのは何かに10,000時間以上費やしたことがあるかないか。職人というのはものづくりなんで絵でもいいし、なんでもいいんだけど、ものづくりに対して10,000時間以上。もしくは博士って呼んでいるのは、犬としゃべれるとか、そういう人たち。サカナくんとか来たら絶対採りたいよね。

そういうのが一個基準で。ただ、それだけじゃなくてもう一個大事にしているのが、やっぱり優しさっていう概念、寛容性。優しさって寛容性なんで。僕マクドナルド理論っていうのがすごい好きなんですよ。この4人でランチ行こうよって言ったときに、どこでもいいよってみんな言いますよね。そのときにマクドナルド行こうよって言うと、みんなマクドナルド行きたくないから、マクドナルド以外の選択肢をいきなり発言し始めるのね。

だから、最低の選択肢を提示することによって、より議論が活発化するっていう考え方があって。マクドナルド理論を会社に当てはめると、どういうことが重要かっていうと、マクドナルド行こうよっていう最低の意見を聞く、と。しかもそれを受け入れられる。なので、多様な価値観を受け入れられる寛容性、これがものすごく重要だと思っているんで、そういうものを受け入れられるような人。

変化に強い人といっしょに働きたい

シモダ:なるほど。やさしい。さっき「この4人で」って言ったとき、俺入ってなかったね(笑)。やさしくねえな。けんすうさん、なんかありますか?

古川:はい。僕は変化に強い人っていうのが、一番働きたい人です。今、変化がすごい激しいと思っていて、直近だと2007年にAppleがiPhoneを発表した瞬間に、世界がすごい変わっちゃったんですね。IT業界の人も、あのプレゼンの1時間、その瞬間にもう世界がある意味変わった、って言うんですけど、実際に変わっています。

最近だと、Amazonさんがドローンっていう小さい飛行機みたいなので商品を運ぶことをやり始めるっていう話をしていて、あれが発表になった瞬間、物流の人たちっていうのは一気に窮地に立たされるんですね。あれって一回送るのに5セントしかかからないので、コストで絶対にかないません。さらに、Amazonさんって買い物を終える前に、だいたいこの人そろそろこれ買いそう、みたいなものを検知して近くまで運んでいたりするっていう特許を取っていてですね。それと組み合わせると、クリックした瞬間に10分後とかに飛行機がブーンと行ってくるみたいなことが成り立ってくるので、そうなると完全に世界が変わっちゃいますと。

それがですね、ある一日の発表の前後とかで世界が変わるということが、これからしょっちゅう起こるはずなので。そこで私はこれができますとか、プログラミング書けます、みたいなものに価値がなくなっていって。いきなり明日プログラミング要らなくなって、別のこの技術が必要、とかになっていくと思うんで、そのときに対応できる柔軟性と、変わるっていったときに、それに取り組もうっていう姿勢と学習スキルですね。それがある人と働ければなと思っています。

自由さが競争力を高める

シモダ:最後にですね、皆さんの会社自慢というのをお伺いしたいなと思うんですけども。社長って自分の会社のことを愛して愛してやまないんだと思うんですけども。僕も自分の会社大好きやし、社員大好きやしっていう状態で。そのラブっぽさを出してもらいたいなと思うんですけども。早く言いてえ、みたいな人、います? 自慢したくてしょうがないみたいな。

梅田:僕、自慢していいですか?

シモダ:そうだと思った。一番最初に喋ると思った(笑)。

梅田:僕たちは、個性っていうのを大切にしています。僕が2008年に創業したときの原体験があって。僕達最初エンジニアがいなかったんですね。厳密に言うと、創業メンバーの一人の稲垣が、彼データベースのエンジニアだったんですけど、勉強すればウェブアプリケーションもできるよということで、じゃあやろうよ、てことで始めて、創業してからやっぱウェブできないって言い出して、そこからエンジニアを探し始めたっていう経緯で始まったんです。

最初の3カ月間はエンジニアを探しているだけで終わっていっちゃったんですけど。そのときにタケウチっていう、うちのチーフテクノロジストに出会えました。彼は社会人としては終わってるんですね。絶対に時間を守らない、守ったことはほとんどないですし、例えば納期も守らない。一番ひどい時は2週間音信不通になる、2週間後に「こんにちは」って普通に出てきて、普通に帰っていく。

そういう彼と一緒に仕事をしていく中で、僕がやろうとしたことっていうのは、彼を徹底的に管理しようと。とにかく管理して、管理して、朝来る時間を決めて、やるタスクっていうのを細分化していって、ていうのをやろうとしたら、彼のパフォーマンスはどんどんどんどん落ちていって、全くコードが書けなくなっていっちゃったんですね。

そこから、これは彼の個性を潰していると。彼はよく言うんですけど、コードを書くときっていうのはまずゾーンに入らなきゃいけないと。ゾーンに入れば1週間かけなかったものが1時間で書けたりすると、彼はよく言っているんですけど。「ゾーンに入るために、僕はゲームもするし、突然いなくなるし」ということを言われると、そうなのかと言わざるをえないんですけど(笑)。彼はそう言っているんですね。

そこで、管理するっていうことをやめて、自由にしたんですね。徹底的に自由にしたら、いつの間にか勝手にとてもいいものができている。とてもいいものっていうのはどういうものかっていうと、僕が仕様書を書くんですね。そうすると、この仕様書よりももっと面白いものを考えついちゃったんで、これ作りましたっていう。そういう形で出してくれるという。

自由にして枠を取り払った瞬間、こんなに人ってクリエイティブになるのかっていうのが、彼と僕が最初に一緒にものづくりをしていたときの原体験としてあって、そこでまず自由にしたいと。僕の会社は徹底的に自由にして、そうすればうちの会社の競争力が高まると。そこに行き着いています。

自由にしたいっていうもののもう1つ目は、そっちのほうが楽しいよね、と。みんなもそうだと思うんだけど、親に勉強しろ、勉強しろって言われるよりも、人生好きなことをやれって言われたほうが、絶対楽しい。そういう単純なところから来ているので、うちの会社は自由主義で行こうっていうところを徹底しています。

2つ目の会社自慢としてあるのは、グローバルにかなり力を入れています。社長が2人いるんですが、彼シンガポールに移住して、グローバル展開を一手に担ってる形です。今年も東京オフィスから1人シンガポールオフィスに行きますし、1人は上海オフィスに行きます。それは手を挙げていくような形ですね。我々はベンチャーでありながら、とにかく世界共通のプラットフォームにしようと。日本だけで使われるプラットフォームを作ってもしょうがないと。世界の経済メディアになろうということで動いているので、グローバルっていうところが僕達の働く機会でもあるし、チャレンジなんで。

片桐:ユーザベース入るわ(笑)。

社員は好きだけど、会社はあまり興味ない

シモダ:じゃあ、古川さん、自分の会社好きですか?

古川:自分の会社っていうか、社員はすげえ好きなんですけども、会社という箱にそこまで思い入れがあるかというと、ちょっとわかんなくなってきました。その人たちとは働いてるんですけど、別にこの会社がなくてもいいんじゃないかっていう思いは常に持ち続けていますね。

シモダ:そのスタッフが集まっているっていう現象が好き、みたいな。

古川:そうですね。僕、コミュニティサイトを作っていた経験がずっとあって、思考がプラットフォーム型というか、場だけ作って、その上で人が何をやるかのほうが大事だっていうふうに思っているんですね。このプラットフォームっていうのは道具なので、何でもいいんですけれども、その上でコミュニティサイトだとユーザーさんが何をするか、どういう行動するか。

これは一切読めないですし、僕の意図通りになんて絶対に動かない。それが楽しいと。そこで強烈なエネルギーが生まれていって、何かすごいものができたりとかするといいなと思っているので、そこの場自体は執着がないみたいな感じはありますね。

シモダ:なるほど。会社自慢、魅力ない、と。

古川:まあ、人ですね。

クラウドソーシングのマーケットはEC以上

シモダ:ありますか? ランサーズ。

秋好:今気づいたんですけど、片桐社長が話すと、(観客が)メモをばーって取る(笑)。

シモダ:マジっすか(笑)。それ僕全く気づかなかった。

秋好:会社自慢ですよね。時間が無いようなので、3つあってシンプルに言うんですけど。1つは、僕あんまり見えないって言われるんですけど、エンジニアだったんですね。髪の毛なんてこんな感じだしヒゲ生えてるし、エンジニアっぽくないって言われるんですけど。会社でもエンジニアってすごく優遇されます。パソコンとかも好きなの買っていいし、エンジニアからの稟議はフリーパスだし。というくらいエンジニアが優遇されているので、エンジニアにとっては働きやすいんじゃないかなと思っています。

2つ目は、会社にいる人が全員僕よりも全然優秀で、僕いなくてもいいんじゃないかなってよく思うんですけど。例えば、ベンチャーの管理部においても、弁護士資格と会計士資格を持って普通に社員として働いている、みたいな人たちもわりといて、一緒にいる仲間から刺激を受けられるし、プロフェッショナルがいっぱいいるっていうのが自慢2。

自慢3は、ベンチャーのビジネスであるものの、仕事っていう社会的には大きなテーマで。インターネットの世界で言うとECって7兆とか8兆のマーケットって言われているんですけど、このクラウドソーシングってECよりもポテンシャルがあるっていうふうに思っていて、その大きなマーケットでビジネスマンとして勝負できるっていう、そこのプロダクトに対する自慢の3つです。

シモダ:かっこいい。わかりやすい。

秋好:ありがとうございます。ほら、誰もメモとってない(笑)

シモダ:覚えて帰って(笑)。

pixivは、全員が優しい

秋好:片桐くんが話すと多分メモ取るんですよ。

シモダ:わかりやすい。片桐さんは?

片桐: pixivのいいなって思っているところは、1つは自分の好きな絵描きとかクリエイターとかを、自分たちが直接的に支援する形になるし、そのおかげで自分が見たかったものが、そういう文化がより大きくなったりして自分に返ってくる。僕らもpixiv始めるときに思ったことは、ここから未来の鳥山明とかそういう人たちが生まれるんじゃないかと思って。もともと超好きだったんで。そういうゲーム作った人たちとか。

そういうものがこのプラットフォームから生まれると思ったら、すごい楽しかったんですよ、pixiv。この仕事をやることによって、自分がずっと好きだったものに対して恩返しができるし、さらにスーパークリエイターが生まれる可能性があるものを作っているっていうことですかね。

それと、あとはコンテンツを抜きにして、製品が世界中の人に使われる可能性がある。実際、新規登録の5~60%は海外の人なんで、アクセスも40%くらいは海外なんですよね。実際、グローバルでクリエーターとかpixivみたいなものを好きな人たちが、使い始めている。そういうものに関われる。

働く人に関しては、オタクも集まってるし、オタクじゃない人もいるんだけど、共通して言えるのはやっぱり優しい、みんなが。みんなが優しいっていうのが一番いいところだと思っているんで、その通りちゃんと優しい人が集まっている。

僕が一番感動したのが、2年前に沖縄に社員旅行に行ったんですよね。そのときに、最後の夜にビーチ、野外で飲む、みたいな感じだったんですよね。楽しくて。みんなで飲んだんですよ。そしたら沖縄の民謡みたいなのをやっている人が来て、いきなり始めたんですよね、民謡みたいなのを。うるさくて、太鼓の音が。全然楽しくなくなっちゃって早く終われよって思っちゃったんですよね。

でも、あまりにもいいグルーヴが出てたんで、僕一番前まで行って踊ったんですよ、僕が1人で。そしたら社員全員が踊り始めて。全員で踊ってるんで、ホテルのお客さんとかもなんかのお祭りと勘違いしてどんどん出てきて、全然知らないお客さんと踊ったんですよ。なんかみんながひとつになってるっていう感じがあったんですね。

それが終わってめちゃくちゃよかったよね、みたいな感じになって、終わった後みんなとしゃべったんですよ。喋ったうちの役員が、「ほんとに今の踊りは最高で……」みたいな感じで泣き始めて、おおって思ったのね。そしたら別の社員が「超良かったよ」って言いながら、なんで泣いているのかもわかんないのに泣き始めて、すげえいいなこれ、って思ったんですよね。いい会社だね。

泣けるくらい熱中できる仕事を

梅田:そういうのってすごくあるかもしれない。僕もずっと斜めに構えているところがあって、自分が本当に楽しかったときっていつだったのかなって振り返ると、あまり熱中できることが今までなかったんで、と小学生くらいまで遡っちゃって。小学校のときに野球をやっていて、そのときにチームで一生懸命練習して、最後勝っても泣くし、負けても泣くみたいな。きっとそこまでさかのぼらないと人生楽しかったことってないな。ピークがそこで人生終わるの嫌だなって思う。

さっき片桐くんが言ってくれた通り、それと同じような原体験を働いて社会人になってからでもできると。皆だんだん大人になっていくと、だんだんそういう感情を忘れていっちゃうと思うんだけど、僕はユーザベースをやって、すごくそのことを思い出した。

片桐:この前忘年会でも、新しいサービスのリリースがあって、忘年会に遅れてきたのね、そのチームが。そのチームが遅れてきて、リリースしましたってなって、泣き始めたわけですよ。泣けるような仕事を作っていきたいなってまた思いましたよ、忘年会でね。

シモダ:ちょっと飲み屋のカウンターみたいになってきたんで(笑)。お時間もあるんでね、すいませんけど。ということで、4名の社長、ありがとうございました。

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