2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
Five Ways to Improve Well-Being in the Workplace: Emerging Trends from the Science of Happiness(全5記事)
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世界的なイノベーション&クリエイティブの祭典として知られる「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」。2024年も各界のクリエイターやリーダー、専門家らが多数登壇し、最先端のテクノロジーやプロダクト、トレンドについて講演を行いました。本記事では、イェール大学の教授であるローリー・サントス氏の講演の模様をお届けします。
ローリー・サントス氏:自分の得意分野や自分の強みは、どうすればもう少し活かすことができるでしょうか? ここで、エイミー・レズネスキーのすばらしい業績があります。
彼女は「ジョブ・クラフティング」と呼ばれるものを研究しています。どんな仕事でも、柔軟性を持って仕事内容を見て、価値観を注ぐ方法を見つけ出すことができるというものです。
私はエイミーの仕事が大好きです。というのも、エイミーは、おそらくここにいるほとんどの人が目にするような業界で、創造的な知識労働をしている人たちを対象に研究をしていないからです。仕事内容の創造性に関する彼女の研究のほとんどは、病棟でリネンを洗っている病院の清掃スタッフに対するものです。
彼女が発見したのは、興味深いことに、病院で働く人々の3分の1が自分の仕事を天職だと感じているということです。彼らは自分の仕事が大好きで、他の何かのために仕事を辞めようとは思わないのです。そして、彼女が見つけたその理由は、彼らが自分の得意分野の1つに常に取り組んでいるということです。
例えば、病院の清掃員で、人助けをしたりユーモアを交えたりしている人の話です。彼は毎日、化学療法病棟で働いていました。不運にも化学療法を受けなければならなくなったことがある人、化学療法を受けた人を知っている人なら、人々がしばしば重病になることを知っているでしょう。だから彼の仕事の多くは、嘔吐物を掃除することでした。
でも彼は、「(嘔吐物を)きれいにしなければなりません。でも、僕の強みはユーモアなんだ。だから、僕の本当の仕事はコメディアンみたいなもので、患者さんを笑わせることなんです」と。
そして、彼が行っていた独自のテクニックがあります。掃除へ行く時に「吐くのをやめない限り、残業をすることになるよ」とか、秘密のハンドシェイクをするとか。患者が笑ったのを見ると、彼も笑いました。彼は「これが僕の本当の仕事だ」と言います。
昏睡病棟で働いていた清掃員もいました。その職員は患者と接することができなかったのですが、毎日、部屋の中の絵画や植物を動かして入れ替えたりしていました。それが彼の「創造性」の強さだったのです。
これらはマネジャーが指示することではありません。彼はただ「それが助けになるかもしれない」と思っただけで、自分の強みを仕事に注ぎ込んでいるだけなのです。そうすることで、私たちの多くが大変な仕事だと思うような仕事でも、彼らは好きになるのです。
ジョブ・クラフティングについて最も重要なことは、燃え尽き症候群からあなたを守ることができるという証拠があることです。たとえ以前は価値観が狂っていたとしても、自分を守るために価値観を一致させることができる、自分の価値観を整理する方法なのです。
もう1つ、仕事を天職に変える科学的な方法があります。もし私たちが仕事でより良い気分を味わいたいのであれば、より多くの所属を求める方法を見つける必要がある。そのためには、自分が心地よいと感じるよりも少し社交的になることがポイントです。
以前グラフを載せたIndeedの研究では、幸福度の高い労働者を持つ企業が最も儲かっているということについて話しました。しかし、あなたに伝えていなかった重要なポイントがあります。何が労働者を幸せにするのでしょうか? 職場での幸福感をもたらす要因は何なのでしょうか?
この研究を率いたオックスフォード大学の研究者、ヤン・エマニュエル・デ・ネーヴは、「経済学者に推測させよう」と言い、人々を職場で幸せにするものは何かと尋ねました。経済学者たちはトップ3を挙げ、第1位は「お金」と答えました。給料が高い人ほど幸せなのでしょう。
2位は「優れたマネジメント」でした。私たちはビジネススクールに通う人たちにお金を払っているのですから、おそらく彼らは職場で人々を幸せにするために何かを学んでいるのでしょう。
そして3位は、ワークライフバランスや柔軟性があることです。それが人々が望んでいることで、人々を職場で幸せにするのだと思い込んでいるのです。これらの要素は重要ですが、重要な事柄のリストの中では第5位、第6位、第7位と真ん中あたりでした。
そして最も重要なのは、どのエコノミストも予測しなかった「人々の帰属意識」でした。
ヤン・エマニュエル・デ・ネーヴはIndeedのデータを使って、帰属意識の尺度が何を含んでいるのかを掘り下げることができたのです。そこには3つの要素が含まれていました。
1つ目は、職場でみんながあなたを気にかけてくれているということです。あなたは機械の歯車ではありません。人々はあなたを認め、重要な存在であると感じさせます。2つ目は、あなたの仕事が重要だということです。つまり、あなたは会社にとって重要なことをしているのです。
そして3つ目の要素は、誰も予想しなかったことですが、「職場に親友がいるか?」という質問に「はい」と答えることです。職場に親友がいれば、自分の居場所があり、自分の仕事は会社にとって重要だと答える可能性が高くなります。
なぜなら、社会的なつながりや社会的な人間関係が、私たちのウェルビーイングにとって最も重要なことの1つであることは、何年も前からわかっていたからです。問題なのは、ここでもまた経済学者と同じように、私たち一般人の多くが誤解をしていることです。
私たちは、「友だちは仕事の外では重要。でもオフィスではずっと働いているのだから、信頼関係やくだらない社交辞令はどうでもよくて、ただ自分の仕事をこなすだけだ」と考えがちです。
この主張の私の好きなバージョンの1つは、『ボストン・グローブ』紙の記事です。Z世代は職場で友だちを作りたいとは思っていない、オフィスはもう社交の場ではないという主張を広めたものでした。この記事は、特に私にとって痛かったです。
というのも、著者のキャサリン・フーは、イェール大学の私の幸福学のクラスの生徒だったからです。「私はあなたに何も教えていないのか?」と思いました。でもこれって、私たちみんなが持っている誤解だと思うんですよね。(職場での友だちは)「いればいい」ものであって、「必要」なものではありません。
しかし、Indeedの研究データでは、それが必要であることを示唆しています。もしかしたら、静かに仕事を辞めることが魅力的に見える理由の1つは、仕事での幸せにとって最も重要かもしれないこと、つまり人間関係に積極的に投資していないからかもしれません。そこで問題は、どうすればこの誤解を克服できるかということです。
仕事でのつながりについて考える新しい方法を開発するにはどうすればいいのでしょうか? 私はシャスタ・ネルソンというビジネスプロフェッショナルのアドバイスが大好きで、彼女は友情とビジネスにまつわる素敵な本を書いていて、私たちが実際に職場で友人を作る方法を紹介しています。
彼女は、私のポッドキャスト 『The Happiness Lab』のすばらしいゲストとして、友情を促進するために必要な3つのことについて話しています。
まずは「積極性」です。ネガティブな交流よりもポジティブな交流の方が多い時、職場で友人ができるのです。これは常に親切にするということではありません。職場で他の人に与える感情の割合が、否定的なものより肯定的なものの方が多いということです。これが第1のポイントです。
彼女がすすめる2つ目のポイントは、職場での友情は一貫性から生まれるということです。同じ人と何度も会うのですから、交流が特定の方向に進むことはわかっているはずです。そうすることで、友情の習慣が生まれやすくなるのです。なぜなら、私たちの多くは職場で一貫したパターンを形成できていないからです。
職場に戻る人もいると思いますが、多くの人はリモートワークやハイブリッドワークで社会的なつながりを築こうとしています。このような時代に、一貫した友情のような交流を築くためにはどうすればいいのでしょうか?
チームでの通常のミーティングだけでなく、他の方法で一貫したつながりを作るためには、人と話すことにもっと力を入れることで、その問いに答えられると思います。1つ目と2つ目のポイントは、より積極的に、より一貫性のある交流をするということです。
シャスタが提案する3つ目は、私たちはもう少し無防備になる必要があるということです。意見を持ち、弱さを持ち、私が話したような自己憐憫を持つ、本当の人間としての姿を見せることで、自分が普通の人間であることを認識することができるのです。
私たちは仕事において、感情を持たない、失敗しない、助けを求めない、そんなAIロボットのようになる必要があると考えることがあると思いますが、それこそが脆弱性なのです。隣の人と話したり、質問したり、フィードバックをもらったりする時間を取るという、無防備な瞬間が本当に重要なのです。
そうすることで、職場でより多くの友人ができて、より幸せになれるだけでなく、より良い業績を上げることができるのです。これが5つ目のヒントです。
私たちは自分の仕事を天職として経験したいと心から思っています。友情は仕事の外で生まれるものであり、「私の仕事は私の仕事でしかない」という考えを克服する必要があり、そして帰属意識を持つ必要があるのです。
帰属意識は、仕事における私たちの幸福感だけでなく、パフォーマンスや企業の幸福感にとっても重要な要素なのです。ですから、これは個人だけでなく、データを活用している賢い企業にとってもヒントになると思います。
さて、幸福の5つのヒントはお分かりいただけたと思います。もし「あら、私は6から10までのヒントを知りたいわ」という方は、私のオンラインコースに無料で申し込むことができます。もう受講している人は手を挙げてください。生徒のみなさん、こんにちは。
もしあなたが、「大変だ。私は燃え尽きて圧倒されている。もうイェール大学の授業は受けたくない」と思っているなら、私の素敵なポッドキャスト『The Happiness Lab』もありますので、ぜひチェックしてみてください。私が話した人たちや、あなたがもっと聞きたいと思った人たちは、彼らの名前をググればみんなポッドキャストに出てきます。
「仕事の未来はどうなるのか。何が重要なのか?」と考える中で、実際にもっと重要なことはメンタルヘルスです。もし私たちがそれを推進し、企業も推進するようになれば、私たちは成果を上げることができるでしょう。
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