リモートワークや海外出張、セキュリティリスクへの対策など、VPNが求められる場面が増えています。
しかし、VPNの仕組みや使い方についてよくわからないという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、VPNの基本や使い方、おすすめのVPNサービスや選び方などを解説。
絶対に理解しておくべき無料VPNの危険性や、国別の接続状況なども取り上げます。
この記事を読めば、VPNについての理解が深まるとともに、自分にぴったりのVPNも見つけられますよ。
ぜひ参考にしてください。
VPN接続とは?わかりやすく図解で仕組みを解説
ここでは、VPN接続の基本的な仕組みから、利用するメリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。
リモートワークや海外出張時での活用など、ビジネスで役立つVPNの魅力をしっかりと押さえましょう。
VPN接続の仕組み

VPN接続(Virtual Private Network、仮想専用通信網)とは、仮想のネットワークを利用して安全でプライベートな通信を実現する技術です。
たとえば、公共WiFiを使ってウェブサイトにアクセスする際、通信内容はインターネットサービスプロバイダー(ISP)を経由し、公開されたままで送信されます。
そのため、ハッカーが通信内容を傍受したり、改ざんしたりするリスクがあります。
ですが、VPNでは特定ユーザーのみが利用できる仮想ネットワークを構築することで、通信内容の暗号化が可能。
トンネリングや暗号化、カプセル化などの技術を用いて安全な通信環境を実現しています。
- トンネリング
-
ユーザーの通信データをインターネット上の仮想的なトンネルに通し、外部から見えないようにする技術。専用のプロトコルを用いて安全な経路を確立する。
- 暗号化
-
データを第三者が解読できない形に変換する技術。暗号化により、万が一通信データが盗聴されても内容を読み取られるリスクが大幅に減少する。
- カプセル化
-
送信データを別のデータパケットで包むことで保護する技術。カプセル化により、通信内容が第三者からさらに見えにくくなる。
これらの技術を組み合わせることで、VPNは安全でプライベートな通信環境を構築しています。
VPN接続をするメリット
VPN接続を利用するメリットは主に下記の3つです。
- セキュリティの高い通信が可能
- 匿名性が高くプライバシーの保護が可能
- 地理的制限の回避が可能
ひとつずつ解説します。
セキュリティの高い通信が可能
VPNは暗号化技術を利用して通信内容を保護しているため、第三者によるデータの盗聴や改ざんリスクを大幅に軽減できるのが大きなメリット。
公共WiFiを利用する場合は通信内容が簡単に傍受される危険性がありますが、VPNによる暗号化を利用することで盗聴リスクを回避できます。
さらに、リモートワーク時にVPNを用いれば、従業員が外部ネットワークからでも安全に社内システムに通信することが可能になります。
こうしたセキュリティ対策により、個人情報や機密情報を守りつつ、安全な通信環境を確保できるのがVPNの強みです。
匿名性が高くプライバシーの保護が可能
VPNにはオンラインでの匿名性を高め、ユーザーのプライバシーをしっかりと保護できるというメリットもあります。
インターネットに接続するとデバイスのIPアドレスがウェブサイトやサービス提供者に記録され、行動履歴が追跡されることがあります。
ですが、VPNでは実際のIPアドレスがVPNサーバーのものに置き換えられるため、位置情報や身元が特定されにくくなります。
さらに、通信内容も暗号化されるためより強固にユーザーのプライバシーを守ることが可能。
そのため、不要なターゲティング広告を避けられるほか、プライバシー情報を悪用したサイバー犯罪のリスクも軽減されます。
地理的制限の回避が可能
地理的制限とは、インターネット上のコンテンツやサービスへのアクセスが特定の地域や国に限定される仕組みのことです。
VPNでは特定の地域に設定されたIPアドレスを利用できるため、地理的制限を回避してインターネットを自由に利用できます。
これは、インターネット規制が厳しい国のビジネスにおいてとくに有効です。
たとえば、中国のような統制が厳しい国からでもVPNを経由すれば日本のインターネットへアクセスすることが可能になります。
ただし、国によっては利用できるVPNを制限していたり通信速度が低下するケースなどもあるので、海外で利用する際はVPN選びに注意しましょう。
VPN接続をするデメリット
VPN接続には多くのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。
- 通信速度が遅くなる可能性がある
- セキュリティリスクが完全になくなるわけではない
ひとつずつ解説します。
通信速度が遅くなる可能性がある
まず、VPNを利用することで通信速度が遅くなる可能性があることが挙げられます。
これは、通信内容の暗号化やデータがVPNサーバーを経由する際の処理に時間がかかることが主な理由です。
とくにVPNサーバーの数が限られている場合は、回線混雑時にユーザーが集中することで通信速度が遅くなるでしょう。
ほかにも、サーバーまでの物理的な距離が遠い、VPNサービスが利用しているプロトコルが速度よりセキュリティの高さを優先しているなど、多くの原因があります。
セキュリティリスクが完全になくなるわけではない
VPNを利用したからといってセキュリティリスクが完全になくなるわけではない点に注意が必要です。
実際、有料VPNであってもVPN機器の脆弱性を狙ったサイバー攻撃は発生していますし、ユーザー側の管理ミスによって不正アクセスや情報漏洩などが発生する危険性もあります。
過去には、別の回線経由でマルウェアに感染したデバイスをVPNを介して社内ネットワークにつなげたところ、社内のほかのデバイスにマルウェア感染が拡大したというケースもありました。
VPN利用にあたっては、セキュリティレベルが高いVPNを選ぶだけではなく、ユーザー側のセキュリティ管理に関する知識も高める必要があることを覚えておきましょう。
おすすめのVPNサービス(有料)は3つだけ
数多くのVPNサービスが存在するものの、セキュリティレベルの高さやサービス品質、使い勝手、コスパを考慮すると本当におすすめできるサービスは限られます。
ここでは、当サイトが厳選した3つのVPNサービスを紹介するのでぜひ参考にしてください。
MillenVPN

日本発のVPNサービスを利用したい方におすすめなのが、国内最大手のMillenVPNです。
ほかの国内サービスと異なり、ノーログポリシーを採用している点や豊富な料金プランが魅力。
一時的な海外出張に便利な短期プランやコスパの良い長期プラン、固定IPを利用できる専用サーバープランなど、ビジネス利用向けのサービスが整っています。
また、通信速度は十分に速く、同時接続台数も無制限と使い勝手の良さも魅力です。
暗号化には金融機関レベルのセキュリティ(256ビットAES)が用いられているため、安心して通信を利用できますよ。
Windowsのみの対応にはなりますが、万が一VPNが切断された場合でも安全性を確保するキルスイッチも搭載しています。
カスタマーサポートは日本語に対応しているため、万が一トラブルがあった際でも安心感があります。
ただし、NordVPNやExpressVPNよりはサーバー数が少ないため、利用するサーバーによっては回線混雑時に通信速度の遅さが気になるかもしれません。
サブスクプランであれば30日間の返金保証がついているので、実際の通信速度を試したいときに利用してみてください。
NordVPN

NordVPNは信頼性の高さが評判のサービスです。
ノーログポリシーを掲げているVPNサービスは多くありますが、実際のところきちんと運用されているかはユーザー視点ではわかりません。
ですが、NordVPNでは独立した第三者機関による監査を受けているので安心して利用できますよ。
暗号化にはセキュリティレベルの高い256ビットAESを使用、デバイスを問わずキルスイッチに対応、固定IPのサーバーロケーションは24カ国に対応など、痒い所に手が届くきめ細かなサービスも魅力です。
NordVPNには3つのプランがありますが、マルウェア対策や広告・トラッカーのブロッカーなど、最高レベルのセキュリティを利用したい場合は上位の「プラスプラン」「コンプリートプラン」の利用がおすすめです。
すべてのプランで30日間返金保証を利用できるので、使い勝手を確認できますよ。
ExpressVPN

ExpressVPNは独自のLightwayプロトコル採用による超高速通信が魅力のVPNサービスです。
Lightwayは接続の安定性も兼ねており、ネットワーク切り替え時や電波が途切れた時でも安全性が確保されるというメリットがあります。
ストリーミングやオンライン会議など、大容量データのやり取りが必要な場合ではExpressVPNが良い選択肢となるでしょう。
デバイスのバッテリー消費量が少ないのもビジネスユーザーには嬉しいポイントです。
ノーログポリシーに関して第三者機関による監査を受けているほか、最高レベルの256ビットAESによる暗号化、キルスイッチ搭載など、セキュリティ面に関してもMillenVPNやNordVPNに引けを取りません。
ただし、同時接続台数が8台と少なめな点と、料金がほかのサービスよりも高めな点には注意しましょう。
「そこまで通信速度は必要ない」というケースでは機能が過剰になる可能性があります。
ExpressVPNでは30日間返金保証を利用できるので、自分の用途にあっているかじっくり確かめられますよ。
人気5カ国!国別の接続状況比較表
ここでは、国別のVPN接続状況を比較してみました。
| MillenVPN | NordVPN | ExpressVPN | |
|---|---|---|---|
| 韓国 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 中国 | 〇 | 記載なし | 記載なし |
| アメリカ | 〇 | 〇 | 〇 |
| 台湾 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ロシア | 〇 | 記載なし | 記載なし |
現状、中国やロシアなどVPNの利用規制が厳しい国ではNordVPN、ExpressVPNの利用は難しいようです。
MillenVPNでは「MillenVPN専用アプリ(OpenVPN)」または「MillenVPN Native OpenConnect」のような通信規制が厳しい国でも安定して利用できる接続方法が用意されているので、中国やロシアへ行く場合は検討してみてください。
ただし、今後の国際情勢などによっては状況が変わる可能性もあるので、海外に行く前にしっかり確認しておきましょう。
現地での接続状況が心配な場合は、長期の返金保証を利用できるサービスを選んでおくと安心ですよ。
なお、中国など規制が厳しい国での接続方法については、下記のホームページで詳しい設定方法が紹介されているので参考にしてください。
検閲回避!中国やロシアでのVPN利用は必須
中国やロシアなど、インターネットの利用を厳しく制限されている国では検閲を回避するためにVPNの利用は必須です。
VPNを使用しなかった場合は下記のような制限やリスクが発生する可能性があります。
- 閲覧できるサイトが限られる
- 利用できるSNSやクラウドサービス、オンライン会議ツールが限られる
- 検索履歴が検閲される
- 政府が違法と見なすコンテンツ(政治的なものなど)にアクセスした場合に罰則や拘束につながる可能性がある
しかしながら、中国やロシアでは国が許可したVPNサービス以外は違法とされています。
これは、国民が西側諸国の情報を見れないようにするために設けられた規制だと考えられています。
そのため、違法とされていながらも厳しく検挙されているのは国民のみで、外国人が検挙された例は少ないのが現実のようです。
インターネットの制限が厳しい国へ渡航する前は事前に現地の最新情報を詳しく調べておきましょう。
中国での利用は不安定な場合もある
中国で利用可能なVPNサービスは規制を回避するためにサーバーやプロトコルのアップデートを適宜行っていますが、政府の規制に追いつけず一時的に利用が制限される場合があります。
ただ、規制されると新しいIPアドレスが用意されるので、次第に使えるようになる「いたちごっこ」のような状況が続いています。
とくに中国での利用は不安定な場合もあるので、プロバイダーからのアップデート情報を定期的にチェックし、接続方法を最新の状態に保つことが重要です。
また、急な状況変化に備え、中国に対応している複数のVPNサービスを用意しておくとよいでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください。

iPhoneの設定方法とiPhoneで利用できるVPN比較
当サイトおすすめのVPNサービスはいずれもiPhoneを始め、AndroidやWindows、Macなど多くのデバイスに対応しています。
| MillenVPN | NordVPN | ExpressVPN | |
|---|---|---|---|
| iPhone(iOS) | 〇 | 〇 | 〇 |
| Android | 〇 | 〇 | 〇 |
| Windows | 〇 | 〇 | 〇 |
| Mac | 〇 | 〇 | 〇 |
デバイスが異なっても設定方法は簡単なので、VPNの利用が初めての方でも安心です。
ここでは、MillenVPNをiPhoneで利用する際の設定方法や、接続ができなかった場合の対処方法について解説するので参考にしてください。
iPhoneでの設定方法
ここでは、iPhoneでMillenVPNを使う場合のアプリの設定方法を解説します。
※接続先のサーバーにより接続完了まで多少時間がかかる可能性があります。
VPN接続をオフ!解除方法を教えます。
VPN接続の解除方法はとても簡単です。
VPN接続ができない場合
VPN接続ができない場合にはいくつか原因が考えられます。
ここでは、下記の3つのパターンについて対処法を解説します。
- アプリにログインできない場合
- 別のサーバーに接続先を変更する際に接続できない場合
- 上記以外の場合
アプリにログインできない場合
アプリにログインができない場合は、まずはユーザー名・パスワードに間違いがないか確認しましょう。
MillenVPNではマイページ用とアプリ用でユーザー名とパスワードは異なります。
アプリ用のログイン情報はマイページの「VPNアプリログイン情報」で確認が可能です。
複数回にわたり間違ったパスワードを入力するとログイン制限が行われるので、30分ほど時間がたったら再度試してみましょう。
もし、上記の対応でもログインができない場合はグローバルIPアドレスがVPNサーバーにブロックされている可能性があります。
使用中のルーターの再起動を行うか、別のネットワークからの接続を試してみてください。
別のサーバーへの接続先変更がうまくいかない場合
別のサーバーに接続先を変更する際、「この変更を適応するには、ダッシュボードからVPNを切断する必要があります。」と表示され接続ができないケースがあります。
その場合は、再度接続設定をすることで改善する可能性があります。

上記以外の場合
上記以外の場合は、VPNプロトコルを変更する、またはVPNを再構成することで接続が改善する可能性があります。
【VPNプロトコルを変更する方法】
VPNを再構成する方法

上記の設定をしても接続できない場合は、アプリを一度アンインストールし、最新版のアプリをダウンロードしなおして再度試してみてください。
完全無料のVPNを紹介。危険性やリスクも紹介
ビジネスでVPNを利用する場合は、セキュリティやサービス品質の観点から有料VPNの利用がおすすめです。
無料で利用できるVPNも存在しますが、いくつか危険性があるためここでしっかり理解しておきましょう。
無料のVPNは通信速度が遅く不安定
無料VPNは有料VPNと比べて通信速度が遅く、動作が不安定になる傾向にあります。
通信速度が遅くなる理由はいくつかありますが、主な理由はサーバー数の少なさでしょう。
無料VPNでは少ないサーバーに多くのユーザーが接続するため、常に回線が混雑状態で通信速度が低下します。
また、利用しているプロトコルが最新のものではない場合も多いため、通信速度の遅さや接続の不安定さに影響している可能性があります。
これらの理由から、無料VPNは一時的な使用には便利な場面があるものの、長期的な利用やビジネス目的では有料VPNを検討する方が賢明です。
セキュリティ機能が不十分な場合がある
無料VPNは、有料VPNと比較してセキュリティ機能が不十分な場合があります。
たとえば、一部の無料VPNでは暗号化が弱いプロトコルを使用している、サーバーの保護が不十分でハッキングに対して脆弱である、などのケースが見られます。
そのため、セキュリティ強化が目的でVPNを使用しているにもかかわらず、無料VPNでは個人情報などのデータが漏えいする危険性があることを理解しておきましょう。
しっかりとしたセキュリティを確保するためには、信頼できる有料VPNの利用を検討してください。
個人情報が漏えいする場合がある
一部の無料VPNサービスでは、運営コストを補うためにユーザーのデータを第三者に販売しているケースがあります。
これには、IPアドレスや閲覧履歴、位置情報などの個人情報が含まれる場合があり、結果としてプライバシーが侵害される危険性があることを理解しておきましょう。
また、無料VPNのセキュリティ対策が不十分である場合、通信内容がハッカーに傍受され、個人情報が盗まれるリスクも高まります。
個人情報漏えいのリスクを回避するためには、利用規約をよく確認し、信頼できるサービスを選ぶことが重要です。
とくに、ビジネスにおいて機密性の高い情報を扱う場合には、無料VPNを避け有料サービスを利用するのが安全な選択です。
VPNを経由して不正アクセスを受ける可能性
無料VPNでは、セキュリティレベルの低さからVPNサーバー自体が不正アクセスを受ける可能性があります。
とくに近年はVPNの脆弱性を狙った不正アクセスが増加傾向にあります。
そのため、VPNを経由した社内ネットワークへの不正侵入や機密情報の漏えいについて強い危機感を持たなくてはなりません。
また、VPNを利用するデバイスがマルウェアに感染している場合は、VPNの接続をきっかけに社内ネットワークに感染が一気に拡大する危険性があることも知っておきましょう。
無料で利用できるVPN一覧
ここでは、無料プランがあるVPNサービスを紹介します。
ここで紹介するサービスは基本的に有料プランへの導入用として無料プランが設けられているため、機能やサービスに制限が設けられているものが多くあります。
使い勝手が良いとは言えず、ビジネス用途には向きませんが、「少し不自由でもいいから無料で利用したい」という方は参考にしてください。
| 無料版 | お試し期間 | 返金保証 | 有料版価格 | |
|---|---|---|---|---|
| Proton VPN | 〇 | 無制限 | 30日間 | €4.49~ |
| Avira Phantom VPN | 〇 | 無制限 | 14日間または60日間 | 569円~ |
| TunnelBear | 〇 | 無制限 | 個別対応 | $3.33~ |
| VPN Gate | 〇 | 無制限 | ー | ー |
| Hotspot Shield | 〇 | 無制限 | 45日間 | 799円~ |
| Windscribe | 〇 | 無制限 | 3日間 | $5.75~ |
| hide.me | 〇 | 無制限 | 30日間 | $2.39~ |
| PrivadoVPN | 〇 | 無制限 | 30日間 | $1.11~ |
ProtonVPN
Proton VPNでは無料プランであってもデータ通信量を無制限に使うことが可能です。
ノーログポリシーにも対応しており、広告も表示されない点がメリットです。
ただし、有料プランに比べて通信速度が制限されている点には注意しましょう。
また、利用できるサーバーも5カ国のみ(オランダ、日本、ルーマニア、ポーランド、アメリカ)で、日本語のサポートにも対応していません。
Proton VPNでは30日間の返金保証に対応しているので、快適に利用したい場合は有料プランを検討してみてください。
有料プランでは通信速度の制限がなく、利用できるサーバー数も110カ国以上、8,600台以上に増えるので使い勝手が格段に良くなります。
Avira Phantom VPN
Avira Phantom VPNの無料プランでは、会員情報が未登録の場合には月500MBまで、会員登録した場合には月1GBまで利用できます。
データ通信量はかなり限られますが、ノーログポリシーやネットバンキングレベルの暗号化に対応しているので安心感があります。
ただし、無料プランではカスタマーサービスやキルスイッチには対応していない点に注意しましょう。
有料プランに移行する場合は、年間契約の場合は60日、月間契約の場合は14日の返金保証に対応しています。
TunnelBear
TunnelBearの無料プランでは月2GBまでお試し利用が可能です。
無料プランについてはそれ以上の情報は公式ホームページに記載されていないため、詳細は不明です。
ただ、有料プランに関してはセキュリティのレベルが高く、ノーログポリシーについては第三者機関の監査を毎年受けるなど、安心して利用できるサービス内容になっています。
世界47カ所、8,000台以上のサーバーを利用できるので使い勝手も良いでしょう
ただし、公式ホームページやサポートも英語対応のみという点には注意してください。
また、有料プランは基本的に返金保証がなく、個別対応になる点にも注意しましょう。
返金を受けたい場合は英語で申請する必要があるため、手間に感じる場合はほかのサービスを検討してみましょう。
VPN Gate
VPN Gateは筑波大学が研究を目的として無償で提供しているVPNサービスです。
会員登録は不要で、誰でも無料・無期限での利用が可能です。
世界中のボランティアが提供するVPNサーバーを利用可能で、2024年12月現在では6,000台以上のサーバーが用意されています。
日本語でサポートを利用できる点もメリットです。
ただし、不正利用を防ぐために接続ログが最低3カ月間保管される(ノーログポリシー非対応)、通信速度が不安定など、使い勝手には不安が残ります。
また、サーバーはボランティアによって運営されているため、ボランティアが運用を停止した場合は突然サーバーが使えなくなるリスクもある点には注意しましょう。
Hotspot Shield
Hotspot Shieldは6億5千万ダウンロードを超える人気のVPNサービスです。
無料プランでも1Gbpsの速度で利用できますが、広告が表示される、利用できるロケーションは1カ所のみ、同時接続台数は1台のみなどの制限があります。
また、ストリーミングやゲームサービスは利用できず、個別サポートは非対応など利用できないサービスも多い点に注意しましょう。
ただ、無料プランであってもノーログポリシーや高度な暗号化にも対応しているため、比較的安全性が高いといえます。
有料プランは45日間の返金保証がありますが、サポートは日本語非対応、料金が割高な点が不安材料です。
そのため、有料プランへの移行を考える場合はMillenVPNやNordVPNのほうが利便性は高いでしょう。
Windscribe
Windscribeの無料プランでは、メール登録なしの場合は月2GBまで、ありの場合は月10GBまで利用できます。
無料プランでもノーログポリシーやセキュリティレベルの高い暗号化技術を採用するなど安全性が高い点がメリットです。
ただし、無料プランでは利用できるサーバー設置国は10カ国のみに限られる点に注意しましょう。
また、同時接続台数は1台のみ、日本語のサポートにも非対応という点も覚えておいてください。
有料プランは少し割高感があり、返金保証も3日間のみなので、有料プランへ切り替える場合はほかのサービスのほうがコスパ良く利用できるでしょう。
hide.me
hide.meの無料プランでは有料プランと同様のセキュリティサービスを利用できます。
ノーログポリシーを採用しており、広告も非表示なので安心感があります。
ただし、通信速度には制限がかかります。
また、利用できるサーバー数は8カ所のみで、日本のサーバーは非対応という点にも注意しましょう。
無料プランでは同時接続台数は1台のみで、ストリーミングサービスも利用できません。
セキュリティはしっかりしていますが、サービス制限が多いため、30日間の返金保証がある有料プランを利用したほうが使い勝手は良いでしょう。
PrivadoVPN
PrivadoVPNの無料プランでは月に10GBまで利用可能です。
ただし、利用できるサーバー数は13台まで、同時接続台数も1台のみなどの制限がかかります。
また、一部のプライバシー機能(SOCKS5プロキシなど)や日本語のサポートも利用できない点に注意しましょう。
有料プランは上記のような制限がなく、データ通信量は無制限、65カ国以上のサーバーを利用できます。
ただし、PrivadoVPNはユーザー数が少ないためか口コミが少ない傾向にあります。
有料プランの実際の使い勝手を確かめたい場合は、まずは30日間の返金保証期間内で利用してみるとよいでしょう。
【その他】様々なVPN一覧の比較
ここでは、お試し期間や返金保証サービスを設けている有料VPNを紹介します。
各サービスの特徴について一覧表を作成したので、ぜひ参考にしてください。
| 無料版 | お試し期間 | 返金保証 | 有料版価格 | |
|---|---|---|---|---|
| Surfshark | ✕ | 7日間または30日間 | 7日間または30日間 | 358円〜 |
| CyberGhost | ✕ | 45日間 | 45日間 | 320円~ |
| Private Internt Access(PIA) | ✕ | 30日間 | 30日間 | 209円〜 |
| スイカVPN | ✕ | 30日間 | 30日間 | 878円~ |
| セカイVPN | ✕ | 60日間 | 60日間 | 1,100円 |
| VyprVPN | ✕ | 30日間 | 30日間 | $3.0~ |
| IPVanish | ✕ | 30日間 | 30日間 | $2.19~ |
| PureVPN | ✕ | 31日間 | 31日間 | $2.29~ |
| RAKULINK VPN | ✕ | 7日間 | 7日間 | $8.0~ |
| Glocal VPN | ✕ | 固定IP:14日間 だれリモ:30日間 動画視聴:7日間 | 固定IP:14日間 だれリモ:30日間 動画視聴:7日間 | 固定IP:660円~ だれリモ:990円~ 動画視聴:779円~ |
Surfshark
Surfsharkは、安全性の高い高速通信や長期プランにおけるコスパの良さが特徴のVPNサービスです。
ノーログポリシー、AES-256ビットによる高度な暗号化を採用しているほか、個人情報やデバイスを保護するさまざまな機能を搭載。
同時接続台数は無制限、固定IPサービスも利用可能なので、ビジネス用途でも使い勝手が良いでしょう。
料金プランは3つ用意されていますが、ウイルススキャンや個人情報漏えいアラートなど高度な保護機能も利用したい場合は上位プラン「Surfshark One」や「Surfshark One+」の検討がおすすめです。
上位プランでも2年契約なら月額358円〜という安さなので、コスパ重視の方も利用しやすいでしょう。
iPhone・Android向けのアプリは7日間の無料お試しが可能、公式ホームページからダウンロードした場合は30日間の返金保証が利用可能なので、じっくり使い勝手を確かめられますよ。
ただし、サポート関連は英語対応のみという点には注意してください。
CyberGhost
CyberGhostはセキュリティレベルの高さや使い勝手の良さにおいてバランスの良いVPNサービスです。
ノーログポリシーや自動キルスイッチ、AES-256ビットによる高度な暗号化、DNSとIPアドレスの漏えい防止など、VPNを安心して使うために備えておいてほしい機能はしっかり網羅されている印象です。
また、サーバー設置数も多く、固定IPにも対応しているのでビジネス用途でも幅広く活用できるでしょう
ただし、同時接続台数は最大7台と少なめな点と、カスタマーサポートは英語対応になる点に注意してください。
なお、利用するアプリによって無料トライアル期間が異なる点にも注意が必要です(Windows、macOSは24時間、Androidは3日間、iOSは7日間)。
返金保証自体は45日間対象になるので、安心して試せますよ。
Private Internet Access(PIA)
Private Internet Access(PIA)は今回紹介するサービスのなかで圧倒的なサーバー数の多さ(世界91カ国、3万台以上)を誇るVPNです。
とくにアメリカでは50州すべてにサーバーがあるので、回線の混雑を避けつつ快適に利用できるでしょう。
超強力な暗号化技術(AES-256ビット)やキルスイッチ、ノーログポリシーを採用し、第三者機関の監査も受けていることからセキュリティ面でも安心して利用できますよ。
3年契約であれば月額209円〜という安さで利用できるのも大きなメリットです。
ただし、一部のサーバーによっては通信速度が遅くなるなど、パフォーマンスに差があるようです。
30日間の返金保証を利用できるので、使い勝手が悪かった場合は保証を活用しましょう。
なお、サポートは英語対応のみという点には注意してください。
スイカVPN
スイカVPNは日本発のVPNサービスです。
サポートはすべて日本語対応なので、万が一トラブルがあった場合でも安心です。
ただし、スイカVPNはほかのVPNサービスよりサーバー設置数が少ないため、自分が利用したい国が該当しているか事前に確認しましょう。
なお、公式ホームページを見るとスイカVPNは現在のところ中国でも接続可能です。
しかしながら、ノーログポリシーやキルスイッチに関する記載がないなど、ビジネスでの利用に関しては不安感が残るのが正直なところです。
料金も割高なので、日本語対応が可能なサービスを利用したいならMillenVPNを検討すると良いでしょう。
セカイVPN
セカイVPNは日本のプロバイダーが提供しているVPNサービスです。
お試し期間が60日と長い、日本語サポートを受けられる、独自の専用ブラウザ「セカイブラウザ」を無料で利用できるといったメリットがあります。
「セカイブラウザ」ではブラウザ内の通信のみを接続先サーバーのIPアドレスに設定できるので、通常ブラウザとの使い分けができますよ(例:日本のIPアドレスが必要な作業はセカイブラウザ、それ以外は通常ブラウザなど)。
ただし、「セカイブラウザ」はVPNではない点に注意してください。
また、セカイVPNでは同時接続台数が3台と少ない点や、ノーログポリシーに関する記載がない点、Android対応のアプリはリリースされていない点にも注意しましょう。
料金は契約期間を問わず月額1,100円とわかりやすい点がメリットですが、長期利用を検討している方にとっては割高になるので、利用期間を考慮して検討してください。
VyprVPN
VyprVPNは独自開発のプロトコル「Chameleon™」が魅力のVPNサービスです。
「Chameleon™」は中国やロシア、インド、トルコ、イラン、中東など、インターネットの制限が厳しい国での利用をサポート。
料金は割高で、サーバー設置数も700とほかのサービスより少なめですが、上記のような国で利用できるサービスを探している場合は検討してみましょう。
ただし、現地の状況によっては利用できないケースもあるので、最新情報の確認は必須です。
なお、公式ホームページ・サポートともに日本語には対応していない点には注意してください。
IPVanish
IPVanishはアメリカ発のVPNサービスです。
ノーログポリシーやAES-256ビットによる暗号化、キルスイッチ対応など、安心してVPNを利用できる体制が整っています。
同時接続台数が無制限である点はメリットですが、固定IPは利用できない点や公式ホームページ・サポートともに日本語に対応していない点には注意しましょう。
同時接続台数が無制限のプランを探している場合は候補に入れてもいいですが、そのほかの仕様や料金などを考慮すると、MillenVPNやSurfsharkのほうが利便性は高そうです。
自分の用途に合わせて検討してみてください。
PureVPN
PureVPNは、高速通信(最大20Gbps)が魅力のVPNサービスです。
65カ国以上、6,500以上のサーバーを利用できるうえ、月額料金も安いのでコスパの良いサービスと言えるでしょう。
AES-256ビットによる暗号化やキルスイッチ、24時間365日のサポート(英語のみ)などのサポート体制もしっかりしています。
ただし、PureVPNは過去にノーログポリシーに違反していたことが発覚したことがあります。
現在では第三者機関による監査を受けているので問題なく利用できますが、不安に感じる方はほかのサービスを検討するとよいでしょう。
なお、口コミを見るとPureVPNは日本の有名なVODサービス(例:U-NEXT、ABEMA)には対応していないようです。
自分の用途に合わなかった場合は31日間の返金保証を利用しましょう。
RAKULINK VPN
RAKULINK VPNは香港企業が運営しているVPNサービスです。
プライベートでのエンタメ用途向けのサービスで、スティック状の接続デバイスを利用してテレビで日本のコンテンツを楽しめるのが大きな特徴です。
テレビのほか、モバイル端末でもデータ通信量無制限・高速通信で利用できます。
ただし、暗号化技術や通信速度、利用可能サーバー数などについては公式ホームページに記載がないため、ビジネス用途における利便性は判断できません。
1週間の無料お試し期間がある点や日本人スタッフによるサポートを利用できる点は魅力ですが、ビジネス用途として利用する場合は料金が割高なので、ほかのサービスを検討したほうがよいでしょう。
Glocal VPN
Glocal VPNは日本企業が運営するVPNサービスです。
ほかのVPNサービスと異なり、用途別に料金プランが分かれている点が特徴的です。
- かんたん・せんぞく固定IPアドレス:固定IPアドレスが利用可能
- だれリモVPN:リモートワーク用のアクセス構築が可能
- 動画視聴VPN:海外から日本の動画を鑑賞可能
固定IPアドレスについては累計契約法人数が1,000社以上(※1)、動画視聴VPNにおいては累計利用ユーザー数が12,000人以上(※2)と、多くの実績があります。
ノーログポリシーや高度な暗号化技術を採用しているなどセキュリティレベルも高く、日本語でのサポートを受けられる点にも安心感があります。
ビジネス向けでは要望にあわせた個別ソリューションの提案も受けられるので、ビジネスの心強いパートナーとなるでしょう。
ただし、用途を分けてプランを契約する必要がある点はデメリットと言えるかもしれません。
ほかのVPNサービスでは1つのプラン契約で対応できるケースもあるので、利用目的やコスパなども踏まえて検討してみましょう。
必要か必要ないか。VPNの使い方を教えます
ここでは、VPNサービスの利用が必要かどうか、10個のシチュエーションについて解説します。
公共のWiFiを利用する時

公共のWiFiを利用する際は、通信内容を第三者に盗まれないようにするためにもVPNの利用が必要です。
公共のWiFiは誰でも使える便利なサービスですが、セキュリティが脆弱な点が大きなデメリットです。
悪意ある第三者が同じWiFiネットワーク内にいる場合、通信内容を盗み見たり、不正アクセスを行う危険性があるので注意しましょう。
「パスワードが設定されている公共WiFiなら安全なのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、セキュリティ対策が不十分な場合なケースも多いため完全に安全とは限りません。
とくに個人情報を伴う操作を行う際は、必ずVPNを利用し安全性を向上させましょう。
匿名性を確保したい時

オンライン通信において匿名性を確保したい時にもVPNは必要です。
たとえば、人権団体やジャーナリストが活動を行う際には、政府や特定の組織による監視を回避するために匿名性が求められます。
VPNを使用すると本来のIPアドレスが隠され、代わりにVPNサーバーのIPアドレスが表示されるため、ユーザーの実際の場所や身元が特定されにくくなります。
プライバシーを守りたい時

VPNはプライバシーを守りたい時にも必要です。
インターネットを利用する際、プロバイダや広告会社はユーザーのオンライン行動を追跡し、閲覧履歴や検索履歴などのデータを収集しています。
これらの情報はターゲット広告や市場調査に使用されたり、悪意がある場合は第三者に販売されることもあります。
しかし、VPNを利用すると通信が暗号化されるので追跡リスクの軽減が可能。
さらにプロバイダにはVPNサーバーまでの接続情報しか見えなくなるため、行動履歴などのプライバシー保護にも役立ちます。
海外から日本のサービスにアクセスしたい時

海外から日本のサービスにアクセスしたい時にもVPNが必要です。
海外から日本のサービスにアクセスする場合、特定のエリアからのアクセスが制限され利用できないことがあります。
このようなジオブロック(地域制限)が設定されている場合でも、VPNを利用して日本国内のサーバーに接続すれば、日本のIPアドレスを取得可能。
日本にいる時と同様にサービスの利用が可能になりますよ。
「海外から社内のネットワークにアクセスしたい」「海外から日本の銀行にアクセスして送金手続きがしたい」「日本のストリーミングサービスを利用したい」というときに便利です。
日本から海外のサービスにアクセスしたい時

同様に、日本から海外のサービスにアクセスしたい時にもVPNが必要です。
特定の国でのみ利用可能なサービスの場合、日本のIPアドレスでは利用が制限されていることがあります。
その場合でも、VPNを利用してその国のIPアドレスを取得すれば制限なくサービスを利用できるようになりますよ。
ただし、サービスを利用したい国にサーバーを持つVPNを選ぶことが重要です。
規制の厳しい国での検閲を避けたい時

インターネット規制が厳しい国での検閲を避けたい時にもVPNが必要です。
一部の国では政府がインターネットの利用を検閲し、特定のサービスの利用を制限していることがあります(SNSやニュースサイト、動画配信サービスなど)。
海外赴任先でLINEやチャットワークが使えないと業務に支障が出る、という方も多いでしょう。
ですが、このような状況下でもVPNを使えば問題ありません。
VPNの通信暗号化により検閲を回避して自由にインターネットを利用することが可能になりますよ。
ただし、一部の国ではVPNの利用が違法またはグレーゾーンとされているケースもあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
リモートワークで仕事をする時

リモートワークで外部から企業のネットワークに接続する場合、セキュリティ強化とデータ保護のためにVPNの利用が求められます。
リモートワーク中は自宅や公共WiFiなど安全性が十分とは言えないネットワークを利用するケースが多いため、どうしても企業の機密情報や業務データが漏えいするリスクが高くなります。
ですが、VPNを使用することで通信が暗号化されるため、データを第三者に盗聴されたり改ざんされたりするリスクを大幅に軽減できます。
ネット上で個人情報を扱う時

ネット上で個人情報を扱う時にも、プライバシー保護の観点からVPNは必要です。
たとえば、オンラインショッピングや銀行取引など、個人情報を伴う操作では第三者に通信が盗み見されるリスクがあります。
とくに公共WiFiを利用している場合はリスクが高まるので注意しなくてはなりません。
ですが、VPNを使用すると通信が暗号化されるため、個人情報が流出する可能性を大幅に軽減できますよ。
個人情報の流出はなりすまし被害やフィッシング詐欺などに利用される危険性があるため、VPNを利用して未然に防ぎましょう。
特定のオンラインゲームを快適に利用する時

オンラインゲームで特定の地域のサーバーを利用する場合、VPNを使うことで対象地域のサーバーに接続しやすくなり、ラグや遅延を軽減できる場合があります。
また、一部のゲームでは地域制限がかかっていることがあるため、VPNを利用して制限を回避することも可能です。
ただし、VPNの速度や安定性がゲームに影響することもあるため、選択するVPNプロバイダーやサーバーには注意しましょう。
機密情報を送信・共有する時

機密情報を送信・共有する場合もVPNが必要です。
VPNによる暗号化がない状態では、送受信の際にデータが第三者に盗聴されたりデータが改ざんされるリスクがあるので注意しましょう。
また、VPNを使用すると、送信者の位置情報や身元が特定されることを防ぐことができます。
悪意ある第三者がターゲットを特定してサイバー攻撃などを仕掛けるリスクも低減できるため、企業全体の利益を守ることにもつながります。
自分に最適なVPNを選ぶおすすめの方法
VPNサービスを選ぶ際は運営企業の信頼性の高さ、セキュリティレベルの高さのほかにもいくつか重視してほしいポイントがあります。
ここでは、自分に合ったVPNサービスを選ぶおすすめの方法について解説するので参考にしてください。
価格や、契約期間の長さで選ぶ
VPNサービスには契約期間に応じてさまざまなプランが用意されているので、予算に合うものを選びましょう。
基本的に、年単位の契約では割引が適用になるためコスパ重視の方におすすめです。
料金の安さを重視する方も多いと思いますが、安すぎる場合は通信速度やセキュリティレベルが低くなるケースもあるのでバランスを重視して選びましょう。
なお、実際の使い勝手を確かめてから契約したいという方にはお試し期間や返金保証が設けられているサービスの利用がおすすめです。
返金保証があるサービスでは、内容に満足できなかった場合でも指定期間内であれば全額返金を受けられますよ。
同時接続数の多さによって決める
VPNサービスでは、1つのアカウント契約で同時に何台のデバイスを接続できるかが異なります。
一般的に1つのアカウントにつき1台〜10台まで接続できるケースが多いですが、なかには無制限というプランもあります。
1つのアカウントで多くのデバイスをカバーできれば、追加費用が発生しないためコストを安く抑えられますよ。
また、すべてのデバイスをVPN接続することで、自宅WiFiやモバイル通信など異なるネットワーク環境でもセキュリティを一貫して確保できるというメリットもあります。
自分の用途に合わせて選んでみてください。
国別の接続状況を確認する
VPNサービスによってサーバーの設置数や設置されている国は異なります。
一般的に、サーバーの設置数が多いほうがユーザーが分散されるため、混雑が少なく通信速度が安定する傾向があります。
とくに、リモートワークやオンライン会議など負荷がかかる業務でVPNを利用する場合はサーバー数を意識して選びましょう。
また、特定の国のコンテンツを利用したい場合は、その国にサーバーが設置されているかどうかの確認も重要です。
海外出張などで複数の国を周る場合には、サーバーが設置されている国が多いVPNサービスを選ぶと使い勝手が良いでしょう。
ただし、一部の国ではインターネットに関する規制が厳しく特定のVPNサービスが利用できない場合もあるため、利用予定地の事情に詳しいサービスを選ぶようにしてください。
通信速度を試してみて決める
一般的に、VPNサービスを利用すると通信速度が遅くなることがあるため、実際に通信速度を試して使用目的に見合うサービスを選びましょう。
その際におすすめなのが、お試し期間や返金保証を設けているサービスの利用です。
通信速度に満足できなかった場合でも、指定期間内であれば返金されるので安心してお試しできますよ。
通信速度を測定する際には、オンライン会議やクラウドサービスの利用など、実際の用途に近い状況で試すことが重要です。
自宅WiFiや公共WiFiなど、異なるネットワーク環境での利用も試してみましょう。
VPNサービスでは物理的に近いサーバーを選ぶと通信速度が速くなる傾向にあるので、サーバーの設置場所も考慮して検討してみてください。
IP固定の付帯サービスがあるか決める
通常、VPNサービスでは接続するたびに異なるIPアドレスが割り当てられますが、企業によっては特定のIPアドレスしか社内ネットワークにアクセスできないようにしているケースがあります。
そんな時に便利なのがIP固定サービスです。
常に同じIPアドレスを使用できることで、不審な場所からのアクセスとみなされるリスクを減らしセキュリティを強化することが可能です。
現状ではIP固定サービスを利用できないVPNも多いので、事前にしっかり確認しましょう。
MillenVPNではIP固定サービスが利用できる「専用サーバープラン」が用意されていますが、ほかのVPNでは有料オプションとなるケースも多いので、コスパもしっかりチェックしてください。
ちょっと難しいVPNの技術的な話
ここでは、VPNの技術的なトピックについて解説します。
VPNについてより深く理解したい方は参考にしてください。
VPNを使うと速度が遅くなるのはなぜ?

一般的に、VPNサービスでは通信速度が遅くなる傾向にあります。
VPNの通信速度はさまざまな影響を受けるため速度低下の原因は複雑ですが、ここでは主な原因を5つを紹介します。
- 暗号化やトンネリングなどの処理による負荷
-
VPNサービスではユーザーの通信内容を保護するため暗号化やトンネリング(通信経路の暗号化)が行われますが、処理に多少時間がかかるため、通信速度に影響を与える可能性があります。
- プロトコルの特性
-
VPNサービスが採用しているVPNプロトコルによっては、暗号化処理に時間がかかるものがあります。
とくに、高度なセキュリティや互換性を優先しているプロトコルでは通信速度が遅くなることがあります(例:OpenVPN)。
- サーバーの物理的距離と混雑具合
-
接続するVPNサーバーが物理的に遠い場合は、データの移動距離が長くなるため通信速度が低下します。
また、同じサーバーを多くのユーザーが同時に利用する場合、サーバーの帯域幅が不足するため遅延が発生する可能性があります。
無料VPNサービスでは多くのユーザーが少数のサーバーを共有することになるため、通信速度の低下が顕著です。
- 回線プロバイダーによる制限
-
一部のインターネットプロバイダーでは回線の混雑を緩和するため、VPNトラフィックを制限する場合があります。
データ量を多く消費するストリーミングやファイル共有などで制限が起こる可能性があります。
- ウイルス対策ソフト
VPN通信は暗号化されているため、ウイルス対策ソフトが暗号化されたデータを不信とみなすことがあります。
その場合、確認のためにスキャン処理が発生するため通信速度が低下します。
対策としては、下記の方法を実施することで速度低下を最小限に抑えられるでしょう。
- 高速通信を利用できるプロトコルを採用しているVPNサービスを選ぶ(WireGuardなど)
- サーバーの設置数が多いVPNサービスを選ぶ
- 地理的に近いサーバーや混雑していないサーバーを利用する
- VPNとの互換性が高いウイルス対策ソフトを選ぶ
OpenVPN、IKEv2/IPSec、WireGuard、主要なプロトコルの違い

VPNで使われるプロトコル(※)にはいくつかの種類があり、それぞれセキュリティやパフォーマンスに違いがあります。
ここでは、VPNにおける主要プロトコルについて解説します。
OpenVPNは通信速度やセキュリティレベル、柔軟性のバランスに優れたプロトコルで、VPNサービスで広く使用されています。
オープンソースで開発されているため常にあらゆる角度から精査されており、新たなセキュリティリスクにも対応しやすいという特徴があります。
カスタマイズも柔軟に行えるので利便性が高く、またさまざまな暗号方式の選択も可能です。
ポートの制限はほぼなく、TCPとUDPにも対応していることから、ネットワーク環境や通信の用途に応じて最適な接続方式を選べるのも大きなメリット。
検閲も回避できるため、検閲の厳しい国のビジネスで役立ちます。
IKEv2(Internet Key Exchange version 2)は、Ciscoとマイクロソフトによって開発されたプロトコルです。
IKEv2は通信速度が速く接続も安定しています。
とくに、接続が一時的に途切れた場合でも再認証なしで再接続が可能で、安定したVPN接続を維持しやすいという特徴があり、モバイル端末におけるネットワーク切替時の安定性に強みを持っています。
一方、IPSecはインターネット通信においてセキュリティを確保するためのプロトコルで、多くのデバイスやネットワーク機器で利用される標準規格です。
IKEv2と組み合わせることでセキュリティレベルをより高めることが可能ですが、設定が複雑な点がデメリットとして挙げられます。
WireGuardは比較的新しいプロトコルで、シンプルかつ高速な設計が特徴です。
暗号化処理が非常に軽く、OpenVPNやIKEv2などの従来のVPNプロトコルに比べて通信速度が優れているのが大きなメリット。
セットアップが簡単なため、最新の技術を活用するシステムでのプロトコルとして注目されています。
オープンソースであるためセキュリティにおいても信頼性が高いのも高評価のポイントです。
ただし、接続方式はUDPのみの対応であるため、セキュリティが厳しい国・地域で使う場合は注意が必要です。
※プロトコル:インターネットを介してデータを安全に送受信するための通信手順やルールのこと。でセキュリティレベルをより高めることが可能ですが、設定が複雑な点がデメリットとして挙げられます。
どのプロトコルがどの状況に適しているか
- 基本的にはOpenVPNを推奨
- 中国でVPN接続する際にファイアウォールを通過できる
- TCPが必要な場合はOpenVPN
- ネットワーク切り替えが頻繁に発生する環境
- 移動中のVPN利用に強い
- UDPで問題無い場合はWireguard
- シンプルな設計により、個人利用や小規模チームでの利用
WireGuardの登場で変わるVPN市場
WireGuardはVPN市場の新たなスタンダードとも言えるプロトコルです。
従来のVPNプロトコル(OpenVPNやIKEv2/IPSec)と比べ、主に下記の点が優れています。
- 最先端の高度な暗号化技術を利用しているため、脆弱性を大幅に軽減可能。セキュリティの強化が実現。
- 非常に軽量でシンプルな設計なため(コードベース約4,000行)、設定や管理がしやすい。
- 従来よりもオーバーヘッドが少ないため、通信速度が大幅に向上。低遅延が求められる状況(ストリーミングやリモートワークなど)で高速かつ安定した接続が可能。
- 接続を維持しやすくなったため、移動中やモバイルデバイスの接続が改善。
- バッテリー消費が少ないため、スマホなどの小型デバイスへの活用が可能。
従来のVPNプロトコルはセキュリティレベルが高いというメリットがある一方で、設定が複雑でパフォーマンスが低下する点が問題として挙げられていました。
その点、WireGuardにはさまざまな優位性が認められ、WireGuardを採用するVPNプロバイダーが増えています。
今後ますますWireGuardの活用の場が増えることが期待されます。
ノーログポリシーとは?

ノーログポリシーとは、VPNプロバイダーがユーザーのオンライン活動に関するログ(IPアドレスや閲覧履歴、トラフィック情報など)を一切保存しないという方針のことです。
ユーザーがプライバシーを維持しながらインターネットを安全に利用するための重要なポイントのひとつと言えます。
ノーログポリシーを採用していない場合は、ユーザーの個人情報が悪意ある第三者に販売される危険性があるので注意しましょう。
また、IPアドレスや閲覧履歴が追跡可能となることで個人の特定につながり、インターネットの使用が制限されている国では監視の対象になるケースもあります。
無料VPNサービスではノーログポリシーを採用していないケースが多いので、利用する際には十分に注意してください。
ただし、ノーログポリシーを掲げていても実際に遵守しているかはユーザーからはわかりません。
そのため、独立した第三者機関による監査を受けているとより安全性が高いと判断できます。
VPNを利用するのは違法(犯罪)なのかどうか
「VPNは匿名性が高い」などと言われると「VPNはあやしいサービスなのでは?」と心配になる方もいるでしょう。
結論を言えばVPNが違法なのかどうかは国によって異なるので、ここで解説します。
日本及び多くの国では合法かつ一般的
VPNは日本を含む多くの国で合法で、とくに欧州や欧米では個人利用・ビジネス利用ともに一般的に使用されています。
VPNはインターネット通信におけるセキュリティやプライバシー保護を強化する目的で利用されています。
たとえば、リモートワークにおいて企業の内部ネットワークに安全に接続する場合や、公共WiFi環境下で安全性を保ちながら通信を行う場合に欠かせないツールとなっています。
また、昨今増加しているサイバー攻撃に対し、データ盗難や個人情報流出のリスクを避けるためにもVPNの使用が推奨されています。
ただし、VPNが合法な場合でも犯罪行為(違法ダウンロード、ハッキングなど)に用いる場合は刑罰対象になることは理解しておきましょう。
一部VPNが違法及びグレーゾーンの国がある
一方で、中国やロシアなどインターネット規制が厳しい国では政府が許可したVPN以外の利用は違法とされています。
規制されている理由は国によって異なりますが、現地の人が西側諸国の情報を見れないようにする「情報規制」が主な理由と言われています。
そのため、外国人が検挙された実例は少なく、グレーゾーン扱いとなっているのが現状です。
基本的にVPNはインターネット通信におけるセキュリティやプライバシー保護を強化する機能がありますが、同時に、匿名性の高さにより国による監視を回避する手段としても利用できるため、警戒している国もあると考えられます。
海外出張や赴任先の国がどのような状況になっているかは事前にしっかり確認しましょう。
VPNを利用するにあたって
VPNは今後ますます利用の場が広がっていくと思われますが、ビジネスで利用するなら圧倒的に有料のVPNサービスがおすすめです。
この記事で紹介したポイントを参考にして、自分に合ったVPNを選びましょう。
もし判断に迷った場合は、下記の3社から選べば問題ありません。
いずれも30日間の返金保証を利用できるので、安心して試してみてくださいね。













