中国とVPN。おすすめのVPNや中国の規制状況を教えます。

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中国ではインターネット規制が厳しく、多くの国外サイトやサービスがアクセス不可となっています。

しかし、VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用することで、これらの制限を回避し、安全で自由なインターネット環境を手に入れることが可能です。

そこで本記事では、中国で利用できるおすすめのVPNや注意点を詳しく解説。

さらに、中国でVPNの利用が必要とされる理由や選び方、中国におけるVPN利用時のマナーや法律関連の情報などを幅広く取り上げます。

中国国内での安全なインターネット利用を目指す方に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

中国でVPNを利用できるのか

ここでは、中国でVPNを利用できるのかについて解説します。

すべてのVPNサービスが利用できるわけではない

中国にはグレートファイアウォール(GFW)というインターネット検閲システムが存在します。

このため、特定のサイトへのアクセスやSNS、動画サイトなどの利用が制限されています。

VPNサービスに関しては利用できるものもありますが、部分的に利用が制限されていたりVPNプロバイダーごと規制されていたり、規制状況はさまざまです。

そのため、世界的に有名なVPNであっても中国で必ず使えるわけではない点に注意しましょう。

利用できるVPNも一時的に利用できなくなる場合も

MillenVPNのように中国で利用可能とされているVPNであっても、一時的に接続が不安定になったり、完全に利用できなくなることがあります。

これは、中国政府が定期的にインターネット規制を強化しているためです。

ただし、規制によって利用できなくなった場合でも、その後代替サーバーや設定変更の手順などが提供され、再度利用できるようになるのが一般的です。

しかしながら、いつ復活するのか、本当にまた利用できるようになるのかは定かではありません。

そのため、万が一の場合に備えて事前に複数のVPNを用意しておくとよいでしょう。

台湾や香港にはGFWはない

台湾や香港には中国本土のようなグレートファイアウォール(GFW)が存在しないため、基本的にVPNを利用する必要性はありません。

ただし、現地から日本国内のサービスへアクセスできない可能性があるため、地理的な制限がかけられているサービスにアクセスしたい場合はVPNの利用を検討してみましょう。

たとえば、日本の社内ネットワークやオンラインバンキングにアクセスしたい場合や、SNSを使って連絡を取りたい場合などが該当します。

とくに、業務目的で日本のサービスを使用する予定がある場合は、事前に信頼性の高いVPNを準備しておくと安全かつスムーズにアクセスできますよ。

中国国内、中国サイトへの閲覧で利用できるVPN

ここでは、中国国内での利用や中国サイトへの閲覧で利用できるVPNサービスについて解説します。

ただし、タイミングによっては中国によって制限がかけられている可能性があるので、実際に利用する前には各サービスの公式ホームページで最新情報を確認するようにしてください。

MillenVPNは比較的可能性が高い

MillenVPN

MillenVPNは日本企業が運営しているVPNサービスで、サーバー設置数や料金のコスパの良さは国内トップクラスです。

通信規制が厳しい国でも、「MillenVPN専用アプリ(OpenVPN)」や「MillenVPN Native OpenConnect」のような安定して利用できる接続方法が用意されているので、中国での安定的な利用が期待できますよ。

ノーログポリシーの採用や高いセキュリティ、データ容量無制限、固定IPの提供など、ビジネスにおいて使い勝手が良いサービスがそろっています。

さらに、2024年11月から、同時接続台数の制限が撤廃され、無制限となったのも嬉しいポイントです。

公式ホームページもカスタマーサポートもすべて日本語対応なので、VPNの利用が初めてという方でも安心して利用できますよ。

サブスクプランは30日間の返金保証がついているので活用してみましょう。

かべネコVPNはポイント制の良心的なVPNサービス

かべネコVPN

かべネコVPNは運営期間が10年と比較的新しいVPNサービスですが、公式ホームページの「ユーザーレビュー」を見ると中国でもつながりやすいと高い評価を受けていることがわかります。

料金は月額支払いではなくポイント制になっており、VPNを使わない日があれば自動的にポイントが繰り越される点が大きなメリットです。

最大契約期間の+50%分の期間が自動延長されるため、1ヶ月プラン(880円)であれば最長で45日間はポイントが有効になりますよ。

無料おためし期間も最長で21日間あるのでじっくり使い勝手を確認できるでしょう。

メールアドレスのみで即利用できる手軽さも魅力です。

ただし、かべネコVPNには専用アプリがないため、初期設定が少し難しく感じるかもしれません。

しかしながら公式ホームページに設定方法が公開されていますし、カスタマーサポートも日本語に対応しているので、安心して利用できるでしょう。

セカイVPNは老舗の安心感!最大2ヶ月の無料おためし期間が魅力

セカイVPN

セカイVPNは日本企業が運営している老舗のVPNサービスです。

最大の魅力はカスタマーサポートがすべて日本語対応という点と、最大2ヶ月の無料おためし期間がある点です。

短期の出張程度であればセカイVPNを利用してみるとよいでしょう。

通信速度はそれほど速いわけではありませんが、セキュリティがしっかりしているのでビジネス用途でも安心して使えますよ。

ただし、同時接続できる端末は3台と少ない点には注意してください。

料金プランは1つだけなのでわかりやすい点が魅力ですが、月額料金が1,100円とほかのVPNと比べて少し割高なので注意しましょう。

スイカVPNはShadowsocks対応!少し割高なのがネック

スイカVPN

スイカVPNは日本企業が運営するVPNサービスです。

料金プランが豊富で、1ヶ月の短期プランから割引が適用になる長期プラン(3ヶ月、6ヶ月、1年、2年)まで5つのプランが用意されています。

どのプランで選んでも30日間の無料おためしサービスを利用できるのが嬉しいポイントです。

通信速度はそれほど速いわけではありませんが、Shadowsocksに対応しているため、中国でも比較的安定して利用でき、カスタマーサポートも日本語で受けられる点がメリットと言えます。

ただし、利用料金は他のサービスと比べて割高なため、コストを抑えたい場合はMillenVPNを検討するとよいでしょう。

ExpressVPNは万が一に備えて返金保証期間内で利用しよう

ExpressVPN

ExpressVPNはセキュリティレベルの高さ、サーバー数の多さ、通信速度の速さなどに優れた世界的に有名なVPNサービスです。

しかしながら中国での接続は不安定なようで、現状ではメインのVPNとして使うのは難しいかもしれません。

もし中国でExpressVPNを試してみたい場合は、まったくつながらなかった場合に備え30日間の返金保証サービスを活用することをおすすめします。

なお、ExpressVPNのそのほかの注意点としては下記のポイントも確認しておきましょう。

  • 同時接続台数が8台と少ない
  • 月額料金が割高
  • カスタマーサポートは日本語対応なし

とくに、接続トラブルが発生した際に日本語サポートを受けたい場合は、MillenVPNセカイVPNなどの日本のVPNサービスを選ぶと安心です。

ちなみに、中国での接続が困難な場合の対応方法は下記のホームページで確認が可能です。

VPN以外にも「UCSS」という選択肢もある

中国でのインターネット制限をクリアしたいならUCSSという選択肢も検討してみましょう。

UCSSは韓国企業が運営しているShadowsocks専用プロバイダーです。

ShadowsocksはVPNと少し仕組みが異なりますが、どちらもプライバシー保護やインターネット検閲の回避を目的としています。

UCSSは中国向けに特化したプランが用意されており、中国での接続が安定しているのが大きな魅力です。

接続台数を無制限にしたり固定IPアドレスを設定するなどのカスタマイズにも対応してくれるため、ビジネスユーザーにとって使い勝手が良いでしょう。

ただし、料金が割高で、無料お試し期間や返金保証期間も設けられていない点には注意が必要です。

料金が高くても安定した接続環境を求める方におすすめのサービスと言えるでしょう。

なぜ中国でVPNを利用するのか

ここでは、なぜ中国でVPNの利用が必要なのかについて解説します。

どのような場面でVPNが必要なのか詳しく解説するので、参考にしてください。

中国国内で規制されているサービスを利用する場合

中国国内で規制されているサービスを利用する場合にはVPNが必要です。

VPNを使うとプロバイダーが提供する別の国のサーバーを経由できるため、中国以外の国からのアクセスと見なされることでグレートファイアウォールの回避が可能になります。

GoogleやYahoo!などの検索エンジンやニュース配信サイトは日常的に使う方も多いと思いますが、これらのサービスもVPNを活用することで中国にいながら利用できるようになります。

中国国内からLINEなどで日本へ連絡する必要がある場合

中国国内からLINEなどのSNSを使って日本へ連絡する必要がある場合にもVPNは重要です。

中国ではLINEやWhatsApp、FacebookなどのSNSが幅広く制限されていますが、ビジネスや個人的な連絡手段として欠かせないという方も多いでしょう。

VPNを利用することで通信内容が暗号化され検閲を回避できるため、ユーザーのプライバシーを守りつつ、円滑に連絡を取ることが可能となります。

日本との連絡が必要な場面ではVPNによってLINE以外の多くの通信手段を利用できるようになるため、VPNは仕事や生活の質を向上させるための重要なツールと言えるでしょう。

日本から中国国内のサイトやサービスにアクセスする場合

日本から中国のウェブサイトやオンラインサービスにアクセスする場合、とくに中国市場に関する調査やコンテンツ視聴を行うときにはVPNの使用が重要です。

中国のインターネット規制は非常に厳しく、国外からアクセスする場合でも特定のサイトやサービスが制限されることがあります。

VPNを使えば日本からのアクセスであっても中国国内からのアクセスであるように接続できるため、規制の影響を避けつつ現地のリアルな状況を調べられるでしょう。

出張や旅行で、国の検閲を避ける場合

中国では出張や旅行などの短期滞在であってもインターネット検閲の対象になるので注意しましょう。

そのため、メールチェックやオンライン会議などの業務はもちろん、SNSなどで個人的に連絡を取る必要がある場合にはVPNの利用が推奨されます。

VPNを使用すれば政府の検閲を回避してユーザーのプライバシーを守りつつ、自由にインターネットを利用できますよ。

機密情報を扱う場合などもVPNの利用が必須

ビジネスでインターネットを経由して機密情報を取り扱う場合でもVPNの利用が非常に重要です。

中国国内ではインターネット上の情報が常に監視されているため、企業や政府機関の機密情報が漏洩するリスクが高くなります。

セキュリティレベルの高いVPNを使用すればインターネット通信が暗号化されるので、安全性が大幅に向上しますよ。

同時にデータの改ざんやハッキングのリスクも防げるため、機密情報を取り扱う際にはVPNによるセキュリティ強化が欠かせません

中国で利用するVPNの選び方や注意点

ここでは、中国で利用するVPNサービスの選び方や注意点について、事前に知っておいてほしい内容を解説します。

ぜひ参考にしてください。

出張や旅行前に国内でVPNアプリをインストールする

中国ではVPNの契約サイトやアプリのダウンロードページがグレートファイアウォール(GFW)によりブロックされている可能性があります。

そのため、出発前に日本国内で必要なVPNアプリをすべてインストールしておくことが重要です。

初期設定や実際の使い方、トラブルシューティングに関する情報もあらかじめ確認しておくと安心ですよ。

複数のVPNアプリを準備しておく

中国では定期的にインターネット規制が強化されるため、これまで問題なく利用できていたVPNでも急に接続できなくなることがあります。

このような場合に備えて、あらかじめ複数のVPNサービスを準備しておくことをおすすめします。

サブのVPNサービスを用意しておくと1つ目のVPNが使えなくなったときに代わりに使えるだけでなく、1つ目のVPNサービスの問合せ用回線としても利用できますよ。

複数のVPNサービスを利用する場合は異なるプロトコルやサーバーに対応しているものを選ぶと規制を回避しやすくなるかもしれません。

ぜひ契約時に確認してみてください。

無料のVPNは利用しない

無料のVPNサービスはコストがかからず魅力的に思えますが、結論を言えば中国での利用には向いていません。

まず、無料VPNの多くは中国政府によって規制されており、そもそも接続ができないことがあります。

さらに、無料VPNは通信速度が遅い、接続が不安定である、セキュリティ対策が不十分であるといったリスクがあることも理解しておきましょう。

とくにセキュリティ面が大きな懸念点で、中国のような厳しい検閲を避けるためには高度な暗号化技術が必要ですが、無料VPNはその水準に達していないことが多いです。

加えて、ユーザーのアクセス履歴などの個人データを収集し、広告業者や第三者に販売するというようなケースも考えられます。

中国において安全・快適にインターネットを利用するためには、信頼できる有料VPNサービスを選ぶことを心がけてください。

セキュリティレベルの高いVPNを選ぶ

中国でVPNを利用する際には、セキュリティレベルの高いサービスを利用することが非常に重要です。

VPNには通信内容を暗号化する技術が用いられていますが、セキュリティ強度の高い暗号化方式である「AES256」が採用されているサービスが望ましいです。

また、プロトコルとしてはセキュリティレベルの高いOpenVPNや、通信速度も兼ね備えたWireGuardなどを採用しているVPNを選びましょう。

また、DNSリーク保護やキルスイッチ機能が搭載されているVPNは、万が一インターネット接続が途切れた場合でもデータが漏れるリスクを軽減してくれます。

これらの技術は安全なデータ通信を確保し、第三者からの監視やハッキングを防ぐのに役立つため、VPNを選ぶときの参考にしてください。

日本語でサポートを受けられるVPNを選ぶ

VPNを利用していると設定や接続に関するトラブルが発生する場合があります。

その際に迅速かつ的確なサポートを受けるためには、日本語での対応が可能なカスタマーサポートを提供しているVPNを選ぶことが重要です。

とくに中国で利用する場合は規制や接続不良に関する問題が突然発生するため、小さな疑問でもすべて日本語でサポートを受けられることは大きな安心材料となるでしょう。

ここで注意してほしいのは、どこまで日本語で対応してもらえるか、という点です。

海外企業が運営しているVPNサービスでは、契約ページやQ&Aページは日本語対応だけどスタッフと直接やりとりするカスタマーサポートは英語のみというケースが多く見られます。

そのため、契約からカスタマーサポートに至るまで日本語でのサポートを利用したい場合はMillenVPNかべネコセカイVPNなどを検討してみるとよいでしょう。

ノーログポリシーを採用している

VPNを選ぶ際にはノーログポリシーを採用しているサービスを選ぶことが非常に重要です。

ノーログポリシーとは、VPNサービスがユーザーの接続履歴やデータ通信内容を一切記録しないという方針を指します。

このポリシーを採用しているVPNを利用することで、プライバシーが最大限に保護され、第三者や政府機関からのデータ要求にも対応する必要がなくなります。

しかしながら、ノーログポリシーを掲げていても本当に記録を残していないかどうかはユーザーにはわかりません。

そんなときは、ノーログポリシーの遵守を第三者機関が監査・保証しているサービスを選ぶと安心です。

中国のように厳しいインターネット規制がある国では、ノーログポリシーの有無が利用者の安全に直結するため、サービス選定時に必ず確認するようにしてください。

VPNを使って中国でやってはいけないこと

VPNを使って中国でやってはいけないこと

VPNは国外の情報やサービスにアクセスするための便利なツールですが、使用方法を誤ると深刻なトラブルに巻き込まれる可能性があります。

そこでここでは、中国でVPNを利用する際にやってはいけないことについて詳しく解説します。

それぞれのポイントを理解し、適切な行動を心がけましょう。

VPNの販売、再販、大々的な宣伝

中国では政府の許可を得ていないVPNの販売や再販、大々的な告知行為は厳しく規制されています。

中国政府はグレートファイアウォール(GFW)を通じてインターネット活動を監視・制限していますが、VPNはその監視を回避する手段と見なされているため厳しい制限が設けられています。

過去には無許可でVPNを販売した中国人が逮捕されたケースがあり、実例があるだけにリスクは非常に高いです。

さらに、大々的にVPNの利用を宣伝することも規制当局の注意を引き、問題視される可能性が高まります。

中国でVPNを合法的に利用する場合でも使用範囲やルールを守り、販売や普及活動には関与しないよう心がけてください。

中国で国外の情報を無駄に流さない

国外の情報を無闇に拡散しないことも重要です。

そもそも中国政府がグレートファイアウォール(GFW)を設置しているのは、中国人が国外の情報に触れないようにするためです。

むやみに他国の情報を共有することは政府の監視対象になる恐れがあるほか、社会的なトラブルを招く可能性もあるため注意しましょう。

とくに、デリケートなトピックである政治的・宗教的な話題や、中国政府の方針と矛盾する内容を拡散することは避けたほうがよいでしょう。

情報を共有する際には内容と影響をよく考え、あくまで個人的な用途として、常識的な範囲内で行うことが求められます。

政府の批判をインターネットを利用して行わない

過去に中国政府を批判する内容を登校した個人が、当局の注意を受けた例があるため、慎重な発言が求められます。

VPNを利用すると本来のIPアドレスが隠され匿名性が高くなりますが、その匿名性の高さを利用して国外のサイトに批判的な内容を投稿したとしても、その行為が中国政府に知られるリスクは非常に高いです。

政府批判だけでなく、デリケートな政治的トピックに関する情報の発信も避けるべきです。

VPNの利用目的が正当であっても、インターネット上での発言がトラブルを招く危険性があることを理解しておきましょう。

 中国で規制・禁止されているサイト&サービス一覧

中国ではインターネットに対する厳格な規制があり、中国国外の多くのウェブサイトやサービスにアクセスできなくなっています。

ここでは、中国で規制または禁止されている主要なサイト&サービスと、中国における代わりのサービスについてをまとめてみました。

中国で規制・禁止されているサイト&サービス一覧

中国で利用が規制・禁止されているサイトやサービスは下記のとおりです。

なお、現在利用できているサービスであっても、タイミングによっては規制対象になるケースがあるので注意しましょう。

ジャンルサイト・サービス
検索エンジン・Google・Yahoo! など
Google関連サービス・メール・カレンダー・ドキュメント・ハングアウト・マップ など
SNS・facebook・X(旧Twitter)・Instagram・Reddit・Pinterest・Snapchat など
メッセージアプリ・WhatsApp・LINE・Telegram・Messenger など
エンタメ系サービス・YouTube・Hulu・ニコニコ動画・Vimeo・Netflix・Twitch・Spotify など
オンラインストレージサービス・Google Drive・Dropbox・Box など
ニュース・メディア・BBC・CNN・ロイター通信・ウォール・ストリート・ジャーナル・ニューヨーク・タイムズ など
そのほか・Wikipedia・ChatGPT・Amazon・企業の公式ホームページ・政治関連・宗教関連などのサイトやブログ など

BingやOneDrive、Microsoft Teamsなどマイクロソフト系のサービスは中国でも使えますが、部分的に利用が制限されているケースがあるようです。

このように、中国では日本人がよく使うサービスやアプリの多くが規制対象であることがわかります。

VPNの利用をせず代わりのサービスを利用する場合

では、中国では上記のジャンルのサービスは使えないのかと言われたら、そういうわけではありません。

中国では国内向けにすでに類似のサービスが用意されているので、ここで紹介します。

ただし、これらのサービスは中国の検閲を受けているため、プライバシーの保護には向いていません。

利用する際はメリット・デメリットを把握してから使うようにしましょう。

ジャンルサイト・サービス
検索エンジン・Baidu:中国最大の検索エンジン
・Sogou:中国製の多機能検索エンジン など
SNS・WeChat:メッセージやSNS機能を持つプラットフォーム
・Weibo:X(旧Twitter)に似たマイクロブログサービス・Xiaohongshu:Instagramのような写真共有アプリ など
メッセージアプリ・WeChat:メッセージやSNS機能を持つプラットフォーム
・QQ:若年層に人気のメッセージアプリ
・DingTalk:ビジネスユーザー向けのコミュニケーションアプリ など
エンタメ系サービス・Youku:中国版のYouTube
・iQIYI:動画配信サービス
・Bilibili:アニメやゲーム系コンテンツ など
オンラインストレージサービス・Baidu Netdisk:中国製クラウドストレージ
・Tencent Weiyun:テンセントが提供するクラウドストレージ など
ニュース・メディア・Xinhua:中国の国営メディア
・People’s Daily:中国共産党中央委員会の機関紙 など

中国国内のインターネット事情と法律(違法なのか)

ここでは、中国国内のインターネット事情について解説します。

中国でインターネットを利用する際に知っておくべき知識や、VPNの利用は違法なのかどうかなどをまとめました。

ぜひ参考にしてください。

中国に存在するGFWとは?

グレートファイアウォール(GFW)とは、中国におけるインターネット検閲システムの名称です。

中国政府が主体となり国内外のネットワーク通信を管理し、中国にとって政治的・文化的に不適切とされるコンテンツへのアクセスを制限することを目的としています。

VPNを使うと中国以外の国を中継地にできるため従来どおりインターネットを利用できるようにはなりますが、そこで気になるのが「中国ではVPNの利用は違法なのか?」という点でしょう。

結論を言えば、「中国ではVPNの利用は違法ではないが規制がかなり厳しい」というのが現状です。

VPNは近年規制が厳しくなり、以前は利用できていたのに今はまったく接続できなくなってしまったものもあるため注意が必要です。

VPNを販売すると逮捕されたニュースがある

先ほどはVPNの利用に関しての話でしたが、VPNの製造や販売については厳しく規制されており、違反すると逮捕されるリスクがあります。

2024年にもVPNソフトウェアを販売したことで逮捕された事例が報じられました。

その背景には、中国の法律がインターネットの使用を政府の管理下に置くことを目的としている点があります。

しかし、VPNの利用そのものが違法とされるケースは稀であり、外国人が中国においてVPNを利用したことで逮捕されたという事例は報告されていません。

2024年の件では逮捕者がVPNを商業目的で製造・販売しており、多額の利益を得ていたことが問題視されました。

そのため、外国人が中国でVPNを利用する場合は、常識的な範囲の利用に留めることでリスクを最小化できると考えられます。

中国国内の法律では大手3キャリアの利用がルール

中国国外の情報へ公式にアクセスする方法としては、以下の中国大手3キャリアの通信を利用することが法律で規定されています。

  • 中国移動(チャイナモバイル)
  • 中国聯通(チャイナユニコム)
  • 中国電信(チャイナテレコム)

これらのキャリアは政府の厳格な監視下で運営され、通信内容の管理やデータ保存が義務付けられています。

これにより、政府は不適切な情報の拡散を防ぎ、社会の安定を保つことを目指しています。

外国人が中国でインターネットを利用する場合でも、これらのキャリアを利用する必要があります。

外国人が中国でネット利用するためのSIM

外国人が中国でインターネットを利用するには、事前に旅行者向けのSIMカードを購入するのが一般的です。

Amazonなどのオンラインストアで入手可能で、中国で通信を開始すると大手3キャリアのいずれかを利用する仕様になっています。

ただし、これらのSIMカードを使用してもGoogleやYouTube、X(旧Twitter)、LINEなどのサービスには直接アクセスできません。

そのため、外国人が中国でインターネットを利用する際には、SIMカードに加えてVPNを準備することが推奨されます。

中国国内でもVPNサービスは公に提供されている

中国政府から許可されているVPNは存在しますが、中国国内でのビジネスや研究活動を行う企業や団体向けのみに提供されているため、一般には公開されていません。

中国の個人ユーザーが使えるVPNとしては、騰訊(テンセント)や網易(ネットイース)といった大手企業が運営している「遊戯加速器(ゲームアクセラレーター)」が挙げられます。

遊戯加速器」はオンラインゲームの通信速度を向上させることを目的としたサービスですが、VPN機能もあるため海外のウェブサイトやサービスにアクセス可能になる場合があります。

遊戯加速器」は一部のネットユーザーにとってGFWを回避する手段となっていますが、主な使用目的とは異なるため合法性が議論されることもあります。

中国国内のみの利用であれば問題ありませんが、海外のウェブサイトなどにアクセスする場合はグレーゾーン扱いになるため、法に触れる可能性を十分に理解した上で利用する必要があるでしょう。

中国で外国人が一般的なVPNを利用するのは問題なし

中国では、外国人が一般的なVPNを利用して国外の情報にアクセスすること自体はとくに問題視されていません。

これは、中国におけるインターネット規制は主に中国人が海外の情報に触れないようにすることが目的だからです。

そのため、これまでにVPNの利用が原因で外国人が逮捕された実例もとくにありません。

ただし、先ほども説明したようにVPNの製造・販売や普及活動は法律で禁止されているため、これらの活動に関与すると違法とされるリスクが高まります。

外国人として中国でVPNを利用する際には、個人的かつ常識的な範囲での利用にとどめ、注意深く行動することが求められます。

中国でのVPN利用は、中国の規制に配慮した考え方を持つこと

中国では自国の秩序を守るため政府が国内のインターネット利用を厳しく監視し、規制する政策を徹底しています。

そのため、外国人がVPNを個人利用やビジネス利用の範囲で使用することについては、特段厳しく問題視しない傾向にあります。

ただし、規制を重視していること自体は事実なので、中国でのVPNの利用にあたってはその意図に寄り添った使い方にとどめるべきでしょう。

不審に思われる行動は避け、個人・ビジネス用途の範囲内での利用を心がけましょう。

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