CLOSE

【スピーチ講座1】タイトルにこだわればメッセージは研ぎ澄まされる(全1記事)

結婚式のスピーチでも「タイトル」は必要

スピーチやプレゼンにおいて、タイトルは想像以上に重要なものなのです。例えば結婚式の挨拶では、タイトルを公表することはほとんどありませんが、その話の中で一番伝えたいことをシンプルで明確なメッセージにして用意しておくことで、聞き手への伝わり方が変わってくるのです。タイトルの重要性については、あなたが本屋で手に取る本を選ぶときのことを考えてみると、明らかでしょう。それくらい、タイトルは人に影響力があるものなのです。プレゼンテーションも同じで、どれだけ人の心に残るメッセージを伝えられるかというのは、タイトルで決まってきます。もちろん、プレゼンテーションの構造も大事で、一番伝えたいコアのメッセージの周りにストーリー・ロジック・デリバリー・テクニックがあり、すべてを合わせてプレゼンテーションができあがりますが、まずは最も核となる部分について解説します。

タイトルの重要性

野村尚義氏:こんにちは。プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。さて、スピーチ講座。今回のテーマはですね、スピーチはタイトルに徹底的にこだわれ。タイトルに徹底的にこだわれ、これについてお話していきたいと思います。

皆さん、自分がスピーチ作る時にタイトルって意外と安直に決めていたりしませんか? ないしはそもそもタイトルなんて別に考えてない、結婚式のスピーチを振られた時にそもそもタイトルなんて言う機会すらない、だから考えたことすらない。そういった方って少なからずいらっしゃるんじゃないでしょうか。

でも実はですね、タイトルってものすごく大事なものなんですね。ちょっと想像してみてください。あなたが本屋さんに行ってその1冊を手に取るかどうかどこで決めているでしょうか? 本のタイトルですよね!? パッと見たそのタイトルが気になったから1冊を手に取る。そういうことがほとんどじゃないでしょうか。

タイトルは何を表しているのか

じゃあそのタイトルって何を表しているのか。当然ながら、中身に書かれている内容、コンテンツをギュッとまとめたような要約したワンフレーズこういったものが書いているわけですよね。たまにそうじゃないこともあるんですけど(笑)。期待して我々はその1冊を手に取るわけじゃないですか。つまり、プレゼンテーション、スピーチのタイトルを決めるということは、結局自分がそのスピーチを通じて一体何を言いたいのか、を明確にシンプルに考えるということ。ここに繋がっていくわけですね。

スピーチの構造

私、実はスピーチの構造ってこういう風になっていると思っているんですね。ちょっとご紹介しましょう。コアのメッセージがある、そしてこのコアのメッセージ、一言二言で要は結論ですよね。

そして、これをしっかりと受け手に伝えるがために、ストーリー・エピソードとロジック・論理が存在する。私がこう考えるのは、こうでこうでこういう理屈だからなんです。「笑顔が重要だというのは、聴衆・聞き手の人たちにとって私はあなたの味方なんですよ、そういったことが伝わるからなんです」みたいな理屈の話。

ないしは、ストーリー・エピソード。今まで私が人前に立った時、自分は顔がガチガチにこわばっていた。その時は、お客様たち・聴衆がまるで敵のように感じてしまった。でも、自分がなんとかがんばって笑顔を出した時、お客様の反応が変わった。実は、お客様を敵のように感じていたのは、自分が聞き手に対して、「敵ですよ私は」そんなメッセージを送ってたからなんだ。「自分からそこは心を開かないといけないんだ」ということに気付いた。そんなエピソード・ストーリーですね。

理屈と事例・エピソードこの2つで自分の言いたいメッセージを補強していく。これが、求められてくるわけですね。

で、さらに外側に存在するのがデリバリーとテクニックであると。デリバリーというのは、いわゆる話し方の話ですね。例えば、熱意を持って話す、楽しそうに話す、などなど。そして、テクニック。例えば、ちょい出しアイテムを持ってきて、それを使いながらプレゼンテーション・スピーチをする、などなど。まあ、小ネタです。このような構造になっていると。

そして、1番根本にあるコアのメッセージここの価値がプレゼンテーション・スピーチの価値としての最大値であると、その価値よりも高くはなっていかない。例えば、もしもですよ、この真ん中コアのメッセージ、1番言いたいことが「笑顔大事なんですよ」って言ったらマックス伝わって「笑顔大事」っていう話なわけですよ。

でももし、そこで伝わることが同じ笑顔大事ですよっていうのだとしても、結論として言うのが「自分の心が悲しくても辛くても、それを表に出すのはサービス違反・マナー違反だ」こんな感じの表現でここのところ(コアのメッセージ)作ったとしたら、だいぶスピーチの中身って変わりそうな気がしませんか? 

そこで語られるスピーチのエピソード・ストーリー、なんでなんですかっていう論理・理屈、当然ながらそこに対する熱意だったり、どんな物を持ってくるのか、どんなテクニックを使うのか全てに対して影響を与えそうです。

だからこそ、1番最初に考えないといけないのは、スピーチにおけるコンセプト・コアのメッセージ、結局何が言いたいのか、ここに徹底的にこだわってくださいということです。

先程の話、「笑顔大事なんですよ」という表現を使うのか、ないしは「自分の心がどんなに苦しい時、悲しい時でもそれを外に出してはいけません」というのか。結局、根本1番言いたい所ってすごく似ているじゃないですか。でも、だからこそこっち側の表現(「笑顔大事なんですよ」)で終わらせてしまいがちなんですね。スピーチタイトルに「笑顔の重要性」ってつけちゃうんですよ。

もしですよ、そのタイトルの本が売ってて買いたいですか? あんまり買いたいという人は少ないんじゃないでしょうか。例えどんなときも……いかにしてここ(コアのメッセージ)を際立たせていくのか、これがスピーチにおける非常に重要な要素だということです。

じゃあどうやって際立たせていくのか、その方法についてこれからこのスピーチ講座を通じてお伝えしていきたいと思います。以上、プレゼンテーション・アドバイザー野村尚義でした。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 「成功でなければ失敗」という考え方は人生を生きづらくさせる テニス界の“悪童”が語る「勝利」の本当の意味

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!