2024.10.01
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プレゼンの専門家がスピーチしたら「スティーブ・ジョブズから学んだ生き方のポイント」(全1記事)
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野村尚義氏:Thank you. I’m honored to be with you today for your commencement from one of the finest universities in the world. Truth be told, I never graduated from college and this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation. Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.
(日本語訳:世界でも有数の大学の卒業式に同席でき、とても光栄に思います。実は、私は大学を出ていないので、これが最も、卒業に近い体験となります。本日は、私の人生から3つの話をします。それだけです。たった3つの話です。/全文はこちら→「ハングリーであれ。愚か者であれ」スティーブ・ジョブズ伝説の卒業式スピーチ全文)
この言葉はスティーブ・ジョブズが語った伝説のスピーチの中の一節です。英語で書いて間違えたわけではありません。
(会場笑)
スタンフォード大学で2005年6月に語られたこの15分のスピーチは、学生たちの心を打つだけではなく映像を通じて全世界に届けられました。ちなみにこのスピーチ、ご存知の方、聞いたことがある方?
はい。ありがとうございます。さすがトーストマスターズのメンバーの皆さんです。ちなみに手を挙げられなかった皆さん、嘘ついて手を挙げてもいいのに、その素直さが素晴らしい。
(会場笑)
私はスピーチ、プレゼンテーションを生業にしている人間です。だからこのスピーチの演説もその観点から興味を持ちました。なぜジョブスはたった15分で人の心を掴むことができたのか。それが私の興味の最大の観点でした。
でも繰り返しこのスピーチを聞く中で、表面的なスピーチの技術にばかり囚われられてることに私は自分を恥じました。なぜならばこの15分の中には、人の人生を一変させてしまうような大きな学びが、たくさん含まれていることに気づいたからです。
このスピーチで最も有名な言葉はこれです。「Stay hungry, Stay foolish.」どういう意味でしょうか。直訳するならば「飢えろ、バカでいろ」。さすがにそういう意味じゃないのはわかります。私が一番最初解釈したのはこうでした。ジョブスの言いそうな言葉だと。渇望せよ、つまんない大人になるな。でも今の私は少し違った見方をしています。
「Just three stories」、3つの彼のストーリーで構成されるんですが、大まかに言うとこんな話です。1つ目。育ての親が全ての生活費をはたいて入れてくれた大学を自らの手で退学する。2つ目の話。自ら作ったAppleという会社をクビになる話。そして3つ目は癌宣告の話です。死の危機に直面した時、彼は自分がしがらみに囚われているということに気づく。こんな3つのストーリーでした。
ここから導き出される結論は何でしょうか。首尾一貫して語られていることは、手放すことを恐れるな。私たちは日々多くのものを手にしています。それは経験であったり、能力や技術、スキルであったり、例えばお金であったり、人間関係であったり、それらは今後ずっと大事にしようと思って手にしたもののはずなのに、いつしか自分を縛る重い鎖になっていることがあります。
例えば今までずっとこの仕事をして来たから、いまさら他のことをやるなんて考えられない。例えば、いまさら貧乏な生活には戻れないから、リスクは犯せない。例えばあの人にバカだと思われるわけにはいかないから、変なことをやるわけにはいかない。
でもこれって少し悲しいことだと思いませんか? まるで過去にとらわれてしまって未来に前に進めてないのか、そんな気すらしてしまいます。
ジョブスの言葉を繰り返します。「Stay hungry, Stay foolish.」何もかも失ってひもじい思いをしたっていいじゃないか。誰にバカだって言われたって別にいいじゃないか。そのかわり最も大切なたった1つのことが守られるのだから。
この結論に達した時、私は自分の身を振り返って、こう思いました。自分はいつの間にこんなに重い鎖の鎧を身につけてしまったのだろうか。そしてこうも思いました。ジョブスほど多くのものを持っている人が手放すことを恐れていないのに、私程度の人間が何を怖がる必要があるか。
そしてこう決めました。いつか自分にとって絶対にやりたい1つのことに出会えた時、それまで手にしたものを言い訳にして諦めるのはやめようと。過去を振り返ったとき、例えば故郷を離れた時、例えば会社を辞めて自分の事業を立ち上げた時、覚悟を決めた1歩は常に新しい世界を私に見せてくれました。
その時だって恐怖はあった。そして今後選択する結論にも、選択するものにもやはり恐怖がつきまとう。でもその怖さを言い訳にして行動しない、それだけはやめようと。もし私がそこで歩みを止めたら、きっと私は自分が手放せなかったもののせいにします。自分は前に進めなかったことを。
私はこういうふうには口にしたくはないのです。例えば自分が築いてきた選択に、自分は身につけてきた能力に、経験に、仲間に、家族に、お前を大事にしたから私は挑戦できなくなったのだと。あなたはどうでしょうか? 気づかないうちに背負っているものはないでしょうか? いつの間にか下や後ろばかり見ている、そんなふうなことに、そんな自分に気付く事は無いでしょうか?
目を上げて前を向いた時、そこには何が見えるでしょうか? ジョブズはこう言いました。もっとも大事なものの前では全ては身につけた、「Stay hungry, Stay foolish.」この言葉が皆さんの心にも灯りますように。どうもありがとうございました。
(拍手)
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