2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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キース・ラボイス氏:仕事を依頼するうえでの問題を解決する、幾つかのテクニックをお教えしましょう。
まず最初に、高い成果を実現するためのマネジメントには、「タスク関連熟達」と呼ばれるものが必要です。内容は非常に単純です。全く同じタスクをたくさんやった人は、繋いであるロープを長くしていって、自由を与えます。逆に新しいことをする場合は、実際に指導して、常に監督する必要があります。これが基本的なコンセプトですが、頭の片隅に入れておく価値はあるでしょう。
非常に興味深い指摘として、どんなエグゼクティブやCEOも、ひとつのマネジメントのスタイルを貫くべきではない、ということがあります。マネジメントのスタイルは、社員によって変えるべきなのです。
ある人がこのスケールで低い側に位置しているとしたら、細部まで口を出す必要があるでしょう。逆に他の人がこのスケールで熟達しているのなら、仕事を任せるべきです。つまり誰かをチェックするとして、半分は口を出しすぎだといい、もう半分は責任ある仕事を任せてもらっているというのは、バグではなくむしろこの考え方の重要なポイントなのです。
私が思いついたもっと微妙な答えは、どうやって意思決定をすべきかということです。基本的にはあまり自分でやりすぎない方がいいですよね。これは私がピーターから借りてきた表です。彼が教えてくれたこれが私の人生で出会った初めての「2x2」の表だったわけです。
まずあなたが意思決定について持っている確信の度合いが、高いのか低いのかという基準があります。絶対にこれは間違いでやるべきでないとわかっているときもありますし、何が正しくて何が間違った答えなのかわからないときもあるでしょう。
もうひとつの基準は、その意思決定の重要度です。間違った決定をしてしまうと、会社に大打撃を与え失敗してしまう物事があります。逆に影響が非常に少なく、1日の終わりに「特に何も変わらなかったな」というようなこともあるわけです。
私が信じているのは、影響度が低くて、自分の意見について確信のない場合は、絶対に誰かに頼むべきです。失敗と学びを経験させましょう。一方で、影響が非常に劇的で、自分が正しいという絶対的な確信がある場合は、若い仲間に失敗させるわけにはいかないでしょう。そのミスについては責任がありますし、重要な局面でそうしたミスを起こしてはいけません。
これを実行するための最も良い方法は、なぜそうするのかという自分の考えを説明することです。忙しくなってくると省略してしまいがちですが、私がLinkedInにいて才能あふれる仲間といたときは、世界に溢れる「なぜ」を説明しようとすることは非常に重要でした。
相手の意見に賛成しないとき、私たちはイライラしてしまっていました。だからなぜ私がこうした意思決定をするのかを説明して説得することにたくさんの時間をかけました。私が彼を説得できなかったとき、彼は「いいよ、あんたがボスだ」と言いました。それを聞くたび、私は自分の会社が社会主義的になってしまう様な気がしました。
彼がそれを言うたびに、私は細い線を引いているような気がしました。私がそれを頻繁にやりすぎれば、確実にしっぺ返しを食うでしょう。だからどれくらいそういったことになってしまっているのか、ちゃんと数える必要があります。
私がマーケティング担当としては最初に働いた、Squareでは、Inner-Squareというプログラムがありました。これはSquareを使っている人が希望すれば、10個のSquareを貰える、というものでした。食べ物の移動販売のトラックがあったとして、そこのカウンターにSquareが10個ならんでいて、勝手に取っていくことができるようなことです。カイルが出したこの素晴らしいアイディアは、素晴らしいマーケティングプログラムでした。
これによって、SquareがSquareを他の人に広げます。このときには一定のブランドがすでにあったので、ひどい結果にはなりませんでした。これらの10個のSquareはそれほどコストがかからなかったので、経済的には十分実行が可能でした。
しかし、私の10年の経験が、これは効果があるほど大きい規模では機能しないと告げていました。そのため、私はこの計画をやめよう、と言いました。しかしカイルは非常に乗り気だったので、やらせることにしました。
やがて彼も、この計画が十分な規模にならず、大きな価値を起業にもたらさないことを知りました。このSquareをみんなに配って使い方を教えることには、非常に複雑な手順を必要としていました。しかしこれをやったことで、カイルのやる気を潰さなくて済みましたし、これからのアイディアを選別する方法を学ぶこともできたので、例え失敗でもやらせてみて正解だったと思います。
次に話すこと、そしておそらく最も重要なことは、実際にどのようにチームを編集するかということです。一緒に働いている人がいたとして、みんなが完璧なチームにならないのに何かを始めてはいけません。そのためチームの編集を成功させる確率を上げたいと思います。
私は「砲と弾」という考え方が気にいっています。人を雇おうとする事をすぐにやりたがりますが、先送りにすべきです。しかし多くの企業は求人を始め、大量に人を雇ってしまいます。
これによって、出力や馬力、ものを出荷する速度を上げることを期待します。しかし、これはうまくいきません。たくさんエンジニアを雇ったからと言って、たくさん仕事ができるようにはならず、できる仕事の量は減るのです。
もっとデザイナーを雇えば、間違いなく完了する仕事は減るでしょうし、それがなぜなのかについて相談するためにさらなる時間を使わなくてはならず、仕事はさらに終わらなくなるでしょう。なぜかというと、ほとんどの人は、最も素晴らしい能力をもった人でさえ「弾」なのです。
しかし、あなたにとって本当に必要なのは「砲」の方です。持っている砲の数だけしか、一度に撃つことはできません。そのためあなたの会社の成長速度を上げるには、砲を追加して、弾をきちんとストックしておくことが必要なのです。これによって、生産性は大きく上がります。
ほとんどの場合は1台の砲からはじまるでしょう。そして砲が2台になれば、1日、1週間、1四半期で、会社ができる仕事は2倍になるでしょう。3台になれば素晴らしいですし、4台ならばもっといい。
砲は大変見つけるのが難しいものです。しかし一旦砲を持ったならば、公正に接し、昇進させ、毎週食事に連れて行きましょう。なぜなら砲はかけがえがないからです。砲は文化的に特異な存在なのです。ひとつの会社にとっての砲が、他の会社にとっても砲であるとは限りません。砲の定義とは、最初から最後までアイディアを持って、人を率いられることです。そしてこれは非常に文化的にもスキルセット的にも特異なものです。
さて、ここでふたつの質問を抱くでしょう。ひとつは、誰が砲で誰がそうでないのかをどうやって見分けるのか、という質問です。まず、できるだけ責任の少ないことからはじめましょう。瑣末なことでいいのです。例えば、夜9時に職場にいるすべてのエンジニアに、冷たいおいしいスムージーをおごる、といったようなことです。
実は、これは本当にあった例です。Squareではエンジニアたちは本当に一生懸命働いてくれていました。そいて20%か、30%はかなり夜遅くまで仕事をしていました。食事を出してもよかったですが、もっと素敵なものを出そうと思いました。アルコールも悪くなかったのですが、それはちょっと複雑ですよね。そのためスムージーなら、ピザのような気力を奪うものよりはいいと思ったのです。
しかし、誰も夜9時にスムージーを取りに来ませんでした。冷たくて、おいしくて、エンジニアの誰もが見つけられる場所にあるにも関わらず、です。単純だと思うかもしれませんが、私はこれがどういうことか理解するのに、何ヶ月もかかりました。
そこで我々は、インターンに頼むことにしました。彼が来て2日目にこの問題について話したところ、彼は「私がやります」と言ったのです。私は正直無理なのではないかと思いました。オフィスマネージャーが失敗するのも見ましたし、私のアシスタントが失敗するのも見ました。彼らは優秀でした。できっこないと思っていました。
そしてその夜、エンジニアたちは時間通りに現れたのでした。スムージーはちゃんと冷えて、正しい場所にありました。私が最初に思ったことは、やはりスムージーが問題だったのではなかった、ということです。
この後、私はこのインターンに、もっと重要で複雑で頭を使わなくてはいけないことを任せようと思いました。これがひとりひとりの従業員に、毎日やらなくてはいけないことなのです。限界を迎えるまでやらなくてはいけません。そして限界は来ます。
誰もが、私もそうですが、自分が扱える複雑さのレベルというものを持っています。やがて限界を迎えるまで、それを少しずつ拡張していかなくてはならないのです。そして限界を迎えたところが、その人が担うべき役割です。
驚くべきことに、世の中には異なるバックグラウンドの人がたくさんいて、経験もなしにいきなり極めて複雑なタスクをこなせてしまう人もいます。だから常に従業員を試し続け、任せられる複雑さのレベルを押し上げていかなくてはならないのです。
人を雇う時にもうひとつ注意すべきシグナルは、オフィスの中で誰のデスクのところに行くか、ということです。特に本人に報告しない場合が重要です。もし誰かが個人の席に行って、しかもそのことを座席の主に言わないということは、その人が自分を助けてくれると思っているサインです。
それこそが、あなたの砲なのです。すぐ昇進させて、可能な限り早く仕事のチャンスを与えましょう。
※続きは近日公開!
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