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Henry Winkler's Graduation Speech at Georgetown University(全1記事)

【人生論】考えすぎて動けない時に 不安を止めて前に進むシンプルな習慣

【3行要約】
・俳優ヘンリー・ウィンクラー氏は卒業式スピーチで、自身の困難な経験を振り返り、直感を信じて歩むことの大切さを語りました。
・ビジネスパーソンは頭で考えるより直感を大切にし、自分らしいやり方で時間と空間を想像力で満たすべきだと語りました。
・物質的成功より共感力を重視し、世界のニーズを満たす「フィクサー」として社会に貢献すべきだと学生に呼びかけました。

「場違いな自分」がここに立っている

Henry Winkler(ヘンリー・ウィンクラー)氏:みなさん、こんにちは。いやあ、これは本当にクレイジーですよね。背が低くて、神経質なユダヤ人のこの僕が、世界で最も権威あるイエズス会の壇上に立っているなんて。

グローブ学長、コルバート教務担当副学長、アンドリュー学部長、それからトゥームズ(近くの店名)の素敵なスタッフのみなさん、本当にありがとうございます。

冗談ではなく、今日はみなさんにお伝えしたいことが山ほどあります。でも、それを全部お話しするには時間があまりありません。ここでお話できることを、とても光栄に思っていますし、こうして同じテントの下でみなさんと一緒にいられること自体が光栄です。

息子は「神さまがどうにかしてくれる」派

まずは、保護者のみなさんに話しかけさせてください。きっと共感してもらえると思うんです。

うちの末っ子が「高校で4年間過ごして、もうクタクタだ。大学には行かないと思う」と言ってきました。それで僕は「ちょっと待て。大学には行ったほうがいい。大学は自分が花開く場所なんだ。自分のことを知る場所であり、もしかしたら自分が何をしたいのかが見つかる場所なんだよ」と言いました。

すると息子は「神さまがどうにかしてくれるよ」と言ったんです。それから、今度はこう言いました。「大学に行ってもすぐには仕事に就かない。しばらく家でのんびりするつもりだ」。僕はまた言いました。「ちょっと待て。これから人生を始めるんだよ。仕事をして、自分の将来に向けて土台を作る必要があるだろう?」するとまた、(息子は)「神さまがどうにかしてくれるよ」。

そしてついに仕事に就いて、こう言いました。「週3日だけ行こうと思う。そんなにがんばって働かなくてもいいし」。僕は言いました。「でも、君にはパートナーができた。子どもが生まれるかもしれない。家も必要だし、貯金だって必要だ」。それでも息子は「神さまがどうにかしてくれるよ」。

息子について、僕が確信していることが2つあります。彼は“サボり魔”で、そして彼は僕のことを神だと思っている、ということです。


僕の人生が証明してきたこと「すべてのことは可能だ」

さて、僕はニューヨークのウエストサイドで育ちました。子どもの頃から、役者になることを夢見ていました。どうしてそんな夢を持つようになったのか、どこからその思いが心と身体の中に入ってきたのか、自分でもわかりません。でも、もし「人には生まれつきやるべきことがある」のだとしたら、僕は“役者を目指すように”生まれてきたんだと思います

ベッドに横たわっても、なかなか眠れませんでした。母が部屋に入ってきます。僕は、とても背の低いドイツ人の両親に育てられました。母はこう言いました。「もう寝ていなきゃダメよ」。僕が「でも、役者になる夢を見てるんだ」と言うと、母は「夢を見るにはまだ早すぎる」と言いました。とても“支えてくれる”タイプの、背の低いドイツ人たちでした。

高校では幾何学を4年間取り続けました。通常学期で受け、夏期講習で受け、通常学期、夏期講習、通常学期、夏期講習……。最終的に、1963年8月、Dマイナスでようやく合格しました。そのDマイナスがなければ、僕を唯一受け入れてくれたボストンのエマーソン大学に進学することはできませんでした。28校に出願して、受かったのはそこだけです。

今日、ここで僕がお話しする全体のテーマは、「すべてのことは可能だ」ということです。なぜなら、僕はその“生きた証拠”だからです。

「直感」は頭よりも先に真実を知っている

エマーソンに入学しましたが、ほとんど落第しかけました。それでも、なんとか大学側を説得して、在籍を続けさせてもらいました。自分でも、よくあんな度胸があったものだと思います。

その後、イェール・スクール・オブ・ドラマに進みました。25人の俳優志望者が選ばれ、卒業まで残ったのは11人。その中から、プロの劇団に呼ばれたのは3人でした。僕は週173ドルの給料をもらえるようになりました。「ついにここまで来た、これで道が開けた」と思いました。本当に驚くような展開でした。

それからニューヨークに行き、コマーシャルのオーディションを受け始めました。イェール時代の仲間たちはこう言いました。「コマーシャルなんて信じられない。僕らの美学に反する。自分たちは舞台のために訓練を受けたのに」。でも、彼らの次の質問はこうでした。「どうやったらコマーシャルを取れるの?」。

どうか、くじけないでください。自分の本能に耳を傾けてください。

ここにいるみなさんは、本当に頭がいい。たくさんのことを知っていて、ジョージタウン大学で多くを学んできました。でも、身体で感じている直感のほうが、もっと多くを知っています。その直感があなたに語りかけてくる時は、耳を澄ませてください。疑ってはいけません。

「自分が間違っているかもしれない」「こんな気がするけれど、どうだろう」「ここは離れたほうがいい気がする」。そう感じる時は、その感覚を信じてください。今僕が話していることを、どうか忘れないでください。これは真実です。


ネガティブは「論文」になる前に追い出していい

僕はもともと、ネガティブ思考の持ち主でした。「無理だ」「できない」「絶対ダメだ」「あの子は僕となんか付き合ってくれない」といった具合に、何とかして“システムを出し抜こう”としていたのです。

それで、ネガティブ思考に対する答えを探し始めました。ある時、グルジエフというアルメニア人の哲学者に出会いました。とても分厚い本を書いた人で、「自分の思想を理解できない者には読破してほしくない」と考えていたらしく、僕にはさっぱりわかりませんでした。
その弟子のウスペンスキーの本も読みました。これも分厚い本です。そこから僕が得られたのは、たった1文だけでした。

「あなたは自分の夢に向かって歩いている。夢は、決して頭の中から離してはいけない。そして、自分が何をしたいのかを一度決めたら、迷いなく、それが自分の道だと信じること」。

夢をしっかり頭に抱いたまま、その夢に向かって歩いているとします。そこへ、ふとネガティブな考えが入り込んでくる。すると肩が落ち、うつむき加減になり、そのネガティブな考えは、やがて大きな「ネガティブ論文」みたいに膨らんでいきます。

そのネガティブな考えが頭の中に入ってきた瞬間に、声に出してこう言うのです。「ごめん、今はあなたにかまっている時間はない」と。もちろん、周りの人はあなたを変な目で見るでしょう。でも、かまいません。これを続けるうちに、それがあなたの“習慣”になります。

ネガティブな考えが浮かんだら、それを外に追い出し、その代わりにポジティブなイメージを入れる。僕の場合は、チョコチップがとろっと溶けたバントケーキです。

そうすると、肩がスッと開き、顔が上がり、また夢に向かって歩き出せる。そしていつか、こんなふうに壇上に立って、みなさんに話しかけることができるようになるのです。これは本当の話です。ネガティブな考えにピリオドを打たないでください。


自分の力で時間と空間を満たす

ここにいる全員が「パワー」を持っています。保護者のみなさんも、親戚も、兄弟姉妹も、叔父・叔母も、そしてあなた自身も。すべての人が力を持っています。

そのことにすでに気づいている人もいれば、少しだけ味わったことがある人もいる。自分の中にそんな力があるとは思ってもいない人もいるし、自分の力が怖くてたまらない人もいるかもしれません。

その力は、部屋の隅にうずくまっている毛むくじゃらの怪物のようなものです。いつでも飛びかかれるように身構えている。でも僕は、こう言いたいのです。一歩ずつ足を前に出してみるまで、自分に何ができるかなんて、絶対にわからない、と。

僕がブロードウェイの舞台に立っていた時のことです。LAに戻ったら、まったく仕事が来ない。「君は『ハッピーデイズ』のファンジーだろ。すごくおもしろいし、いいやつだけど、どこまでいっても“ファンジー”なんだよ」と言われました。

それで友人のところへ行って、「仕事がまったくないんだ。助けてくれないか」と相談しました。彼は「自分の学習障害の経験をもとに、子ども向けの本を書いてみたら?」と言いました。僕は「無理だよ。僕自身が学習障害なんだから」と答えました。すると彼は「リンを紹介するよ」と言いました。

物事には「唯一のやり方」なんてありません。あるのは、あなた自身のやり方だけです。あなたは、ただ時間と空間を“埋めるため”に雇われるのではありません。その時間と空間を、あなたの想像力で、そして今から見つけていくその力で満たすために雇われているのです。
あなたはすばらしい存在です。そして「何だってできる」のです。本当に、何だって可能なのです。

「人間らしくある」ことを選ぶ

少し前、この街でこんなことが言われました。「アメリカの問題は“共感力”があることだ」と。なんてばかげた話でしょう。確かに、物質的に“良い暮らし”をすることはできます。たくさんのものを手に入れて、家を埋め尽くし、庭にも、倉庫にも物を詰め込むことはできる。

でも、“豊かで満ち足りた人生”、愛に満ちた人生は、そうやっては手に入りません。あなたが誰かに向けて注ぐ愛、そして両親や家族、友人、あるいは空港の列でたまたま隣り合った見知らぬ人との会話から受け取る愛で満たされる人生です。

「人間であること」と「“人間らしく”あること」は違います。スティーブ・ジョブズも言いました。どうか、あなたが「人間らしくある」ことを選びますように。僕は、あなたがそうなることを心から願っています。


「自分にもできる」と気づく瞬間が来る

すべては可能です。あなたには、自分に何ができるのか、まだ想像もつかないはずです。今は遠い先のことのように思えるかもしれない。

明日から社会に出ていくと考えると、正直怖いでしょう。でも、外の世界に出て、ふと周りを見回した時に、「あれ? 自分にもできるぞ。何も謎なんかない。自分はちゃんと準備ができている。いい人間だ」と気づく瞬間が来ます。

“フィクサー”として行ってらっしゃい

どうか「自分のベストバージョン」であろうとしてください。なぜなら、この世界には、癒されるべき痛みがあり、満たされるべきニーズがあり、それを満たせるのはあなただからです。

もしあなたが、自分の力を最大限まで発揮しなければ、永遠に満たされないままの何かが、きっとこの世界に残ってしまいます。歩き始める前から、一歩目を踏み出す前から、言葉を発する前から、声を上げられない子どもたちの“代弁者”になることだって、あなたにはできます。

正直に言うと、僕はみなさんのことをよく知りません。さっき何人かとは会って、一緒に写真も撮りました。将来の記者であるミス・コンとも会いました。でも、多くの人のことは、まだよく知りません。

それでも、心の真ん中、“芯”のところから、こう言わせてください。僕は、みなさんを本当に誇りに思います。みなさんが、自分の力でこの席に座るまでに歩んできた道のりを、僕は誇りに思います。そして、これからみなさんがどんな人になっていくのか、それを見るのが待ちきれません。

この世界は、これからあなたたちのものになります。そして、この世界は“修理”を必要としています。どうか、あなたたちがその“修理する人=フィクサー”になってくれますように、と心から祈っています。

それでは、行ってらっしゃい。

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