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Hank Green Address to MIT Class of 2025(全1記事)

「キャリアは“好奇心の向け先”で決まる」 科学コミュニケーターがMIT卒業生に贈る4つのヒント [1/2]

【3行要約】
・テクノロジーの進化が加速する中、「何に好奇心を向けるか」という問いが、キャリアと人生の分岐点になっています。
・MITの卒業式でハンク・グリーン氏は「資本主義やSNSは私たちの好奇心を特定の方向に誘導する」と指摘。
・同氏は「価値と意味は人から生まれる」と述べ、強力な道具の開発だけでなく、人間のニーズに好奇心を向け、意味ある人生を築くことの重要性を訴えてました。

まずは笑って肩の力を抜こう

Hank Green(ハンク・グリーン)氏:こんにちは。(笑)みんながこうして式に臨んでいるのを見るのは、めちゃくちゃ楽しいよ。だって今から「誰がストールにアイロンをかけたか」ゲームができるから(笑)。最前列の君だけだね。はい、よくできました。ほかのみんなのは折り目がくっきり。みんな自分のストールを見下ろしているでしょう? どう? うん、いいね、かなりいい。

みんなも、あとで互いに話す時にこのゲームをやってみて。そして自分のしわを恥じるといいよ、全員ね。(笑)

さて……ここで少し時間を過ごせて、このとても大切な日に、みんなが本当に見事なことを成し遂げたのを祝えるのは、本当にうれしい。


「場違い」も視点を変えれば強みになる

僕はあまり、インポスター・シンドローム(自分の達成を内面的に肯定できず、自分は詐欺師であると感じる傾向)っていうのはないんだ。僕のはむしろ「優越シンドローム」。別名「またもうまくみんなをだませたぞシンドローム」(笑)。自分が場違いなのはわかってるのに、今回もちゃっかり「ここにいて当然」みたいに思わせることに、ちょっと満足しちゃう。

だから今はまさにその状態。みなさんの中には僕をTikTokerとして知ってる人もいるだろうし、つい最近「AI企業のロゴを下品なジョークでブラインド評価する企画をやった」男でもある。その僕がMITの卒業式でスピーチしている。しかも、もう誰も僕をステージから降ろせない。(笑)もう始めちゃったからね。

骨トリビアで始まるちょっと変わった感謝

というわけで、ここにいるからには、ちゃんとやるよ。招いてくれて本当にありがとう。壇上のみなさん、学長、州知事……今日ここで知事に会うとは思ってなかったよ。そして75年卒の同窓生のみなさん、こんにちは。来てくれてありがとう。そしてもちろん、ものすごく優秀で、カリスマ性があって、見目麗しい、マサチューセッツ工科大学・2025年卒業生のみなさんにもお礼を。2005年……いや25年だね(笑)。2005年だったっけ? 歳をとると、ときどきわからなくなるんだ。

じゃあ感謝の気持ちを表すために……人間の平均的な骨格には、2万5,000キロカロリー以上が含まれてる。たぶん、今の文の結びは予想外だったよね。それから、骨の大半は手と足にある。全体の50パーセント超が手足だけ。さらに骨は酸素原子がめちゃくちゃ多い。もしその酸素原子を全部取り出して解放できたら、24時間以上分の呼吸に足る空気を作れるんだ。これが僕のベスト骨トリビア。ふつうの人間が感謝を伝えるベストな方法は骨ネタだ、って僕は思ってるわけ(笑)。今日は特別に良いやつを出した。みんなに特別な感謝を伝えなきゃいけないから。


アンケートが映した卒業生の素顔

というのも、2025年卒のみんなには恩がある。僕は全員にアンケートをお願いしたんだ。そしたら半数以上が答えてくれた。たぶん、本当は課題をやっているはずの時間にね。でもこっちをやってくれた。感謝しているよ。回答を読むのは本当に楽しかった。みんなのことを少し知れたし、みんなから少し学べた。

質問のひとつに「MITで一番“MITらしい”ことは何をした?」って入れた。ここが一番読むのが楽しかった。というのも、僕向けには理解不能なやつも混ざってたから(笑)。多くの人がハーバード橋で「スムート(※MITの非公式長さ単位。1 smoot=約170cm)」を数えたと書いていた。いいじゃない、君たちには最高なんだろう、僕にはよくわからないけど(笑)。ありがとう。

ビーバーのティム(MITのマスコット)をやった人もいた。これはもう究極にMITだね。で、今テレプロンプターを見て気づいたんだけど、TimってMITを逆さにした綴りなんだね。今日初めて知ったよ。いいね。ティムはいつ誕生したんだろう? みんなもう「ブラス・ラット」(MITのクラスリング)を指にはめているのかな。うん(笑)。かっこいい。

それから、デートで電車トリビアを披露して相手を落とそうとした人もいた。これはすごくMIT的。わかるよ。同類は同類を見抜く、僕は骨ネタ担当だけどね(笑)。それと、実に疑わしいくらいにたくさんの人が、この質問にただ一言「ハック」とだけ、めっちゃ 内緒話っぽい感じで答えていた。何をやったかを書かないってことは、まだ時効が来てないのかもね。

一番多かったのは「作った」という答え

でも、このパートで圧倒的に多かった単語は間違いなく「作った(built)」だった。君たちは作った。橋を、ロボットを、インキュベーター(培養器)を、スタートアップを、ガイガーカウンターを、直径8フィートの周期表を、そしてウクレレも。ウクレレの人いる? やあ。調子はどう? 今日はいい日だね。最前列だ。ほとんど観客いじりしたくなるけど、卒業式スピーチってそういうもんじゃないよね。

言いたいのは、みんなが本当にたくさん作ってきたってことだ。僕にとって、それはすごく心強い。というのも、これから世の中には、とてつもなく多くの「ビルド」が必要になるから。さっき入場する時、みんなの靴をつい観察しちゃった。いや、実は見なくてもわかってた。あの靴は、僕にはとても履けないって(笑)。


内側の分断と外側の変化の両方が来ている

今、君たちをうらやむ人がいるとしたら、2026年卒くらいだろうね。来年のほうがきっともっとややこしいから。でも今は、世界に出ていく卒業生にとって厄介な時代だ。言論や高等教育、トランスの権利、連邦の公務員制度、法の支配への攻撃がこの国の内側から起きている

これは重い話だ。同時に、世界はかつてない速さで熱くなっている。人工知能・通信・バイオテクノロジーの能力は急加速しており、巨大な機会と同時に大きな混乱をもたらしている。もし僕が君たちの立場なら、きっとアドバイスが欲しいと思うだろう。でもさっき言ったとおり僕はTikTokerだし、そしてこれからは「MITの卒業式で下品な単語を初めて口にした人」として語られるんだろう(笑)。

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