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Bill Gates NAU Commencement Address 2023: 5 things I wish I heard at the graduation I never had(全1記事)

中退者だからこそ伝えられる、ビル・ゲイツ氏の“本当の学び” 未来を切り拓くための5つの教訓

【3行要約】
・多くの卒業生が将来への不安を抱える中、キャリア形成や人生設計について悩むビジネスパーソンも少なくありません。
・マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は2023年、自身が経験しなかった卒業式で「卒業式で聞きたかった5つのこと」を語りました。
・人生は一幕劇ではなく変化を恐れず、混乱を受け入れ、重要な問題解決に取り組むことが成功への鍵だと提言しています。

経験できなかった卒業式で語る「本当の学び」

Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏:みなさん、こんにちは。クルス・リベラ学長、アリゾナ州理事会のみなさま、この大きな名誉をありがとうございます。NAU(ノーザンアリゾナ大学)の優れた教員・職員のみなさんとここでご一緒できることを心からうれしく思います。

ご家族や友人のみなさん、ようやく肩の力を抜ける時が来ました。今日はみなさんにとっても大切な成果です。ぜひ拍手を送りましょう。

卒業生のみなさん、本当におめでとうございます。キャップストーン(卒業課題)もインターンシップもやり遂げました。ジュニアライティングの授業も、数々のテキーラ・サンライズの夜も乗り越えました。Museum Club(NAU生に人気の地元バー)で最後の「Dime’s Night(格安ドリンクナイト)」を過ごし、コリンズ寮のラバーダック(学生の卒業記念グッズ)も手に入れましたね。

そしてうれしいことに、私もみなさんの仲間入りです。私は名誉博士号を授与され、名誉のドク(博士)になりました。

NAUの教育が持つすばらしい価値をみなさんと一緒に称えるために、ここに立てることを光栄に思います。みなさんはチャンスを生み、イノベーションを育み、コミュニティを築く大学を卒業しました。

そして、今日直面する最大の課題に立ち向かう力を備えています。NAUは私が受けられなかったもの、本物の大学の学位を、みなさんに与えてくれました。ちなみに、私は大学を3学期で中退し、マイクロソフトを立ち上げました。


私が卒業式で聞きたかった5つのこと

では、大学中退者が卒業について何を知っているのか? 正直、あまり多くはありません。
しかし今日の準備をする中で、みなさんがここで学んだ教育をどう活かして、世界に大きなインパクトを与えられるかを考えました。

思いを巡らせたのは、私が経験しなかった卒業式です。聞けなかったスピーチ、受け取れなかったアドバイス。今日ここでみなさんにお伝えしたいのは、その「私が聞きたかった5つのこと」です。

人生は一幕劇ではない

最初の教訓は「人生は一幕劇ではない」ということです。

「この決断が一生を左右してしまうのではないか」と、今、キャリアの選択について大きなプレッシャーを感じている人もいるでしょう。

しかしそうではありません。明日選ぶことも、これからの10年に歩む道も、永遠に続く必要はないのです。

私も大学を辞めた時、「一生マイクロソフトで働くだろう」と思っていました。今もソフトウェアには関わり続けていますが、現在の本業は慈善活動です。気候変動に立ち向かい、世界の不平などを減らすために、人々と協力して新しい取り組みを進めています。

ゲイツ財団がすばらしい活動を支援できることを幸運に感じています。22歳の頃には想像もしていなかった未来です。

考えを変えること、セカンドキャリアを持つことは「許される」どころか、むしろすばらしいことなのです。

どんなに賢くても迷うことはある

2つ目の教訓は「どんなに賢くても迷うことはある」ということです。

大学を辞めた時、私は「必要なことはすべて知っている」と思っていました。しかし、新しいことを学ぶ第一歩は、「知らないことを受け入れること」です。

キャリアの中で、必ず「自分ひとりでは解けない問題」に直面します。その時は慌てず深呼吸し、じっくり考え、そして知恵のある人から学んでください。それは経験豊富な同僚かもしれませんし、同じ卒業生かもしれません。専門家がDMに答えてくれることだってあります。

私が成し遂げられたことはすべて、「自分より多くを知る人から学ぶこと」で可能になりました。人はあなたを助けたいと思っています。鍵は「恐れずに頼むこと」です。

学校は終わっても、人生はこれからもずっと「学びの場」です。


大きな課題を解決する仕事に向かえ

3つ目の教訓は「大きな課題を解決する仕事に向かえ」ということです。

幸運なことに、みなさんは解決すべき重要な課題が山ほどある時代に卒業を迎えています。新しい産業や企業が次々と生まれ、生活の糧を得ながら社会に貢献できる機会は広がっています。

科学や技術の進歩によって、世界に大きなインパクトを与えることはこれまでになく容易になりました。

例えば、林学を学んだみなさんの中には、ドローンやライダーを使って森林の正確な地図を作る人もいるでしょう。その技術を気候変動対策に応用できるかもしれません。

また、AIの分野に進む人もいるでしょう。みなさんの才能を活かして、すべての人がAIの恩恵を受けられるようにし、AIに潜む偏りをなくしていってください。

大きな課題を解決する仕事に取り組む時、人は最良の仕事をするためのエネルギーを得ます。創造性が引き出され、人生に明確な目的が生まれます。

友情の力を過小評価しない

4つ目の教訓は「友情の力を過小評価しない」ことです。

学生時代、私はSF小説やコンピュータ雑誌を好む友人と出会いました。その友情がどれほど重要になるか、当時の私は知りませんでした。その友人の名はポール・アレン。彼と私は一緒にマイクロソフトを立ち上げました。

講義で隣に座った人、雪合戦をした人、ウィンゴ・ナイト(ビンゴとチキンウィングを組み合わせた学生イベント)で競い合った人……彼らは単なるクラスメイトではありません。未来の共同創業者であり、同僚であり、ネットワークです。

今日壇上を降りる時に持ち帰るものの中で、最も価値あるのは「共に歩む仲間」なのです。

自分に少しの余裕を与えることは怠けではない

最後の教訓は、私自身が最も必要としていたものでした。学ぶのに長い時間がかかりました。

それは「自分に少しの余裕を与えることは怠けではない」ということです。

若い頃の私は休暇を信じていませんでした。週末すら認めていませんでした。マイクロソフトでは周囲に厳しすぎる要求を課し、オフィスの窓から駐車場を見下ろして、誰が早く帰り、誰が遅くまで残っているのかを気にしていました。

しかし年齢を重ね、とりわけ父親になってから気づきました。全力で働き続けることが、必ずしも最高の仕事や豊かな人生につながるわけではないのだと。

私のように長い時間をかけて学ぶ必要はありません。人間関係を大切にし、成功を祝福し、失敗から立ち直る時間を持ちましょう。必要な時には休みを取り、周囲が助けを必要としている時には、力を抜いて寄り添いましょう。

そして次の人生のステージへ進む前に、一度立ち止まり楽しんでください。今夜、この週末、この夏、あなたにはその権利があります。


未来はあなたたちのもの

2023年の卒業生のみなさん、未来はあなたたちのものです。

気候危機を解決し、格差を縮めるのは、きっとあなたたちです。未曾有の時代に大学生活を送り、その歴史を刻んできたみなさんなら、この先も新しい歴史を築いていけると私は信じています。

世界をどう前進させていくのか、それを目にするのを楽しみにしています。

卒業、本当におめでとうございます。Go Lumberjacks!

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