2024.10.01
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ダートマス大学 卒業スピーチ 2018 ミンディ・カリング(全1記事)
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ミンディー・カリング氏:2018年の卒業生のみなさん、教員、ご両親、祖父母、名誉ある卒業生のみなさん、おはようございます。このような特別な日にみなさんと一緒に参加できることをとても名誉に思います。
今日みなさんに、この巨大な木の切り株の後ろからお話しできることも、とても名誉に思います。まるで高学歴の、女性版Lorax(アメリカの子供向けの本)のようです。
御察しの通り、私はこのスピーチの早い段階でドクター・スースのことに触れたいと思います。なぜなら、ダートマス大学の卒業生は、アイビーリーグの中でもユニークな特権があるからです。
つまりそれは、私たちの人生においてドクター・スースのような「ミニエキスパート」になることを余儀なくされるだろうということです。
死ぬとき私は「ドクター・スースの本名がセオドア・ゲイセルだと知ってた? 彼がダートマスのJack-O-Lanternの編集者だと知ってた? 」と言うでしょう。そしてアメリカの大統領は誰もダートマス大学大学を卒業していないので、少なくともドクター・スースの素晴らしさを主張できますね。
その他の偉大な卒業生は、10,000ドル札に印刷されている、サルモン P.チェイス氏です。実生活ではあまり使用されない、ちょっと無意味な巨大な金額のお札に彼は印刷されています。まるで、私がこの大学でもらった劇作家の学位と同じようです。学費を払ってくれた父と母に感謝します。
花崗岩の州であるニューハンプシャーに戻ってくるのは、とてもワクワクします。なぜなら、ここは二つのことで知られているからです。一つは、法的にシートベルトしなくていいこと。二つ目はアダム・サンドラーの出生地であることです。
ニューハンプシャーはどの州よりも素晴らしいモットーがあります。それは「自由に生きろ、さもなければ死ぬのだ」というものです。外部の人にとってみれば、この自由を重んじる宣言はとても魅力的にうつります。しかし、一月にニューハンプシャーにいる人にとっては、死を選ぶのは非常に最適な選択だと思うようになります。
くしゃみをして、鼻水が地面に落ちる前に凍ってしまうような寒さを思い出します。私が今住んでいるロサンゼルスでは、くしゃみをしたら医者をよび、十代の陸上選手の血液と交換してください、というだけです。ロサンゼルスではそれが普通なことなので、今わたしの血液は非常に健康ですよ。
このスピーチを進める前に、両親にとって、祖父母にとって、聴衆のみなさんにとって一体私が何者かを明らかにする必要があると思います。みなさんはおそらく、「このうるさいインド女性は誰だ? Quantico(アメリカのテレビドラマ)の出演者か? 人としてちょっとダメなんじゃないか? 」と思っていることでしょうから。
私はプリヤンカ・コープラでも、パドマ・ラクシュミでもありません。私は他のインド女性で、テレビに出演することを許可されている、ミンディー・カリングです。ありがとう、ありがとうございます。
みなさんはThe Officeというドラマで、私を覚えているかもしれません。ネット上のコメンテーターは私のことを「けたたましい」とか「スティーブ・カレルのような優秀なコメディアンにたどり着くまでの、貴重な時間を費やしてしまった」と言いました。
やがて私は自分のテレビ番組ミンディープロジェクトを製作し、実際出演しました。本当にありがとう、ありがとうございます。この番組を放送するため、非常に困難な戦いをしいられましたが、その価値はありました。
なぜなら、私はこの卒業式でスピーチができる、最も成功したマイノリティの女性の卒業生となることができたのですから。いやいや、ションダ・ライムズがいました。彼女は私よりも10以上もの番組を制作しました。素晴らしい、素晴らしい! 彼女は素晴らしいロールモデルですよね。
しかし、今日は女性の卒業生のみに言及しようとはしません。非常に困難な学生生活を切り抜けた、この国をより良い方向へ導くことができるであろう、男女の卒業生に言及します。
もちろん、51パーセントのダートマス大学の卒業生は、経済や金融業へ行くことはわかっています。アイビーリーグの中でもかなりの割合の卒業生が金融業へ進みますね。左右を見てください。少なくともここにいる3人に一人はホワイトカラー(高収入な人)の牢獄で少なくとも10年は過ごすことになるでしょう。
本当の社会へ進み出すのは少し怖いことだとわかります。しかし同時にワクワクすることでもあるのです。最終的にみなさんは、自分の人生をコントロールすることになります。みなさんが死んでしまうことを恐れ、強度のアルコールを飲むなという理事会はもはやいなくなります。
明日になれば、誰もあなたのアパートに4,99ドルのUncle Satanのポテトヴォッカをアパートに持ち込むことを止めることはできません。はしゃいでください。
今ここに立ち、みなさんにスピーチをしていることが私にとって本当の熟考の瞬間です。なぜなら、私のダートマス大学の卒業式を思い出させるからです。マデレーン・オルブライトが卒業式のスピーカーでした。私は彼女が残した素晴らしい言葉や、そのスピーチの要旨を思い出せません。ただ思い出すのは、自分の携帯電話を持てたらどんな感じだろうということを卒業式中に考えていたということです。
物事は変わりました。今の時代なら、この今の瞬間をInstagramストーリーに上げられたり、GIFにしてアップロードできますよね。みなさんがそうするなら、ぜひMindyGoesBigGreenTwentyEighteen(ミンディーは大きな緑の18に戻った)とハッシュタグをお願いします。ありがとうございます。
インターネット時代の前を誰も知らないと思います。最悪なことに、みなさんはFacebookページ「Dartmouth Memes for Cold AF Teens」がある前の時代を知りませんよね。
はいはい、私はそれについて知っていますよ。まるで本当にそれを少しずつ研究している気分になりますね。「こんにちは、私は38才のこのティーンエイジャーのFacebookグループに参加したい女性です。これはリサーチのためです! 宣言します!」という感じですね。
私が大学生時代の時は、Googleもありませんでした。もしみなさんが、例えばベン・アフレックが何をしているか知りたいなら、運がないどころの話ではありません。ただ座って1日を無駄にするしかなかったのです。
また、もし友達と会いたくても、テキストメッセージを送ることもできませんでした。外に出て、偶然友達に出くわすことを願うばかりでした。それか「blitz」するしか手段はありませんでした。これはBlitzMail(ダートマス大学で使用されていたメールシステム)のことです。
blitzを友達にしたと人々に話し、彼らがそれを知らなかったとことを知った気持ちがわかりますか? 当時のダートマス大学生は、彼らに「あぁ、それはダートマス大学のシステムだよね。」と自慢げに話したものです。しかし今日ではそんなことはありません。もし100ヤード東のホワイトリバージャンクソンでblitzといえば、Choateの部屋であなたに笑いかえすでしょう。
面白いことに、2001年、私が大学を卒業した年に伝染性結膜炎が流行しました。理由は私たちが公共のiMacコンピューターでBlitzMailを使用し、手を洗わなかったためです。この話は私の学生時代を表す面白い話だと思います。
みなさんは多くの素晴らしい新しいものに囲まれています。ダートマス大学の新しいロゴ、Dパインを見てください。綺麗ですね。でも私は、大学時代のミンディーだったらそのロゴからマリファナの葉を想像するだろうなことを今は思ってしまいますが、実際にそれを調べるのはちょっと怖いですね。
それに今の寮システムは素晴らしいです。まるでホグワーツみたいですよね。サウスハウス、ウェストハウス、スクールハウスと呼べば、まるで小さなグリフィンドールやレイブンクローみたいです。
みなさん、いいでしょう。スクールハウス? 本当に? 見たままのことを言ってるみたいですね。これは人生で聞いた最も怠け者の名前です。まるで私が10年以上にわたって出演した、THe Officeやミンディープロジェクトの名前のようですね。
今でもみなさんが座っていた場所に、私も座っていたことを覚えています。たくさんの疑問を抱えて座っていました。たとえば、「いつまでこのスピーチが続くの?」「何人の友人をディナーに誘えるかな。お母さんとお父さんが払えるのかな?」。そして最も重要な疑問は、「なんでガウンの下に何も着なかったんだろう」というものでした。
スピーチは、「夢を追って」というみなさんを高みにあげる部分へと入っていきます。
一般的にアドヴァイスは人生を変える方法にはなりません。もし、人生を素晴らしいものに変えることが素晴らしいアドヴァイスを聞くことになるとしたら、TEDトークを見てる全ての人がミリオネアになっているでしょう。
ですから、どうやったら成功するかというストーリーは信じないでください。
マデレーン・オルブライトが卒業式に行ったスピーチを私は何も覚えていませんが、見て、私は自分でその方法を見出しました。
ですからここで、実用的なアドバイスをお伝えします。みなさんは覚えるかも、覚えてないかもしれませんが、言いますね。なぜならこれがこのスピーチの目的だから。
一つ目。履歴書に、「Wordができる」と書くならそれを消してください。バカバカしいです。あなたはそこで大きな能力の底を削っています。Wordが得意になる方法は、コンピューターにあるWordを開けることなのですから。
二つ目。大学卒業後の生活は、単純に書類に記入してくことです。車の保険、健康保険、W-2s. W-4s, 1099s。なんだか推測できますか? これらの用紙の意味が誰もわかりませんが、死ぬ前に何万もの書類にサインしてくことになるのです。
三つ目。あなたは一つのパンケーキ以上のものは必要ないということです。このことを信じてください。漫画は私たちに、悪い男たちがどれほど多くを欲しがるのかを教えてきましたが、まず一つを注文したあとにどのように感じるかを理解してください。
四つ目。これは男性のために。デートで話をする女性は、あなたが嫌うオンライン雑誌のレポーターのように行動することを心得てください。女性をよく扱うために、人目にふれることやそれをさげすむ必要はありません。しかしそうなってしまいそうですよね。でもいいんです。デートはみんなが見ているものなんです。私たちがそうしているようにね。
五つ目。これが一番重要かもしれません。トイレ用のラバーカップを買ってください。このことを信じてください。ラバーカップを買うためのラバーカップが必要になるまで待たないでください。
スピーチは両親へのメッセージに変わります。空っぽの家を過去4年間楽しんだでしょうか? このスピーチが終わるように、あっという間だったでしょう。私はみなさんが、家賃を払わない、洗濯をしない、食べ物を冷蔵庫からとって食べ、ファミリーガイ(アニメ)をソファーに座ってずーっと見てしまう、フルタイムの宿泊者を歓迎することを祈ります。それがあなたの人生だから。
ある卒業生は、あなたがたよりも多くの収入を得るでしょう。51パーセントの卒業生は確実にそうなると思います。バンカー、コンサルタント、ヘッジファウンドのアナリストへ投資したご両親のみなさん、おめでとうございます。みなさんのお子様はお金持ちになるでしょう。
でも、どうにか携帯電話の家族割プランはシェアしてあげてくださいね。そこに、「みんなのお金はシェアしよう」という引用を付け加えさせてください。
では現実へと話をシフトします。みなさんのばんそうこうをはがさせてください。来年、みなさんの生活は悪い方向へと向くでしょう。ダートマス大学の母なる子宮の中で快適な環境に4年間置かれていましたが、みなさんはまもなく冷たく厳しい世界へと歩き出します。
厳しい現実世界では、あなたの背後を狙っているものがいることでしょう。人々はアイビーリーグの卒業生に彼らの想像を押し付けたいのです。あなたが変わり者で、甘やかされ、そしてsummerを動詞で使っているいう風に。このような偏見には理由があります。10,000ドル札に載っている男性はこの大学を卒業したんですよ。
全てが崩壊しそうな世界へと卒業後みなさんは放り出されます。公共機関の信用性は最低を記録しています。真実はどうでもいいようです。みなさんご存知の通り、大統領は存在もしない国、Wakandaとの戦争について私たちにツイートしているくらいですから。
ですから2018年の卒業生のみなさんは、今にも崩れそうな世界へと歩き出すことになります。ジェンガタワーのように崩れそうになっています。そして私たちは、あなたたちがこれを建て直すことにかけています。しかし、不安定な世の中でどうやって知識を使っていけばいいのでしょうか。
私の秘密を教えます。何年ものあいだ私を前進し続けさせてくれたもの、私のスーパーパワーは、「思い込み」です。
このことを、おそらく私は今の大統領と分かち合うことができると思います。恐ろしい側面、興味深い側面と共に。2年目になるころには、私たちは彼はアメリカのラッシュモア(大統領が刻印されている山)には刻まれないと安全に言うことができるでしょう。
私のポイントは、みなさんは確固とした自信を持たねければならないということです。たとえそれ嘘だとしてもです。今みなさんは自分のチアリーダーにならなければなりません。なぜなら、今、ポンポンを持って「やったね! みんな、あなたが成功するその時を待っていたんだよ!」と教えてくれる大勢の人々はいないのですから。
ですから私は、みなさんが自分自身を応援し、励ます許可を与えます。みなさんがそうするように周りの人を応援し、励ましてください。成功とは、ゼロ・サムゲーム、つまり勝ちか負けかといったことではないと気づくのに私は長い時間がかかりました。これは次のスピーチのテーマに続きます。
私は女性たちと話すのに、少し時間がかかると思いました。男性のみなさんは休憩してください。ここに集中することはありません。次の30秒を女性として同じ仕事をした場合、どれくらいのお金が稼げるのかということに使ってくれることになるかもしれません。とてもいいことですけどね。
女性のみなさん、お互いをサポートするために、いい仕事をする必要があります。私はその部分で、悪いことをしたことを認めます。私たちは今、ある場所において、私たちの中のたった一人だけにその椅子があると認めているような世界に生きています。
ですから、他の女性が進出してきた時に思うのです。「いやだ、彼女は女性の地位を奪おうとしている。ここは私のポジションのはずだったのに」というように。
しかしこれは、ある特定の人が私たちに望んでいるリアクションなのです。私たちの椅子が限られているというシステムを崩すために、一緒に働いたほうがいいのではないでしょうか? なぜなら、私たち女性が一緒に働けば、様々なことが達成できるからなのです。
たとえ、一番高いダイヤモンドネックレスをメットガラで奪うようなことになっても、6月8日に公開される、私が出演しているオーシャンズ8の映画であってもです。目的を達成するために、私がしたように、女性のみなさん、脅威から自分自身の角笛を鳴らすことを恥じないでください。
男性の諸君、戻ってきてください。何も聞き逃してはいませんよ。ただ、オーシャンズ8を見逃さないでください、ということを言っておきますね。
少し、ダートマス大学の学生であった、ミンディー・カリング、私のことについてお話ししたいと思います。
私がハノーヴァーに来たのは1997年の秋で、みなさんと同じように、希望があって、野心的で、そして本当にブラックアイドピーズにはまっていました。17歳の時にたどり着き、新しい状況を理解し、すぐに達成したい項目のチェックリストを作成しました。卒業する2001年までに、全ての項目をやり遂げると自分に言い聞かせました。
ここに私が記したチェックリストがあります。ハノーヴァークルーになること、ロッジクルーになること、アカペラグループに入ること、即興劇団に入ること、ベントレーで公演される劇を書くこと、アニメを作ること、そして新入生をナイスにすることなどがあり、なんと全部成し遂げました。
でも「どうしてこの女性が17年も前のチェックリストの達成を自慢しているの」と考える前に、私の話を聞いてください。
卒業した私は、20代のためのチェックリストを作りました。27歳までに結婚し、30歳までに子供をもち、オスカーを受賞する。私のテレビ番組のスターになり、MTVミュージックアワードの司会者になるとあります。それをやり遂げる間に、サイズ2の服が着れるようになるともあります。
実際のところ、私はリストのうちの一つしか達成できていませんし、他の項目をクリアできるかも定かではありません。そしてこれは恐怖を感じさせます。なぜなら、21歳の時に望んでいた人物像とどれだけかけ離れているかを知ることになるからです。
個人的な話を言います。12月に私の娘を出産後、初めて娘と一緒に家に戻った時のことを覚えています。「テレビドラマや映画だと、この瞬間、お母さんや配偶者が集まって、この瞬間を分かち合うものなんだ」と。でも、今ここにどちらもいない。その瞬間、「私一人で全部やっていけるのか」と怖くなりました。
しかし、その恐怖は消え去りました。なぜなら現実は私一人がやっていた訳ではないかったからです。私は私を愛し、サポートしてくれる家族や友人に囲まれていたからです。そして私の娘、キャサリンと一緒にいることで喜びを感じ、私のチェックリストは重要性を持たなくなりました。
ですから、みなさんにただ言いたいのは、みなさんが物事を決められた順序で達成できないこと、またある事柄を達成できないということを恐れないでということです。
私は結婚する前に自分が母親になるなんて考えたことはありませんでした。しかしそのようになったのです。そしてそれを変えることはできません。そして今日の朝食の前にデザートを食べました。でもそのようになったんです。そしてそのことを変えようとは思いません。
アドヴァイスに付け加えるとするなら、もし今みなさんにチェックリストがあるならそれはいいことです。よく構造化された野心は時にやる気を引き起こします。しかし同時に流れに任すことも大切です。私のスピーチの中で蓄積されたアドヴァイスは、ディズニー映画、アナと雪の女王の歌になります。
今日は多くのことを話しました。深刻な部分だけではなく、以下のようなことを伝えたかったからです。私の人生はこうなるはずではなかった。でもこの人生を生きています。
私は、今あなたたちが座っている椅子に座っていました。そして私は「なぜ私はできないのか」と呟きました。そして私はそれを17年間呟き続けました。そして私は今ここにいます。
それは、この学校の誰かが、この大学の卒業式でスピーチをするといういうまでもなく素晴らしい価値が私にあると決断してくれたからです。
誰かに自分は何も成し得ない人物だと言わせないでください。そして何より自分自身がそう思わないでください。ただこのことを覚えてください。「どうして自分はできないの? いや、自分はここまでやり遂げたんだ」ということを。
ありがとうございました。
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