2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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このイメージがニッチ市場です。そして皆さんのネズミ捕りは他の誰よりも優れているという状態。シリコンバレーでは多くの人がマーケターに全く価値を見出さない。私だって物理学を学んでいた時にはマーケターなど不要だと思っていたし、皆さんはとりわけエンジニア専攻ですからマーケターの必要性を感じていないのではないでしょうか?
「プロダクトをつくりさえすれば人は集まる」、シリコンバレーではマントラのように唱えられている言葉ですが、私はそうは思いません。人を集める為にはそれなりのことをしなくてはなりません。
Facebookがアメリカ国内だけにフォーカスしている間に、各国で似たようなSNSが成長していたのです。どのように国際展開していくか、というのがFacebookの乗り越えるべき壁でした。
そして壁を破り続けることこそが成長の鍵でもあります。Facebookは大学生限定というポイントからスタートし、Facebookを利用する大学数を増やすことで壁を乗り越えてきました。そして大学生から高校へ。高校生への浸透はFacebookが直接働きかけた結果ではないものの、その時まさにFacebookは今後も成長出来るか否か試されていました。
その後、高校生から全ての人へと浸透していきました。物凄い時期でしたね。5千万ドルも成長したのですから。その後また壁にぶち当たりました。この時点でFacebook内部では「1億人以上のユーザーを獲得できるSNSなど不可能なのでは」という疑問が湧き上がっていました。
今となっては馬鹿げた疑念ですが、当時はそれを可能にしたSNSは存在しなかったので実現不可のように思えたのです。どんなSNSも5千万から1億人のユーザー止まり。1億人以上のユーザーを集めるなど不可能だと思えました。
そこで、グロースチームが発足します。私達がフォーカスしたのは2つです。まず、14日間で皆の友達リストに10人を追加すること。ユーザーにFacebookの真のすごさを実感してもらうのです。マーク・ザッカーバーグがこのポイントを引き出してくれました。
私達がデータ分析することに気を取られ、原因は何か? どこにどうこの問題は比例しているのだろうか? と考えている時にマークに「友達と繋がることが出来ないのにFacebookをアクティブに使いたいと思うか? バカか?」と言われました。
遅いスタートでしたが、速く動きました。私達はコミュニティ翻訳プラットフォームを立ち上げました。プロの翻訳者ではなくユーザーにサイトを翻訳してもらったのです。12時間でフランス語への翻訳が完了しました。
今日までに104の言語がFacebookによって、Facebookの為に翻訳されました。そのうちの70から80%がこのコミュニティの力で完成しました。こんな風に、後にスケールする為に時間をかけてやってきました。
もうひとつ大切なポイントは翻訳する言語に優先順位をつけること。当時メインと考えられていたのはフランス語、イタリア語、ドイツ語にスペイン語の4つでした。中国語もメインでしたが、当局にブロックされてしまいましたから。
では今日の言語の分布を見てみましょう。イタリア語はもうリストから消えています。フランス語とドイツ語の数字もとても小さいですね。昨年、ヒンズー語のユーザーが4倍に跳ね上がりました。
今日の世界のあり方に基づいて仕事を進めてしまう、これがとても犯しやすい間違いです。そして多くのSNSがそのミスを犯しています。私達は不確定な未来に備えて、スケーラブルな翻訳インフラを整えて全ての言語に対応しようと動きました。
これが今日カバーしておきたい戦略のポイントです。バイラリティから始めましょう。バイラリティは2つの観点から考えることができます。アダム・L・ぺネンバーグが『バイラル・ループ』という素晴らしい本を書いています。
内容はバイラル・マーケティングで成功した数々の会社のケーススタディです。バイラル・マーケティング、広告に興味がある皆さんは必読です。ディビッド・オグルヴィの『売る広告』も素晴らしい本です。私がFacebookに入った時、ショーン・パーカーがプロダクトのバイラリティを考える為の素晴らしいビジネスモデルを教えてくれました。
3つのポイントがあります。まず、ペイロード。つまりバイラルの爆発が起きた時に何人の人をキャッチすることができるか。次に、コンバージョンレート。3つ目はフリークエンシー。これがプロダクトがどれだけバイラルであるかを考える為の基本です。
Hotmailはバイラルマーケティングの素晴らしい例です。Hotmailがローンチした当時、多くのメール会社が資金を募り、多額を既存の広告につぎ込んでいました。当時のEメールは、必ずISPと連動していなければならなかったのです。
Hotmailと他のいくつかの会社が、人々がどこからでも自分のEメールアカウントにアクセスを可能にしました。図書館のインターネットでも、学校のインターネットでも大丈夫です。これは非常に重要な変化で、外からもメールにアクセスしたいと思っていた人達は大変喜びました。
他の会社がテレビで大掛かりなキャンペーンCMをしたり、ビルボードや新聞に広告を載せたりしていた反面、Hotmailにはそこまでする資金的余裕がなかったので、それ以外の方法を考えざるを得なかったのです。
彼らが取った方法、それは送信されるメールの最後に「Hotmailから送信。無料メールはこちらから」と一言とリンクを付けておくことでした。
しかし、フリークエンシーは高いです。同じ人々に何度もメールをする訳ですから、その人に対し1日に数回サービスを打診するようなもので、これがHotmailに対する印象を強くします。
コンバージョンレートも同じく高いです。なぜなら人々はISPと直結したメールアカウントに嫌気がさしていたのですから。Hotmailは高いフリークエンシーとコンバージョンレートにより、物凄くバイラルになりました。
PayPalも良い例です。PayPalが面白いのは二面性を持っていることです。バイヤーでありセラーでもある。もうひとつPayPalが面白いのは、そのバイラルグロースのメカニズムがeBayに起因していることです。
明らかにバイラルではないものでもバイラリティを上げる為に使うことができます。PayPalのコンバージョンレートは非常に高かった反面、フリークエンシーもペイロードも低い。しかし、PayPalは友達を紹介してくれた人にはお金をあげていた。
このようにして消費者サイドにバイラルを起こしました。同じことをeBayのセラーに対してする必要はなかった。なぜなら「このサービスを通じてお支払しますから」と言われれば、セラーはそのサービスを利用せざるを得ないからです。
消費者サイドでバイラルが起きたのは当然で、「新規会員登録をしてくれたらもれなく10ドルプレゼント!」と言われて登録しない人はいないですよね?
彼らにバイラルが起きたのは彼らのコンバージョンレートがバイヤーサイドでもセラーサイドでも非常に高かったからであり、ペイロードとフリークエンシーが高かったからではありません。
「このプロダクトはバイラルだろうか?」と考える時にはこのようにしてみていきます。FacebookはEメールではなく、口コミによってバイラルを起こしました。PayPalとHotmailの面白い点は、まだ利用していない人がすでに利用している人からメールを受け取らなければ使い始めることがないという点です。
Facebookに至っては、まだサービスを利用していない人に対してアプローチする術がありませんでした。多くの人がFacebookはバイラルマーケティングの成功例だ、と言いますがFacebookは実際にはそのように成功した訳ではありません。素晴らしいプロダクトだったので、利用した人達が次々と周囲の人に勧めたことで、口コミのバイラリティが起きたのです。
※続きは近日公開!
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