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卒業式スピーチ Jonathan Oringer(ジョン・オリンガー)(全1記事)

「情熱のない就職は、ただ道を歩いているだけ」学生起業→億万長者になった男が語る、最高の人生を手に入れる3つの教訓

世界最大のユーザー数を誇る「Shutterstock」のCEOであるJonathan Oringer(ジョン・オリンガー)氏が母校のニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の卒業式に登壇しました。

億万長者が母校の卒業式に登場

素晴らしいゲストのみなさん、そして大学スタッフや学生のみなさん、そしてご家族のみなさん。今日、私はここにいることを、素晴らしく名誉なこととして、大いなる感謝を申しあげます。

実業家としての人生に役立った、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で学んだ3つの教えを、みなさんにシェアしたいと思います。

私は1993年にこの大学で学び始め、1996年に卒業しました。在籍中はコンピューターサイエンスと数学を専攻していました。すばらしい時間を過ごし、多くのことを学びました。

20年前の学生になった気持ちで、スピーチを書くならどうするか考えました。当時の私なら、前の晩の22時に作業を始め、コーヒーをたくさん飲み、そしてピザを頼み、その当時、重さが12ポンドあったラップトップパソコンを開いたでしょう。そして、緊張してしまって訳のわからないことになったかもしれません。

今回のスピーチですが、未知なる可能性と力にあふれたみなさんを前にするという、責任を重大に考え、準備を5週間前に始めました、そして私はここで卒業をしたときに自分が何を求めていたかを何度も考えました。

今日は3つの教えをシェアしたいと思います。1つめは好奇心を持つこと、2つはリスクを計算すること、3つめは多様性を受け入れることです。

この大学にいたとき、非常に興味深かったのは、すばらしい教授とたくさん出会うことができたということです。教授室の開室時間がなかったのは、私のような好奇心が旺盛な人間には、とても役立ちました。いつも開かれていて、たくさんの教授を指名することができ、多くの話をすることができました。これはとてもすばらしいことです。

私は、コンピューターグラフィックに関心がありました。その中でもバーチャルリアリティに興味を持っていたころの話をします。20年前、最先端の分野であり、トピックスでもあった医療の可視化と接点を持つことができました。それによって、私は「冒険」へと繰り出すことなります。

私は大学の名簿からこの分野の専門であるカフマン教授の名前を発見し、医学部棟にあるオフィスを見つけました。

建物まで歩き、そのフロアまで上っていきました。ドアをノックすると、先生は私を招き入れてくれました。これは驚くべき瞬間でした。先生は私の好奇心を好意的に受け止めてくれて、医療の可視化について長い議論を交わしたことを覚えています。

大学時代に思いついた起業のアイデア

私はその出会いのあと、先生の最初の講義に登録しました。そして、その講義を聴いているとのちに私が創業する「Shutterstock」の会社のモデルが浮かんできました。営業時間というものがなく、人々はいつでも好きなときに私を探し出すことができ、実際に事務所というものを構えず、誰でも間取りのないフロアに座り、スムーズな共同作業するという構想です。開かれた共働の環境というのは、珍しいことです。

プライベートでも仕事でも、周りの人々に対して好奇心を持つということは大事なことです。好奇心があれば、そこに柔軟さが生まれ、そしてブレイクスルーが起こります。

好奇心は、発見や創意工夫を受けとめ、今まで想像していたやり方よりも新しい物事を教え、文字通り扉を開けるのです。私は自分を鼓舞するような顕著な人々を見つけました。私が驚くような会社を立ち上げ、すばらしい人々を見出した方法というのはこの学びによってでした。

2つめはリスクを計算することです。私が大学にいたとき、Yahoo!はまさに株式上場しようとしていました。私は、このとき、明らかにどれだけインターネットが彩りに満ちたものになるかと思ったのです。

大学時代にお世話になった、もう1人の教授の名前は、ラリー・ウィット先生といいます。まだこの大学にいるはずでしょう。講義に行くと、このようなことを言っていました。「人生をすばらしいものにするには、2つの方法がある」。

つまりそれは、人々がなにか新しいことを作るのを助ける方法と、あるいは、自分自身で信じられないほど大きな成功をすることの2つです。なにか自分自身で新しいものを作るときはリスクを負います。より偉大な、受け入れられる水準のものを作れば、すぐに興味を引くでしょう。

リスクを計算し、マイナスの側面を理解すること。それでもまだやる気があるのなら、そこに裏返しの大きな可能性があるわけですから、喜んでリスクを引き受けることです。

リスクを計算することは、段ボールとガムテープを用いて沼でボート競技をするようなものです。外側には勝利の栄光がありますが、その下側は何分間も水の中で潜っています。リスクは前はそうでした。そのあと私は会社を立ち上げ上場しました。しかし、就職するのに明らかにその価値があるものです。

今日、会社を興すことはより簡単になってきています。Webサイトを作り、クリックを数回すれば、国際的なリサーチが可能になりますし、家にパジャマでいながら製品をユーザーにテストすることもできます。

私は若い頃、会社を興すということは考えてすらいませんでした。教授がリスクと報酬の均等を考えずになにをしたか話す前はそうでした。そのあと私は会社を立ち上げ上場しました。就職するのに抵抗があったからです。

そこでなにかソフトウェアを作り、そして売ることにしたのです。そして、上手くいけば、家賃を支払って、リスクを取り続けることを維持しながら、なんとか成功への道を探ったのです。

10以上の異なるスタートアップ企業で、10以上のリスクを計算しながら、7年もの間、数多くのことを試みました。Shutterstockを立ち上げてから10年後の2013年に 1億ドルの評価を得て、ニューヨーク証券取引所に上場するようになります。

みなさんは若いでしょうが、リスクを計算するのは次第にどんどん難しくなります。何度かは失敗するでしょう。しかし、そこからなにかを学んだり、同時に恐れたり着想を得たりすることができるでしょう。

計算したリスクを背負うことは、Shutterstockや、10ものビジネスのブログでも何度も言ってきたことです。みなさんは早く始めるべきですし、今日から始めるべきです。情熱を求めることなく、仕事を続けることは安全ですが、道を単に歩いていくだけのことにすぎません。ラリー先生から20年前に言ったことを考えて、遅かれ早かれ実行してみましょう。

アメリカの渡航禁止令に反対

最後のトピックスです。1つは好奇心、2つめはリスクをとること、そして3つめは多様性を受け入れることです。最も成功した組織というのは、多様性を持っているものだと思います。私の会社Shutterstockでは、メンバー850人のうち40パーセントは女性で、その割合は増えています。

この多様性というのは、経験を引き出し、どこにいようともどこから来た人であれ、仲間になりたいという動機づけや情熱を与えます。投稿者や顧客、そして従業員などはさまざまな国籍や宗教、民族や人種等を含んでいます。

多様性は計画されたものではなく、要請されるものです。これは3つの事実からです。最も成功した大学と言うのは、その才能がなんであれ、才能を探し求めるものです。

最も成功した企業というものは、多様性というものに優先順位を置きます。そして最も成功した国というのは、少数民族を引き留め魅了し続ける移民政策を持っています。これは同時に新しい共同体の具現なのです。

この大学は多様性を持ち、それを喜んで受け入れています。私は、これは大学が努力する価値であると考えます。それゆえ、みなさんは素晴らしい教育を受けることができるのです。

最近、強行されている渡航禁止令に対する抵抗を表明したく思います。世界中からどこでも戻ってくるのが規制されない国に。スポンサーのついたスタッフがグリーンカードを手にすることができるように。アメリカ合衆国の一員になれるように。

最後にもう一度振り返ってみましょう。1つめは真面目には質問をして、その答えを手にすること。2つめはリスクを計算することを恐れないこと。同時に反対側、逆側のことも理解しようとすることも大切にしましょう。3つめは多様性を受け入れることです。一緒になにかを行うことによってしか、世界をあるべきものにしていくことはできないのです。

ありがとうございました。2017年卒業のみなさんおめでとうございます。

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