2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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バラク・オバマ氏:私の同志、アメリカ国民のみなさん。
(会場歓声)
ミシェルと私は、この何週間かの間に頂いた、みなさんからのお別れの言葉に、感動しています。しかし、今夜は私がみなさんに御礼を申し上げる番です。
(会場歓声)
実際に目を合わせてお話しできたのか、同意できたかどうかにかかわらず、私がアメリカ人のみなさんとできた対話……、場所は客間、学校、農場、工場の床、ダイナー、遠くの駐屯地であったりしましたが、そこでのあなたたちとの対話は、私を正直にさせ、奮起させ、邁進する助けとなってきました。
毎日私はみなさんから学んできました。みなさんが私をよりよい大統領にしてくれたのです。それにより私はよりよい人間となることもできました。
私が初めてシカゴに来たのは20代前半の頃でした。その頃、私はまだ自分が何者なのかを理解しようとしている時でした。自分の人生の目的を模索していたのです。
ここからそう遠くはありませんが、近所の閉鎖された製鋼工場の陰に教会のグループがあり、そこで私は働き始めました。そこで私は信仰の力、そして苦しみと失意の浮かぶ労働者の顔にある、静かな尊厳を目にしました。
(会場歓声)
そこで私は、普通の人たちが深く関わり、一致して要求することで、物事は「チェンジ」することができるのだということを学びました。
みなさんの大統領として8年間の勤めを果たした後でも、まだ私はそう確信しています。しかも、それは私の信念というだけではなく、アメリカの思想の真髄でもあるのです。自治政治という大胆な試みです。それは、みな平等に創造されたという確信です。創造者から、奪うことのできない、命、自由、幸福の探求といった確かな権利を与えられているのです。
そのような権利こそが、私たちが決して自滅しないという証拠となっています。我々人類は、民主主義という手段を通して、さらに完全な結束を生み出すことができるのです。なんとすばらしいアイデアなのでしょう。私たちの創造者がくれた、すばらしい贈り物です。
我々が懸命に働いて、想像をすることにより、個々が自分の夢を追う自由、そしてさらによいものを手に入れるため、一致して追求するという使命があります。
240年間にわたり、この国は国民に、それぞれの新たな時代に対して仕事と目的を提供してきました。それこそが愛国者に専制政治ではなく共和主義を選択させ、開拓者に西部を旅させ、奴隷たちに自由への道を作る勇気を与え、移民や難民が海を渡りやってきて、リオ・グランデは女性に投票するようにさせ、労働者が組織立つように力づけたのです。
それゆえに、GIはオマハビーチや硫黄島、イラクやアフガニスタンで命を捧げました。From Selma to Stonewall(キング牧師ら黒人公民権運動の始祖が大行進したセルマ、同性愛者擁護運動が始まったストーンウォール)の男女が同様に命を捧げる用意ができているのも同じ理由からです。
(会場拍手)
我々がアメリカは特別であると言うのは、このような意味で言うのです。建国後から問題がなにもなかったからというのではなく、我々が変革をする能力を示し、後の時代がよりよい生活を送ることのできるようにするということです。
そうです、我々の進歩は平坦ではありませんでした。民主主義の働きは常に容易でなく、論議を呼び、時には血を流すことすらありました。常に前に2歩進む度、1歩後退しているような感じがするものです。しかし、アメリカの長い働きは、「前進」という言葉で定義され、継続的に、基盤となる信条を広げ、一部ではなく、すべてを受け入れてきたのです。
(会場拍手)
もし私が8年前みなさんに、「アメリカが大きな不況を回復させ、自動車工業を再起動させ、アメリカの歴史上一番長い期間、雇用を生み出すことになる」とお話ししていたとしたら。
もし私がみなさんに、「キューバの人々と新たな関係を始める」と、そして「イランの核兵器プログラムを争うことなく閉鎖し、911の首謀者を倒す」とお話ししていたとしたら。
もし私がみなさんに、「結婚の平等を確立し、さらに2,000万人もの市民に健康保険の権利を保障する」とお話ししていたとしたら、みなさんは目標が高すぎると言われたかもしれません。
しかし、私たちはこれらのことを成し遂げられました。みなさんが「チェンジ」そのものとなったのです。みなさんが人々の希望に応え、みなさんのおかげで、ほとんどすべての意味において、私たちの始まりの時よりも、アメリカはよりよい、強い国となることができたのです。
(会場拍手)
10日後に世界は民主主義の特徴を目にすることになるでしょう。
(会場ブーイング)
自由に選出された1人の大統領から次の大統領へと力が平和裏に移行するのです。ちょうどブッシュ大統領が私に対してしたように、私も次期大統領トランプに、私の政治ができる限りスムーズに移行できるように、完全に引き渡します。
(会場拍手)
なぜなら、我々がいまだに直面しているたくさんの問題を政府が助けてくれるかどうかは、私たちすべてにかかっているからです。私たちはそのために必要なものをすべて手にしています。
結果的に私たちは地球上もっとも裕福で、もっとも強力で、もっとも尊敬される国であり続けるのです。私たちの若さと力、私たちの多様性と解放、私たちの大胆さ、リスクと変化の余裕とを考察するならば、未来は私たちのものであると言えるでしょう。
しかしその可能性は私たちの民主政体の働きにかかっているでしょう。私たちの政治が自国民の体裁を反映するなら、私たちすべてが、協力関係や特定の興味に関わらず、現在非常に必要とされている共通の目的を回復する助け合いをするならば、の話です。
今夜私が強調したいのはこのことです。私たちの民主主義という国家です。民主主義に一貫性が求められないということは理解できます。
私たちの先祖は争い、妥協してきましたし、私たちも同様であろうと予期しています。でも彼らは、民主主義には基本的な連帯意識が必要なことを知っていました。アイデアは、外見の違いについて、我々はみな一緒で、調子がいい時も悪い時も一緒だということです。
我々の歴史のなかで、団結力が脅かされた時が何度かありました。今世紀の初めに起こったこともその1つです。縮んでいく世界、格差の拡大、人口構造の変化、テロリズム。これらの脅威は、我々の安全と繁栄を試しただけでなく、民主主義も試しています。
我々の民主主義に対するこれらのチャレンジに対して我々がどう対応するかによって、子供の教育や雇用の創出やこの国を守る能力が決まります。別の言葉で言い換えると、我々の未来が決まります。その初めとして、我々の民主主義は、みなが経済的な機会を与えられない限り、機能しないのです。
(会場拍手)
よいニュースは、今日、経済がまた伸びているということです。給料、収入、家の資産価値、年金はすべて上がっています。貧困についても下がっています。富裕層は公平なレートの税金を払っています。株式市場が記録を破っていても、失業率は10年ぶりの低さでした。無保険率はかつてないほど下がりました。
ヘルスケアの費用の上昇は50年間のなかで一番遅いスピードです。そして私はこう言いました。本気で言いました。誰かが明確に、我々のヘルスケアのプランよりよいプランを作れるのならば、私が公的にサポートします。
なぜかというと、なんといっても、これこそ我々が奉公した理由です。ポイントを上げることや手柄をとるためではないのです。人々の生活をよくするためです。
しかし、これらすべての進歩を我々は作りましたが、それでも十分ではありません。我々の経済は、成長するミドルクラスの人々の費用負担やミドルクラスになりたい人々に存在なしでは、上手く機能したり、伸びていかないのです。
これは経済的な議論です。しかしありのままの不平等は我々の民主的なアイデアを蝕むものです。トップ1パーセントが富と財産をより蓄えている間、貧困者の多い都心部の過密地区や郊外の家族たちは置き去りにされています。
工場で働いていて仕事を失った人たち、ウェイトレスや医療従事者は、請求書を支払うのに苦労している。彼らは「このゲームは私たちの味方ではない」と自分を納得させている。政府は権力の持っている人たちしか見ていない。それは政治における皮肉と分裂のレシピといえます。
この長い期間のトレンドに対して素早く解決する方法はありません。我々の貿易は自由なだけでなく、フェアであるべきだと私は思います。しかし、次の経済の混乱は海外からくるのではありません。自動化という情け容赦のないスピードからくるものであり、それは今のミドルクラスが抱える仕事を奪っていきます。
だからこそ、我々はすべての子供たちに必要な教育を保証する社会的な仕組みを作っていかなくてはいけないのです。
働く人たちに、よりよい給料のための労働組合を組織する力を与えます。
我々が生きている状況を示すセーフティーネットをアップデートします。
そして税改正を行うことで、新しい経済から大きな収穫を得られる会社と個人は、彼らを成功に導いた国に対する義務を回避することはありません。
これらのゴールを達成するためにどうすればいいか我々は議論することができます。しかし我々は自己満足に陥ってはいけません、我々はもしすべての人たちに対して機会を創らないならば、不満と対立が我々の進歩を失速させるでしょう。
我々の民主主義への危機はすぐそこにあります。その危機はこの国が歩んできた年数と同じものです。
私の選挙の後、アメリカの人種問題を超えた件で話がありました。そのようなビジョンならば、どれだけ意図的に企てられようが、決して現実的ではないということです。人種というのは説得力のあるもので、我々の社会を分裂させるものでもあります。
私は、十分長いこと生きてきて、人種の関係性が10、20、30年前よりよくなったことを知っています。たとえ誰かがとやかく言おうとも。
(会場拍手)
それは統計だけで見られるものではありません。政治的スペクトル上で、若いアメリカ人の態度に見ることができます。しかし我々は我々がいるべき場所にはいません。我々全員は、さらにするべきことがあるのです。
もし経済的な問題が、ハードワーキングな白人のミドルクラスと値しないマイノリティの努力として位置づけられるならば、働く人たちは戦いに明け暮れ、富裕層はより富むことでしょう。
もし我々が移民の子供たちに対して投資することを拒むなら、それが我々に似ていないことが理由なら、我々は自分たちの子供の将来を小さくすることを意味します。なぜかというと、彼ら茶色(移民)の子供たちは、アメリカの労働力として大きな役割を担うからです。
(会場拍手)
我々は経済がゼロサムゲームになる必要がないことをお見せしました。昨年、すべての人種、すべての年齢層、そして男性も女性も含めてすべての人の収入が上がりました。
もし我々が人種に対して将来本気になるならば、差別に対して切り込む法律を支持しなくてはいけません。採用、住宅、教育、司法の面においてです。それが我々の憲法であり、今までで一番崇高な理想が必要とされています。
しかし法律だけでは十分ではありません。心が変わらないといけないのです。それは一夜にして変わるものではありません。社会的な態度は世代という長い時間をかけて変わっていきます。
しかし、もし我々の民主主義が多様性のある世界に求められるかたちで機能するならば、我々一人ひとりがアメリカのフィクションのキャラクターの言葉を留めておくべきです。その言葉は「あなたが彼の肌の色で歩き回って彼から見る景色を考慮しない限り、その人を理解することはむずかしい」。
黒人とほかのマイノリティの人たち。これはこの国が直面している問題といえます。難民、移民、トランスジェンダーのアメリカ人、また中年の白人層でも、世界は経済や文化やテクノロジーの進化により、ひっくり返されることを見たのです。我々は注意を払って、聞かなければいけません。
白人の人たち。奴隷の効果とJim Crowは60年代に突然消滅しませんでした。マイノリティグループの不平の声があがっても、それは差別やポリティカルコレクトネスの練習にはなりませんでした。彼らが平和な抗議を行ったとき、彼らは特別な対応を求めずに、この国を作ったファウンダーが約束した平等な対応を求めたのです。
(会場拍手)
生粋のアメリカ人にとって、これは、今日の移民に対するステレオタイプを思い起こさせます。つまり、言葉の通り、アイルランド人、イタリア人、ポーランド人などです。この新しい移民たちによって、アメリカという国が弱まることは決してありません。むしろ、合衆国の信念を擁護し、強化してきました。
我々がどのような立場にあろうとも、私たちは励まなければいけません。私たちがこの国を愛するように、信愛なる市民たち一人ひとりがこの国を愛しているという前提を持って始めなければいけません。彼らもまた、勤労に勤しみ、家族を慈しむということ。彼らの子供たちもまた、好奇心たっぷりで、希望に溢れ、そして愛されているということを。
これは容易いことではありません。大多数の人々にとって、自分自身の殻に閉じこもって過ごすことのほうが、断然容易ではあります。近所、大学の構内、祈りの場所、ソーシャルメディアなど、我々と似たような人々、同じ政治的意見をもつ人々、我々の常識を覆すことなどない人々。これらの人々に囲まれて暮らすことです。
純粋な愛党心、経済的・地域的な格差、あらゆる嗜好に合わせてメディアの分裂。このすべての細分化が、一見自然に起こることであり、避けられない流れのように見受けられます。そして、より一層、我々は自分自身の殻に閉じこもり、その情報が真実か否かではなく、自分の意見に適合する情報のみを受け入れることに、心地よさを覚えるようになります。自らの意見を証拠に基づくものとすることなく。
このような流れは、我々の民主主義における第3の脅威となりえます。政治とは思想と思想の戦いであります。民主主義とは、そのように作られたものです。健全な議論においては、それぞれが異なる目的、そして目的に至る異なる手段を持っています。
しかしながら、いくつかの共通認識がなくてはなりません。それは、新しい情報を受け入れること、議論の相手も科学的、理論的な点において、正当な意見を持っているということ。これがなければ、我々はいつまでも噛み合わない議論を続け、共通点や妥協点を見つけることは不可能となります。
これこそが、政治に対する失望を招いていると思いませんか?
どうして、未就学児に対する支援を提案すると、議員たちは赤字財政に激怒するのに、大企業の税金削減にはなにも言わない、などということが起こるのでしょうか?
どうして、自らの政党における倫理違反には必死で言いわけをするのに、ほかの政党が同様のことをすれば、非難するというようなことが起こるのでしょうか?
これは、ただ単に不正直、というだけではなく、意図的な事実の選別です。そして、自滅行為でもあります。私の母が昔よく言っていたように、真実というものは必ずあなたに追いつくものだからです。
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