2024.10.10
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ハーバード大学 卒業式 2014 サラ・アブシャー(全1記事)
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サラ・アブシャー氏:私が7歳のとき、まだ歯が生えていない弟と私は、シリアから長くつまらないタクシー移動中、帝国主義的な幻想の世界を楽しみ、窓の外を見ながら、国をどのように引き継ぐべきか話していました。
私の両親たちは即座に、帝国主義的な征服者のスパイについてこう言いました。「もし聞かれたら、秘密警察に連れて行かれちゃうぞ」。
私たちは、すべての壁が、革新的な考えを聞き取り、監獄に連れ込まれるのだと口すっぱく言われました。アメリカの子供達は、こういった場合には幽霊やブギーマンが、同様に使われたりするのでしょう。
時を進めて、2010年のことです。初めて私がここに着いたとき、ある人がこう言いました。「もしハーバードが扉と閉ざすことができるであれば、1つの国といえるよね。まさに、バチカン市国のように」と。
私はこの4年間、毎日ハーバード大学内を歩いてきました。そして私はこの考え方がいかに真実に近いか思い知りました。ハーバード国家はどこにでもあるように見えました。より明確なものに例えると、ハーバード版の自由の女神があります。
ジョン・ハーバード像です。大使館もあります。ボストンやロンドンといった都市別のクラブもあります。税徴収機関もあります。ハーバードの同窓会ももちろんあります。
そして、世界のGDPの半分よりも多い寄付金があります。私たちは、外交パスポートも持っています。私は自身の体験からこの効力についてはよく知っています。それはボストンにあるローガン空港移民局での話です。
職員たちは、いつでも私が中東から来ているのを見ると、「どこでなにをしてきたんだい?」「なぜここにいるんだ?」「一体どうやって中東からここに来たんだい?」と立て続けに質問します。
私は、ハーバードの父を敬い、ハーバードの帽子、ハーバードのTシャツ、ハーバードのズボン、そしてハーバードの下着を身につけていました。
職員は、私がハーバードの市民だということを知ると、「おお、君はハーバードに通っているんだね。それならば、国家に危害を与えるような人物ではないに違いない。ようこそ、アメリカ合衆国へ!」そして、突如アメリカン・ドリームへの扉が大きく開かれました。
私はこのハーバード国家はいたるところにあると思っています。これはハード的な構造だけではありません。もっと重要なことを言うと、不可視の機関もあります。
目に見えないところで足場をなしています。これこそが主要な機関です。クリムゾン新聞(ハーバード大学の学内新聞)のコラム欄での論争。カンフーで戦うようにアイデアを交換し、生き生きとした学生の議論。翌朝まで全疾走することによって、政策を変えることを駆り立てるような強い効力を持ちます。
私は雑然とした掲示板で、人生を生き急ぐアナウンスの数々を見かけました。学生主導の会議、次のFacebookになるべく寮の部屋で生み出されるプロジェクトの数々。お互いを駆り立てあっています。ざっと見るだけで、取るに足らない情報ばかりということがわかります。
この雑然とした掲示板では、時に必要なニュースが何かわからなくなっています。でも、私は、そこに活発なハーバードコミュニティの中にある、情熱、目的、想像力、胸の高鳴りを見出しました。
私の両親の母国は、公共組織機関の異常性が、社会の活発さ、活気に満ちた生産性を殺してしまっています。そのため、私はハーバードにある市民社会、活発で生き生きとした機関に激しく価値を感じています。
私がハーバードで過ごした時間は、より良い世界にするための事例を与えてくれるでしょう。それだけではなく、変化を生み出す自由裁量を与える力も同様です。幼少の頃にスパイが壁に潜んでいると言われたことが、私の記憶の中にまだ潜伏しています。
私と弟の中にいる小さなナポレオンを押し込んだ言葉です。私が、初めての講義をハーバードで受けた時、大統領になったかのごとく議論したということをご想像できるでしょう。
私たちの討論クラスの教授は、1990年代を背景とした舞台を用意しました。トピックは、エクアドルとペルーの間で起こった論争をどのように止めるか、ということでした。
私は手を上げて答えました。「待ってください、シャピーロ教授。大統領には、エクアドルの大統領に歩み寄るように伝えてください」私を大統領の前にして、私の中に見出した考え、歴史、経験、価値観を話しました。
ハーバードは、「私も彼のようになれるかもしれない」という気持ちを起こさせました。歴史を形作る力を持ち、歴史によってただ受動的に形付けられないようにすることです。
子供達が大きく考え、巨大なものを克服するという、無限に感じられる可能性の感覚が、ハーバードにいる私の元に戻ってきました。世界が抱えている手に負えない問題が、私にとって、そして私たちにとって、物事を変える機会になるのです。
私が初めてハーバードに着いた時は、私の名前はサラでした。ハーバードを卒業した後は、「ハーバードさん」になり、それを聞いて私は立ち止まるようになるでしょう。378年の歴史、5000エーカーの土地、自由の象徴、32の州の長が私、5フィート、6インチの中にあるのです。
バカらしいことですが、おかしな現実があります。アラブ系のアメリカ人は、裸足で駆け抜けるかのごとく、新しい場所を描きます。私たちの足の皮は、靴を手に入れるまで、土、種、石、草にさらされます。靴は、私たちが走った中で、集めてきたものを持ちつづけるかもしれません。
ハーバードの庭をこの4年間走り抜けてきて、私の靴は世界級の経験をしました。私たちはおかしな方法でこの地位にいるのです。私たち各々が、私たちが世界を見る方法を変える人々の歴史や考えを少しずつ取り入れます。私たちの心のなかに引き続き蓄積し続け、ハーバードの庭で得たものを、次の行き先に向けて足跡を残します。
だからこそ私は将来が楽しみです。他の国が血みどろの戦いをしている一方で、素晴らしい友人と共に出席した晩餐会で、市民的な会話をすることができ、プロジェクトを一緒に生み出すことができるからです。
建国の母と建国の父が生み出す革新的なアイデアが世界に発信されると期待しています。公共機関を作ったり、病院を建設したり、美術館を作ったり、社会をよくするものです。
私は、アラブの春というニュースに関してさまざまなことを耳にしています。2014年の今日の卒業で、ハーバードで生まれた6000人の革命家を世界に送り込みます。チェポートブリトーやスターバックスで作られた素晴らしいアイデアが、光り輝きます。タヒール広場やハーバードス広場が、現実の世界になります。現実に、何かを起こすのです。
革命は武器ではなく、もっと力強く永続的で浸透性がある心のことです。これは、ウクライナの革命やアラブの春のことではありません。世界的な革命のことです。これは、2014年ハーバードの春です。これこそが、「ハーバードの春」なのです。
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