元役者という経歴を活かし、現在はファイナンシャルプランナーとして講演や投資相談を行っている井上ヨウスケ氏。YouTubeチャンネル『井上ヨウスケ/井上FP事務所』では、投資などのお金の知識に加えて、読書や価値観に基づく型にはまらないお金の使い方などを発信しています。本記事では分散投資の人気低下をテーマに、人間の心理の仕組み、井上氏が分散投資を重視する理由などについて紹介します。
分散投資の人気が落ちているのはなぜか
井上ヨウスケ氏:どうも、ファイナンシャルプランナーの井上ヨウスケです。今日は、「分散投資ってもうオワコンなのか?」というお話をしたいと思います。先に結論を言うと、僕は分散投資というのは、まだまだ大切な概念だと思っています。

けれども、なぜここまで多くの人が分散投資を好まないのかというと、ある種のサイクル的に(今は)分散投資が必要ないと思われていて、またある出来事があったら必要だと思われるという、「人間の心理側が変わっているんじゃないか?」というところで、人間の心理についてちょっと触れて、「分散投資はそれでも要るよ」というお話をしたいと思います。

では、時間がない方もおられると思うので、まずは動画のポイントを解説していきます。まず、ポイントの1つ目ですが、分散投資というノウハウが使えなくなったわけではなくて、人々が分散投資をしたくなくなっただけだと思います。
取り残されたくないという恐怖感
なぜそう思えるのかと言うと、ポイント2にもあるとおり、人の習性というのは昔からずっと変わらないと僕は思っていて、だからこそ分散投資は変わらず必要だと思っています。「人の習性ってこういうところがあるよね」ということをお話ししたいと思います。
そしてポイントの3番目ですが、「FOMO」ですね。取り残されたくない恐怖で株を買う。アメリカなんかはずっとそう言われていますし、ここ日本でも新NISAブームによってみんなが株を買う。
しかも同じ銘柄ばっかり買うというのは、どちらかと言うと株ばっかり買うわけですけれども、利益追求よりは損失回避、「置いていかれる」という損失を回避するためであって。だからこそ、分散投資も採用されにくいんじゃないかなというところに触れたいと思います。
最後にポイントの4番目ですが、とはいえ不確実性の高い時代ですし、何よりも自分が無知だと思えるから分散投資をするということだと思います。自分は何も知らないと思える、いわゆる無知の知だからこそ、わからないことがあった時に困らないために分散投資をすると思っているので、このあたりをお話ししたいと思います。
2000年前から変わらない人間の心理
では、さっそくですが、僕がFPを始めて、12年経つかなと思うんですけれども、やはり昔、僕が勉強した時に学んでいた分散投資という大切さの話の量に比べたら、ここ最近はやはり、そこまで重要視されていないかなと思います。
どちらかと言うと、「分散投資」の意味というのは、「株式の投資対象を分散しましょうよ」ということであって、「資産の分散投資」という概念はかなり減ってしまったかなと思います。それは1つ、僕たちは模倣する生き物なので、みんながオルカンを買ったらオルカンを買いたくなるし、みんながS&Pを買ったらS&P500を買いたいなと思うから、模倣して投資をしているのもあるかなと思います。
ただ、やはり僕たちは人間の習性で生きているところがあって、この習性って2000年前からずっと変わっていないと僕は思っていて。もっと前から変わっていないところはあると思うんですけれども、だからこそ、やはり分散投資って絶えず生き残っていくと思うので、このあたりをちょっと図を使いながら解説をしたいと思います。
僕は人間の変わらない傾向というのはあると思っていて、こういう傾向があるからバブルは繰り返されていくと思うし、いつだって分散投資は要らないと言われていくんじゃないかなと思っています。この5つ、もっとあると思うんですけど、ちょっと触れていきたいと思います。