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悪いイメージを持たれがちな「奨学金」のメリット 教育費の現実と40代から始める戦略的な貯蓄

元役者という経歴を活かし、現在はファイナンシャルプランナーとして講演や投資相談を行っている井上ヨウスケ氏。YouTubeチャンネル「井上ヨウスケ/井上FP事務所」では、投資などのお金の知識に加えて、読書や価値観に基づく型にはまらないお金の使い方などを発信しています。本記事では、教育費の現実と40代から始める戦略的な貯蓄について語ります。

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投資の前に知っておきたい「教育費」の話

井上ヨウスケ氏:では、支出の見直しのお話がやっと終わりました。「じゃあ、投資にいけるのか?」となったら、その前に1個だけ考えておかないといけないことがあります。それは何かといったら、教育費のお話ですね。

やはり40代とかから投資をしていく。しかも僕がお話しするインデックス投資というのは、長期間運用するのが大前提になるんですね。それが15年から20年と考えると、今から始めた投資のお金は、必然的に60歳ぐらいまでは売らずに保有し続ける感覚になるんですね。

そうなってくると、その投資したお金は60歳以降に使うお金。ということは、60歳までに来るであろう教育費のお話は必ず考えておかないといけません。なので、お子さんがおられる方は教育費を考えていきましょう。自分は子どもがいないよとか、そのあたりは大丈夫だよという方は、もうそのままセクションで投資のところまで飛ばしていただいてかまいません。

では、教育費のお話ですが、お子さんが高校生ぐらいになってくると、本当に飛ぶようにお金が消えていくといいますか。夏期講習、冬期講習やらでお金を使って、大学に入学するとなったら、高校3年生の時から受験が始まる。

人によっては滑り止めもあるとなったら、大学に入る前に100万、200万円ぐらいのお金が口座からなくなるのもぜんぜん珍しくないんですよね。そうなると本当に一気にお金が必要になってくるから、もう事前の準備ができていないと借り入れに頼るしかなくなってくるので、できる限り準備をしておくという感覚です。

100〜200万円貯めて、残りは奨学金でまかなう手も

基本的な学費のお話をしていくと、大学(進学)にあたっては多くの方は私立の大学に行かれると思うんですけれども。文系、理系で分けた時に私立の文系は、入学金と授業料とかを合わせた学費が、だいたい4年間で450万円前後ぐらいはすると思います。

経済学科とか比較的学費が安いところでも最近430万円ぐらいはかかる。実習が多いところになってくると500万円ぐらいはかかってくる感じなので、4、500万円ぐらいは見ておく感覚ですね。

私立の理系は少なくとも600万円はかかるので、700万円ぐらいは見ておく感じです。ということは、文系でもだいたい年間で100万円ぐらい、理系だったら150万円ぐらいの授業料がかかるという感じです。



さらに言うと、例えば自宅からちょっと遠い学校に通う場合。下宿は本当にお金がかかるので、できる限り家から通ってほしいという方がたくさんおられると思うんですけど。交通費が半年で10万円かかるケースもあったりするので、交通費とかも含めると、たぶん文系だけでも、600、700万円、理系だったらたぶん1,000万円ぐらいはかかってくる感じだと思うんです。

この資金を準備していかないといけないということなんですけれども。40代になってくると、おそらく大学の入学までに残されている時間はそれほど多くないと思うんですよね。現実的に今からどう考えたってその金額の全部を貯めることができない方は当然おられると思います。

実際に僕はそういう方に何をお話ししているかといったら、高校生のお子さんがいる方とかにお話しするのは、とりあえず大学入学前に払わないといけない学費が、だいたいトータルで100から200万円ぐらいかかってくるんですけれども。

ここは借り入れするのが奨学金では難しいんですね。となると教育ローンという、ちょっとだけ利息が高いものを使わないといけなくなっちゃうので、そういったものは避けるために、最低でも100から200万円ぐらいは貯めておいてくださいと。残りに関しては、もう奨学金を使う方向で考えたらどうですかというお話をしています。

悪いイメージを持たれがちな「奨学金」

奨学金は今、2人に1人ぐらいが使っていて、もう本当に珍しくなくなってきてはいるんですよね。奨学金がすごく嫌だという方とか、マスコミの奨学金のネガティブキャンペーンのせいですごく嫌な印象を持っている方もおられると思うんですけど。

正直、利息で言うと、そんなに悪いものじゃないというところなんですよ。例えば実際に、日本学生支援機構という奨学金を貸しているところが、利息はどれくらいですよというのを載せているんですよ。

この奨学金の利息は、借りる時に何パーセントで借りるというのが決まるんじゃなくて、借り終わった時に利息が決まるという感じなんです。要は、令和2年の分でいったら、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月みたいな感じで書いていますよね。例えば、令和2年の3月に卒業した方は、ここになるわけですね。固定金利と変動金利みたいな感じで、住宅ローンと同じような金利のタイプが2つあるんですけれども。

この固定方式を見てもらったら、2020年の3月に卒業した大学生の奨学金の利息は0.07パーセントなんですよ。変動金利に関しては、0.002パーセントなんですよ。0.1パーセントを切っているんですよね。0.1パーセントを切ると、300万円ぐらい借りてもトータルの利息は10万円いかないんですね。

ただ、さっきもお話ししたとおり、金利は自分の返済が始まる時、自分の借り入れが終わった時に適用されるのでまだわからないんですけど。今の段階で0.07パーセントということは、世の中の金利に比べて相対的に低いことがわかりますよね。

奨学金は、めちゃくちゃ低い金利でお金を貸してくれる制度

ということは、めちゃくちゃ低い金利でお金を貸してくれるのが奨学金という制度なんですね。だから、なんでこれがネガティブキャンペーンされているのかぜんぜんわからなくて。奨学金のことを叩いている新聞記者の方とかは、住宅ローンをタダで借りているのかなと僕は思っているんですけど、それぐらい金利が低いのが奨学金です。

ただただ悪いイメージを持つんじゃなくて、上手に活用していくのがいいと思うんですね。実際にそのお金がないから奨学金を使って大学に行ける制度ですよね。中には当然、奨学金を子どもに負わせたくない方もおられるんですよ。それはそれで、じゃあ、ご自身が返したらいいんじゃないですかというところなんですよね。

なんでかといったら、奨学金の返済は自分で何万円返すかを設定できるんですね。当然子ども名義で借りるものではあるんですけれども、それを親が返すケースはあるんですよ。それは贈与税の問題で言ったらぜんぜんクリアできるんですね。

当然子ども名義の借金を親が返すということは、親から子どもに対して贈与をしていることになるんですね。ただ、この贈与に関しては、年間110万円までは基礎控除があって、110万円以下の贈与であれば税金はかかりませんよ、となっているんですよ。

1ヶ月2万円の返済があったとしても、12ヶ月で24万円。ということは、贈与税の対象にはならないということですね。親が返してもいいということなんですよ。なので、そういう使い方もできるっちゃできるので、そこはご自身の感覚とお子さんとの話し合いですね。

奨学金で子どもの“学ぶ意識”が高まる

実際に、子どもが自分でお金を払っていかないといけない。自分が将来返さないといけないことを自覚すると、勉強に熱が入るケースもけっこう見てきているんですよ。

実際に僕が相談する時には、お母さんとお父さんと子どもがいるみたいなかたちで3人で話をする。「将来の返済額はだいたい月1万5,000円ぐらい。それを自分が40歳ぐらいまで返さないといけないよ」みたいな話をするんですね。

「それぐらいのお金を払って大学に行くんだよ」って。「だから遊んでちゃ駄目だよ」みたいな話をするんですね。と聞くと、「あっ、そうか、そうか」と。大学を休んでバイトなんかしてちゃいけないなという感覚にもなってくるので、そこは上手に使えるものだと思います。

そういう意味で、もう奨学金を使わないといけないなと今の段階で考えている方は、高校生でちょっとお金の話はまだ早いかなという気持ちもあるかもしれませんが、1つきっかけとしてそういうお話をして、その気持ちがあるかどうかも確認しながら大学のお話をしていくといいんじゃないかなと思います。

ということで、教育費の部分のお話をまとめていくと、先ほどお話しした支出の見直しの部分で家計の見直しができて、教育費の準備がまだ不足している方は、その浮いたお金を投資せずにただただ教育費の貯蓄に回す感覚ですね。

教育費の準備ができている、あともうちょっとだという方は、そこを終わらせたらやっと投資にいく感じで、今から投資のお話をしていきます。

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