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30代で選んだ家に一生住み続けるのは難しい ローン残高と売却価格から考える「住み替え」の可能性

元役者という経歴を活かし、現在はファイナンシャルプランナーとして講演や投資相談を行っている井上ヨウスケ氏。YouTubeチャンネル「井上ヨウスケ/井上FP事務所」では、投資などのお金の知識に加えて、読書や価値観に基づく型にはまらないお金の使い方などを発信しています。本記事では、人生の変化に応じた住まいの選び方をお伝えします。

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30代で選んだ家に住み続けるのは難しい

井上ヨウスケ氏:そして、支出の見直しの一番最後は住まいについてです。住まいに関しては、支出の見直しという点と、今後の人生を考えるという意味でいい機会だと思います。多くの方はおそらく30歳前後ぐらいに家を買われていると思います。

そのタイミングは家族が増えるタイミングだと思うんですけれども、そのままその家にずっと住み続けるのかということなんですね。子どもがおられる方は、将来的には子どもが独立するかもしれない。独立したら夫婦2人とか、もしくはお一人でその家に住むとなった時に、かなり広いというケースがあると思うんですね。

もっと言ったら、30歳の時の感覚で選んだ家と、自分が50歳とか、50歳前ぐらいでもいいんですけど、その時になって気になるポイントは絶対違うんですよね。30代と10代が違うように、30代の方が気にしてることと50代の方が気にしていることは絶対違うじゃないですか。

それぞれその立場になった時に重視する点は変わるんですよね。それは家に対してもそうだと思うんですよ。30代の時はこういうことも大切にしていた。でも、50代になったらぜんぜん30代の時には思わなかった気になる点がある、ということもあると思うんですよね。だから、30代で選んだ家にずっと住み続けるのは選択的にもちょっと難しいと思います。

でも、昔の人たちはこういうことをしてきたけれども、今は住み替えといういろんな考え方があるので、その点も踏まえて考えるのがいいと思います。

家の「住み替え」がスタンダードになっていく

実際にうちの母親は、すごく細長い家に住んでいるんですね。いわゆる大阪の家で、土地が高いので細長い3階建てで、リビングがなくて3DKになるのかな。

今はもう母はそこに1人で住んでいて、おそらくずっと住み続けるつもりだと言っていました。たまに実家に帰った時に玄関の階段を上ると、「急やわ」と思うんですよ。もともと中古で買った家なので、けっこう築年数的にも古くて階段が急なんですよね。

しかも、入り口が1階でリビングは2階、洗濯機は1階、お風呂も1階、洗濯を干すのは3階みたいな感じなので、階段がめちゃくちゃあるから、本当にそこに住み続けられるのかという問題もあったりするんですけど。

うちの妻のご両親も高知県に一軒家を持っていて、すごく大きな家なんですけれども、そこにたぶんお二人で住み続けられるんだと思います。

そうやって今の家に住み続けるという選択をされる方もいれば、僕の友人のお母さんは、もうお一人なんですけれども。もともと駅からちょっと離れたところに一軒家を持っていたんですが、子どももみんな独立して家がちょっと広いよねということで、家を売って、大阪の環状線沿いの駅の近くの一人暮らしにちょうどいいサイズのマンションを買って引っ越しをされました。

そうやって住み替えるのも、最近はけっこう増えてきているんですよ。今後はもっともっと、これはスタンダードになっていくと思います。さっきも言ったとおり、やはり30代で広い家を買った。2人で暮らすにはちょっと大きすぎるよね。だから2人で住むのにちょうどいいサイズにしようということができるし、そのほうがいいですよね。

僕も実際に高知県に移住して30代で家を買うつもりなんですね。そこにずっと住もうとは思っていないんですよ。もともと僕は、あんまり人がいないエリアに住みたいと思っているんです。

ローン残高と売却金額を出してみる

でもやはり70、80歳になると、そのエリアで医療を受け続けるというのは、ちょっと未来はわからないですけど難しい可能性があるので、70、80歳ぐらいでちょっとアクセスがいい、医療が受けやすいようなエリアに移りたいと考えているんですね。

ただ、この考え方はあんまり受け入れられないケースが多いかなと思うんです。というのも、「実際に今、家が売れるかどうかわからないじゃん」という人が非常に多いのがまず1つ。あと、もし売る気があっても、実際に自分の家がいくらで売れるかが把握できていない人がたくさんいると思うんですよ。



なので、この動画を見ている方で、かつ、持ち家の方は、一度フラットな状態で、ぜひ今から言うことを考えてほしいんですね。例えば住宅ローンの残高が1,500万円残ったまま今の家を売ったとします。それで1,500万円で売れるとなった場合ですね。実際は不動産会社の手数料とかがかかってくるから、プラマイが若干出るんですけれども、要はローン残高と売却金額で見た時にほぼトントンになる場合ですね。

家を売ったらローンが残らないとなった時に、それでも今の家に住み続けたいかということなんですよ。それぐらい今の家に価値を感じているのか。今の家のローンがなくなるんだったらこの家じゃなくて違う家を選びたいという方も当然いると思うんですよ。

実際に30代の頃、営業マンに勧められて、けっこうしんどいローンを返済している。今もローンを返済しているけど、この家は正直がんばりすぎたなと思っている方もおられると思うんですね。そういう方は、家を売ってもうちょっと小さいサイズの家に移るのか、もしくはあえて賃貸にするのもぜんぜんあると思うんですよ。

要は、売れる時に売っておいて、子どもが独立したら夫婦2人で住む。仕事の影響がなかったら住みたいところに住めるわけですから、安いエリアに住んだりということもできるわけですね。だからつなぎとして今、家を売って賃貸に住むケースもぜんぜんあると思います。

だから持ち家というのは資産でもあるし、そういう自分を縛りつけてしまうような負債の役割も若干あると思うんです。ローンがあるのは負債ですから、その家に住みたいかどうか、住まいについてもう一度考えてみるといいんじゃないかなと思います。

「家がいくらで売れるか」を知る方法

その際にすごく役立つものがあるので、ちょっと紹介したいと思います。今見ていただいているのは「イエウール」というサイトなんですけど、要は現時点でざっくりと家がいくらで売れるかを知っておけば、家をどうするか検討していく材料にもなると思います。

これは何のサイトかといったら、不動産の見積もりを一括でできるサイトなんです。僕は引っ越しのサイトとかは知っていたんですけど、不動産では知らなかったから、実際にイエウールさんからお話を聞いて、「へぇ、便利だな」と思ったので紹介したいと思います。

ざっくり言ったら、引っ越しの時にできる一括の見積もりサイトの不動産バージョンみたいな感じですね。ただ、今聞いている方も、「おっ?」と思ったかもしれないですけど、引っ越しの一括見積もりサイトは、申し込んだらめちゃくちゃ業者からメールや電話が来たりするんですよね。

僕はそれが嫌で使っていないんですけど、イエウールさんは自分で見積もりを依頼する不動産会社を選べます。だから不特定多数の業者から電話がかかってくることはないので、その点は安心できるみたいです。

実際にイエウールさんにお願いして、特別にサイトを使わせていただくことができたので、ざっくりこんな感じだよというのを説明していきたいと思います。

ここにデカデカと「No.1」と書いてあるので一応触れておくと、不動産会社との提携者数もおそらく業界内で1位ということですね。利用者数も月間で一番多いそうです。エリアとしても一括査定サイトの中では一番多い。

例えば提携の不動産会社数が少なかったら見積もりを取ってくれる会社も少なくなるし、エリアが少なかったら、本当は売れるのにこのエリアが対応していないからというのもあったりするので、そういう意味で言ったら提携者数とかが多いほうがいいですよね。

「査定価格」を複数の不動産会社で見比べられる

ざっくりとした流れとしては、こうやってマンションとかを選ぶ。「どのエリアですか?」とあるので、「関東で」とか「東京で」と、市町村を選んでいくという感じですね。

住まいの住所を入れたら、「面積とかを全部入れてくれ」と言われるから全部入れて、そのあともアンケートがバーッと書いてあり、例えばマンションと一軒家では、その面積の入れる箇所とかが若干変わったりするので。こんな感じだという感覚で見てもらったらいいと思います。

諸々の情報を入れ終わったら、最後にここだけちょっと説明しておいたほうがいいかなと思うんですけれども。家の価格を知る時には、訪問査定と机上査定という2つがあります。要は、物件の場所とかのデータである程度見積もり金額を出すのか。実際に家を見た時に間取りとか家の状態とかによって当然査定の金額は変わってくるから、「どっちにしますか?」という感じですね。

今回は訪問のほうを選んで、そのまま先に進むと、こんな感じで不動産会社がバーッと出てくるんですよ。この不動産会社のリストから自分が見積もりを取りたい会社を選ぶ感じです。メールとか電話がいっぱい来たら面倒くさいなと思ったら、自分で6社選べます。

その中で、「じゃあ、今回は2社でいいや」みたいな感じで、最後に、このあたりも全部読んでいただいて「無料査定」とやったら、こんな感じで依頼が完了しましたよと不動産会社に査定の連絡が行って、不動産会社から見積もりとか電話とかメールが来て、こうこうこうですよみたいな感じになって、実際に査定価格がわかるという流れです。

日本は中古の物件の市場が弱い

不動産はほかのものと違って簡単に売買できたり見積もりできるようなものじゃないですよね。なのでちょっとだけ入力の手間は発生するんですけれども、一応、今まで不動産会社に行ったり、実際にマンツーマンでやるよりは、いろんな会社からやってもらえる。

要は1社は「この家、500万円でしか売れませんよ」と言ったけど、その人たちがすごく悪い人だったとして、実際は1,500万円で売れる場合、昔だったらなかなか見抜けなかったと思うんですけど。

こうやって何社も見積もりを取っていれば、「いい条件で、だいたい相場がこれぐらいなんだ」というのがわかってくる。人によっては売れないと思っていたけれども、案外この値段で売れるんだったら本当に売却も1つありかなという感覚にもなると思うので、持ち家の方はぜひやってみるといいんじゃないかなと思います。

個人的には、もっともっとこれが広まっていってほしい業界だなと思いますね。やはり日本の不動産は新築ばっかりなんですよね。日本はずっと新築を作って売るみたいな流れなんですけど、中古の物件の市場がぜんぜん良くなっていなくて。

こういうふうに中古の物件がもっともっと流通していけば、僕たちは家を買ってすぐ売って、また家を買ってみたいな、それで中古も買ってみたいな感じで、人生の幅が広がるという意味でもいいサービスだと思っています。

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