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NISAとiDeCoの賢い使い分け!非課税メリットを最大化する方法(全1記事)

NISAとiDeCoはどう使い分ければいい? お金のプロが教える、非課税メリット最大化のポイント

元役者という経歴を活かし、現在はファイナンシャルプランナーとして講演や投資相談を行っている井上ヨウスケ氏。YouTubeチャンネル『井上ヨウスケ/井上FP事務所』では、投資などのお金の知識に加えて、読書や価値観に基づく型にはまらないお金の使い方などを発信しています。本記事では、NISAとiDeCoの使い分け方について解説します。

■動画コンテンツはこちら

期待リターンが低い資産をiDeCoに回す

井上ヨウスケ氏:どうも。ファイナンシャルプランナーの井上ヨウスケです。今日は、iDeCoの非課税効果を最大化する方法をお話ししたいと思います。

先に結論を言うと、iDeCoは元本と利益を併せた部分が課税対象になってくるので、この利益部分を小さくする。つまり期待リターンが低い資産をiDeCoに回していくと、非課税で受け取れる確率がより高くなるので、このあたりを具体的に解説をしていきたいと思います。

時間がない方もおられると思うので、まずは動画のポイントを解説していきます。



ポイントの1つ目ですが、先ほどもお話ししたとおり、iDeCoは元利合計が課税対象となるので、当然最終的に大きな控除を使えるんですが、ここを小さくするほうがより確実性が増します。

そういう意味では、期待リターンが低い商品を使っていくほうが合理的だというお話をしたいと思います。特に分散投資している方は、債券ファンドなどをiDeCoに回していくのがいいですね。反対に期待リターンが高い資産というのは、NISAで優先的に積立していくとバランスがよくなっていくと思います。

最後にポイントの3番目にも書いてますが、「出口で1円でも取られたらiDeCoをやらない」みたいな、よくわからない意見があるんですけれども。

単純な話、掛金を拠出している時に受け取れる所得控除の合計額と、出口部分の課税額を比べた時に、控除のほうがメリットが大きくなるんだったらiDeCoをやる理由になります。出口で課税されたからといって、iDeCoのメリットがないわけではないので、このあたりはしっかり理解していただきたいと思います。

積み立て資金も増えた資金も、すべて課税対象

では、さっそくお話をしていきたいと思います。iDeCoの課税の仕組みはすでにご存じの方もおられると思いますが、掛金が全額所得控除になるわけです。毎年掛金を出せば出すほど、所得税、住民税が累積で控除されていく金額の合計が増えていくわけです。

そして、「運用している間も税金を取らないよ。ただ最後の受け取りの段階で、元本も利益も全額を課税対象にしますよ」というのがiDeCoの仕組みです。



要は、出口で元本部分も課税するから入口で控除しますよ、みたいな感覚です。当然、出口部分で大きな控除が使えるものの、あまりにも元利合計が大きくなると、それ以上に増えてしまう可能性もあるので、そうなると出口部分で課税される確率が上がるわけです。

具体的に数字を使いながらお話をしていきたいと思いますが、基本的に一時金で受け取ると考えて、一時金で受け取る時は退職所得という計算をします。このあたりは過去の動画でもかなりお話をしているので、理解していただいている状況を想定してお話をしていきたいと思います。

例えば元本1,500万円で利益1,000万円になって、iDeCoの元利合計が2,500万円とします。この退職所得控除という使える控除が2,060万円あったとしても、差し引き440万円残るわけです。これを2分の1したものが退職所得の金額になるので、この場合だったら220万円が退職所得になります。



これに所得税率と住民税率を掛けて計算するかたちになるので、細かいことは省略しますが、ざっくり220万円ぐらい退職所得があれば、所得税と住民税併せておおよそ35万円ぐらいは課税されるんじゃないかなと思います。

期待リターンが高い商品ほどNISAは有利に働く

ただ長期でやっている方は、恐らく100万円ぐらいの控除が受けられているので、35万円払っても有利であることは間違いないかなと思います。このあたりはケース・バイ・ケースなので、ご自身で考えていただきたいと思いますが、今回のテーマはここの利益部分を小さくするということです。

どういうことかと言うと、元本は同じ1,500万円でも、利益が500万円だったとすると、(合計が)2,000万円になるわけです。すると控除の中に収まるので、税金はかからないですから、当然非課税で受け取れるわけです。



じゃあ、これをどういうふうに考えればいいのか。「株を100パーセントで全部買ってますよ」みたいな強気な方からしたら、あんまり関係ないお話なんですが、分散投資している方はここをちゃんと上手に使っていくといいと思います。

単純な話、株式はNISAを優先で買っていく、債券などはiDeCoで買っていくというふうに分けるだけですね。債券のほうが期待リターンが低いので、そういった資産をiDeCoで積立していく。



つまり、NISAというのは利益はすべて非課税なわけですね。10パーセント増えようが20パーセント増えようが、どれだけ増えてもすべて非課税ということは、期待リターンが高い商品ほどNISAは有利に働くわけです。なので分散投資する時には、株式ファンドに関してはNISAを優先的に埋めていけばいいですね。

iDeCoとNISAの使い分けまとめ

一方でiDeCoに関しては、先ほどもお話ししたとおり、利益部分も元本部分も全部が課税対象になってしまうので、増えれば増えるほど控除を超えてしまう可能性がある。

うれしいことでもあるんですが、制度から考えると、期待リターンが低い商品をiDeCoに優先的に入れていくといいですね。なので分散投資するのであれば、債券ファンドなどはiDeCoを優先的に埋めていくといいですね。

僕自身もリフォームが間もなく終わりそうで、当面使うお金がなくなるので、またリスク資産6割、非リスク資産4割ぐらいに戻そうかなと思っています。

外国の債券ファンドを買おうと思っているんですが、その時はiDeCoを優先的に埋めていって、オルカンなどそれ以外はNISAで買うという感覚にしているので、分散投資されてる方はこういう考え方を上手に使うといいと思います。

「iDeCoもNISAも全部オール・カントリー(全世界株式)1本でいってますよ」という方にとっては、まったく関係ないお話ではあるんですけれども。

「ちゃんと分散投資してますよ」「債券ファンドも買ってるし、株式ファンドも買ってるよ」みたいな方は、今お話ししたとおり、できる限りiDeCoの使う枠を期待リターン低い商品にしたら、その分非課税効果が大きくできる可能性が高まるので、1つの参考にしていただければと思ってこの動画を作成しました。

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