2024.10.10
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新NISAのよくある質問にプロ視点で的確回答します!(全1記事)
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三田村英弥氏(以下、三田村):今回もよろしくお願いいたします。
森田哲矢氏(以下、森田)、東ブクロ氏(以下、東ブクロ):お願いしまーす。
三田村:過去2回で新NISAの概要はご説明したのですが、今回は一般の投資家の方からよくお寄せいただく質問にお答えしようと思います。
まずはこちら。「今、つみたてNISAで持っている金融商品を新NISAに移せるの?」という質問です。こちらは前回お話したんですが、森田さん、覚えておりますでしょうか?
森田:投資家の方々……移せないですよ。
三田村:正解です。ありがとうございます。
森田:これは知ってましたよ。
三田村:ありがとうございます。移せないので、売却して新しく購入、投資する必要があるということになります。
森田:今までのNISAでやっている商品は移せないじゃないですか。新しく同じ商品を買うことってできるんですか?
深町芳氏(以下、深町):できます。
森田:新NISAでも?
深町:できます。
東ブクロ:移すことはできないけども、新たにはできるってことか。
森田:できるってことだ。同じものを買うことはできるんですか?
深町:もちろんできます。
森田:じゃあそれって、移してるのとそんなに変わらないですよね。増やしたってことですよね?
深町:そうですね。買う時期が違って、また大きな枠で買えるということで、別に一緒にする必要がないので。
森田:ないってことか。
深町:はい。同じファンドを買われるのであれば、(移すのと)同じことですね。
東ブクロ:じゃあ、そのNISAの口座ではなくて、特定口座で持ってる投資信託をその新NISAに移すことはできるんですか?
三田村:それもできないですね。
森田:できない。
三田村:それも、1回特定口座の部分を一度売却をして、また新NISAの口座で投資し直す、買い直すということをしていただかないといけないです。
三田村:それでは、続いての質問はこちらです。「つみたて投資枠と成長投資枠で金融機関を分けられるんでしょうか」。
深町:今まではどちらかしかできないから、こういう質問ってなかったんですが、両方できるようになりましたので、こういう質問をいただくようになったんですよね。
森田:これは、なんで分ける必要があるんですか? (そういう人は)なんで分けたいんですか?
深町:金融機関によって買える商品が違いますよね。
森田:そういうことね。
深町:例えば個別の株に投資したいという方は、銀行さんはダメで、証券会社でないと(買えない)。だけど銀行さんで積立はしたいという方がいたりすると、分けたいというお気持ちがあると思うんですが、残念ながらこれはできないです。
森田:できないんや。
深町:どっちも同じ金融機関でやってね、ということになります。
森田:やっぱり、そのほうが管理がしやすいってことなんですか?
深町:たぶんそうだと思います。この1,800万円(の最大投資額)を、1人のものを一生涯ずーっと管理しておかないといけないんですよね。それが複数の金融機関とかになったら、とても大変ですよね。
東ブクロ:そうですね。こっちになんぼとか、わからんくなるもん。
深町:なので、管理側の問題だろうなと思うのですが、一応これは「できません」というご回答になります。
東ブクロ:1つの金融機関で、ということか。
森田:例えば、2024年の4月に新NISAの口座を開きました。年間360万円の枠は、2025年の3月末までは使えるっていうことですか?
深町:3月に始めても、4月に始めても、NISAは1年単位で1月から12月で区切られています。なので3月から始めても、12月で2024年の分は終わり。(始めた月から)1年間じゃなくて、1月から12月ということになります。
例えば2023年のNISAでも、今からしか始められないので、2023年の12月までで終わり。
森田:そうか。じゃあ、やるなら1月のほうがいいってことですか。
深町:そのほうが非課税の期間が長くなるってことですね。
東ブクロ:(始めるなら)早いほうがいいんか。
森田:1月の正月明けですね。
深町:はい。4日(から)です。
森田:4日からね。4日に駆け込むのが一番いいってことですね。
深町:はい。それが、一番長く使える。
森田:長く使える。
三田村:続いての質問に移ろうと思います。「新NISAで100万円投資し、数年後150万円で売却した。翌年復活する最大投資可能額は何万円になるでしょうか?」という質問です。
森田:最大投資可能額は……え? あれじゃないんですか。
深町:ちょっとこれはわかりにくいかもしれませんが、100万円投資して、それを売却した時は150万円なんです。翌年の空く枠はいくらでしょう? という意味です。
東ブクロ:そういうことか。
森田:え? 枠は……。
東ブクロ:翌年復活する枠……。
深町:ちょっと難しいですかね。答えを言うと、買った時の金額の枠が減りますよということです。
森田:じゃあ100万円か。
東ブクロ:変わらんってことね。
深町:100万円ってことです。だから、150万円売却したからと言って、枠が150万円は増えませんよということをお伝えしたい質問なんです。ただ、じゃあ今度は500万円分買ったものを600万円で売却したいとします。翌年はいくら買えますか?
東ブクロ:その感じでいったら500万円ですもんねぇ。
深町:と思うけど……。
森田:でも、1年に1回のあれは決まってるからってことっすよね。
深町:そのとおりです。
ナレーター:例えば500万円分を売却した場合、年間投資上限額は360万円ですから、翌年に復活する枠は360万円。残りの140万円はその次の年に復活することになります。
森田:ここまでわかってるやつが、まだ投資してないっていうね。
東ブクロ:ほんまに、だいぶ知識は増えてますよ。
森田:俺は本当にいつでもできるよ。
深町:帳面に載っている、最初に買う購入価格は「簿価」ですね。帳簿の「簿」の価格ということで、簿価という言い方をするんですが、買った時の値段が1,800万円の枠の計算をする時に使われます。こういうところも、覚えといていただくといいと思います。
東ブクロ:ちょっとこのへん、ややこしいっすね。
深町:ちょっとややこしいです。ただ、その枠を意識しなければいけないのが、最短でも5年後なんですよ。だから来年、再来年は、枠のことはまだあんまり気にしなくて大丈夫です。
東ブクロ:まだ今の段階では。
森田:了解です。
三田村:続いての質問に移りたいと思います。「投資を始めるのは2024年まで待ったほうがよいでしょうか?」。
森田:これはもう、手続きのめんどくささの問題じゃないんですか?
東ブクロ:関係ない。
森田:いやいや、だってそうやん。だって、2個持っておくのがめんどくさい人は、もう2024年からでいいし……っていうことじゃないの?
東ブクロ:(笑)。
深町:「来年から変わっていい制度だから、来年からしかやらない」というのはおかしいですよ、ということです。
森田:そうか。
東ブクロ:そうやね。
森田:投資の考え方自体が、「来年から」とかじゃないよっていうことね。
深町:1,800万円の枠の別で今年できるのはメリットがあるので、2023年からやっておけばいいですね。
東ブクロ:新NISAの他に、この数回は出てこなかったiDeCo。忘れがちなiDeCoですが、あっちは変わらないんですか?
深町:少し制度改正はあったんですが、NISAみたいにすごく使いやすくなったとか、そういうことではあまりないです。
森田:大改革はない。
深町:はい。そこまで注目はされてないんです。iDeCoは前にお話ししたと思うんですけど、どういう制度だったか覚えていらっしゃいます?
森田:ねえ。NISAとは違う制度ですね。
東ブクロ:まぁ、そうやねんけどな(笑)。
深町:老後資金を準備するための制度なので、60歳までは出せませんよね。
森田:そうやそうや。
深町:iDeCoは60歳以降しか資金を引き出せない制度なので、例えば「将来会社を大きくするためにビルを買おう」みたいなことには使えないんですよ。なので、どっちがいいとか悪いとかじゃなくって、何のために資産形成するのか、何に使いたいお金なのかで分けて、自分が何のために資産形成していくのか。
東ブクロ:じゃあ、どっちから始めたほうが良いというのも、一概には言えないってことですね。
深町:そうですね。
東ブクロ:各々の使い方というか。
深町:私はこうやってお話しするので、いろいろと本を読むんですが、書いてあることはいろいろです。
森田:もうぜんぜん忘れましたけど、iDeCoとNISAって両方できるんでしたっけ?
深町:できます。
森田:できんねや。じゃあ、今からiDeCoもやっておいて、NISAもやっておくのが一番いいってことですよね。
深町:なぜiDeCoをやったほうがいいかというと、所得控除があるからです。現役時代、積み立てている間に税金が安くなるというメリットがあります。なので、お二人はたぶん税金が高いと思うので、iDeCoされるというのは1つ。
東ブクロ:「やったほうがいい」というのは、言っていただきましたもんね。
深町:メリットは大きいと思いますね。
森田:誤解を恐れず言うと、税金高いっす。
東ブクロ:いやいや、それはな(笑)。
森田:むちゃくちゃ持ってかれます。
深町:自営業の方とかは、やっぱり年金の制度がちょっと手薄なんですよね。
東ブクロ:そっか。フリーランスとかはね。
深町:なのでそういう方は、iDeCoでちゃんと老後資金を準備することをおすすめしたいですね。
森田:そういうことですね。
東ブクロ:絶対、俺らやねん。
深町:あと、つい途中で出しちゃって、なかなかお金を貯められない方っていますよね。iDeCoは制度上60歳まで出せないので、確実に老後資金が準備できるという、ちょっと無駄遣いがしにくい制度です。
森田:そうなん。融通が利かないっすね。
深町:その融通の利かなさで、ちゃんと資産形成してくださいという(制度です)。
東ブクロ:そういうことですよね。
東ブクロ:あと、新NISAを使って投資した分を将来売る時は、どうすればいいですか?
深町:例えば、100万円投資したら出す時も100万円解約しなきゃいけないと思ってらっしゃる方がけっこう多いんですが、別に10万円でも5万円でも、一部でも出せるんですよね。なので必要なタイミングがあったら、必要な時に必要な分を出すこともできます。
特段、老後資金のために貯めているのでずっと出さないという人は、例えば60歳で仕事をリタイアしたら、そこから貯めてたお金の3パーセントずつを出していくとか、そういうこともできます。だから自分で引き出してもいいし、金融機関によってはそういうサービスをしてくれるところもあります。
森田:毎月出してくれる、みたいな。
深町:はい。「3パーセント分、出してあげますよ」とか。(引き出す割合は)自分で決めて、仮に1年に5パーセント出すと決めたら、20年分ありますよね。そんな感じでちょっとずつ出していくとか、いわゆる年金の補完として使うこともできる。
森田:もしも僕らが老後になり、死にました。(口座にお金が)残ってますと。それってどうなるんですか?
深町:相続されます。
森田:そのまま相続なんですか。
深町:財産として相続できます。
森田:そこで1回解約なんですか。
深町:それは金融機関によっても違うんですが、例えばAという証券会社で森田さんがたくさん持っていて、ご不幸があったとし、息子さんなり奥さんなり相続人の方が金融機関に同じように口座を持っていれば、解約しないで引き継げるケースもあります。
東ブクロ:次はまた税金の問題になってきますよね。
森田:相続税とかは?
深町:考え方としては同じ。
森田:同じ。そこは非課税にはならないんですか?
深町:NISAは1人ずつなので、亡くなられたらもうそこで非課税は終わり。
森田:相続税の非課税はない。
東ブクロ:なるほど。
森田:くそ、そうか。
東ブクロ:死ぬ直前になんとかせなあかんってことやな。
深町:まさかこんな質問が出るとは。
森田:ちなみに、その相続税は何にかかります? 最初に投資したものにかかるのか、儲かった分にかかるのか、どうなんですか?
深町:亡くなられた日の価値に対してかかります。
森田:そうか。これが資産になっていて、それを相続するから。
深町:そうです。「投資した時は500万円で、簿価は500万円です」と言っても、そこはダメですね。増えていれば増えてる分に税金がかかります。
森田:そういうことか。
深町:だから他の預金とか、例えば不動産とか、そんなものを全部一緒にして何千万円ですよというふうになれば、それに税金がかかる。
森田:そういうことね。
三田村:次はこちらです。「ジュニアNISAを利用しているが、2024年以降はどうなるでしょうか」。
森田:ほんまや。
東ブクロ:(制度の改正でジュニアNISAが)なくなるという話はしてましたよね。
深町:そうなんです。もうなくなりますよね。
森田:ジュニアNISAって(対象者は)未成年でしたっけ?
深町:はい。
森田:今、未成年と言うと、18歳未満の人たちしかやれないってことでしたっけ。
深町:そうです。18歳未満ですね。0歳から17歳11ヶ月までですが、2024年からは制度がないので、2024年以降ジュニアNISAそのものはなくなりますね。ただ今年までやっていた人は、実はけっこうお得なんですけど、18歳になるまで非課税で投資を続けられます。
森田:そういうことか。
深町:NISAはなくなるので名前変わるんですが、非課税のまま預かってあげますよということで、口座は別に。ただ、前はいろいろ手続きが必要だったんですが、これも簡素化されて、何の手続きをしなくても18歳までは非課税です。
東ブクロ:じゃあ今、0歳から始められるってことですか?
深町:そうですね。
東ブクロ:18年間いけるってことですよね?
深町:例えば2023年の12月までだったら、まだ0歳とか1歳の方がやると、18年ぐらいできる。
森田:じゃあ、やっといたほうがいいっすよね。
東ブクロ:それぐらいの人はね。
森田:18歳になったらどうなりますか?
深町:自動的に移行できないので、一回解約して、新NISAに作り直さないといけないです。そこは大人の方と一緒ですね。実は今、廃止が決まって18歳まで出せないという制限がなくなって、急に口座が増えたという話も聞いています。
森田:そうなんや。
東ブクロ:今、注目を浴びてんねや。皮肉なもんですね。
森田:じゃあ、今0歳の子が入って15歳になりました。高校は私立へ行きますと。それは出せるってことなんや。
深町:2024年以降なら出せます。
東ブクロ:じゃあやるなら今ですね。
森田:ほんまそうっすね。
深町:廃止が決まって、去年ぐらいから人気化してるという話も。
森田:(笑)。それはなんなんすかね。確かにラーメン屋とかでも、潰れるってなってから行きたくなりますよね。
三田村:なりますよね。私もそのタイプです。
東ブクロ:知らんわ(笑)!
森田:一番共感してくれたよ。なんか今日一番、目をキラキラさせてた。
東ブクロ:ラーメンの話やってん?
三田村:映像が浮かびました。
森田:(笑)。
深町:今日はよくある質問をご紹介したんですが、他にご質問はありますか?
東ブクロ:新NISAに変わったことによって、正直デメリットはないですか?
深町:変わったことによるデメリットはないと思います。
東ブクロ:いっさいない。じゃあ完璧ですか。
深町:完璧。投資家側からすると、金融機関は2つにできないとか、ちょっとそういう制限は残ってますけど、以前の制度から比べて悪くなったところはないと思います。
東ブクロ:ないんや。
深町:それこそネットとかで「神制度」と言われたりもしてます。
東ブクロ:絶賛されてんねや。
森田:そして何をするにしても、2023年内が一番熱いってことですよね。
深町:そうですね。もうぜひぜひというところです。
森田:ちなみにお二人は、どう活用するか決めてるんですか?
三田村:私はつみたてNISA一択で、ひたすら積立をコツコツやっているところ。
森田:1回も出してないですか?
三田村:1回も出してないです。
森田:深町さんはどうですか?
深町:つみたてNISAという制度が始まったのは2018年からなので、使ってるのはそれ以降なんですが、私も積立歴は長くて。たぶん25年以上はしてると思うんですよ。
森田:出してます?
深町:出してません。
森田:1回も出してない?
深町:1回も出してないです。
森田:投資額はどうなんすか?
深町:もう老後ラクラクです。
東ブクロ:うっわ! そうっすよね。
森田:(笑)。見て、あの勝ち誇った顔。老後ラクラク。
東ブクロ:その数字をちゃんとこのチャンネルで見せていただけたら、みんな信じますよ。
森田:「老後ラクラク」、三田村さんの目を見て言ってほしいわ。リーマンショックとかがあっても増えてるっていうことや。
深町:増えてます。
森田:だから若い人は、本当に今からやったほうが。
深町:本当に声を大にして「やって~!」と言いたいです。
東ブクロ:そうっすよねぇ。
森田:「老後ラクラク」、もう今回のタイトルはそれです(笑)。
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