2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
来年からは損? 今年から始めるとさらに得する新NISAまでの時間 (全1記事)
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三田村英弥氏(以下、三田村):それでは、今回もよろしくお願いいたします。
一同:お願いします。
三田村:前回は、制度が恒久化してずっと使えますよということになった上に、投資枠が大幅に増えて、しかも「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に変わるというところまでお伝えしました。じゃあ今回は、いくらまで非課税で投資できるのかをお伝えしていきます。
森田哲矢氏(以下、森田):年間最大360万円で恒久化されたということですよね。
三田村:はい。
森田:だったらいくらでもできるんじゃないんですか? あそこ(ポイント3)がめくれるのを、俺は今か今かと待っているんですよ。
(会場笑)
深町芳氏(以下、深町):さすがに無制限というわけにはいかないということで、「最大投資枠」といって、1人の方が一生涯でいくらまで投資できるかという上限が決められました。
森田:決められているんですね。
深町:ということで、こちらになります。1,800万円が上限です。
東ブクロ氏(以下、東):合計なんや。
深町:1年間360万円丸々やっていくと、5年でもういっぱいになっちゃう。
東:いっぱいになるんか。
森田:(カッコ内の)「そのうち1,200万円」というのはどういうことでしょうか?
深町:「成長投資枠」は240万円できるんですが、それを5年やったら1,200万円になりますよね。そしたら、これでいっぱいです。全部で1,800万円なんですが、「成長投資枠」の上限は1,200万円。
「つみたて投資枠」だけで1,800万円まで投資をしてもOKなんですが、「成長投資枠」の場合はそれが下がっていて、1,200万円。
ちょっとわかりづらいですが、できるだけコツコツやってほしいということで、上限が1,800万円なんですが、全部を「成長投資枠」で使っちゃダメだよということになっています。
森田:「つみたて投資枠」なら、1,800万円全部いけるということですよね。
深町:全部でもOKですね。年に最大120万円なので、1,800万円だったら15年間コツコツやると1,800万円になります。こういうやり方でもOKです。
東:でも、今までのNISAを足せばけっこうな額ですよね。
森田:そうですね。
深町:例えば、40万円の枠が20年使えたので800万円と計算しており、今年から始める方も(つみたてNISAか一般NISAの)どっちかなんですね。なので、もし丸々やろうと思ったら1,800万円が来年以降使えて、もし「一般NISA」を使う方だったら1,920万円が一生でできるという感じになります。
森田:そういうことか。
深町:「来年から制度が変わるから、来年からやろう」という方もけっこういらっしゃるみたいなんですが、この分も使ったほうがお得なので、ぜひ今年もやりましょう。
三田村:ちなみに、この(2024年以降の最大投資可能額が)「1,800万円」の部分なんですが、今回の制度改革の新NISAになりますと、以前できなかったことが1つできるようになったことがあります。何だと思われますか?
東:突然のクイズや。
森田:以前できなかったことができるようになった。もし投資に失敗してゼロになっても、1回復活できる。
東:そんなん絶対無理やろ。
森田:国が1回復活させてくれる。
(会場笑)
三田村:国が補填してくれると(笑)。
森田:リセットできる。
東:『桃鉄』やないから。
深町:リセットって、ちょっと近い。
三田村:リセットは近いかもしれない。
森田:救済措置?
東:おろせるというか、途中で出し入れできやすくなったとかですか?
深町:近い。
三田村:ほぼほぼ、正解に近いです。
森田:正解、何ですか?
三田村:答えに行きたいと思うんですが、実は枠の再利用ができるようになります。
森田:再利用。どういうことですか?
三田村:それをここから詳しく説明したいと思います。という時は、お決まりのものがやってきてまいります。
森田:また“アレ”を作ってきたのかな。あの人、模型に頼るねんな。
ナレーター:「投資枠の再利用」とは、いったいどういうことなのでしょうか。模型でわかりやすくご説明します。
三田村:こちらは1,800万円の枠を作っているんですが、「つみたて投資枠」の120万円と「成長投資枠」の240万円を、仮に1年目に満額使いましたという場合ですね。
森田:満額。
三田村:続いて、2年目もまた同じように「つみたて投資枠」の120万円を使って、240万円の「成長投資枠」も使いました。そしてここから……(深町氏に道具を渡しながら)ヘルプで。
森田:もう、すぐ出てきたやん(笑)。
東:(笑)。「段取り悪いよ」と。
森田:もっとスムーズに置けよ。
三田村:こちらが3年目で、続いて4年目に入りました。そして最後に5年目。
東:もういっぱいや。
三田村:このままやっていくと、「つみたて投資枠」で120万円、「成長投資枠」で240万円をずっと繰り返していくと、5年後にはもうパンパンになってしまいます。
今までは、枠を使ってしまうとそれで終わりだったのですが、例えば「成長投資枠」の240万円を全部売却します。
森田:途中で。
三田村:はい。そうすると空きましたね。この部分が、次の年にまた使えるようになります。なので、先ほどお話にちょっと出てきましたが、売ったり買ったりができるようになる。
東:これは過去にはできなかったですよね。
三田村:はい。今まではできなかったです。
三田村:前までは「つみたてNISA」や「一般NISA」だと、使えなかった分は使えなくて終わっていましたし、使い切ったら当然復活は当然なかったんです。
ただ、今回の新NISAの制度になると、枠が復活することになりました。「つみたて投資枠」の分を売りましたとなるとその分の枠が空くので、「つみたて投資枠」分がまたできますよということです。
東:じゃあ、それをうまいことやればかなりの。
深町:例えば、ずっとコツコツ貯めていって「車を買うので出そう」「旅行に行くので出そう」と出して、また空いた枠を使うことができます。ここもまた、非常に使いやすくなりましたね。
東:いいですね。
深町:生活のサイクルに合わせて売ることもできるし、また余裕ができたら貯めていく・増やしていくということもできますよね。1,800万円あれば、それをずっと復活復活で使えるので、使いながらまた増やし続けられる感じになります。
森田:いいですね!
東:なんで今までそうじゃなかったんや? と思っちゃうぐらいね。
三田村:本来は、私たちも最初からこうであってほしかった。
森田:(笑)。
東:三田村さんは思いついてはいましたか?
三田村:たぶん、業界の人がみんな思っていたと思いますけどね。
東:やはり!
森田:それをやってこなかったんですが、国がやっとやってくれた。
三田村:やってくれたんです。ぜひこれも使っていただいて、資産形成のアイデアの1つにしてもらえたらなと思います。
ナレーター:ここで、森田さんからこんな質問が。
森田:じゃあ、2024年に買った投資信託は安かったから、その分だけ売って利益を確定しておいて、あらためて買うことはできるんですか?
三田村:先ほどの積み木でやったところでは、便宜上「何年に買いました、120万円、240万円で買いました」と、きれいに分かれているように見えるんですが、実はこんなかたちでの管理はされていなくて。
新NISAが始まりますけれども、例えば2024年に1回買いました。そして、続いて2025年にまた買いました。
東:なんやこれ。
森田:だんだんでんじろうの弟子みたいに見えてきた。
(会場笑)
三田村:2026年に買いました、2027年に買いました、というところでこうなるんですけれども、これをこうすると……(ビンを振る)。
森田:混ざる!
三田村:いつ投資したものかって、もうわからないですよね。「何年に買ったものが安くて、一番上がったから売る」といったことはできないということになります。
深町:「混ざった分から100万円分売るよ」という感じ。
森田:そういうことなんや。
東:選べないということですよね。
深町:「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で、それぞれがこのビンのような感じで管理されているので、どっちからいくら分出したいかを決めていただく感じになります。
森田:「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で、ビンが2つあるということですか?
三田村:ビンが2つあります。
深町:だけど、何年に買ったかというのは管理されていないんです。
森田:そういうことか。「あなたの全部の資産が混ざってますよ」ということですね。
深町:そうですね。
東:じゃあ「こことここを売りたいんや」というのは、言うことを聞いてくれないんですか。
三田村:できないです。
森田:お二人からしたら、それはどうなんですか?
深町:買った時の値段をどこかに記録しておいて、ずっと「何口買った」というのを管理しておかないといけなくなるので、いろいろシステム的な問題は大変なんですよね。
なので、今回はいいほうにいっぱい変えてもらったんですが、なかなか設備投資が間に合わないこととかもあって、こういった管理はしないことになっています。
東:「混ざる」というのはわかりやすい。
森田:でも、売る時はファンド側がいろいろやってくれるんですか?
深町:混ざった中から100万円分とか300万円分出しますよ、ということですよね。
森田:年度で分かれると、買ったほうも複雑ということですよね。
東:こっち側もわかってないか。
深町:そうですね。「2024年はいくらでした」ってずっと管理していかなきゃいけないと、金融機関も大変です。投資される側も「いくらで買ったっけ?」と、ずっと管理しておかなければいけないので。
森田:それを調べると、こっち側も面倒くさいっちゃ面倒くさいですね。
深町:そうですね。なので、同じファンドであれば1つの入れ物に入っちゃうよという感じです。
森田:なんせファンドを信用しておけば、別にそんなにこっちも「損したな」とかはないということですよね。
深町:コツコツ続けていく成果を取るという考え方なので、「あの時のほうがよかった」ということは、たぶんそんなにない。
東:わかりました。でも、必要になった時に取り崩してまた再開できるというのは、だいぶ進歩ということですもんね。
深町:すごく使いやすくなったと思いますね。
森田:別に、儲かっていなくても売ることはできるんですよね。
深町:はい。ただ「成長投資枠」も「つみたて投資枠」も、当然利益を非課税にしますという制度なので、利益がなければ何のお得感もないんですよ。
東:そうかそうか。置いているだけ。
深町:仮に、100万円投資した分が90万円になっちゃった時は、ただ10万円損しただけということになります。もちろんマイナスになっていても売却はできますが、NISAのメリットはないということです。利益があってこその非課税なので。
森田:いろいろ聞いてきましたけど、従来のNISAや「つみたてNISA」と比べて、新NISAで一番変わったところは何なんですか?
深町:これはもう「恒久化」です。ずっと使えるということですね。
森田:そうか。
深町:「いつまでだったかな」「いつ解約しよう」とかを何も考えず、自分が使いたい時・必要な時に、自分のペースでやれるようになったところですね。
森田:そうかそうか。これは、いわゆる「貯金みたいなもの」と捉えてもいいんですか? 儲かるとするならば、貯金の利息が高い版っていう。
深町:厳密に言うとぜんぜん別物です。投資なので、上がることもあれば下がることもあります。ただ意外と、投資をすると引き出せないと思っている方がいらっしゃるんですが、これは必要な時に出せます。
森田:そうですよね。
東:ちょっと貯金の要素も。
森田:よく一般的に「銀行に置いておくよりも投資に回したほうがいい」と言われるんですが、「こんなもん貯金と一緒やで。しかもこっちのほうが増えるよ」と言っている人は、間違いではないということですね。
深町:「増えることもあるし、減ることもある」ということを、ちょっとつけ加えます。変わった(新NISAの)制度の良さ、だいたい伝わりましたでしょうか?
森田:なんとなくわかりました。
深町:がんばって模型でお伝えしたのが伝わりましたでしょうか。
森田:(笑)。
東:そうですね。ビーズ、わかりやすかったですよ。
森田:いつでも出せるというのもメリットですよね。
深町:ただ、ここが預金とちょっと違うんですが、預金は夜中でもATMへ行ったらすぐ出せますけど、(投資信託は)今日言って今日は出ないんです。だいたい4日から5日くらいかかります。
なので「明日要るお金をこれから充てる」というのは、ちょっとできない。ただ、例えばお子さんの大学の入学金とかって、いついるかってわかっていますよね。
そういったものだったら前もって準備しておけばいいし、そういった意味では出せますが、夜中にすぐに出せるということではないということですね。
森田:了解です。
東:そういうことね。とりあえず三田村さん、その赤と青のビーズ、ちゃんと分けて戻してくださいね。
森田:なんでやねん。
三田村:一緒にやっていただければ。どうですか?
(会場笑)
東:他人のNISA、触れないんで(笑)。
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