
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
お金がなくてもFIREできる? 今からできる小さな挑戦とは(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
藤野英人氏(以下、藤野):これはよくある質問なんですが、私の友人とかでも「藤野さんのファンドを買いたいんだけれども、お金が貯まってから投資するわ」という人が多いんですよ。「投資はまとまったお金が貯まってから」「勝負に行くようなものだ」というふうに考える人が一定数いるんです。
でも、実は投資はごく小さい金額から始めることができます。それは「つみたて投資」なんですね。月に500円、1,000円、5,000円とか、そのくらいの金額から始めることができます。なので、まず始めることがすごく大事なんです。
もちろん、マーケットが上がったり下がったりもするんだけれども、5,000円を12ヶ月投資すると6万円分になります。10年間投資をしたら60万円になって、5割くらい10年間で増えることになったら、結果的に言うと90万、100万円近いお金になります。
100万円あれば、なにか問題があった時にもできることが多いですよね。「リストラされました」「病気がありました」、もしくは「結婚するかもしれない」という時に、この100万円でできることがあります。
さらに、5,000円ずつ投資してもう10年経つと、200万円になります。でも複利ですから、250万円とかになっているかもしれません。こういうかたちで、(小さい額でも投資すると)まとまったお金ができてくるんです。
私がおすすめするのは、最初から引き落としをすることです。お金ができたら投資をするのではなく、給料をもらったうちの5,000円とか1万円をつみたてに回して、残りのお金でなんとかやっていくことを習慣化していけば、結果的に投資の原資がずっと増え続けることになるのではないかなと思います。
株式投資やお金の話だけをしましたけれども、投資ってお金だけじゃないんです。投資で一番大きいのは「自己投資」、自分の力を上げることなんですね。自分の力を上げることができたら、5年や10年ですごい力になります。
図書館に行けば、タダで読みたいだけ無尽蔵に本を読むことができますし、英語の勉強もできます。走れば自分の体を鍛えることもできます。自己投資であったり、もしくは株式投資であったりと、投資の機会はいっぱいあるんですね。
その中で、最近流行りの言葉があります。それは何かと言うと「FIRE」です。早期に退職をして、金融所得だけで生活できる状態をFIREと言うんですね。実際に「FIREを達成しました」という話が、ブログやSNSでたくさん出てきます。
また、これもよく聞かれるんですが、「藤野さん。僕は今お金がないんだけれど、いずれFIREしたいんです。どうしたら良いですか?」と言われます。これに何と答えるかというと、「ぜひやりましょうよ。FIRE良いですね」と言います。
ーー金融所得だけで生活なんて簡単な話ではありませんが、FIREを勧めるのにはもう1つ理由があるそうです。
藤野:いくらくらいだったらFIREできるかは、人によって違うんです。地方に行くと空き家がいっぱいありますから、すごく安い値段で家を借りることができるんですよ。移住しただけでお金をくれる地方もありますよ。
コロナになった今の時代は、インターネットでどこでも仕事ができる。だから別に東京、大阪、名古屋とかの大都市に住まなくても、生活費が安い地方に住んだら、隣の人から野菜とかをもらえるような場所もいっぱいあるから、ほとんどが生活費かからない。
少なくとも10年、20年前に比べれば、お金をそれほどかけずに、かつコストを低くして、投資の利益によって働かなくても済むような工夫ははるかにできるようになりました。
「FIREを目指したい」という人には、「FIREをやると良いよ」と勧めているんですが、FIREできるような状態になったらたぶんFIREをしないと予想しています。
「どういうこと?」というと、私の知人で大きな上場企業の会社の社長になって、今も会社を伸ばしている人がいます。でも、その人は若い頃に人から借りた新品の車で暴走して、崖にぶつけて1日で壊しちゃったらしいんですね。なので、彼はその友人のために車のお金を返し続けることになりました。
だから、彼の働く目標は「車のお金を返すこと」だったんです。一生懸命仕事をして、車のお金を返したら欲が出てきたんですよ。「自分のスポーツカーを買いたい」ということが夢になって、一生懸命働きました。
スポーツカーを買うお金ができたので車を買ったんだけど、次の目標が出てきたんですね。最終的に自分で会社を作り、その会社をさらに大きくして上場までしていきました。
FIREできるくらいに投資のことがわかり、それから社会のことがわかるようになってくると自分の価値も上がってきて、「社会に対してどういう影響を与えようか」という発想に必ずなってくるので、投資の利益も上がり続けるんでしょうけど、別の道や生き方を見つけてずっとFIREしないんじゃないかなと思います。
私の予測だと、FIREできるようになった人の6割から7割くらいはそうなってくるんじゃないかなと思います。なので超逆説的なんですが、ぜひFIREを目指しましょう。動機は何でも良いのかなと思うので、「FIREしたいんだ」でも良いかもしれません。
小さい努力を積み重ねていって、それが半年、1年、3年、5年、10年と経ってくるうちに大きな力になっていくと思います。
「今はお金がない」「今は足りない」という人は、できる範囲でやれることを少しずつ工面して努力をしていくという積み重ねが、最終的に大きな資産を得たり、大きな人生の目標を得たりすることになるんじゃないかなと思います。ぜひ、そういう小さい挑戦をみなさんにもやっていただきたいなと思います。
2025.02.06
すかいらーく創業者が、社長を辞めて75歳で再起業したわけ “あえて長居させるコーヒー店”の経営に込めるこだわり
2025.02.03
「昔は富豪的プログラミングなんてできなかった」 21歳で「2ちゃんねる」を生んだひろゆき氏が語る開発の裏側
2025.01.30
2月の立春までにやっておきたい手帳術 「スケジュール管理」を超えた、理想や夢を現実にする手帳の使い方
2025.02.03
手帳に書くだけで心が整うメンタルケアのコツ イライラ、モヤモヤ、落ち込んだ時の手帳の使い方
2025.01.29
社内会議は「パワポ」よりも「ドキュメントの黙読」が良い理由 Amazon元本社PMが5つのポイントで教える、資料の書き方
2025.01.31
古い手帳から新しい手帳への繰り越し方 手帳を買い換えたら最初に書き込むポイント
2025.01.28
適応障害→ニート→起業して1年で年収1,000万円を達成できたわけ “統計のお姉さん”サトマイ氏が語る、予想外の成功をつかめたポイント
2025.02.04
日本企業にありがちな「生産性の低さ」の原因 メーカーの「ちょっとした改善」で勝負が決まる仕組みの落とし穴
2025.02.05
「納得しないと動けない部下」を変える3つのステップとは マネージャーの悩みを解消する会話のテクニック
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由