2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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「財テク」ってあるよね。株とか不動産投資とか、いろいろあるじゃない。
さっきみたいなものじゃなくて、これはもっと巷にあふれてる話だよ。証券会社や不動産屋を使っての投資。
財テクなら、けっこう考えている人もいるかもしれないよね。これで騙されたという人はあまりいないと思うんだよね。じゃあ、この投資ってやつが、実際儲かるかどうかという話。
まずは株について。デイトレーダーとか毎日マメに売買してる人もいるけど、これはまったく別の世界だからオレもよく分からない。だから今回は一般的な株式投資についてね。
株の世界では「女、子どもが株を始めたら逃げろ」って言われることがある。要は「素人が株を買い始めたら売れ」ってこと。
俺が1年くらい前に見たテレビで「今、投資セミナーに人々が殺到してます。お年寄りや若い女性など、一般の人たちが参加しています」とやってた。
大きな会場で、「今、株が上がっているので投資の時期です。投資はこういうふうにやりましょう!」みたいな説明会をやるわけよ。
でも普通ね、みんなが上がってるなと思ってる頃というのは、もう終わりのときだからね(笑)。そこが一番高いときだと思ったほうがいいよ。
昔から株価なんてものは上がったり下がったりしてると思うけれども、アベノミクスとかで右肩上がりのときに、身近な人が「俺、ちょっと株で儲けちゃった」とか「たまたま買ったのがこんなに上がった」とか、そんな話を聞くじゃない。
それで、今までやったことのない人たちが「そんなら俺もやろうかな」と思って、ちょっと勉強しようかなと、別にたいした勉強もしてないんだけどね(笑)。
本読んだり投資セミナーとか行って、勧められた株を買うっていうのは、よくある話だよね。
ちなみに、オススメ株なんてどの程度オススメかといえば、勧めてる人たちが自分では買わない程度のオススメだからね。
通常そういった一般の人が買おうってときは、過去の価格より高いときが多いよね。すでに出遅れてるわけ。
もし、(お茶を指して)この価値が過去は100円だとして、110円、120円と上がっているとき、その先も130円、140円になるように思うかもしれないけど、別に日本の会社が最近、いきなり儲かりだしたってわけじゃないからね。
そもそも会社の価値っていうのは、いろんな見方があるんだけど、例えば年間1億円稼いでいる会社があったら、ざっくりと20倍の20億円の価値があるんじゃないかという考え方がある。これをPER20倍っていうんだけどね。
というのは、20億円で会社を買って、毎年1億円の利益が貰えたとしたら、年利5%になるじゃない。配当か資産かはともかく、それくらい貰えたら、まあ文句ないよって考え方。
仮にそのへんが目安だとしようか。利益1億の会社が20億の価値というのが、正しいとしたときに、この株価が40億、60億の株価になるのはどんなときかと言うと、「1億の利益が来年には、2億、3億と伸びるんじゃないか」と思うときなのよ。みんながそう期待したときに上がっていく。
でも実際、今は1億の利益しかないわけ。将来どうなるかはわからないけど、「上がるんじゃないかな?」とみんなが思っただけで高くなる。逆に「この会社は先ないなぁ」と思われたら、10億になっちゃうこともあるね。
もう1つの目安は、この会社を潰して財産を売っぱらったときに、いくらになるかという価値。
不動産や現金などの資産から、借金とかの負債を引いた、純資産というやつ。これと同等以上の価値は最低あるんじゃないかという考え方。これをPBR1倍っていうんだけどね。
たまに業績が悪くて、株価がこのPBR1倍を割り込む会社があるんだけど、そんなときはハゲタカファンドに狙われたりすることもあるかな。
でも一般の人は、PERとかPBRとか面倒なものは見ない。「スマホの時代だからITの株買おうかな」とか「オリンピックが来るから不動産屋の株だね」とか、そんな考え方で買う人がほとんどだよね。でもそんなみんな知ってる情報なんてすでに株価に織り込まれてるからね。
あとは、単にチャートグラフを見て、「右上がりだから買う」とか、「前より下がって割安だから買う」みたいな感じで買ったり売ったりする人が多いわけよ。そもそも何を基準に割安と言ってるのかってことよ。
中国でも株ブームのニュースをやってたけど、買ってる会社がなにをやってるかも知らない人もいるよね。数字の語呂合わせとか、占いとか、もうなんでもござれよ。
そんなときにプロの投資家たちは、冷静に分析して売りに入るわけよ。それでも一般の人たちが多いときは、まだ伸びてるんだけど、ある日、突然どっかのタイミングで、みんなが真っ直ぐに伸びると思ってるグラフが下に折れ始めて、ワチャー!となるわけ。
みんなの中で、会社の業績とかPLとかBSとか見れる人いる? 手挙げてみて。損益計算書とか貸借対照表とかがだいたい理解できる人?
……あまりいないね。つまり、そういったものが見れない人は株なんか買っちゃダメってこと。見れたからといって勝てるもんじゃないけど、会社の業績くらいわからないと投資にはならない。ただの丁半博打だよね。
昔に比べて安いとはいえ証券会社の手数料はかかるし、会社のことを一生懸命調べて稼いでるプロはたくさんいるのよ。素人が一夜漬けで勉強して勝てるもんじゃないよね。
さらに言えば、株の世界にはインサイダー情報がある。「インサイダー取引」を知ってる人、手を挙げてみて。
……さすがに聞いたことはあるよね。インサイダー取引というのは犯罪だから当然アウトなんだけど、会社の周りには近いからこそ手に入る「身近な情報」がいっぱいあるんだよ。
株取引というのは、一見すごい巨大市場に見えるけど、実は、1つひとつの会社の株価の集合なのよ。日経平均っていう買い方もあるけど、普通は会社ごとの売買なんだ。だから会社ごとに会社の将来を占う、いろんな情報がある。
例えば、うちの会社が上場してたとしようか。毎回この勉強会に出てたら、だんだんオレがボケてきたとする。元気もなくなって、言ってることも支離滅裂になってきたとする。「みなのもの世界征服じゃー!」とかね(笑)。
君たちがその状況見たら、「この会社やばいんじゃない?」って思うよね。そんなときに友達から「おまえの会社調子良さそうだな。株買おうかな」とか言われたら、「いや〜お勧めできないなぁ」とか言わない? それでその友達は損を間逃れたわけよ。「買わないで得した」ってのは別に犯罪にならないよね。これも「身近な情報」だよ。
喫煙所でタバコ吸ってたら、隣の上場会社の社員が「最近、上が揉めててさ〜」とか、エレベーターで「今年はボーナス期待できそう」とか小耳に挟むこともあるよね。
自分たちが取引している会社とかでも、「おもしろいゲーム作ってるな」とか、「取引額が減ってきたな」とか、いろんな情報があるよね。どんどん人が辞めてる会社とか、広告費が増えてる会社とか、具体的な業績がわからなくても、なんとなく勢いとかわかるんじゃない?
要は、それも情報なんだよね。アウトサイダー情報かもしれないけど(笑)。
法的にアウトな情報もあればセーフな情報もあるだろうけど、その情報を持ってる人がいることは間違いないよね。来月に上がる下がるって情報じゃなくても、会社の先行きが暗いか明るいかは、遠くにいる人よりわかりやすいじゃない。
だから、自分がその会社に近くにいるとか、その業界に詳しいかとかはすごく有利なわけ。俺なんかは最近、上場会社の社長とかと知り合うことも多くなって、近すぎてヤバいから買えなくなっちゃったけどね(笑)。
つまり、そんな情報がアッチコッチにある中で、ニュースとかでの情報は、遅すぎてあまり役に立たないんだ。
そんなもの見るくらいなら、店の客数でも数えて外食会社の株を買ったり、アプリのトップセールランキングを見て、ゲーム会社の株でも買ったほうがいいよね。おもしろいゲームを見つけたら、魔法石を買わないで株買ったほうが得だよ(笑)。
それで言うと、株に比べると「身近な情報」が少ないなと思うのは、FX。ないわけじゃないと思うけど、いろんな要因がありすぎてなかなか難しいと思う。
これは市場が大きすぎて、さっきみたいな1つの会社の情報というよりも、なにがどう反応するかよくわからないわけよ。
アメリカ大統領がなにか言ったら上がるとか、日本で震災が起きたら下がるとか、いろんな要因があるじゃない。
天気予報並みにわからないから、プロと素人の差が出にくい。でもFXっていうのは、会社の株のように成長する可能性がまったくない世界だから、完全に利益の奪い合い。投資っていうのとはちょっと違うかもね。
そもそも「投資だ! リスク回避だ!」っていうのなら、株でもFXでもレバレッジをかけたり、マメに売り買いしてちゃいけない。
自分の身近で伸びそうだと思う会社の株を長く持つか、ドルやユーロをいくらか買って置いとくのがいいんじゃない。それでも売買を楽しみたいっていうんなら、無理のない範囲でほどほどにね。まぁ、俺が言うのもなんなんだけどね(笑)。
じゃあ最後は、君たちが将来、「家は買ったほうが得なのか?」っていう話をしようかな。
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